カテゴリー [大阪市]
歪んだ公器と歪んだ公
6日の朝日新聞が「大阪市の分市案に関する大阪市の試算について」署名入り記事を掲載している。内容は、地域政党「大阪維新の会」代表が唱えた「分市案」に基づいて試算したところ「二つの『市』で税収過大となる一方、五つの『市』が税収不足などで財政破綻状態の財政再生団体に転落するとの結果になった」というものである。(因みに、「大阪維新の会」として、区域の分け方については何の言及もしていない。)
これほど大阪市の出鱈目さと、朝日新聞の堕落を物語るものはないので問題点を指摘しておきたい。
一番重要なのは、この試算がウソ(虚偽)である、ということである。そして、このウソを大阪市の誰が何の目的で捏造したか、ということである。
二番目に重要なのは、天下の朝日新聞記者が何の検証もなしに、この大本営発情報を署名入りで書いている、という事実である。
大阪市の誰が何の目的でかかる試算をしたのか。(出所は調査中)
行政目的がある正式文書ならその使途を問いたい。そうでないなら、地域政党「大阪維新の会」の政治活動に対する妨害、言論封殺としか考えられない。公が一政治団体の主張を新聞と言う公器を使って抹殺しようとする。まるで、敗戦前の日本と同じではないか。
入手した文書(パワーポイントを使って作成された資料2枚)の見出しは、「地方交付税だけで、格差解消は不可能!!」、「分割は財政再生団体への転落」となっている。昔の過激派のアジびらだ。これを見て役所の行政文書と思う人はいないだろう。
試算の出鱈目さは、①事業はこれまで通り続ける、②歳出は各区の人口に応じて配分、とする前提から始まる。前提にある大ウソは、①分割5市は最早政令市ではないのだから、国道管理等、政令市であるがゆえにやっている事業にかかる費用を差し引くべきところ、そうしていない、②4万人の職員という異常雇用を温存させることにしている。
また、地方交付税は基準財政需要額から基準財政収入額を引いたときにプラスになるとき、つまり、「出」より「入り」が少ないときに交付されるのだから、『市』がいきなり赤字になることはありえない。ましてや「夕張と同状態」には絶対にならない。そう断じた市幹部は、公務員法違反に問われる前に実名で根拠を説明すべきだろう。
大阪市のデマゴーグに堕した記者さんはこの大本営発表記事を最後に転勤されたと聞く。大阪市の広報部に転勤されたのであろうか。
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登録日:2010年 10月 07日 01:05:32
ガバナンス
ゲーム理論でいうプリンシパル-エージェント理論は政府と官僚組織の問題に応用される。プリンシパル(依頼人)は住民、政府であり、エージェント(代理人)が官僚組織である。どのようなインセンティブをエージェントに与えるとプリンシパルの利得が最大になるか。これがガバナンスルールである。
(その一つの例が、雇用主が雇用者に対し固定給にするか歩合給にするか等のインセンティブ契約)
政令市の場合を考えてみよう。プリンシパルは住民であり、エージェントは市役所(職員)である。ガバナンスルールは市民と市役所の間に当然成立しうる。しかし、市役所というエージェントは区役所に対してはプリンシパルになってしまうので、区民は区役所に対するガバナンスルールを確立できない。換言すると、納税先(市役所)とサービス提供主体(区役所)が異なる。これが大阪市の再編が必要な理由の一つである。
さらに事態を複雑にしているのが、住民団体で市役所・区役所のエージェントになっている団体があることだ。
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登録日:2010年 09月 29日 02:02:58
- プロフィール
- 浅田 均
- http://www.asd2a.com
- 大阪府議会議員。
NHK(日本放送協会)、OECD(経済協力開発機構、在パリ)を通じ「放送と通信の融合」、「情報通信」等の研究に従事。99年からは一転、府議として「行財政改革」、「地方分権」等に取組む。
京大卒。スタンフォード大院修士修了。
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