2006年 02月 14日
ホンモノとニセモノ
【ハンブルグ/ドイツ 10日 AFP】9日、ハンブルグにあるオークションハウス・サザビーズに展示されている、ノルウェーの画家エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch)の作品を来場者が眺める。オークションハウス・サザビーズでは、来月7日にイギリスのサザビーズで行われるオークションにこれらの作品の他、ピカソやモネの名画が出品される予定となっている。(c)AFP/Roland Magunia
日本でバブル全盛期の頃に、西洋の絵画にバカ高い値をつけて、世界を驚かせたのも今は昔。その後のアメリカのバブルの方が、もっと絵画の単価をさらに釣り上げた。資本力の違いを見せ付けられたような気にもさせられる。
■さぁ、商売の始まりだ!
誰にでも思いつくことかもしれないが、それだけ高く売れるなら・・・という思惑から、ニセモノも市場には混じるようになるわけだ。考えてみれば、所詮カンバスという布の上(板の場合もあるが)の上に、顔料と油を混ぜたものを、いろいろと塗り重ねたものが、大変な値を付けるわけだ。人件費、というのを除けば、原価率は低い・・・・
■ニセモノの種類
ニセモノにもいろいろと種類がある。大きく、3つに分かれる。
①『ごく最近、現代時の手によって作られた、昔の作品のフリをした偽者』
一番にタチが悪いし、ある意味、実際には何の価値もないものだ。多分、皆さんが思う『贋作』 なりフェイクなり、ニセモノというもののイメージはこれだと思う。でも、これがまた、バレないで出回っている例を、非常によく聞く。買う側も
②『本物と同時代に意図的に作られたニセモノ』
これは、ホンモノとは、そもそも何ぞや、という論議にも展開される。近代まで、絵画などは徒弟制度で工房で作られているケースが多い。師匠が顔や手などの主要な部分を描いて、残りを弟子が仕上げるというような、漫画の製作と似たようなことは、別に当たり前のことだった。
なかには、弟子が全部描いて、師匠がサインだけ、というケースだってある。でも怒るには、あたらない。フランドルの巨匠ルーベンスの弟子、ヴァン・ダイクも同じ立場にあったが、二人の間に技術的な差もなければ、名声に差もない。実際に、どこまでがルーベンスなのか、わからない作品は存在する。
しかし、タチが悪いのは意図的に作られたニセモノだろう。正直な話、わからないことは多いのだ。見分ける方法は、大変にデリケートで、難しい。美術史家たちと、贋作作家の戦いがここにあるのかもしれない。
③作品自体は別にニセモノとして作られたわけでもないのに、現代の商売人たちによって、ホンモノという事で出回ってしまったもの
残念ながら、クリスティーズのようなクラスのオークションハウスでも、そういうものが出てくることがある。誰がそんなものを出すのか分からないが、確かに、ある。写真で見ただけでも、ミケランジェロではありえない作品が、ミケランジェロとして出て、ミケランジェロとして落札された例もある。
これには、某イタリアの大学の客員教授(ルネサンス前後のイタリア美術専門)とそのときの出品目録を見ながら、とんでもないことだよねとつぶやいたものです。
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登録日:2006年 02月 14日 10:17:32
- プロフィール
- 秋田麻早子
- ■プロフィール:
Art Historian たぶん美術史学者、ときどき考古学。
アメリカの僻地の大学・大学院では西洋美術史を専攻。
でも論文を書いたのはアケメネス朝ペルシャ。
・・・美術史という素材の調理方法の可能性を模索しすぎで
エントロピーの法則な日々。
美術史・考古学を軸に、幅広く文化史的なモノゴトとか
特に、アートや学問の世界の面白いとこをご紹介しちゃいましょう。
MA in Art History 2002, University of Texas at Austin
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