成長戦略

成長戦略を立てるとき、必要なのは戦略を裏付ける経済理論であって、決してターゲッティングポリシーではない。経験が教えるだけでも、第5世代コンピュータ、キャプテンシステム、ISDN等々、ターゲティングポリシーで成功した試しはない。民間なら経営者が総退陣せざるを得ないような大失敗も、中央省庁は責任を取らない。いつも責任の所在は有耶無耶にされる。

経済理論と経験が教える成長戦略の柱は、①規制緩和(競争政策=参入促進)、②教育投資、③貿易促進、である。
自民党政権下の時も(小泉・竹中時代を除く)、現民主党政権下でも、こういう見地に立つ成長戦略は構築されていない。
例えば、電波主権と言う考え方からの解放が如何に欧米経済の回復を支えたか。そもそも何故EUが通貨統合まで行ったのか。何故TPPなのか。中央政党は議論すらできないでいる。

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登録日:2010年 12月 06日 00:04:47

自ら首を絞める大阪府議会

以下は読売新聞。
 大阪府議会は1日、今後は本会議や委員会で、橋下徹知事が掲げる「大阪都構想」に関する質問を自粛することを決めた。都構想は府の政策ではなく、知事が答弁すれば地域政党「大阪維新の会」代表としての発言になってしまうため。長田義明議長は「議会の混乱を避けるため。質問制限ではない」としている。
 議会運営委員会の理事会で各会派が申し合わせた。これまでも、都構想をめぐる質疑中に議員から「なぜ維新の会の議論を知事が答弁するのか」と異議が出て委員会が中断する場面があった。
 府議会事務局によると、知事は提出議案や府政の課題の説明者という立場。議会内では「議員の質問権を制限すべきでない」との反対論もあったが、「統一地方選が迫り、議会が特定の政治団体の選挙運動の場になってしまう」などとして各会派が合意した。(12月1日)

この愚挙には憲法違反の疑いがあり、昨年、議会自らが制定した「大阪府議会基本条例」に明らかに抵触する。

憲法93条は「地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する」としている。議会とは知事部局等お役人が提出する議案に関し質疑質問を行うところと思われがちであり、そう錯覚している議員も多いのだが、実は、その議事内容に関しては規定がない。つまり、府議会は府と府民の皆さんに関係のあることなら何を議論しても良いのである。議論すべきところなのである。あるテーマについての議論を封殺することは、議事機関の議事内容に制限を設けるものであり、「住民の議会」からは遥かに遠くなってしまう。あの大阪市議会においてすら「大阪都構想」は議論されているではないか。

また、昨年制定した「大阪府議会基本条例」には、「議員は、府民の多様な意見を府政に適切に反映させるため、広く府域、府政の諸課題についての調査研究を行うこととし、必要に応じて知事等に対し、 資料の提出や説明を求めることができるものとする。」(第3条の2 議員の活動原則)という規定がある。

報じられている議会事務局の見解は正しい。それならば、何故、かかる議長発言となるのか解せない。自ら全会一致で定めた議会の根本原理を自らが否定する。そんな議会なら要らないと言われても仕方がない。

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登録日:2010年 12月 02日 22:31:17

民主党の分権改革

以下は毎日新聞。
臨財債:「埋蔵借金」34兆円 自治体名義、国が補てん
 交付税特別会計の仕分けでは、地方自治体の発行する赤字地方債「臨時財政対策債」(臨財債)残高が34.3兆円(10年度末推計)に達することが 「埋蔵借金」として問題になった。臨財債は自治体名義での借金だが、返済は利子も含めて国が翌年度以降の交付税で全額補てんする約束になっているためだ。
 特会が金融機関から直接借りている33.6兆円と合わせると、交付税を原資に返済せねばならない借金は約68兆円に及ぶ。仕分け人からは「実質 『隠れ借金』ではないのか」との懸念の声が相次いだ。
 臨財債は、交付税の財源である所得税、法人税収などの落ち込み分を賄うための特会の借金が膨らんだため、「地方名義で借金させれば、地方財政に規 律が働く」との論理で01年度に導入された。自治体は、総務省が認めた上限額まで臨財債を発行して財源不足を補う。11年度は合計で7.5兆円を上限とする見通し。
 仕分け人で元神奈川県逗子市長の長島一由衆院議員は「現場の財政担当者は、国に面倒を見てもらえると思っている。借金を(特会から臨財債に)付け 替える体質をリセットすべきだ」と指摘。判定は「抜本的見直し。より確実な償還を検討する」だった。
 一方、逢坂誠二総務政務官は記者団に「(臨財債発行は)国の財政状況の(厳しさの)裏返し。交付税特会だけ『早急に整理せよ』との議論はフェアで なく、税財政全体の中で答えを出すべきだ」と不満を見せた。

地方の立場から言えば、正しいのは逢坂・政務官だけである。
「埋蔵借金」として問題にした仕分け人たち(多くは国会議員だろう)は、その「埋蔵借金」を含む地方財政計画を自らの政府が策定し閣議決定していることをご存知ないのだろうか。自ら作っておいて自らおかしいと言う。こんな政党が「分権改革が1丁目1番地」等といっているのだから、開いた口が塞がらない。

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登録日:2010年 10月 30日 00:14:45

歪んだ公器と歪んだ公

6日の朝日新聞が「大阪市の分市案に関する大阪市の試算について」署名入り記事を掲載している。内容は、地域政党「大阪維新の会」代表が唱えた「分市案」に基づいて試算したところ「二つの『市』で税収過大となる一方、五つの『市』が税収不足などで財政破綻状態の財政再生団体に転落するとの結果になった」というものである。(因みに、「大阪維新の会」として、区域の分け方については何の言及もしていない。)

これほど大阪市の出鱈目さと、朝日新聞の堕落を物語るものはないので問題点を指摘しておきたい。

一番重要なのは、この試算がウソ(虚偽)である、ということである。そして、このウソを大阪市の誰が何の目的で捏造したか、ということである。
二番目に重要なのは、天下の朝日新聞記者が何の検証もなしに、この大本営発情報を署名入りで書いている、という事実である。

大阪市の誰が何の目的でかかる試算をしたのか。(出所は調査中)
行政目的がある正式文書ならその使途を問いたい。そうでないなら、地域政党「大阪維新の会」の政治活動に対する妨害、言論封殺としか考えられない。公が一政治団体の主張を新聞と言う公器を使って抹殺しようとする。まるで、敗戦前の日本と同じではないか。

入手した文書(パワーポイントを使って作成された資料2枚)の見出しは、「地方交付税だけで、格差解消は不可能!!」、「分割は財政再生団体への転落」となっている。昔の過激派のアジびらだ。これを見て役所の行政文書と思う人はいないだろう。
試算の出鱈目さは、①事業はこれまで通り続ける、②歳出は各区の人口に応じて配分、とする前提から始まる。前提にある大ウソは、①分割5市は最早政令市ではないのだから、国道管理等、政令市であるがゆえにやっている事業にかかる費用を差し引くべきところ、そうしていない、②4万人の職員という異常雇用を温存させることにしている。
また、地方交付税は基準財政需要額から基準財政収入額を引いたときにプラスになるとき、つまり、「出」より「入り」が少ないときに交付されるのだから、『市』がいきなり赤字になることはありえない。ましてや「夕張と同状態」には絶対にならない。そう断じた市幹部は、公務員法違反に問われる前に実名で根拠を説明すべきだろう。
大阪市のデマゴーグに堕した記者さんはこの大本営発表記事を最後に転勤されたと聞く。大阪市の広報部に転勤されたのであろうか。

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登録日:2010年 10月 07日 01:05:32

大阪維新と「One大阪」

大阪維新の会は何を目指しているのか等、講演を頼まれたり、質問されたりします。
以下は、そういう時のために用意しているレジュメです。

大阪維新と「One大阪」の考え方
(1)大阪維新の意義
--- 大阪再生のための住民運動
--- ビジョン作り(大阪都構想) + 共同実践(グレーター大阪)
― その“手段”として統治機構(行政、議会)のあり方を考える

(2)One大阪とは何か
― バラバラの大阪人の動きを束ねていくこと
― 分断された公共(市は市域、府は市域外という考え方)の回復
― 府市一体(広域行政の一元化)のもとでの成長戦略
     そしてセーフティネット(住民サービス)

(3)ビジョンと期待成果
― 一人当たり所得の向上と雇用確保
― サービス産業充実と内需拡大、規制緩和
― 東アジアの物流商流の中心としての外貨獲得(東のシンガポール)
― 西日本の首都、関西州の中心

(4)大阪人の暮らしはどう変わるのか
― ワースト指標への対策
― 根底にある教育・貧困の連鎖問題
― 中間層の強化策  

(5)関西州、国との関係について
― 大阪の再編・統合 → 関西州 → やっと国も変わる
― 大都市間の維新連携
― 大阪、そして関西は日本全体の改革の先行実施地域 

詳細については上山信一著「大阪維新」をお読みください。

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登録日:2010年 10月 05日 08:30:04

ガバナンス

ゲーム理論でいうプリンシパル-エージェント理論は政府と官僚組織の問題に応用される。プリンシパル(依頼人)は住民、政府であり、エージェント(代理人)が官僚組織である。どのようなインセンティブをエージェントに与えるとプリンシパルの利得が最大になるか。これがガバナンスルールである。
(その一つの例が、雇用主が雇用者に対し固定給にするか歩合給にするか等のインセンティブ契約)

政令市の場合を考えてみよう。プリンシパルは住民であり、エージェントは市役所(職員)である。ガバナンスルールは市民と市役所の間に当然成立しうる。しかし、市役所というエージェントは区役所に対してはプリンシパルになってしまうので、区民は区役所に対するガバナンスルールを確立できない。換言すると、納税先(市役所)とサービス提供主体(区役所)が異なる。これが大阪市の再編が必要な理由の一つである。
さらに事態を複雑にしているのが、住民団体で市役所・区役所のエージェントになっている団体があることだ。

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登録日:2010年 09月 29日 02:02:58

「大阪維新」

畏友、上山信一著「大阪維新」(角川SSC新書)の売行きが好調と聞く。かなり前から「大阪の改革」について語り合ってきた者にとっては嬉しい限りである。しかも、「大阪維新」は、私が嘗て問いかけたことに対し、遥かに広がりと奥行きをもった答えを本にして用意してくれた。結論、理由、方法に関して。
畏友の畏友たる所以である。

著者も述べているように「大阪の改革はもはや改革屋、学者として客観的かつ冷静に語れないテーマになっている」。だから改革の必要性を書いた、と。
私たちも著者と危機感と処方箋を共有している。だから「大阪維新の会」を立ち上げた。私たちの活動の源泉はこの本の中にある、と言ってよい。

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登録日:2010年 09月 21日 00:29:44

ガバナンス不在の大阪市

大阪維新の会・大阪市議団が行った「仕分け」を傍聴した。(橋下代表をはじめ大阪維新の会役員も仕分け人に加わる意向だったが、何故か市側の了解が得られず、仕分け作業を傍聴。後に「維新の会・市議団」が仕分け結果を判定する際の合議で意見を述べるに留まった)

この日、対象とされたのは、いわゆる外郭団体のうち株式会社7社と公益法人6法人である。そもそも株式会社は営利目的の団体であり、公が所有あるいは関与することは基本的におかしい。基本的におかしいのだが、それを正当づけるに足る十分な根拠が認められる場合にのみ何らかの形で関与できる、という前提に立つと、今回対象とされた7団体(「株式会社 大阪市開発公社」、「大阪地下街株式会社」、「大阪市街地開発株式会社」、「株式会社 大阪港トランスポートシステム」、「交通サービス株式会社」、「大阪運輸振興株式会社」、「株式会社 大阪メトロサービス」)については、以下に述べるが特段の根拠が見つからない。

「交通サービス株式会社」は100%市の出資で600人近くいる職員の殆どが市のOB職員。殆どが交通局職員と同じ仕事をしている。2~3000万円の退職金をもらい、年金も受給している人が300万円以上の年収をもらっている。しかも本体の交通局には約7000にもの市職員がいるのだ。
「財団法人 大阪市環境事業協会」も100%市の出捐で236人の職員の殆どが市のOB職員。しかも、現業職員OBが半数以上を占める。こちらの平均年収255万円は交通サービスより若干少ないが状況は交通サービス株式会社と同じである。

強く思うのは市のガバナンス不在である。税金の使途に関し(2つの団体を例に挙げたが、いずれも30億円、45億円の委託料という名の税金が市から支払われている)、規律付けを行うのは市民、市議会の役割であるが、この現実を見るにつけ、残念ながら市議会は機能していないと言わざるを得ない。ガバナンスが不在になると役人が自律する。自己増殖しようとさえする。それで、役人が、市民のためではなく、役人のために税金を使っている、という事態を招いてしまうのである。

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登録日:2010年 09月 01日 01:21:27

公務員改革

職員厚遇問題に端を発した大阪市政改革がどの程度進んでいるのか、大阪市議会・維新の会に「現業職の給与」を調べてもらっているのだが、回答がなかなか出てこない。

先週の金曜日に一千万円を超える給料をもらっている現業職の数と、最高額はいくらかの2点について資料請求したところ、「月曜日に回答する」、という返事だったが、それが火曜日、水曜日と延び(調整中ですという訳のわからない言い訳とともに)、木曜日に来た口頭回答では「交通局に一人いる」という想定外の答えだった。
何年か前には一千万円職員が数千人いたのに、たったの一人になったとは俄かには信じがたい。

総務局で、交通局、水道局、病院、学校・園における現業職の給与を一元的に管理していない、という事実にも唖然としたが、今回も口が開いたままだ。
平松市長は、このガバナンス不在をどう解消されるのか。
否、ご存知でさえないのかもしれない。

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登録日:2010年 07月 09日 01:23:18

シロアリの正体

平松市長は大阪市の職員数を5年間で8570人削減し39038人にまで減らしたと仰っているようである。しかし、減らしたとはいえ、横浜市より12000人も多いのは変わらない。
さらに、天下り役人が2165人いる。

自然減(定年退職)が毎年1500人~2000人いるとしたら、中之島一家の員数は5年間でむしろ増えているのではないか、とさえ思われる。

市長は常に職員目線でしかモノが言えないから、「職員を愚弄」などと発言されるが、市民目線に立つならば、大事な税金が食われている、と感じることの方がむしろ自然なのではないだろうか。

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登録日:2010年 07月 07日 01:06:58

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プロフィール
浅田 均
http://www.asd2a.com
大阪府議会議員。
NHK(日本放送協会)、OECD(経済協力開発機構、在パリ)を通じ「放送と通信の融合」、「情報通信」等の研究に従事。99年からは一転、府議として「行財政改革」、「地方分権」等に取組む。
京大卒。スタンフォード大院修士修了。
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