2006年 07月 06日

マーケティング上手なアメリカ人

ワシントン・モニュメントの歴史 - 米国

【ワシントンDC/米国 28日 AFP】ワシントン・モニュメント(Washington Monument)が23日、夜空に映える姿。
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(c)AFP/Karen Bleier

AFPBB News


これって、ローマにあるオベリスクそっくりですよね?

■オベリスク

オベリスクは、元々はエジプトにあったもの。
神殿の両脇などに、このように一本単独ではなく、左右対称に対で置かれていたものです。
紀元前32年、アクティウムの海戦で、エジプトがローマに滅ぼされたとき、戦利品として持ち帰られたものです。ローマが名実ともに、地中海の支配者、世界帝国になったシンボル的な存在。

■その向かい側にあるものは?

このオベリスク=ワシントン・モニュメントの前には人工池があり、夜にはライトアップされ水面に映し出されます。その人工池の向こうにあるのが・・・リンカーン・メモリアルという、ギリシャ神殿のような建物です。

まさか、偶然そんな風になったりするわけがありません。
意図的に決まってます!
ワシントンは、「シーザーになれたのに、ならなかった男」と言われています。
アメリカの政治関係の言葉は、ローマの言葉に沢山依拠しています。

■中興の祖、リンカーン

ローマが覇権を握る前、どんな文明が地中海世界で実験を握っていましたか?
それは、プトレマイオス朝エジプトというギリシャ人(支配層はギリシャ人です)の王国を含めて、ヘレニズム時代、つまり、ギリシャ人の時代です。

リンカーン・メモリアルの中には、まるで神の像のように巨大なリンカーンが座っているのです。

この建物が建てられた当時、美術は19世紀末古典派が中心でした。古典流行りの時代だったのです。古代ローマ人も、重要でシンボリックな建物を市内に、意図的に、効果的に並べていました。ここまで、あからさまに並べても、特に古典を知らないアメリカ人にとっては、大したことではないのかもしれません。

■第三代大統領、トマス・ジェファソン

ちなみに、アメリカで建築を学ぶ人達が「アメリカで最も美しい建物」と呼ぶ、ジェファソン・メモリアルは、ローマの万神殿と言われる、パンテオンにそっくりな建物です。

ローマにあるパンテオンは、アウグストゥス皇帝(初代ローマ皇帝、紀元前1~紀元後1世紀)の優秀な部下、アグリッパが建てた、全ての神様にささげられた建物。伝統的な神殿とドームが組み合わさった斬新なデザイン。(おそらくギリシャ人の美意識だと気絶するくらい悪趣味なんだと思いますが・・・・)。

ジェファソンという、ワシントンにとって、いなかったら何も生まれなかったかもしれないほど、大事な仲間に、この建物がささげられているのも、また巧妙なところですね。

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登録日:2006年 07月 06日 17:09:42

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プロフィール
秋田麻早子
秋田麻早子
■プロフィール:
Art Historian たぶん美術史学者、ときどき考古学。
アメリカの僻地の大学・大学院では西洋美術史を専攻。
でも論文を書いたのはアケメネス朝ペルシャ。
・・・美術史という素材の調理方法の可能性を模索しすぎで
エントロピーの法則な日々。

美術史・考古学を軸に、幅広く文化史的なモノゴトとか
特に、アートや学問の世界の面白いとこをご紹介しちゃいましょう。

MA in Art History 2002, University of Texas at Austin
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