2007年 12月
“未"
今年をあらわす一文字が流行っている。
どこかのお寺では「偽」と表現した。毎度のことだが、特に今年は目立ったということか。それも、分かりやすい食品関係に続出した。
赤福、御福などは古くからのお伊勢詣りという信心の場を汚した偽装とも言え、他にない神の領域を商売の場としている土産物屋は、それを決して忘れてはならない。船場吉兆は看板の老舗を悪用した商法で金儲けに走った。専務の母親は腰が折れるほどお辞儀をしていたが、詫び言葉を息子に小声で教えている姿は、謝るにほど遠い心根がのぞいて、哀れでさへあった。先代の思いを伝えるプロンプトだったらば救いはあったものの、ゴマカシ、言い逃れの伝授とは呆れたものである。
政治や行政の「偽」は言うまでもないので省くとして、我々人間の地球への偽は、そのまま自分たちの破滅をあらわしており、地球儀が“地球を偽る”地球偽になっている。洒落にもなんねーな。
今までも「今年の一文字」は毎年あったことで、これからもあり得るものだ。そこで敢えてわたしが一文字で言うなら「未」だと思う。
『事のいまだ終了しないことを表わす語(広辞苑)』というように、すべてが未熟だった。政治のトップは未熟な二世議員の未熟な首相の未熟な目。公僕としてよりも、働く人間として未熟な犯罪者といえる年金横領、不作為、ゴマカシ役人がいる社保庁は未官僚のトップ。どちらも未詳だらけだ。
世界を俯瞰するとなると、多分「未」の雲に覆われて、地上が見えない事になっているのではないかと思う。「未」は永遠のテーマかも知れない。
わたし個人としては、さほどの病いもなく収入もなく、賞金稼ぎは最低で小遣いに四苦八苦したことからの反省として、来年こそはと67才にして決意している。
しかし今聞いたことも忘れてしまったり、覚えていた顔の名前がどんどん消えたり、なにしに来たのか覚えていなかったりと、記憶との戦いが次第に熾烈になってきている。少なくとも湧いてきたイメージだけはメモして守らないと、存在価値さへ危ういというのが実感だ。
なんとしてでも、自分の“未”来は自分で創らなければと、自戒を込めて来年に向き合おう。
などと、らしくない。やっぱ、もっとフザケなくっちゃと、傍らでは悪魔がささやいている年末なのだ。
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登録日:2007年 12月 17日 17:12:42
夫唱するから婦随?
〈日々是休日〉のダラダラした時間を過ごしている。ダラダラをどう解釈するかは中身に関わってくる。
日に一度も外出しないと、わたしの中では無為の一つの条件になる。外に出たからどうというわけではないが、体質として家にこもることに罪悪感を感じてしまう。ただの出たがりなのかもしれない。一日家で過ごして小難しい本を読み、なにかを会得すれば満ち足りたことになるのだろうが、30分でも外出して田んぼの脇で冬眠前の蛙をほじくる方が、わたしには面白い。動きが鈍くなったツチガエルをひっくり返して、「おまえはいつ見てもきたねぇなぁ」といちゃもんをつけると、ヌターと起きあがりながら、「てめぇの面も似たようなもんだぜぃ」と、蛙が言い返してくる。
ひと冬を同じ土色の中で過ごし、春を待ってまたケロケロキャッキャッと♂♀たわむれて寒天みたいな卵をつくるわけだ。ずっとそうしてきた。飽きるということがない。今の時期は背中の白一本ストライプは何故か切ない。
しかし外出が、ここ2,3日ままならない。カミさんがあまり動かなくなったのだ。先日までわたしが食欲不振でデレーとしていたが、その後、真似するかのような状態である。
布団に入って2時間ほど経った頃だから午前0時から始まった。
ドタンとベッドから足を下ろす音、あわててトイレへ向かうドタドタドタ・・・、ドアを開け閉めバタン。「ウッ!げーげーげー、カッカッ」と吐く音。これが1時間おきに朝まで続いた。
最近はビールも飲まず、特におかしなものを食べてもいないので、ふたりで「どうしたんだろう、どうしてだろう」を繰り返すばかりだった。
嘔吐と寝不足で動ける状態ではなく、落ち着いたら病院へ行くと決めた後は、コタツに入ってぐったりしていたが、やはりトイレ行きは続いた。ほんの少し治ったと思ったら今度は下痢だと言いだした。これはちょっとヤバイと病院を勧めたが、今のままではきつくて駄目というので、とにかく小康を待つことにした。
二人とも食べる気がしない。
食欲が無くなるという現象は面白い。本当に喰いたくなくなる。空腹感がないから喰いたくない簡単な図式だが、これが理解できない。あたり前だが分からない。具合が悪くなるとはそういうことなのかなと、互いの青ビョウタンみたいな顔を合わせて、午後を過ごした。
わたしは今日はかなり快復し朝飯を摂ったが、嘔吐下痢は止まったものの、カミさんは粥を少し口にしただけで、げんなりしている。昨夜はよく寝たようなので心配なかろうと、様子を見ることにした。
フランス人は「食べるほど食欲がでる」と言ったそうで、馬鹿なわたしは、食べることに精通している国民だから間違いなかろうと、あれやこれや買い込んで食べさそうとした。やわらかで甘味があれば良いかなと、よもぎ皮のアンパン、カステラ、プリンにうどん。カミさんは見ただけで“マァー!”と呆れていた。少しでも食べれば喰えるようになるんだからと勧めて、やっとゼリーを食べた。しかしフランスの言葉はどうも引っかかる。理屈に合っているようでおかしい。
彼らは「よい夕食は必ず空腹によって始まる」とも言っているからだ。空腹は最上の調味料か。調べてみると前言は「手に入れると、もっと欲しくなる」の例えらしい。腹の調子が悪いときの話ではなかった。
夕方になって、少しずつ日常の家事をするようになったので安心はしたが、以前にも似たことがあった。
わたしが風邪を引くと、その後すぐゴホンゴホンし出すし、転けると転ぶ。腹を痛くすると「あら、あたしも」と言う。あんまり真似て欲しくない。おれはもう治ったから明日にはメシつくってくれよてな心境だ。
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登録日:2007年 12月 12日 18:56:21
食欲がない
やっと冬らしくなってきた。
今まで60数年付き合ってきた季節の替わり目に、ここ数年違和感があった。環境や時代の変化が原因だろうが、春と秋の存在があやふやで、自分の季節サイクルと微妙に食い違う。人間が壊しつつあるにもかかわらず文句を言うー申し訳ないことである。
ここ2日ばかり食欲がない。わたしには珍しいことで、食い物に〈意地汚い〉のが信条でもあるのに、目の前のウナギ(中国産だが)にも新発売のカップ麺にも食指の小指も動かない状態なのだ。
微熱と飽満感がある以外はいつもの胸痛くらいでこれといった症状もなく、メタボっ腹には都合がいいとほっといたらカミさんにばれてしまった。昨日一昨日と昼に雑炊一杯では当たり前で、早速検査に行けと言いだした。「分かった」といい返事をしたには訳がある。ちょうど今日が通院先の検査日だったことと、食欲がなくて朝飯を意識して抜かす必要がないからだ。検査でなにが嫌というと、絶食である。喰う動作を欠かすことに病的な恐怖がある。元をたどれば欠食が重なった子供の頃に起因するのではないか。
生きるに不可欠な食べる動作が呼吸と同じ次元に並んでしまって、そのまま今に至った感じがする。「なにかいま喰っておかなければ無くなってしまう」想いが、喰い意地の汚さにつながり、ちょっとしたきっかけで現世の餓鬼道に陥っても不思議ではない。
時々冬ごもりするリスを羨ましく思ったりする。越冬に備えてせっせとドングリなどの木の実を巣に蓄え、寝床のまわりを餌だらけにして、かじっては眠り、起きてはかじり、ピューピュー吹きすさぶ外もなんのそのだ。
食欲はないが、睡眠時間は増えた。
今までは5-6時間だったが、この二晩8時間を越える。それも目覚めるまで熟睡で、寝覚めも悪くない。自覚はないが、疲れているのかも知れない。意識できないストレスなど信じない。それに、確かに目は酷使しているが、運動はストレッチ以外していない。だがよく眠れる。メシも喰わないが眠れるとはちょっと不気味である。
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登録日:2007年 12月 10日 09:57:37
古神

「この世界は13バクトゥンが
完了する日に滅び去るだろう」
と予言した
1バクトゥンは14万4000日
《この世界は西暦2012年12月21日の金曜日に滅び去るだろう》
遠くを見ながら
陽を浴び雲を被り
小さな像は
『チラム・バラムの聖なる予言』に従い
白人のアメリカ大陸到来を予言した
だから
13バクトゥンを信じて
マヤは周期の意味だとするなら
冷たい風に吹かれながら
古神になぞらえた置物を
拝んでみよう
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登録日:2007年 12月 05日 04:54:44
さかなになったぼく
汗をかかないのは
寒いといって暖まろうと
泳ぎまくる魚だ
冬になって水温が落ち
体力を保つために
じっとそこに沈んで動かない魚
泳ぎまくって体を暖めようとしても
体温は上がらず消耗するばかり
陸に棲む人間は
オイチニオイチニと
冬の公園で体操すれば
白い息とともに
タオルを使うくらい汗をかいて
体が暖まって元気になって
「行くぞー」と駆けだしてしまう
いくら動いても
魚は暖まらない
今のぼくは魚になっている
体ではなく
気持が汗をかかなくなった
気持が大車輪しても
気持が全力で百メートル走っても
あったかくならないし
汗もかかないし
疲れてしょぼんとなって
気持だけ水の中に置いて
澱みを泳いでいる魚になった
汗腺はあっても
汗をかかない魚になった
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登録日:2007年 12月 01日 16:55:50
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