永世中立国のスイスにも戦闘機を売りつける

戦闘機ラファール、スイスの空を舞う

【10月29日 AFP】スイス軍は現行の米ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)製F5E/F タイガーII(Tiger II)戦闘機の後継機の選定を進めており、フランス・ダッソー(Dassault)のラファール(Rafale)、英独など欧州4か国共同開発のユーロファイター・タイフーン(Eurofighter Typhoon)、スウェーデン・サーブ(Saab) のグリペン(Gripen)の3機種が候補にあがっている。
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(c)AFP

AFPBB News


 余り知られていないがスイスは軍隊をもっている。その軍事力が永世中立政策を補完していると考えている。国境を密に接するヨーロッパの歴史と現実が背景にあるのだろう。あれほど小さな国家で果たして空軍がいるのか。陸上で想定される戦闘を協力に支援するのが空軍力だから必要なのだろう。それこそ盾と矛。考えてしまう。

 このニュースを読み解く鍵は、そんなスイスの立場ではない。この国の「盾と矛」に対して戦闘機を売りつけようとする国家があることだ。再び、非常任理事国に選出されて、この国の政府は喜んでいる。安保理改革を進め、常任理事国入りを目指すのだという。限界を持ちつつ、国連には機能して欲しいが、忘れてはならないのは、常任理事国は全て武器輸出大国だということだ。それがこのニュースの鍵だ。

 暗然とせざるを得ないが、国連での常任理事国はまるでマッチ・ポンプのようだ。紛争の解決策を探りつつ、一方では、その当事者に対して、時には、敵対する双方に武器を売っている。永世中立との理念を軍事力で補完するのは、盾と矛を体現し、マッチ・ポンプ達を潤すだけだから、スイスは軍事力を放棄したらよいと思う。

 

カテゴリー[ 国際政治 ], コメント[6], トラックバック[0]
登録日:2008年 11月 01日 23:04:13

コメント

はじめまして、ZEROと申します。
ご存知かと思いますが、あえて付言しますれば、スイスは単に軍隊があるばかりではなく、徴兵制を敷く国民皆兵の重武装国家です。兵役を終えた者には銃と実包、軍服が支給され、いざというときに招集されるので、各戸には成人男子の数だけ国産の軍用自動小銃、いわゆる突撃銃があります。
 また各戸には耐核シェルター(防空壕)が備えられ、全人口以上を耐核シェルターに収容できる体制です。
 さらには、中立は、重武装であってこそ成り立つので、スイスが軍事力を放棄する事はありません
 スイスと同じ中立政策をとっていた頃のスゥエーデンはさらに徹底していて、兵器を輸入していては中立を保てないからと、戦闘機をも国産にし、輸出もしました。今回ラファールと同様スゥエーデンのグリペンが次期戦闘機に提案されているのもそのためです。
 勿論スゥエーデンも徴兵制を敷く国民皆兵制の重武装国です。
 
 Do I make myself clear?

ZERO @ 2008年 11月 03日 23:07:02

 ご指摘を感謝します。詳細までは知りませんが、スイスが徴兵制を採用しているのは知っていました。また、耐核シェルターのことも知っていました。スゥエーデンについてのご指摘も参考になりました。特に、自前で戦闘機を作っていることは知りませんでした。それても正直なところ、彼らが軍事力をもっていることの緊迫感は理解しにくいのです。

Kazu @ 2008年 11月 05日 00:16:27

 はじめまして、ニュースより参りました。
 スイスの場合は山中の小国がどれだけのコストを払って国を守ってきたかと言うことをあらわしてますね。
 ZEROさんのコメントとかぶりますが、私も少し書き残していきます。

 中世のスイスの主要産業は傭兵でしたし(最後まで逃亡しなかった事を由来とし、バチカンの衛兵はスイス人からなっています)、第二次世界大戦では連合枢軸両軍の領空侵犯機を迎撃、強制着陸させています。(核開発論争まであったそうです)
 スゥエーデンに関しては太平洋戦争中に米海軍が採用し、日本海軍機を叩き落としたボフォース社の40ミリ機関砲が有名ですし、同国の戦闘機メーカーは日本にも車を輸出しているサーブ社です。
 そういえばスェーデン海軍のステルス戦闘艦は米海軍がレンタルしてテストするほどの代物で・・・やはり、生き残る為には力が必要というのが悲しいかな現在の人間の世なのでしょうか?

矢乃崎 @ 2008年 11月 05日 20:26:40

 矢乃崎さん。コメントありがどうございます。う〜ん。これじゃ軍事大国じゃん.....。少し横合いから考えると、兵器って作る側からすると、一番、効率的?!ですよね。というのは、使わなくても(使われると困るのですが)、買ってもらえる不思議な商品。

 どうしてもわからないのは、誰も証明もしてくれないのは、この二つの国家の存立が、果たして、その軍事力に依拠しているのかです。

Kazu @ 2008年 11月 05日 22:19:31

 第2次大戦前、ベルギーは中立政策をとっていましたが、国防を怠りました。
 第2次大戦が勃発し、ベルギーはドイツ第3帝国のフランスへの進撃路とされ、文字通り蹂躙されました。

 通常、中立は、重武装でなければ成り立ちません。
 私としては「Q.E.D」と言いたいところです。

ZERO @ 2008年 11月 06日 01:16:08

またもやZEROさんとかぶりますんで別の事例を。

 朝鮮戦争ではあまりにも南北の戦力差(北は戦車・戦闘機を所有、南は装甲車まで)があったために北側の侵攻を招いた(国連が動く前に戦争が終わる戦争計画だった)という話もあります。
 韓国はアメリカの管理下でした。つまりは当時世界で一番強い国の同盟国であってもその状態によっては戦争に巻き込まれることを示しています。

 また、スイスでは現在も特定の国に依存することを避けるべく、農作物に補助金をかけ国民も意識的に国産のものを消費するという官民一体の行動を行っています(安くても他国産のものは売れないという徹底ぶりだそうです)

 中立には努力が必要ですね。やっぱり。 

矢乃崎 @ 2008年 11月 06日 20:45:20

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Kazu
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1951年04月01日
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樋口一希(Kazuki Higuchi)
建築ジャーナリスト・ライター・エディター
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