2006年 07月 30日
絵の具の奥に・・・・
【ニューヨーク/米国 23日 AFP】19世紀末を代表するオーストリア人画家グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)。
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(c)AFP/LOS ANGELES COUNTY MUSEUM OF ART
グスタフ・クリムトは、とても人気のある画家であり続けているようです。
金箔・エロティックな表情、日本人の好みになぜだか合致しているのかも。
■四角と丸
クリムトファンなら、おそらく、しつこく、しつこく、何度も見ることになる、この四角と丸のモチーフ。ときに、長方形であったり、コーヒー豆のような形状であったり。
残念な、お知らせですが、はっきりと、男女の生殖器のシンボルマーク的に使われています。どちらが何で、どれがどう対応するか、述べるまでもないような・・・
彼の作品で「ダナエ」というのがある。ギリシャ神話の中で、塔に閉じ込められた美女ダナエに、黄金の雨となって降り注ぐ神ゼウスの物語だ。生まれてくるのは、アンドロメダ姫を救うペルセウス。
さて、この黄金の雨、クリムトは、黒い長方形の波で表現しているわけで・・・
■クリムトとエロティックなスキャンダル
クリムトのアトリエに、泥棒が忍び込んだことがある。
描きかけの作品を見て、泥棒は衝撃を受ける。
そこには、女性の局部が微に入り、細に入り、詳しく描写されていた。
しかし、同作品のその女性は、発表された段階では着衣で描かれていた。
その絵の具の下には、泥棒の証言のように、モザイクが必要な筆致が隠されていたわけ。
さらに、クリムトに関しては、愛人譲渡というストーリーもある。
日本では、同じく人気のエゴン・シーレ、彼はクリムトの弟子。
クリムトは自分のモデルを勤めていた、ヴァリという女性をシーレに譲る。
シーレはクリムトよりさらに、激しい性描写で知られる。
春画も目をそむけるかもしれないほどに、局部の描写であったり
少女の裸体を、しかも生々しく描いた作品で知られる。
何故か、彼も日本ではタイヘンな人気だ。
悲しいが合理的な現実。シーレはヴァリを捨てて、別の女と結婚。
シーレも妻も、20代の若さで没することを考えると、全員、微妙に不幸な香りに包まれている。
■五木寛之
「哀しみの女」という五木寛之の作品は、まさに、このシーレとヴァリの関係をモチーフに
舞台を日本に移し変えた作品。
少しばかり、画家とモデル、愛人、恋人、妻、という関係にたいして
具体的なイマジネーションをかきたててくれるので、興味がある方には一読を薦める。
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登録日:2006年 07月 30日 03:24:50
- プロフィール
- 秋田麻早子
- ■プロフィール:
アメリカはテキサスで西洋美術史を専攻。現在、博士課程で美術史・考古学なんかを面白がるコミュニケーションを鋭意研究中。
著書に『掘れ掘れ読本』(バジリコ 2007)。笑いのとれる考古学入門書を目指したもの。
連絡先:
mana_mana_chan@hotmail.com
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