カテゴリー [メディアと政治]
自由の気風
困った時に頼るべき人がいるのは洋の東西を問わない。
アメリカ人ならばリンカーン、イギリス人ならばチャーチルがマジックネームというが如く。
多くの日本人にとっては、聖徳太子、最澄、空海、親鸞をはじめとする宗教指導者。世阿弥元清。千利休。信長、家康、勝海舟、坂本龍馬、西郷隆盛、西周、岡倉天心、新渡戸稲造、漱石、子規等になるのだろうか。
私にとっては福沢諭吉がその一人である。
その福沢の思想のなかで、核心をなすものが幾つかあると思うのだが、「単一の説を守れば、その説の性質は仮令ひ純精善良なるも、之に由て決して自由の気を生ずべからず。自由の気風は唯多事争論の間に在りて存するものと知るべし」(文明論之概略)という考え方はとりわけ重要なものであろう。
如何に純精善良な説であってもそれが政治権力と合体して正統とされた時は、思想的自由は原理的には生じない(丸山真男)。
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登録日:2009年 05月 20日 23:59:35
知事の破壊力
例年6月初旬に、自民党府議団として府連所属の国会議員団に予算要望を行っている。
「国直轄事業負担金の廃止」について、確認のため調べてみると、活字化したのは平成18年度が初めての年になるようだが、口頭ではそれ以前から要望し続けている。
何年要望し続けても、国会議員たちは、議論の俎上にすら乗せようとしなかった。如何なる回答もなかった。
それがどうだ。橋下知事が主張するや、同じ要求は国交省を動かしメディアを賑わすところとなる。他知事の雷同するところとなる。地元の声を国に届けることのできない国会議員の非力さよりも、橋下知事の破壊力に「何故?」と驚嘆してしまう。
これは、財政規律の回復に関して、我々府議団がいくら主張してもメディアは取り上げなかったのに、橋下知事が主張すると直ちに大見出しになったのと同様なので、別に国会議員を責めている訳ではない。
メディアの皆さんに質問すると、「発信力」の違い、という答えが返ってくる。
教えてほしいのは、その発信力とは何なのか、ということなのですが。
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登録日:2009年 04月 06日 01:29:01
メディアと政治
昨日は、WTC報道の陰に隠れてしまい、どのメディアにも取り上げられることはなかったが、議会改革を進めたい者としては期を画する条例が府議会で成立した。
「大阪府議会基本条例」と「大阪府議会定例会の回数に関する条例一部改正」である。平成17年に成立を目指したが(当時成立していたら全国初の「議会基本条例」になっていた)、他会派の理解を得られず断念した経緯がある。
議員になって最初の不思議は、議会招集の案内が府議会議長ではなく、総務部財政課から送られてくることだった。何故、議会の代表からではないのか、というのが素朴な疑問であった。(招集権が知事にしかない、という自治法の規定は今も変わっていない。) さらに、憲法で定められた議事機関とはいえ、議案も、条例も殆どがお役人から提案されてくる。それをチェックするのが議会の役割であるのは確かだが、住民意思を代表するにはそれだけでは十分ではない。議事内容は知事だけでなく議会が決めてもよいはずだ。そのために、議員も議案をまとめ、提出する能力を持たないことには、とても住民意思を代表しているとは言えない。
この事実を議会に認めてもらい、さらに議会が真の住民代表機関になるためにはどのような改革が必要なのか議論し合意するまで4年の歳月を要した。合議制の機関で合意を形成するにはこれだけ時間がかかることもあるのだ。
知事がWTCへの庁舎移転を打ち出したのが昨年の8月。それを半年後に議案として提出されたのは、偏に独任性の機関だからできたのである。しかしながら、就任一年ではガバナンスが確立されているとは言い難い。この間の事情は、いわば8倍速のビデオを、普通の速度でしか見たことのない人に見せて、内容を評価してもらおうとするようなものであり、そこに敗因の一つがあったのは確かである。
二つの議員提案条例の成立をメディアに黙殺されたことは残念なことである。しかし、これで議会は確かに変わる。変わらざるを得ない仕組みがくみこまれているからである。知事と共に議会も新たなチャレンジの時代が始まる。
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登録日:2009年 03月 25日 00:47:55
インテリジェンス
「嘘のような真実と真実のような嘘がちりばめてあるのは、ニュースソースの秘匿のためです。インテリジェンスの獣道に分け入って書くときには、ニュースソースをいかに秘匿するかというのが筆者の腕の見せ所です。そこの手並みで、書き手がインテリジェンスのプロなのか、それとも単なるサラリーマンなのか、分かれる」(手嶋龍一)
メディアのニュースは、媒体が活字であれ映像であれ、ニュースソースの秘匿のため、「嘘のような真実も」「真実のような嘘も」ちりばめようがない。一次情報に解説を加えることと、一次情報をインテリジェンスに高めるという作業は自ずから異なる。そういう作業をしないメディアは、単なるインフォメーションの提供者にすぎないから情報源も秘匿することができなくなる。(かつての情報理論では一つの不確実性を消し去る情報を1バイトの情報と言った)
連日、府庁のブラックボックスを情報源とし、メディアを通して発信されるインフォメーションには「ノブレスオブリージュ」も「社会の木鐸意識」もない。庁内にある「知事に対するむき出しの悪意」と「サラリーマンメディア」が結託し作り出してしまう「合成の誤謬」に対しコンプライアンス委員会は機能不全のままである。鉄槌はいつ下されるのだろうか。
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登録日:2009年 03月 04日 00:51:51
ノイズ
多くの場合、正しい答えはノイズの音を下げること。つまり、「フェードする(弱める)」ことだ。ノイズを耳にしたら「一時的な異常値にすぎず、いずれ正常化する」とみなすわけだ。しかし、単なる雑音として見過ごせない場合もあり、そんなときはノイズが重要なシグナルを内包していると解釈するのが正しい。つまり、特定の市場で価格の絶対値や相対値を決定するパラメーターが意味深い変化を示している、と判断しなければならない。(エラリアン著「市場の変相」)
政治、政局も同様である。「昨日の政治」と「明日の政治」が衝突し、新旧入れ替わりが進む。重要なことは、これが必然的に荒っぽいプロセスになることを認識し、「新たな行き先を」見失わずにうまく対処することだ。
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登録日:2009年 03月 03日 02:30:25
知事とメディア
「ナポレオンは火薬の文法を理解していた」
或いは「トクヴィルは印刷と活字の文法をマスターした最初の人であった」(マクルーハン)という言い方に倣うならば、橋下徹はメディアの文法を教えることなく知らしめた最初の政治家である、ということになる。(橋下徹自身が橋下徹チャンネルとコンテンツを持つメディアだといえるのかもしれない)テレビだけの文法ではない。紙媒体も含むメディア全体の文法である。メディア自体は透明で倫理もある。したがって、この人にはインテリジェンス(機密情報)は存在しない。
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登録日:2009年 02月 22日 23:39:39
府庁の情報管理
寝不足の日が続く。
メディア関係諸氏が深更に及ぶまで私の安否確認?を理由に電話を下さるからである。
イラクやチベット、ましてグルジアやチェチェンではないのだから命に係るほどの事態ではないにも拘わらず。
先日は人事が、ついでながらの話であった。
知らないことは知らないとしか答えようがない。
ところが、はいそうですかではおさまらない。
今回は2月議会の懸案事項に係る数字の話だった。これも知らないものは知らない。
しかし、記者諸君は経緯を全て把握している。だから、お前は知っているはずだ、とくる。知っている、知らない、の押し問答が続く。(私が知っている、という事実それ自体にはほとんど意味はない)
故意かどうかは知る由もない、ただ、府庁内の情報は、スパイ天国と世界に恥をさらけ出している日本国の何万倍も管理ができていないことは事実である。府庁にガバナンスが確立されていない一つの証左だろう。役人のオートノミーを侵害する輩は知事であれ議員であれ排除せよ、というビッグブラザーが跳梁するばかりだ。
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登録日:2009年 02月 09日 23:30:07
政務調査費の返還請求について
読売新聞(平成20年9月2日朝刊)で、「政務調査費を違法に支出しておきながら、返還請求に応じない浅田均府議」という事実誤認の上に立つ、意図的な誹謗中傷記事を書かれたお陰で、「税金泥棒」、「恥知らず」的な匿名の嫌がらせ電話、メールがいまだに跡を絶たず辟易している。こういうメディアの怖さを知る議員は、一旦紙面に名前の出ることの怖さと取引に、返還する必要のないお金まで返還しリスク回避と称している。
ところで、その「返還請求にかかる訴訟提起について」という通知が届いた。
内容概略を記すと「政務調査費の返還を請求したが、納期限までに完納されず、督促状を出したが未だに完納されていない。それで、自治法の規定に基づき、債権の保全管理の必要な措置として、訴訟手続きによって債務の履行を請求することと決定したのでお知らせする」というものである。
ここで問題にしたいことが2点ある。一つは、訴訟提起の議案を知事から提出されたとしても、それを議案として取り扱うか否かは議会運営委員会の決定であるのに、同委員会が開かれる前から既に議案として知事が決めてかかっていること。
もう一点は、少なくとも私個人のことで言えば、外部監査人基準により黒又は灰色と判定された額については返還しており、まったくの事実誤認に基づいて返還請求されている15万円についてのみ、請求される覚えはないのでもう一度お調べ下さい、と繰り返し要求しているのに全然調査もしていないことである。
何故、イエロージャーナリズムの餌食になるリスクまで負って15万円だけ返還せずにおいたかといえば、個別外部監査に瑕疵があることを明らかにしたかったからである。その点について再点検するよう監査委員と太田・前知事に何度も要求したが、彼等は一部の議員を除き何もしなかった。
裁判になり敗訴すると知事と監査委員はどうするのだろうか。
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登録日:2008年 09月 07日 23:35:58
またしてもメディアの犠牲者
またしてもイェローペーパーが他紙に先駆けて教育委員候補2名の名前を報道しました。当たっていれば特ダネということになっていたのでしょう。しかし、残念ながら記事は正確ではありません。
教育委員会の形骸化については、知事も私も同様の認識で問題意識を共有しています。しかし、新しい教育委員の名前を、しかも間違えて報道することにどれだけの意味があるのでしょうか。
形骸化を改め、実質的なものにするために相応しい人かどうか、という問題意識をもって報道しているのかどうかこそが問われるべきでしょう。
罪人扱いされた訳ではありませんが、誤った報道をされた人に謝罪でもするのでしょうか。
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登録日:2008年 09月 05日 01:44:27
再びメディアの皆様へ②
「知事が府議ら14人提訴へ」という記事を皮切りに、各紙がこの件について報じています。
議会は、住民監査請求を受けて行われた外部監査人による監査の指摘を真摯に受け止め、納得できるものについては返還請求に応じる一方、条例についても使途基準の明確化や透明性の向上を図ることを目的に改正し現在に至っています。
私たちがメディアの皆さんに報じてもらいたいのは、何故、知事が議員を訴える、という普通ではない事態が生じているのかということです。
少なくとも私は、伝えられているように橋下知事の提訴に猛反発しているわけではありません。私が反発しているのは、個別外部監査における①監査手法の瑕疵、②監査基準の問題点、と③太田知事に提出した質問書に対しいかなる回答もなかったこと、④太田知事がこちら側の指摘を受けているのに適切な対応をとらなかったこと、⑤督促状は受理する理由がないので返却しているにも拘わらず督促したことを事実としていること、の5点です。
ここから導かれる結論は、①知事が適切な対応をとらなかったのだから提訴に反対する、か、②個別外部監査の瑕疵、問題点を明らかにする場は、最早、裁判しかないのだから提訴を受けて立つ、のいずれかになると思われます。
住民監査請求から住民訴訟に至る手続きはかなり複雑ですが、知事が議員を訴えなければ、逆に、知事が住民から訴えられる、という事実等を正確に説明していただきたいものです。
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登録日:2008年 09月 04日 00:01:28
- プロフィール
- 浅田 均
- http://www.asd2a.com
- 大阪府議会議員。
NHK(日本放送協会)、OECD(経済協力開発機構、在パリ)を通じ「放送と通信の融合」、「情報通信」等の研究に従事。99年からは一転、府議として「行財政改革」、「地方分権」等に取組む。
京大卒。スタンフォード大院修士修了。
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