ヒラリー勝利の背景

<08米大統領選挙>米NH州予備選、民主党はクリントン氏、共和党はマケイン氏が勝利

【1月9日 AFP】(一部更新、写真追加)米大統領選挙の指名候補を選ぶ民主党の予備選挙が8日、ニューハンプシャー(New Hampshire)州で実施され、前大統領夫人のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員がバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員に僅差で勝利した。
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(c)AFP

AFPBB News


 まだ先は長いだろうが、必死の追い上げでヒラリーはオバマに勝った。背景には何があるのか。

 追いつめられた焦燥の中で、彼女は涙した。CNNでのインタビューで「私にも感情はあるのよ」と応えていた。これまで彼女は数多くの誹謗中朝に晒されてきた。それには毅然と対峙していたが、今回ばかりは違ったようだ。

 人間らしさを感じた、自分自身を誠実に語ったとメディアでも概ね、好印象をもたれている。

 オバマは余裕を持ち過ぎたのかもしれない。ヒラリーが涙したのを聞かれると、「選挙戦で疲れているので」はと勝ち誇ったように語っていた。口が滑ったに違いない。

 ブッシュはサブプライム問題で中産階級が苦しんでいるのに、「経済のファンダメンタルズはしっかりしている」と的はずれな言葉を残して中東へ旅立った。ダブルスタンダードをそのままにしての中東歴訪では成果は期待できないだろう。米国民にとって今、大統領は、ずっと不在でいてくれた方がありがたいのだ。

 そんな間隙を縫って、ヒラリーの涙は、政治的に白けていたベビーブーマーを予備選の場に引き戻したのかもしれない。彼女は確かにワシントンのインサイダーだ。それでもあのスキャンダルを起こした「我らの大統領(クリントン)」とまだ一緒に闘っているではないか。米国のベビーブーマーは、まだクリントンが好きなのだ。

 彼女の選挙運動風景も変わってきた。集会の背後に若者たちの姿も増えている。若者たちにとっても、ヒラリーは、切れ者のキャリアウーマン、権力志向の強い嫌みな女から、アポなしでもやってきてくれる普通のおばさんになったのかもしれない。

 オバマへ投票した若い女性が応えていた。「彼は革命的だから好き」。オバマの支持者にとっては、意識として、すでに「変革」ではなく、ワシントンとブッシュに対する「革命」なのだろう。

 予備選は続き、民主党内での権力闘争も激しくなるだろう。それでも淡い期待もある。ヒラリーがワシントンのインサイダーでも、彼女の「経験」と「変革」とオバマの「革命」が融合した時、よやくブッシュの不在が埋められ、米国は次のステージを迎えるのではないか。

 翻って、この国の党首討論は、気の抜けたサイダーのようだった。米国民としての選挙権はないが、各国毎に抽選で投票権を提供することはできないだろうか。この選挙の結果は、それだけ強い影響を持つのだから....。

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登録日:2008年 01月 09日 19:04:24

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Kazu
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1951年04月01日
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樋口一希(Kazuki Higuchi)
建築ジャーナリスト・ライター・エディター
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