カテゴリー [公共経済学]

公務員改革

職員厚遇問題に端を発した大阪市政改革がどの程度進んでいるのか、大阪市議会・維新の会に「現業職の給与」を調べてもらっているのだが、回答がなかなか出てこない。

先週の金曜日に一千万円を超える給料をもらっている現業職の数と、最高額はいくらかの2点について資料請求したところ、「月曜日に回答する」、という返事だったが、それが火曜日、水曜日と延び(調整中ですという訳のわからない言い訳とともに)、木曜日に来た口頭回答では「交通局に一人いる」という想定外の答えだった。
何年か前には一千万円職員が数千人いたのに、たったの一人になったとは俄かには信じがたい。

総務局で、交通局、水道局、病院、学校・園における現業職の給与を一元的に管理していない、という事実にも唖然としたが、今回も口が開いたままだ。
平松市長は、このガバナンス不在をどう解消されるのか。
否、ご存知でさえないのかもしれない。

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登録日:2010年 07月 09日 01:23:18

シロアリの正体

平松市長は大阪市の職員数を5年間で8570人削減し39038人にまで減らしたと仰っているようである。しかし、減らしたとはいえ、横浜市より12000人も多いのは変わらない。
さらに、天下り役人が2165人いる。

自然減(定年退職)が毎年1500人~2000人いるとしたら、中之島一家の員数は5年間でむしろ増えているのではないか、とさえ思われる。

市長は常に職員目線でしかモノが言えないから、「職員を愚弄」などと発言されるが、市民目線に立つならば、大事な税金が食われている、と感じることの方がむしろ自然なのではないだろうか。

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登録日:2010年 07月 07日 01:06:58

大阪市の研究

下の表をご覧いただきたい。
大阪市と横浜市、名古屋市の人口と職員数等を比較したものである。
 
       大阪市       横浜市       名古屋市        大阪府
人口     2,525,153   3,605,951      2,173,945      8,676,622
昼間人口  3,581,675   3,205,144      2,516,196      9,241,468
面積(平方キロ)222.30      437.78      326.45          1897.72
職員数     39,973    27,579    26,812     84,565
うち一般事務   12,387    10,039     7,844      9,951
うち一般技術   8,358     8,094     8,612      4,753
うち技能労務職 13,690     5,334     6,863    1,210
うち教育公務員    2,090       736     1,105      47,620
うち消防吏員     3,412      3,376     2,388 (警察)21,031
                     (平成21年度地方公共団体定員管理調査結果より)

先ず目につくのが大阪市の職員数の多さ、とりわけ技能労務職(現業職)の多さである。
大阪市は職員厚遇問題を契機に「大阪市政改革マニフェスト」を策定(平成18年3月)し、将来の職員数を現在の横浜市、名古屋市並みの約2万5千人まで削減する(但し、地方公営企業である交通局、水道局は除く)ことを明らかにしているが、上記の表を見る限りでは「マニフェスト」通りには進行していない。

ちなみに主な部門の職員数は以下の通りである。
部門         大阪市      横浜市      名古屋市
交通         7,006       2,152       4,026
ごみ処理・収集  2,578       1,752       1,352
公園        657        275           313
上下水道       3657       2,649       2,514
病院          2292       2,217       1,844
港湾        609        258            12
                               (同)
このうち、技能労務職が何人かは明らかにされていない。しかし、職員の数が横浜、名古屋に比べて異様に多いのは明らかだ。
何故だろう?

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登録日:2010年 03月 02日 08:54:13

総選挙を読み解く3(+1)冊の本②

国の特別会計を政治アジェンダにまで持ち込んだのは著者らの功績である(「特別会計への道案内」(松浦武志・著、「創芸出版」))。

著者によると、平成20年度の一般会計83兆円のうち49兆円が特別会計に繰り入れられているので一般会計純支出は34兆円である。
これに対し、特別会計(交付税特別会計50.1兆円、年金特別会計19.7兆円等)は212.6兆円が純支出であり、GDP比40.3%になる。これに地方の歳出を加えると日本中の「官界」が仕切る平成20年度の予算は268.4兆円、GDP比51%になる。主要先進国の平均が40%ぐらいなので、日本が如何に突出しているかわかる。

因みに政府並びにメディアによると予算は一般会計の83兆円のみであり、GDP比にして約16%という報道がなされるので多くの有権者はこれが予算だと思いこんでしまう。
マニフェストの財源論争の背景にはこの特別会計の”怪”があるのだが、さすがの全国知事会もここまで踏み込むまでには至らなかった。
「社会主義国」日本をどのように方向変換するのかしないのか。
重要な対立軸の一つである。

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登録日:2009年 08月 12日 23:43:34

レフトテール

例えば人の身長や資産収益率は正規分布に従う。
正規分布曲線(釣鐘型)の左側をレフトテール、右側をライトテールというが、テールの裾が広くなっている場合ファットテールという。例えば株式などの価格変動の分布は、正規分布よりも裾が広い(ファット・テール)性質を持っていることが知られている

リスク管理で成功したければレフトテールを最小化することである。
つまり、異常事態が生じる確率を見極め、それに対応できるよう準備を十分することだ。
「私たちは日常生活でもレフトテールの最小化に取組んでいる。自分の車や家に保険をかけるときが典型例だ。『どのくらいのコストをかけてどこで尾を切り落とせばよいか』」(「エラリアン」)。

国土の多くが海面よりも低いオランダで、1950 年代に海水による洪水が発生し約1,800 人が死亡した。そこで、洪水を防ぐための土手を設計するための国家プロジェクトが立ち上げられた。このプロジェクトに関わったDantzig という著名な数学者の提案した統計的手法によって、海水が土手を越えるのは約1万年に1回の確率となる土手の高さを計算し実際にこのとおりの土手が建設された、という報告がある。
この際に用いられたのが極値理論と呼ばれる統計手法である。

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登録日:2009年 03月 06日 02:07:28

前略、橋下徹様

明日10日、「収入の範囲内で予算を組む」原則を実現するための収支改善計画が各会派に明らかにされると聞き及びます。この原則は、財政再建の大前提として私たちが平成17年度から主張し続けてきたもので、具体的にどのように実現されようとするのか期待し、また、その対象と手法に注目いたしております。

知事の原則が、私たちの考える公の役割(とりわけ公共経済学が説く「市場による資源配分機能の補完」、「所得再分配機能」、「将来世代への配慮」)、を損なってしまわないか、ということが、議会としてチェックする際の基準になるでしょう。要すれば、というよりもっと積極的に、会派としての対案を示すことになるでしょうし、議会としての対案を示すべきと思います。これを契機に、知事と議会が文字通り車の両輪として府政を推進していけるよう議会力を高めてゆきます。

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登録日:2008年 04月 09日 23:53:03

橋下プラン

知事選への出馬を表明され、自民党に推薦を要請されている橋下徹氏から「私の大阪元気プラン(目指すべき方向性)」(案)が、18日午後自民党に提示されたところ、会派として問題と思われるところは以下の通り。(あくまで個人的な見解です)
1.(プラン実現の前提となる)財政再建に関する具体的な提案がない。
2.子供を重視するあまり社会的弱者に対するセーフティーネットが欠如している。
3.子持ち若夫婦のみを対象に公営住宅家賃を大幅減額して企業が進出するのか。
4.小、中学校は公立で私立校は不要と主張されている。
5.(制度融資も含め)具体的な中小企業振興策に乏しい。
6.府立大学をシンクタンク化しようと主張されている(大学は不要か)。

他方、会派と考え方の重なるところは
1.先生を授業や生徒との触れ合いに集中できるようにする。
2.府立高校の学区制撤廃。
3.行政が特定産業を振興させるプランを立てることは不可能。
4.議会機能の強化。
5.情報公開ランキング1位を目指す。

さらにヴァージョンアップしたものを25日に提示されるそうですが、
「報じられることを解除条件」とせずに、5000%信じて良いのでしょうね。

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登録日:2007年 12月 19日 00:40:06

知事の判断

自治体の企業誘致を巡る報道の疑問は畏友上]山信一・教授の指摘する通りである

とりわけ「 今の日本では大企業だけが好景気の恩恵をこうむり収益を積み増ししている。成長の配当を政府(財政)にも社員(家計)にも分配しようとしない。そんななか、好決算に沸く大企業がさらに工場を作る。そこへ自治体が補助金を出す。本来は住民投票にゆだねるべき判断だ。財政破綻している自治体が福祉を切り、教育費を抑え、借金をしてまで超優良企業に大金を渡す。まるで背任行為ではないか?政策の成否の判断は人によって違うしケースバイケースだ。雇用創出やマクロ経済効果もあるだろう。だが、補助金がなければ本当に立地しないものなのか?」という疑問には同感である。

シャープという一企業に150億円の補助金を出すと報道されている。他方、府下40弱の、交付税を削減され青息吐息の市町村すべてに府から交付される補助金は僅か12億円にすぎない(平成19年度予算)。一企業への補助金の8パーセントなのだ。この点だけから判断すると、知事は、社会連帯という広域自治体に期待される役割を放棄したと言わざるを得ない。

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登録日:2007年 08月 06日 23:50:08

成長か福祉か

2月議会に提出予定議案の説明が始まった。大抵はメモをとるのだが、今回は殆んど目を閉じたまま担当者の説明を聞いている。説明ごとに、これは公共サービスと言うに値するか。そういう政策(施策、事業)を手段として所得再配分をおこなうことが公平で効率的なのか、例えば世代間、地域間で(逆に言えば所得再配分のためどのような政策に力点を置いているかで予算作成者のイデオロギーが判るはずだ)等考えながら。
成長にも福祉にも寄与しないと思われる施策、事業は削るべきだ。例えばサミットの誘致予備費20億円。論理的には現在の21世紀協会を外郭団体として抱えるのと同様で、公共経済学的には意味がない。

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登録日:2007年 01月 31日 01:15:26

21世紀協会

我が党議員団の「出資法人等調査プロジェクト」チームが、財団法人大阪21世紀協会に下した結論は府の撤退。根拠は、「府と大阪市、民間の資金面での分担の枠組みは崩れてしまっている。御堂筋パレードは大阪市に、その他の事業は類似団体への移行が可能」だからである。
この結論に対して旧知の経済人から、「文化を衰退させるような政策は採るべきでない」という抗議があった。21世紀協会がやっていることはイベントの企画事業であってそれが果たして文化と呼ぶに値するのか。そこに4億円ものカネを投じることに正当性、妥当性はあるのか。チームの結論は否であった。大阪府の財政は夕張市と同じく実質破綻しているのである。一般施策(教育、医療、介護等)を削るぐらいならこちらが先でしょう。
文化政策はすぐれて公共的な政策であり、決してそれ自体を否定するものではありません。

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登録日:2006年 12月 18日 23:47:26

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プロフィール
浅田 均
http://www.asd2a.com
大阪府議会議員。
NHK(日本放送協会)、OECD(経済協力開発機構、在パリ)を通じ「放送と通信の融合」、「情報通信」等の研究に従事。99年からは一転、府議として「行財政改革」、「地方分権」等に取組む。
京大卒。スタンフォード大院修士修了。
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