2012年 02月

オバマには余裕も見えてきた


 ロムニーはミシガン州で生まれ、かつて父親が知事を務めた。そんな自分の庭のようなところだから圧勝しなければならないのに、当初は泡沫候補とも見られていたサントラムに追い上げられ、3%の僅差でようやく勝利した。

 さらにここにきてロムニーに逆風が吹いているのは、かつて財政的な支援に反対した自動車業界が急速に業績を改善し、オバマの経済政策への批判が空振り気味なことだ。

 サントラムは宗教的倫理観を強調しすぎる。当然のように中絶反対、同性婚などは認められない。ロムニーは共和党の保守主流からはリベラル寄りすぎるし、今の時代的な雰囲気からは、そのリベラルも中途半端すぎる。要は、消去法で、オバマ再選という目が出てきてしまったのだ。それなのに、共和党は、当分、予備選挙という候補者間の争いを続けざるを得ない。

 

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登録日:2012年 02月 29日 19:19:03

いつかきた道に入ったアサド政権


 事実かはさておき、権力継承を嫌った現アサド大統領だからこそ、英国にも留学し、西欧社会の自由な空気を吸ったからこそ、シリアは変わるチャンスがあったはずだ。

 権力者は、それを手に入れると、正しい歴史認識というものは持ち得ないのか。この選挙が出来レースなのは投票した多くの人達も気づいているだろう。それを打ち出したアサド大統領本人もだ。このような策動は彼への尊敬をなくし、益々、本音での離反を促進する。

 すでに体制側も反体制側も、ルビコンの川を渡った。いずれ何らかの事態の収束はあるだろうが、そこに残されるのは双方の深い憎悪だ。今、国際社会が現実的にできるのは、シリア国内からレバノンなどへ逃げられる回廊を速やかに作ることだ。

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登録日:2012年 02月 28日 21:35:35

ロシアの春は来るのか


 ソ連邦崩壊からエリチン時代を経て、プーチンはロシアの成長と安定に大きな役割を果たした。特にソ連邦崩壊の大きな混乱への恐怖が人々に深く刻まれており、そのトラウマからいぜんとして「ロシアの安定」を実現してくれるとの期待がプーチンに集まっている。

 一方で、下院選挙で明らかとなったように選挙の不正も見つかり、また行政の末端にまで腐敗が広がっている。現在、ロシアには政府系のテレビ、ラジオ局しかない。批判的な新聞社にはオーナーを恫喝するなど、とても民主主義とはいえない状況だ。

 民主主義よりは安定。かつての暗黒時代への恐れも理解できるが、終わりの始まりだとの恐れを一番、知っているのはプーチン本人かもしれない。

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登録日:2012年 02月 27日 19:41:06

記録することの意味を知っている


 昨日、シリアで取材中に二人のジャーナリストが死亡したと報じられた。何故、そこまでするのか。考えるにも今を伝えると共に、やはり起こっていることを記録したいとの強烈な思いがあるに違いない。

 いくつかのドキュメンタリーで、カンボジア特別法廷での高齢となったポル・ポト派の元幹部たちの証言を観たことがある。その多くは自らは政府の実務的な作業をしていただけであり、虐殺行為は知らなかったり、関わってもいないと語った。

 彼らの所業を証する人がすでにこの世にいないのだ。当時、プノンペンにあった悪名高いトゥール・スレーン収容所。その所長である所長カン・ケ・イウ被告は特別法廷の二審で最高刑の終身刑を言い渡たされた。記録に残るだけで1万数千人が虐殺された中で、ほんとの数人だけ生き残った中のある人物の証言が決定打となったという。

 さて、べッカー氏は「わたしは記憶に頼る必要はない。取材のメモがあり、録音がある。これは記者の有利な点だ」と語っている。残された記録への評価はあるだろうが、それが明らかにされた時、高齢の被告たちを震撼とさせるだろう。

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登録日:2012年 02月 24日 21:57:52

ジャーナリストとは名乗れないほどの衝撃


 CNNを観ていたら、この二人がホムスで死亡したと報じていた。左目に眼帯をしたメリー・コルビン氏。彼女のことはこのニュースまで知らなかったが、スリランカ内戦の取材の際に片目を負傷して眼帯姿となったそうだ。失礼ながら、この眼帯姿には驚いた。しかも女性である。何もそこまでしなくともという思い自体が、もう蒙昧なのだろう。

 どのようにしてシリアのホムスまで潜入できたのかもわからない。その道のベテランだからルートを自ら切り開いたのだろう。それにしても、やはりそこまでしなくともと思う。もうそんな言葉は彼らに失礼だろう。彼らのような存在があるから、独裁的な権力の峻烈な弾圧が白日のもとに晒される。ジャーナリストとは何か。欧米ではその存在自体が優れて認知されている背景がよくわかる。

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登録日:2012年 02月 23日 18:38:48

シリアはどこに行くのか


 日本のメディアからはシリア国内の詳しい情報は得られない。一方でCNNではどのようにして入国したのかもわからないほど困難だったに違いないのに、ホムス潜入レポートが報じられている。戦車や装甲車が入り回っているのが隠し撮りされている。ローラー作戦で治安部隊が反体制派を探しまわっており、拷問受けて殺害され、戻された男性の写真も報じられた。国外からは停戦への期待があるが、ここまでやられたら反体制派も行き着くところまで行かざるを得ないだろう。

 アサド大統領の一派は宗教的には少数派であり、政権崩壊が起これば報復されるとの恐怖や一時あった自由化の動きで形成された富裕層などが体制維持を望んでいる。それでも理解しにくいことがある。国内のインフラを反体制派鎮圧のために破壊し尽くしてどうなるのか。それもすでに承知の上のようだ。

 現大統領は権力継承は望まず、イギリスに留学し、眼科医を目指したそうだ。ところが長兄が交通事故で死去し、お鉢が回ってきた。実父の前アサド大統領は国内反対派への徹底的な弾圧で政権を維持した。開明的だと評された現大統領の思いとは別に、現状では、その実父の統治手法を引く継いでいる。そして、永年にわたる現政権との関わりの中で利権を維持したいロシアや中国の存在もあり、シリア情勢はリビアとエジプトのようにはいかないようだ。

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登録日:2012年 02月 22日 21:22:45

国家とは何かも考えさせられる


 ギリシャ支援の枠組み作りに関わったEU各国の「多大な努力」を国際通貨基金のラガルド専務理事が評価したとの報道だ。随分と上から目線だ。ギリシャが壊れれば、自国にも多大な影響がある。だから助けなければならない。結局は、自国の利益のためだ。

 それにしても約24兆2000億円の支援をしても、ギリシャは、債務を国内総生産比で現在の約160%から2020年までに120%にするという目標を設定された。オランダのデヤーヘル財務相が主張しているのは欧州連合と国際通貨基金によるギリシャの歳入と歳出を「永続的に」管理すること。もはやギリシャは財政的には独立した国家の体裁を保てていないのではないか。

 CNNではギリシャ国民が同国人によるコミュニティのある南アに移住していると報じた。人々はやすやすと国境は超えられないが、資本はやすやすと国境を超えていく。それはEUの理念とも相まってユーロは一時、力を持った。そして、すでにギリシャはさまざまな「境界線」を失ったに違いない。

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登録日:2012年 02月 21日 22:07:59

プーチンの抱えた矛盾


 プーチンは大統領になるようだ。それでも当初のような圧倒的な支持はない・ここに彼の矛盾がある。今、彼に反旗を翻している人々は、プーチンの「ロシアの安定」の恩恵を受け、中間層を形成した人々だ。それを彼らが一番、わかっているのだが、それにも関わらず、もうプーチンの旧態依然たるスタイルが嫌なのだ。こうして権力の座にある政治家は、民衆と時代の進化に追い越されていく。

 クーデターの後、モスクワに戻ったゴルバチョフが現況を把握できず、頓珍漢な対応を示したように、末期のエリチンが酒のせいだけとは考えられない醜態を晒したように、どこかプーチンもキッチュになりつつある。クレバーな彼のことだ。もう気がついているだろうに、それでも歩みは止められない。そして彼との離反が生き残りの唯一の方法だったメドベージェフの命運もつきたのかも知れない。やがて新しいヒーローは生まれるのか。それを待ちたい。

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登録日:2012年 02月 20日 23:01:49

内包された暴力はどこへ向かうのか


 カダフィがいなくなったリビア。寄り合い所帯の国民評議は大丈夫なのか。それもリビアの人々の問題となったわけだ。さまざまな課題を抱えながら、自らが自らの行く末を決定できる。それこそが民衆蜂起の果実だ。

 アラブの文化は遠い存在だ。触れる機会もなかった。一面で誤解があるかもしれないが、強い違和感を持つのが一種の男性原理と暴力的な所作だ。エジプトやチュニジアと異なり、リビアは内戦となった。その際に、部族単位で武器の使用に修練した民衆が蜂起の主力となった。致し方なかったのかも知れないが、そこでも人々と社会に内包された暴力がどこに向かうのかが気がかりである。

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登録日:2012年 02月 17日 21:14:41

「ウォール街を占拠せよ」グループの主張は政策面で整合するのか


 各地で吹き荒れた米国の現況への異議申し立て運動は、かつての勢いを失ったと報道されるが、今回のニュースを読むと、一面でバラバラだった主張が政策面で整合性を示しつつあるのかもしれない。

 ハーバードなどを卒業し、ウォール街の一流企業に入社した人々もリーマンショック以来の経済の低迷で次々と職を失った。そんな彼らの中には、決して資本制そのものに異議申し立てをしているのではない者もあるのだろう。今回、これまで培った金融的な知識も用いて、ボルカールールの厳格な施行を要求した。その際に彼らの主張が最も顕著に現れているのが、「ボルカールールが施行されれば金融市場の流動性が減少しかねない」との見解への反対論だ。

 民主主義の原点、ひとつの表現として街頭に出る。この国では久しく現出しないことだが、このところアラブ社会やEU、そして米国でも異議申立ての手段として頻繁に用いられるようになった。そして、このように彼らの主張が政策面で整合することで、特に米国では、再選を目指すオバマ政権にも影響を与えるだろう。

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登録日:2012年 02月 16日 17:03:55

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プロフィール
Kazu
(男)
1951年04月01日
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樋口一希(Kazuki Higuchi)
建築ジャーナリスト・ライター・エディター
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