メディアと政治
2月議会開会と前後して放送局の中継車が府庁の駐車場に目立つようになった。
普段は放送メディアにあまり関心を持ってもらえない広域自治体の議員として、このような事態は本当は慶賀すべきことなのだろう。多くの有権者が府政に関心を持つようになるし、議会での話題が直ちに茶の間に飛び込む。一議員が問題提起しても歯牙にもかけなかった多数の放送局が、有名人知事が同様のことを発言すると中継までして報道してくれる。
何が起きているのだろうと考えると、(フランスの社会学者ならずとも)「存在するとは、テレビ画面で知覚されること、つまりはジャーナリストによって認知されること、ジャーナリストに『よく見られること』なのだ」(ブルデュー)という言説に辿り着く。放送メディアにとって、とりわけワイドショー系の番組にとって、府庁の中で「存在する」のは知事だけなのだ。というよりは、その放送メディア世界で「存在する人」が知事に選ばれた、という表現の方が正確だろう。その唯一の存在が視聴率という神と手を結ぶ。
放送メディアの中心は、あくまでも彼らにとって「存在する人」だけだから、ともすれば議会での議論、議案の中身に関する報道は希薄になりがちである。(話題になっている府財政に係る事実(一次資料)を詳細に把握しており、また正確に解説できる放送ジャーナリストは、私の知る限りほんの数人か?)
正午のニュース番組を作るには、前日の夜のニュースと朝刊を読まなければならないだろう。これが循環し、ある種の閉塞状況を作ってしまうとすればメディアにとっても府民にとっても不幸なことである。放送ジャーナリズムに歪みがあるとすれば、それを是正できるのは活字メディアだけだろう。悪循環の輪を断ち切る活字メディアの活躍を期待したい。
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登録日:2008年 03月 06日 23:54:57
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- 浅田 均
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- 大阪府議会議員。
NHK(日本放送協会)、OECD(経済協力開発機構、在パリ)を通じ「放送と通信の融合」、「情報通信」等の研究に従事。99年からは一転、府議として「行財政改革」、「地方分権」等に取組む。
京大卒。スタンフォード大院修士修了。
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