「微笑の国」はもはや幻想だろうか


 ニュースでも刻々とタイの現状が報道されている。心が痛むし、いったい何をやっているのかと、他国のことながら、怒りも覚える。

 何度か訪ねたが、親日的で、誰もが優しく接してくれた思い出がある。それにも関わらず、実は,この国はかなり血生臭い歴史をもっている。政府が思うにまかせず統治できないと、軍がクーデターを起こす。1992年の5月流血革命では多くの若者達が生命を落とした。今回の事態を軍はどのように見ているのだろうか。

 タイは「微笑の国」といわれるが、幻想だったのかもしれない。彼らの微笑の裏側には、この国の抱える固有の矛盾への諦念がある。その諦念の根源はどこにあるのだろうか。

 国名はタイ王国、政治体制は立憲君主制、国王は、平時、象徴的な存在だが、政治的な危機に際しては、仲介者として登場する。他国のことであり、声高にはいいにくい面もあるが、このような政治体制自体が経済発展が進む中で,特に都市部では主流を占めるようになった中流層の意識と乖離し始めているのではないか。

 余りにも強すぎる国王と王室への敬慕と忠誠が一種のタブーとして、彼らの微笑の裏側にある諦念と深く結びついているとしたら... 。今回の事態は、その終わりの始まりかもしれない。

カテゴリー[ 国際政治 ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2010年 05月 14日 18:13:21

コメント

 タイの現政権は、天安門の悲劇をまた繰り返すつもりです。
 民主主義を求める国民に、軍隊が銃を向ける。
 民主主義の守り手であるはずのジャーナリズムにも銃を向ける。
 許されてはならないことです。
 タイは、もはや民主主義国家ではありません。

 国際社会は、制裁を与えるべきと思います。
 私は、個人的に、現政権が退陣するまで、タイ製品の不買運動をやります。

追伸 タイの状況が大変なことになっていたのに、どうしても片付けなくてはいけない用事が、どうしても片付かず、今頃書き込みしていること、本当に申し訳なく思っております。

 亡くなられた方々のご冥福を祈ります。怪我をなさった方々のご回復を祈ります。
 遅くなって、すいませんでした。

通りすがりです @ 2010年 05月 15日 15:44:18

コメント感謝します。あまり大声=公にはいえませんし、結局は、タイの国民が決めることなのですが、個人的には、どうしても、今の王政という政治制度、社会のあり方に根本的な問題があるように思ってしまいます。ここはとても微妙なところですが....。ただ、いずれにしろ、市内で双方が銃撃戦を展開する。タイには何度も行きましたが、そんな暴力を内包していたのかと、改めて困惑しています。

kazu @ 2010年 05月 21日 11:43:55

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樋口一希(Kazuki Higuchi)
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