カテゴリー [地方分権]

議会の役割

三重県議会主催の「第4回全国自治体議会改革推進シンポジウム」に参加し、片山善博・慶大教授の講演(議会のミッション)をきいた。

内容的には先日発信した大森教授の発言と重なる部分が多いが、はっとするような.指摘もあったので以下に記しておく。
1.地方財政法3条2項に「地方公共団体は、あらゆる資料に基いて正確にその財源を捕そくし、且つ、合理的な基準によりその経費を算定し、これを予算に計上しなければならない」とあるが、道路特定財源に係る歳入予算の確実性を点検したか。
2.税条例改正案を議会は審議・議決しているか。
3.予算のチェックと決算審査を徹底すれば「行政評価」は必要ない。
4.首長と議会のどちらに力があるかといえば議会である。議会と住民のいずれに最終決定権があるべきかといえば住民である。
5.地方分権とは、自治体の「規律づけ」を国ではなく、住民が行う仕組みへの変換である。
6.議会とは政策を競る「魚河岸」のようなものである。

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登録日:2008年 04月 11日 23:41:27

議会改革②

大森先生の話の続きです。
「今日に至るまで、分権改革にはさまざまな宿題が残っている。栗山町議会基本条例では議会の議決事項に基本構想、総合計画を加えている。その議決事項がどういうものかと言えば、あれはすべて行政計画である。各省庁が個別法を制定し、市町村等に計画づくりを義務付ける場合は議会の議決を要さない。だからこそ行政計画はたくさんあり、議会を脇においたまま運営してきている。首長の方で用意された計画は議会に対してはほとんど報告のみ。しかも重要な政策領域に関わる計画はほぼ住民参加でつくられるため、事後報告を受けた議会がそれに対して一体何が言えるのか。栗山町は、それをせめて議決事項にすることによって、詳しく問いただして行こうと考えた。」

平成17年当時、もし議会基本条例の制定が時期尚早ならば、せめて総合計画等を議決事項に含める条例を制定しようとしたのだが、それさえもすべての会派の理解を得られるまでには至らなかった。

大森先生の話に戻る。
「なぜ分権と地方議会が結びついて考えられるか。それは、分権改革で廃止された機関委任事務が議会を排除する仕組みであり、その反射として首長を使う仕組みだった。機関委任事務の廃止とともに、これまで排除されてきた議会のあり方が問われるのは当然のことである。別な言い方をすれば、従来の体制に眠り込んできた議会は危機に立たされている。」

議会自身が危機を感じなければ、そもそも議会などいらなくなる。
橋下知事の一挙手一投足が注目を集める昨今、議会がどのように存在理由を示せるのか。
さて蒸気船の来航をどのように導くか?

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登録日:2008年 04月 07日 23:49:59

選挙ラッシュ

守口市長選挙の次は大阪市長選挙だと思っていたら、予期しなかった枚方、東大阪の市長選が間に入ることになり、来年2月の知事選挙を含めると約半年の間に府内で5つも首長選挙があることになった。
首長選挙の場合、殆んど政党は一歩後ろに引くのだが(殆んどが推薦で公認は皆無)、推薦の条件を、政党支部や議会内会派等の決定を上部機関に上げる等の従来のやり方ではなく、あなたは首長として、例えば分権を進めるために、どの補助金の廃止を求めますか、どういう規律密度の緩和を求めますか、等の質問に対する答を基準にしてみてはどうだろう(もちろん現職の場合だが)。ビジョンを実現するためには例えば都市計画法の、建築基準法の、景観法のここをこのように緩める必用がある。この補助金は要らない、等の主張を同じくする候補を推薦すれば地方の声はもっと大きくなるのではないか。それともローカルマニフェスト、ローカルパーティー(地域政党)の設立が先か?

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登録日:2007年 09月 04日 23:56:57

内閣改造

今回の組閣で注目したいのは、増田寛也・前岩手県知事の総務相、内閣府特命担当大臣就任である(地方分権改革、道州制等も担当される由)。
先ず、県知事を3期12年務められ地方の実情をよく知る方が、これからの分権改革の要となる大臣に就任されたことに対する期待がある。他方、人口約140万人(県庁所在地の盛岡市の人口が30万人)、政令市もない県の元知事が考える地方分権と、例えば政令市を2つ抱える大阪府や神奈川県の望む分権が果たして同じ方向を向いているのかという不安がある。国と地方の関係を「都会と田舎」という関係で理解され、肝心の「国と地方」という関係が無視されてしまわないか。

三位一体の改革が明らかにしたように、国税から地方税への税源の移譲、都道府県と市町村の税源配分の問題、また、国庫補助負担金の廃止については都道府県間、都道府県と市町村の間で意見が対立する可能性がある。
知事は府下の市町村とも協議の上、独自の分権改革案(廃止されるべき国庫補助負担金、移譲されるべき税源と税額、緩和されるべき法令の規律密度)を用意し、東京都、神奈川県、愛知県等と諮り、地方分権改革推進本部に提案してゆくべきである。

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登録日:2007年 08月 27日 23:59:17

議院内閣制

よく似たことを考える人たちがいるものである。
「憲法93条に、地方公共団体には議会を設置し、長は選挙で選ばなければならないと書いてある。だから、今の日本の自治体で議院内閣制という制度をとることはできないというのが通説になっている。ところが、新しく道州をつくるとすれば、93条で言う地方公共団体でないと解釈すれば、とたんに可能になる」(「いま、なぜ地方分権なのか」西尾勝、新藤宗幸・著)
こんな道州制なら、財政的にも完全に自立した道州なら、大賛成である。

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登録日:2007年 07月 30日 23:58:32

参議院

第二院が第一院と同意見なら不要で、意見が異なるなら有害である、という有名な説については以前述べた。
参議院選挙が始まって、各党党首が主張している内容は、これが総選挙だと仮定しても全く変わらないだろう。ただ議員の選ばれ方が異なる(中選挙区、非拘束名簿式等)だけである。このままなら廃止してしまうか、残すとしても、例えば47知事等地方の代表から構成される院に制度を変えてしまったらどうだろうか。国と地方の関係は完全に対等になるし、分権についてももっと真剣に議論されることだろう。「国と地方の協議の場」なんかで誤魔化されていないで。

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登録日:2007年 07月 16日 23:59:29

朋の遠方より来る

昨日来、「大阪府個別外部監査結果報告書」(787p)と「住民監査請求に係る監査結果」(42p)を一読すべくずっと机に向かっておりましたところ、何と北海道・栗山町議会の中尾事務局長さんが電話を下さいました。当ブログ、HPで同町議会の「議会基本条例」について取上げたことに対するお礼と、月末に京都に講演に来られる予定で、そのご案内までいただきました。近いうちに訪問したいと思っていたところです。むこうからお誘いをいただけるとは光栄なことです。「ネットワークで分権・自治を実現しよう」とは当HPの遠い目標ですが、IT社会は予想より早くそういう社会を招来させるのかも知れません。

外部監査人は、意見(p21)の中で「あり方協議会」の課題についてまで言及されています。また、大阪府監査委員の意見(p28)では「まず、政務調査活動の意義・内容を十分議論したうえで、本件報告書に付された意見と合わせて、本府政務調査費制度の問題点として以下の点に留意して検討されるよう望みたい。・・・即ち、適切かつ明確な使途基準、透明性の確保、収支内容のチェックと公開のシステムづくり。」

政務調査費制度の改善が喫緊の課題であることは言を待ちません。しかしながら、それはいわば出口の議論であって、同時に入り口の政務調査活動の意義・内容を十分に議論することも劣らず重要なことと考えます。そういう点からいうと小さな町の議論ながら、栗山町発・議会基本条例は大きな示唆を与えてくれます。

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登録日:2007年 06月 17日 23:59:01

OECDの指摘

OECD日本経済白書2007は、経済産業省の「新産業創造戦略」の持つ問題点を正確に指摘している。曰く、今後20年から30年にわたって日本経済を支えるために、燃料電池、情報家電、ロボット、コンテンツ、健康・福祉、環境・エネルギー、ビジネス支援サービスの7重点分野が特定されたが、①急速な技術変化を考えると、25年もの期間をカバーするロードマップは有用ではない、②政府は一国のイノベーション政策を国土の均衡ある発展のための手段とするべきではない。
ビジョンも理念も無い首長は、国が主導するこういう政策にすぐ飛びつく。それで、バイオの拠点、コンテンツの拠点等を目指すところが日本全国至るところに現れる。投資は効果を上げられず、クラスターは形成されない。政府の失敗死屍累々は何の栄養にもならないのか。桜は死体から水分を吸上げて咲くから美しいといわれるのだが。

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登録日:2007年 06月 12日 23:53:57

地方が主役の国づくり②

分権の推進を求める諸氏に今一度読んでいただきたいのは、地方分権推進委員会の最終報告(平成13年6月21日)である。
同報告の第4章において、未完の「第1次」分権改革で取り残され、「第2次」分権改革の課題とされるべき6項目について整理されている。即ち、①地方財政秩序の再構築、②地方公共団体の事務に対する法令による義務付け、枠付け等の緩和、③地方分権や市町村の合併の推進を踏まえた新たな地方自治の仕組みに関する検討、④事務事業の移譲、⑤制度規制の緩和と住民自治の拡充方策、⑥地方自治の本旨の具体化、である。
松井(府議団政調会長)VS松浪(健太・代議士)論争には②と④の混同があるように思える。今回の「第2次」分権のターゲットは①と②に絞られるべきだと思うのだが(法令や補助要綱等に基づく規律の密度を大幅に緩和し、条例の上書き権を含めた条例制定権拡大を早期に実現するだけでも改革は大きく前進する)。

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登録日:2007年 06月 07日 23:33:51

地方が主役の国づくり

先ごろ発表された「地方分権改革推進にあたっての基本的な考え方」(地方分権改革推進委員会)に基本的に賛成である。とりわけ、目指すべき方向性のところで「地方が主役の国づくりを実現するには、自治行政権、自治財政権、自治立法権を十分に具備した地方政府を確立する必要がある」と述べている件には我が意を得たりという思いがする。また、役割分担の見直しのところに記されている、①条例による法令の上書き権を含めた条例制定権の拡大、②国庫補助負担金を通じた関与や事務手続きの見直し、についてはできるだけ早期に実現するよう議会や大阪府連で声を挙げたい。地方と中央が、また長と議会が真に対等の関係になる前提なのだから。

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登録日:2007年 06月 06日 23:58:08

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プロフィール
浅田 均
http://www.asd2a.com
大阪府議会議員。
NHK(日本放送協会)、OECD(経済協力開発機構、在パリ)を通じ「放送と通信の融合」、「情報通信」等の研究に従事。99年からは一転、府議として「行財政改革」、「地方分権」等に取組む。
京大卒。スタンフォード大院修士修了。
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