カテゴリー [地方分権]
民主党の分権改革
以下は毎日新聞。
臨財債:「埋蔵借金」34兆円 自治体名義、国が補てん
交付税特別会計の仕分けでは、地方自治体の発行する赤字地方債「臨時財政対策債」(臨財債)残高が34.3兆円(10年度末推計)に達することが 「埋蔵借金」として問題になった。臨財債は自治体名義での借金だが、返済は利子も含めて国が翌年度以降の交付税で全額補てんする約束になっているためだ。
特会が金融機関から直接借りている33.6兆円と合わせると、交付税を原資に返済せねばならない借金は約68兆円に及ぶ。仕分け人からは「実質 『隠れ借金』ではないのか」との懸念の声が相次いだ。
臨財債は、交付税の財源である所得税、法人税収などの落ち込み分を賄うための特会の借金が膨らんだため、「地方名義で借金させれば、地方財政に規 律が働く」との論理で01年度に導入された。自治体は、総務省が認めた上限額まで臨財債を発行して財源不足を補う。11年度は合計で7.5兆円を上限とする見通し。
仕分け人で元神奈川県逗子市長の長島一由衆院議員は「現場の財政担当者は、国に面倒を見てもらえると思っている。借金を(特会から臨財債に)付け 替える体質をリセットすべきだ」と指摘。判定は「抜本的見直し。より確実な償還を検討する」だった。
一方、逢坂誠二総務政務官は記者団に「(臨財債発行は)国の財政状況の(厳しさの)裏返し。交付税特会だけ『早急に整理せよ』との議論はフェアで なく、税財政全体の中で答えを出すべきだ」と不満を見せた。
地方の立場から言えば、正しいのは逢坂・政務官だけである。
「埋蔵借金」として問題にした仕分け人たち(多くは国会議員だろう)は、その「埋蔵借金」を含む地方財政計画を自らの政府が策定し閣議決定していることをご存知ないのだろうか。自ら作っておいて自らおかしいと言う。こんな政党が「分権改革が1丁目1番地」等といっているのだから、開いた口が塞がらない。
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登録日:2010年 10月 30日 00:14:45
総選挙の争点③
各政党のマニフェストが出揃った。自民・公明、民主のそれらを一読しての感想は以下の通りである。
先ず、いずれにも言えるのはビジョン(理念)とその背景となるマクロ理論が明確にされていないので、個別の政策の実現可能性を検証しようがない、ということだ。
民主の場合、成長戦略が描かれていないので、手当と無償化のオンパレードの財源は?と誰もが問うだろう。また、製造現場への派遣を禁止してしまえば、製造業はどうなってしまうのか、これも誰もが思うところだろう。
自民の場合も、「10年で家庭の手取りを100万円増やす」というのは論外だが、OECD諸国並みの公財政教育支出の確保というのも財源をどこに求めるのだろうか。因みに日本の公財政教育支出はOECD加盟国中最低で(GDPの約3.7%)、これをせめてアメリカ並みの5%に引き上げるだけでも6.5兆円の予算が必要になる。
分権について言えば、民主の「ひもつき補助金の廃止」、「国直轄事業負担金の廃止」は評価できるものの、地域主権の項目に「農業の個別所得補償制度を創設」とあり、この政党が都市住民を代表する政治勢力では全くないことまも明らかになった。
「新地方分権一括法」と「国と地方の協議の場の法制化」にまで踏み込んだ自民、公明のマニフェストを評価したい。
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登録日:2009年 08月 03日 01:46:51
総選挙の争点②
(もちろん総選挙の争点は外交、防衛から内政の諸課題まで多岐にわたる。今回取り上げているのは「地方分権」に的を絞れば何が争点か、ということである。)
片山教授が指摘されていることで、当方も繰り返し述べているのは、自治体が自分の意思で借金ができないことである。
現在、地方債を発行するには国の同意を得なければならない(地方財政法)。(地方財政計画を国が決めるのも、自己決定、自己責任の分権推進派から見るとおかしな話である。)
片山教授は、知事時代、地方債に関する国の関与を廃止するよう要請しようとされたが賛意を示した知事は一人しかいなかったと述懐されている。
この点に関して当方は、起債(借金)の可否はマーケットと議会の判断に依るべし、という主張を続けている。だからこそ、議会の判断力、「議会力」を強める工夫と努力が議会に求められるのである。
この点についても、住民自治の強化という観点から、各党がマニフェストに何を書くか注目している。
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登録日:2009年 07月 23日 23:54:11
総選挙の争点①
「(政党が)全国知事会の要請をそのまま受け入れることが、果たして真の分権改革につながるのか」、片山善博・慶大教授が2点疑問を投げかけている(日経グローカル 7/20 No.128)。
片山先生の言われるように「真の地方分権改革」の目的は、自治体やその長を強くすることではなく、住民意思を自治体行政により反映させやすくすることにある。(この点に関しては全く同感であり、そのために、府議会として政務調査費に関する条例の改正、さらには議会基本条例を制定したところである。)
だから、知事会の7点の要請のうち「地方消費税の充実・引き上げを」という要請はおかしい。何故なら、地方消費税について言えば、「地方政府の仕事を増やせば税率が上がり、仕事を減らせば税率が下がる。このメカニズムを通して住民・議会が自治体の財政運営の在り方を決めるのが地方自治の本質」なのに、税率変動の自由は国にあって地方にはないからである。
この点に関し、橋下知事は16日の記者会見で「消費税の増税に関する全国知事会の提言は納得できない。国会議員にだけ増税で頑張れ、というのは全く理解できない」と発言しているが、片山教授の見解と同様的を得た発言である。
「地方消費税の充実・引き上げを」という知事会の要請に対し各党がどのような見解とマニフェストを示すのか、一番注目している。
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登録日:2009年 07月 22日 21:24:13
自民党都議の不幸
当然のことながら、国会と地方議会の争点は異なる。
例えば、昨年来の首相の数ある失態を都議選のネガティブキャンペーンに使われるとしたら、そもそもが筋違いであり知事や都議候補にとっては迷惑もいいとこだろう。
ところが政党に所属している限り、そういう部分も有権者にとっては判断の基準にならざるをえない。
これは如何にもおかしなことなので、政党組織も分権化する必要がある旨かねてより主張しているのである。
大阪府の財政規律の回復の必要性をどこよりも強く主張したのは自民党であったが、(金利ゼロに近い状況で需要不足を補うためには財政出動しかなかったということは認めるにせよ)赤字国債を15兆円近く発行し、国の財政規律の回復を先送り、棚上げしたのも自民党なのである。
自民党の国会議員は何とか自分の劣勢を挽回するために都議選を利用したかっただろう。それが、都議候補に如何に迷惑であったかは察するにあまりあるし、同情を禁じ得ない。
こういうところにも分権を進める必要がある。国会の争点と地方議会のそれが自ずから全く違うようになるのだから。
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登録日:2009年 07月 11日 23:50:41
本末転倒
以下は朝日新聞。
自民党は衆院選の政権公約(マニフェスト)に、全国知事会の求める「国と地方の税源配分5対5の実現」を盛り込まない方向になった。・・・財源部分で消費増税を含めた税制改革の全体像が見えない中では明記できない、との認識で一致した。
「国と地方の税源配分5対5の実現」は全国都道府県議長会の求めでもある。即ち、全国都道府県会議員の要求でもあるのだ。それに応えずして何が分権だ。何のための選挙だ。
財源部分で消費増税を含めた税制改革の全体像が見えない中では明記できない、というのも本末転倒である。国と地方の税源配分5対5を実現させるために、どのように税制を改革するのかが問われているのであり、そのためのマニフェストを作成するのでなければ、戦わずしての敗戦宣言に等しい。
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登録日:2009年 07月 08日 01:31:29
橋下知事の正解
伝えられるように、「新党について、今のところ、次期衆院選に向けて国会議員を擁立するところまでは思っていない。地方の政治を改革する党というイメージがある、などと説明」(26日付産経新聞)、というのであれば目標はローカルパーティー(地域政党)にならざるを得ないのではないか。
デュヴェルジェの法則を持ち出すまでもなく、小選挙区制下では2大政党制が必然の帰結であり、既に自民(或いは自公)と民主という2大政党が存在するのだから、そこに割って入るには同等の大きさのナショナルパーティーを作る必要がある。いかに橋下・東国原連合に人気があるとはいえ、一気にそこまで事を進めるのは無理だろう。
だとすると、東国原知事のように一つの政党を乗っ取ろうとするのか、もっと現実的にはローカルマニフェストを持った橋下ローカルパーティー、中田ローカルパーティー、露木ローカルパーティーが連合を組んで分権マニフェストを作り、それに賛同する国会議員を応援し、地方分権を成し遂げることである。
橋下ローカルパーティーなら府議会の中にも私を含め賛同者は多数いるだろう。但し、既存のナショナルパーティーとの関係をどのように整理するかという難題を克服する必要がある。
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登録日:2009年 06月 29日 00:39:47
参議院は要りますか?
第2院の意見が第1院のそれと同じなら不要であり、異なるなら有害である、という古典的な議論を以前に書いたことがある。この議論は、まさしく今の参議院に当てはまるのではないか。
緑風会等、政党色が薄く良識の府と呼ばれるにふさわしい会派が存在した昔と違い、参議院が完全に衆議院のコピーになってしまっているからである。
東国原知事の発言で再度脚光を浴びているようだが、「国と地方の協議の場の法制化」については、全国知事会も都道府県議長会も国に対し同じ要望を行っている。
法律により新たに協議の場を設けるより、参議院の構成を改め、議員を首長と地方議会議長等から選ぶようにすれば、分権も進むし、地方の意見が直接に国に届く(現職の国会議員で地方財政計画の細部まで理解している人が何人いるのだろうか)。東国原知事が「国政に行く」などと発言する必要もなくなる。
橋下知事には、分権、道州制を議論するなら併せて参議院についても議論していただきたいものである。
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登録日:2009年 06月 25日 23:59:25
大阪発”地方分権改革”ビジョン(案)を読む
ビジョンの細部に異論はある(例えば、市町村優先の「分権」と府への「集権」は、正確には、大阪府への「分権」、そして市町村への「地域分権」或いは「域内分権」とした方が分かりやすい)が、基本的なところでは同意見である。
最大の問題点は、①国との関係を、大阪府という自治体という観点から、明確に記述していないことと(例えば、国からのあるべき税源の移譲額)、②大阪市との新たな関係づくり、の項で「大阪市は、・・・府県並みの高度な事業を独自展開」という問題意識から市との「恒常的な協議の場」の新設を決めながら、早々と水道協議について「後々の混乱を招かないためにも中途半端な合意はしたくない。年度内に最終結論を出したい」(平松市長)(産経新聞、1月29日)という発言を許していることである。
求められている広域的な発想がないなら、政令市大阪から府県並みの権限は剥奪されるべきである。或いは、逆に市域内分権が進められるべきである。
市長と知事はそれぞれの基本的な立場について認識を共有しているのだろうか。
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登録日:2009年 01月 29日 23:12:13
都道府県議会議員研究交流大会
21日に東京で開催された都道府県議会議員研究交流大会に分科会(「議会のチェック機能の強化」)のパネリストとして参加し、平成18年2月議会において議員提案で成立させた「出資法人等への関与事項を定める条例」制定に至る経緯について発表させてもらいました。
もう一方パネリストとして参加された内田健・県議(山梨県)は、同条例の制定目的と同様の目的を持つ「山梨県出資法人調査特別委員会」を設置された経緯について説明されました。地方議会改革のために様々な取り組みがなされています。
私は衆議院と同質化してしまっている参議院不要論者です。二院制を残すなら、地方の首長か地方議会の議長で構成する院があるべきではないでしょうか。
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登録日:2008年 11月 23日 23:19:35
- プロフィール
- 浅田 均
- http://www.asd2a.com
- 大阪府議会議員。
NHK(日本放送協会)、OECD(経済協力開発機構、在パリ)を通じ「放送と通信の融合」、「情報通信」等の研究に従事。99年からは一転、府議として「行財政改革」、「地方分権」等に取組む。
京大卒。スタンフォード大院修士修了。
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- [12/02] 自ら首を絞める大阪府議会
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