民衆の鬱積した不満に中国政府はどのように対応するのか

中国貴州省で数千人規模の暴動、少女の検視をめぐり住民の怒りが爆発

【6月29日 AFP】(写真追加、一部更新)中国南西部の貴州(Guizhou)省甕安(Wengan)県で28日、1人の少女の死について現地警察が発表した検視結果に住民の怒りが爆発、数千人規模の暴動が発生する騒ぎが起きた。
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(c)AFP

AFPBB News


 地震被害のニュースは沈静化してしまった。我が国のニュース番組でもあまり報道されなくなった。手抜き工事によると思われる教育施設の倒壊。一人っ子政策の中で、大切な子どもを失った親たちの怒りは消えていないだろう。そして、今回の暴動のニュースだ。

 スタート前の黙祷は儀式化し、聖火リレーは淡々と中国国内を通過している。すでに中国国内はオリンピックモードに入った。今回のオリンピックでは、国家的な威信が試されているし、これを機会に、かつての我が国のように、より一層の経済発展へと向かいたいと考えていよう。

 一方で懸念もある。都市部のような経済的な発展の恩恵を受けられない地方・農村部にはオリンピック中継さえ観られないところもある。そして皮肉なことに、北京の開発を支えているのは、そんな地方・農村部から出稼ぎにやってきた人たちだ。

 中国政府・共産党が社会主義の理念を固持するといっても、すでに実体的には中国社会は資本性社会へ移行したといえる。そして中国政府・共産党は、社会主義の理念とは相容れない資本性社会からの巨大な利益を分配する機構へと変身した。問題は、その分配にあずかれない地方・農村部への対応だ。

 経済的な発展、豊かさへの指向は、必ず政治、社会の民主化と連動する。民衆の不満に対して、豊かさへの指向を満足させつつ、政治、社会の民主化を斬新的にでも進めないと、彼らの不満は巨大なマグマとして、中国政府・共産党へ向かう可能性が大きい。

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登録日:2008年 06月 29日 17:08:25

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樋口一希(Kazuki Higuchi)
建築ジャーナリスト・ライター・エディター
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