カテゴリー [公共性の構築]
大阪維新と「One大阪」
大阪維新の会は何を目指しているのか等、講演を頼まれたり、質問されたりします。
以下は、そういう時のために用意しているレジュメです。
大阪維新と「One大阪」の考え方
(1)大阪維新の意義
--- 大阪再生のための住民運動
--- ビジョン作り(大阪都構想) + 共同実践(グレーター大阪)
― その“手段”として統治機構(行政、議会)のあり方を考える
(2)One大阪とは何か
― バラバラの大阪人の動きを束ねていくこと
― 分断された公共(市は市域、府は市域外という考え方)の回復
― 府市一体(広域行政の一元化)のもとでの成長戦略
そしてセーフティネット(住民サービス)
(3)ビジョンと期待成果
― 一人当たり所得の向上と雇用確保
― サービス産業充実と内需拡大、規制緩和
― 東アジアの物流商流の中心としての外貨獲得(東のシンガポール)
― 西日本の首都、関西州の中心
(4)大阪人の暮らしはどう変わるのか
― ワースト指標への対策
― 根底にある教育・貧困の連鎖問題
― 中間層の強化策
(5)関西州、国との関係について
― 大阪の再編・統合 → 関西州 → やっと国も変わる
― 大都市間の維新連携
― 大阪、そして関西は日本全体の改革の先行実施地域
詳細については上山信一著「大阪維新」をお読みください。
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登録日:2010年 10月 05日 08:30:04
ガバナンス不在の大阪市
大阪維新の会・大阪市議団が行った「仕分け」を傍聴した。(橋下代表をはじめ大阪維新の会役員も仕分け人に加わる意向だったが、何故か市側の了解が得られず、仕分け作業を傍聴。後に「維新の会・市議団」が仕分け結果を判定する際の合議で意見を述べるに留まった)
この日、対象とされたのは、いわゆる外郭団体のうち株式会社7社と公益法人6法人である。そもそも株式会社は営利目的の団体であり、公が所有あるいは関与することは基本的におかしい。基本的におかしいのだが、それを正当づけるに足る十分な根拠が認められる場合にのみ何らかの形で関与できる、という前提に立つと、今回対象とされた7団体(「株式会社 大阪市開発公社」、「大阪地下街株式会社」、「大阪市街地開発株式会社」、「株式会社 大阪港トランスポートシステム」、「交通サービス株式会社」、「大阪運輸振興株式会社」、「株式会社 大阪メトロサービス」)については、以下に述べるが特段の根拠が見つからない。
「交通サービス株式会社」は100%市の出資で600人近くいる職員の殆どが市のOB職員。殆どが交通局職員と同じ仕事をしている。2~3000万円の退職金をもらい、年金も受給している人が300万円以上の年収をもらっている。しかも本体の交通局には約7000にもの市職員がいるのだ。
「財団法人 大阪市環境事業協会」も100%市の出捐で236人の職員の殆どが市のOB職員。しかも、現業職員OBが半数以上を占める。こちらの平均年収255万円は交通サービスより若干少ないが状況は交通サービス株式会社と同じである。
強く思うのは市のガバナンス不在である。税金の使途に関し(2つの団体を例に挙げたが、いずれも30億円、45億円の委託料という名の税金が市から支払われている)、規律付けを行うのは市民、市議会の役割であるが、この現実を見るにつけ、残念ながら市議会は機能していないと言わざるを得ない。ガバナンスが不在になると役人が自律する。自己増殖しようとさえする。それで、役人が、市民のためではなく、役人のために税金を使っている、という事態を招いてしまうのである。
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登録日:2010年 09月 01日 01:21:27
選択と共生
以下は朝日新聞(1月22日夕刊)
「この時期、小学校のある平日の昼間も進学塾がにぎわっている。私立中学を受験する子どもたちが、学校を休んで通っているためだ。一方、受験組が多い都市部の小学校では、6年生の教室ががらんとしている。こんな状況に、小学校の教員らは疑問を感じているが、強い指導はできないでいる。」
以前、議会で教育長にも問うたことであるが、私たちの社会を支える価値観の一つが「共生」である。この地球に、日本に、大阪に、その学区に、お互いが居合わせるのは偶然である。その与件の中で子どもたちの生活が始まる。それは受け入れざるを得ない事実であって、選択の余地はない、と思うのだがそこから、敢えて離れようとする親、子がいる。
「風邪をうつされたくないから学校は休み、塾には行く。きちんと来ている子のことを考えるとなんとも言えない気持ちになる」という教員の気持ちはよく分かる。
選択の自由は否定しない。しかし、自らの意思で共生を否定する人を、公が面倒を見る必要が何処にあるのだろうか。
かつての研究仲間がこの4月から東京大学の学長になると聞く。この人も兵庫県の有名私学の卒業生なのだが、この記事についての感想を聞きたいものである。
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登録日:2009年 01月 22日 23:52:39
政策デザイン
「問題分析を通して政策目的を設定するというプロセスには、問題の原因探求だけでなく、『政策を通して実現もしくは接近すべき望ましい将来の状態を思い描き、どうすればそこに到達することができるか』という、価値判断と豊かな構想力・想像力を要求する思考のプロセスが含まれている。加えて、政策デザイナーが実現もしくは接近しようと願うその将来の状態の望ましさを広く社会構成員に訴え賛同を得るための説得力ある論証を構成するという、コミュニケーション行為的な考慮もまたそこには含まれているのである。」(「政策学的思考とは何か」足立幸男・編著)
この政策デザイナーとは誰か。7年前までは政府系の学者、中央官僚と一部の国会議員が専らとするところであったが、今では首長と地方議会もその役割を担っていることを肝に銘じねばならない。
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登録日:2007年 08月 07日 23:56:32
日本の所得分配
不快指数は生活に定着している。体感治安という言葉も認知されつつある。それなら、個人的に感じる景気の動向を示す「体感景況」を何らかの方法で表せないものか。
「所得格差の問題をつきつめていくと、日本は自己責任と社会連帯のバランスにおいてどのような社会を目指すのかという問いに突き当たる」(「日本の所得分配」、東京大学出版会)。この本によると、「日本では低所得者向けの給付が手薄で、社会支出の規模を拡大する余地があり、その財源を累進的に徴収すれば総人口の所得分配の不平等はかなり是正される」と結論付けているが、美しい国においては、自己責任と社会連帯がどのようなバランスになるのか。それは何故なのか。年金だけがクローズアップされているが(それは非常に重要な問題の一つには違いない)、これを機会に所得再配分政策という観点から、政党は理念と政策を世に問うべきであろう(分権の必然性はこういうところからも導かれるのだが)。
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登録日:2007年 08月 05日 23:52:36
大阪市の擬態
盆踊りの季節、各地域からご招待を頂くので出かける。
ところが、以前にも発信したことではあるが、仕切っているのは市の出先機関である区役所と地域振興会(町会)である。地域のことを地域の代表(町会長さんら)が取り仕切ることに異論は無い。当然のことである。ところが、この人たちの理解では、住民の代表は区長(市の部長職の一職員)であって議員ではないのである。だから、先ず区長が挨拶をする。これが、市長の代理としてなら理解できるのだが、区長は区の長という住民誤解の上に立っているのである。町会、区長、市役所というルートが(これが市長選挙の実働部隊である)、本来の市会議員、市会、大阪市という住民代表ルートと二重構造になっているのが大阪市の構造的な問題である。地域ボス(こういう表現が適切な人は少数ではあるがいるのは厳然とした事実)は選ばれた議員を介さなくても直接、区長、市役所ルートで地域の問題について話をつけることができる。市会議員の皆さんは、こういう構造にどうして異論を唱えられないのであろうか。
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登録日:2007年 07月 28日 23:10:45
公開性の原理
じっさい議会というものには、政治権力一般に対抗しながら、しかもそれ自身「権力」として創設された制度であるという矛盾が、そもそもの始めから付きまとっていた。これに対して、福祉国家の諸条件のもとで機能する公共性は、みずからが自己生産の過程であることを自覚しなくてはならない。すなわちそれは、巨大に拡張された公共圏内で自己自身に突きつけられた公開性の原理をその批判的有効性において縮小させようとする第二の傾向と競合しながら、一歩一歩みずからを設定していかなくてはならないのである。(「公共性の構造転換」ハーバーマス)
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登録日:2007年 07月 17日 23:58:52
公共性の構造転換
学生時代から読むつもりが今になっても未読という学者が何人かいる。ハーバーマスもその一人であった。
一昨年の条例提案以来、「公共性とは何か」、「公共サービスとは何か」考えているのだが、昨今は「政務調査費」という極めて特化した公金の使途基準の策定に係わることになり、これまでとは別の角度から公共性について思い巡らせているところ、ハーバーマスの以下のような文章に出会った。
「操作的な介入によって公開性の原理からその無垢さが剥奪されたことを意味する「メディア権力」という、影響力についての新しいカテゴリーが登場した。マスメディアをつうじてあらかじめ構造化されると同時に支配されるようにもなった公共圏は、権力が浸透したアリーナへと膨れ上がった。このアリーナのなかでは、たんに影響力をめぐってばかりではなく、戦略的な意図をできるだけ隠しながら、行動に影響を及ぼすようなコミュニケーションの流れの制御をめぐって、主題を選択し寄稿することによって闘争が繰り広げられる。」
いつか取上げたアジェンダ(項目)設定に関するヘゲモニー争いというところか(メディア、メディア権力、見張り番、新基準、議会、議員、返還、知事、勧告、住民訴訟)。
思想的には全く畑の違うひとだが、こういう説明は、今、自分のような立場に置かれているものにとっては実に生々しく理解できる。
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登録日:2007年 07月 01日 23:59:52
頓珍漢
昨日の知事記者会見後の質疑応答で、「あり方協議会」に関し、明らかな事実誤認がありますので発言しておきます。
問題は、「議会のほうは、自分たちで基準をつくって、それに従って返還するということを昨日協議会でお決めになりましたけれども・・・」という記者発言です。
確かに、あり方協議会では、以下の3点を18日に決めました。即ち、①使途基準について月末を目途に成案を得る。そのための座長私案を次回26日に提示する、②私案作りの参考にするため、監査結果に関する議員の意見を会派ごとに集約する、③有識者も委員に加わっていただく。
しかし、この記者さんが理解されているように、「自分たちで基準をつくって、それに従って返還する」ということは決めていません。
従って、知事の「(今協議中の)基準を見て、それに則って個々人が対応されるわけですよね。それを見て判断します」という発言も、前提を取り違えている、というとになります。
「そんなあいまいな使い方のままでいいのかということで、議会に対して何らボールを投げてこれらなかったというのがいまいち腑に落ちない面があるんですが」という記者発言に対し、知事が「議会にボールを投げるにはまず調査しなきゃいけませんね。本当に基準がないのか、あるいは基準どおりに使われているのか。さっきも申し上げたように、私にはその調査権限がありません。権限があるのは議長さんです」と答えているのはその通りです。知事と議会の関係から言うと、その点で責めを負うべきは知事ではなくて議会、議員です。知事に責任はありません。
しかしながら、監査委員から投げられたボールを議会に投げ返すのは知事の責任です。あの報告書に対して対応を考えているのは各会派であって、あり方協議会は監査報告書に対する対応を考える場ではありません。
あり方協議会を設置することが決められたのは平成19年3月9日の議会運営委員会理事会においてです。当時、住民監査請求を受理するかどうかは未だ決定を見ていませんでした。
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登録日:2007年 06月 20日 23:59:34
年金記録
政調会長会の概要は別報の通りであるが、各県連からは「年金記録」が原因となって吹いている逆風についての言及があった。
執行部の答弁は、曰く「基礎年金番号を導入した際、完了年次を設定していなかった」、曰く「社会保険庁は組合に支配されており業務効率が極めて悪い」等等。
今後一年間で未確認の年金記録5000万件の名寄せを全て完了しますから安心してください、と言われても、逆風が治まりそうにないのは何故だろう。
安心できない例外が一つ発見される毎に、不安は10倍になり社会的な影響は100倍になる。例外がないという証明ほど難しいものはない。
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登録日:2007年 06月 13日 23:59:28
- プロフィール
- 浅田 均
- http://www.asd2a.com
- 大阪府議会議員。
NHK(日本放送協会)、OECD(経済協力開発機構、在パリ)を通じ「放送と通信の融合」、「情報通信」等の研究に従事。99年からは一転、府議として「行財政改革」、「地方分権」等に取組む。
京大卒。スタンフォード大院修士修了。
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