2006年 03月 10日

シェークスピアの正体?

6枚のシェークスピア肖像画展示される - 英国

【ロンドン/英国 2日 AFP】1日、ロンドン(London)の国立肖像画美術館(National Portrait Gallery)で、ウイリアム・シェークスピア(William Shakespeare)の肖像画と言われる、16世紀から17世紀にかけて異なった画家によって描かれた6枚の絵が展示された。
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(c)AFP

AFPBB News


ウィリアム・シェークスピアに関する総合的な展覧会が開かれている。
彼に関しては、さまざまな謎に満ちていて、多くの人の関心をひいてやまない。

そもそも、16世紀エリザベス朝で活躍した、この劇作家が、いったいダレだったのか?!というのが問題とされている。つい最近にも、外交官のダレソレであったという研究発表がされて世界にセンセーションをおこしたばかりだ。また、当代随一の知識人であったフランシス・ベーコンではなかったか?という説はかなり有力視されていた。

これを単なる疑問にとどめず、実際に確かめようとした人がいる。アメリカの物理学者メンデンホールだ。彼は、単語のスペクトルという、書き手の使う単語の分布の分析から、ベーコンとシェークスピアの文章は、まったく違う傾向を示しており、別人であると結論づけた。

こんな疑惑を生んでしまうのも、ひとえに、シェークスピアの作品がギリシア・ローマの古典を含む、ヨーロッパ全域の文化への深い理解を示しているからだ。一介の一般人のなせる業ではない!と思ってしまうのも無理からぬことだ。

しかし、シェークスピアファンが持ち上げたくなる気持ちもわからなくはないが
随所で「それは、勘違いでは?」と思われる箇所もあるといわれている。
たとえば、「オセロ」について。これは、作家塩野七生も指摘していることだが。

ヴェネツィア支配下のキプロスが舞台で、サヌードの日記に「クレタ島総督のクリストフォ・モーロが、キプロスからの帰途の船上で、妻を死なせた」という記述がある。
この、モーロという単語は黒い、という意味がある。
ミラノのスフォルツァ家にも「イル・モーロ」とあだ名された男がいますが、
提督は、後にヴェネツィア共和国の元首になることが多く、他国人や黒人がなる可能性は相当に低い。

そして忘れてはいけないのが、プリニウスの記述だ。くわの木(morus)をもっとも賢い木、として記述している。そして、黒という色は、知識の象徴としてよく用いられる。モーロという名前が、単に『黒人』を表すとは考えにくいのだ。

これが、シェークスピア氏のどういう解釈にもとづいたものか、異国情緒と高めるためであったのか、単なる勘違いであったのか、今では知る由もない。しかし、これがわかると彼の教養の度合いも見えてくるというものだ。
おのずと、正体の輪郭も見えてくるだろう。

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登録日:2006年 03月 10日 19:39:37

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プロフィール
秋田麻早子
秋田麻早子
■プロフィール:
Art Historian たぶん美術史学者、ときどき考古学。
アメリカの僻地の大学・大学院では西洋美術史を専攻。
でも論文を書いたのはアケメネス朝ペルシャ。
・・・美術史という素材の調理方法の可能性を模索しすぎで
エントロピーの法則な日々。

美術史・考古学を軸に、幅広く文化史的なモノゴトとか
特に、アートや学問の世界の面白いとこをご紹介しちゃいましょう。

MA in Art History 2002, University of Texas at Austin
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