いまだ払拭されていない旧東独秘密警察シュタージの記憶
【4月18日 AFP】旧東ドイツの秘密警察シュタージ(Stasi)の将校と恋に落ちる政治犯を描き16日に放映されたテレビドラマに対し、賛否両論の声があがっている。
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(c)AFP
ニュースで紹介された「善き人のためのソナタ」は心揺さぶられる作品だった。テレビドラマは見ていないので推測の域を出ないが、同様のテーマを扱っていると考えられるのに、このテレビドラマに非難が集まっているのは何故なのだろうか。
非難声明には「檻の中で過ごした時間は人生最悪のときだった。拷問を繰り返す秘密警察に愛情を感じる人などいなかった」とある。
そんな現実の中で、政治犯とシュタージの将校との間に生まれた恋愛を描くなど不遜だという思いだろうか。
それらを紐解くのはとても難しい。
こう考えてみた。人はそれぞれ必然の穴に落ち込むようにして生きている。その必然の穴は善悪を超えることもある。シュタージとなった側は、旧東独の体制を信じ、その理念の元に、役割を果たしていた。政治犯の側は、その体制に異議を申し立てた。全く異なる立場だが、それぞれが他とは代かえできない必然を生きていた。自由な意思は善悪を超えて選択するからだ。
このニュースの指し示している課題はその先にある。どのような苛酷な環境下にあっても、それぞれが人間的な感情を持ち、現実の中で生きている。
時に、お互いに相寄り添いたいとの思いは、そんな立場の異なる必然を超え、近づき合う。ベルリンの壁は、当初、人の思想の中に生まれ、それが実体の壁として現出した。旧東独体制が崩壊する前に、相寄り添いたいとの思いをもった二人の間では、すでにベルリンの壁は崩壊していたのではないだろうか。
推測するに、語られていないだけで、同じような事例は他にもあったのではないか。そして、それでも、「拷問を繰り返す秘密警察に愛情を感じる人などいなかった」との非難声明も重い。それだけ、旧東独の体制と秘密警察シュタージが残した傷は深い。
▼「善き人のためのソナタ」レビュー
http://www.archinet-japan.or.jp/movie/screen/das_leben/index.html
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登録日:2008年 04月 18日 19:07:34
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