2006年 08月 05日
表現手段の変遷
展示会「Adventures with form in space」が開催される - オーストラリア
【ニューサウスウェールズ/オーストラリア 4日 AFP】シドニーのニュー・サウス・ウェールズ州立美術館(Art Gallery of New South Wales)で9日から、8人のオーストラリアのアーティスト達の作品を集めた展示会、「Adventures with form in space」が開催される。
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(c)AFP/Greg WOOD
わー、ヘンなかんじー!
こういうアートとか言うものを見ると、「へぇ、これがアートねぇ」という感想をもつのでは?
何でもアリなの?!って思うかもしれない。
こういうアートは、インスタレーション、というジャンルになる。
19世紀頃までは、美術史の世界でも、美にはギリシャ美術に代表されるような、絶対美があり、それを基準にして、美or not 美、でアートは評価されていた。
そんなドイツ観念論的アート論も消え去り、今や、およそ人間が手を加えて作り出したものは、本人の意図すらどうでもよく、全てアートたりうる。
カテゴリーが多様化した。
■「アート」を表現するツール(方法)、メディアの変遷
芸術作品を作るぞ!と作者が考え、自覚して作られるようになったのかは
本当のところ、歴史のどの瞬間かはわからない。
純粋に芸術、だけでなく、政治的な意図や宗教的な目的も含まれ
芸術=芸術のための芸術、純粋アートの存在というのは、意外にごく最近の感覚ではないかと思われる。
また、宗教的であろうが、政治的であろうが、そのメッセージをアートから切り離す必要もない。アートとは、「メディア(伝達手段)」であり、作者にとっては「方法(ツール)」なわけだから。
例えば、紀元前数千年にも、エロティックな表現などが残っているが
ポルノグラフィなのか・・・・宗教的に重要な意味をもった「儀式」をあらわしているのか
議論の分かれるところでもあり、古代人にインタビューする機会もない・・・・
■むかし、むかしは・・・
先史時代(歴史が文章で記録に残る以前)の作品で、美術史の歴史で扱うようなブツの表現様式としては、以下のようなものがある:
土器
土偶
石像
石膏像
テラコッタ
ファイアンス(釉薬をかけたもの)
建造物(墓であったり、居住空間)
主に、生活に関係したものや、墓周りのものがどうしても多くなる。
これらの作品には、誰が作ったのか?という個人的な情報はない。
■いわゆる美術史のメイン
記録も残っていて、誰が作ったのか、作らせたのか、などの情報が分かっている作品の時代になると、このようなツールになる(もちろん作者がわからない場合もある):
絵画(フレスコ・テンペラ・油絵)
彫刻(石・ブロンズ)
建築
この3つが、メイン。
それ以外は、いわゆる「ポピュラー・アート」のジャンルで
ガラス器、ジュエリー、生活用品、等、比較的小さい規模の作品は
別枠で扱う。
■現代美術登場!
さて、20世紀以降。
油絵も描きつくした感がある。
彫刻も、彫りつくした感がある。
新しい、もっと新しい表現方法はないの?
芸術家たちは、常に新しいものを求める!
・写真
・民芸品
・パフォーマンスアート(なんでもあり、犬と生活するところをビデオで記録・・など)
・インスタレーション(まさに、写真の作品はこのジャンル)
写真はいわずもがな。
民芸品の類は、アートなんて誰も思っていなかったし、下手をしたら、作った本人も「え?芸術のカテゴリでいいんですか?」と思っていたが、アートに昇格!
この感覚の先駆者が千利休だったりする。フツーの生活用の茶碗を、「イイね」って言い始めたわけだ・・・・
パフォーマンスアートは、例えば、自分が整形手術をするところを撮影、とか、こう、表現の幅を生活だとか、行動で表現するという、非常に捨て身な方法で・・・その後、インターネットで自分の生活を延々流したりする表現のはしりではないか?!と思われる。
インスタレーションは、彫刻や絵画などのように、独立した作品、というより、むしろ
空間全体をプロデュースするような芸術表現。
「体感」できるのがポイントかな?
この表現は、例えば、ショップのディスプレイだったり、レストランなどの空間デザインと共通したもの。
■今では「ライフ」でも100年後には「アート」
このほか、20世紀には、総合アートが華やいだ。
もちろん、それ以前にも、オペラだとか、日本の歌舞伎なんかも、音楽や衣装、ダンスを盛り込んだ総合アートのメディアだった。
この子孫というのが・・・私が思うに・・・そしておそらくは100年後には
アートの歴史で語られるであろうものが・・・
・TV
・映画
・音楽(PVなど、ビジュアル表現を盛り込んだもの)
・高層ビル建築
・飛行機、電車、車などの輸送機関
・電化製品を含む生活用品
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登録日:2006年 08月 05日 07:17:16
- プロフィール
- 秋田麻早子
- ■プロフィール:
Art Historian たぶん美術史学者、ときどき考古学。
アメリカの僻地の大学・大学院では西洋美術史を専攻。
でも論文を書いたのはアケメネス朝ペルシャ。
・・・美術史という素材の調理方法の可能性を模索しすぎで
エントロピーの法則な日々。
美術史・考古学を軸に、幅広く文化史的なモノゴトとか
特に、アートや学問の世界の面白いとこをご紹介しちゃいましょう。
MA in Art History 2002, University of Texas at Austin
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