2006年 11月
ヴァーチャル・ミュージアム
大日本印刷、ルーヴルと提携しデジタル美術館をオープン - 東京
【東京 27日 AFP】大日本印刷はルーヴル美術館(Louvre Museum)と提携し、都内に30日、音声ガイダンスと映像システムによるデジタル美術館「ルーヴル-DNP ミュージアムラボ(Louvre-DNP Museum Lab)」をオープンする。写真は27日、ヘッドホンで作品解説を聞きながらフランスの画家テオドール・ジェリコー(Theodre Gericault)の「銃騎兵(A Carabineer)」の映像を鑑賞する観覧者。(c)AFP/YOSHIKAZU TSUNO
欧米の美術館が、うまいやり方をするな、と思うことは沢山ある。
そもそも、所蔵作品の質が高い。西洋美術に関して、日本はこの点でどうにもならない。
でも、それだけではない、「やるねぇ」というテクニックが盛りだくさん。
そういうと、実際に足を運んだ人だけがわかるチガイだと思ってしまうでしょう?違うの。「実際に美術館に行けない人たち」を取り込んでいるところが、何よりもすごいんです。
日本の美術館は、ハコモノって言われても仕方ないです。
■美術館に「行けない人」を取り込む術
実際にパリに週末ごとにいける人なんて、どれくらいいます?
年に一回だって無理でしょう?
そんな人たちも客として取り込めたら・・・
でも、どうやって?
答えはインターネットなどデジタルなツールを使って。
■ホームページ
まずは、HPの充実ぶりがすごい。実際にいけなくても、相当な情報がネット上で手に入れられるようになっています。最近、ボストン美術館所蔵の作品について調べていましたが、どんな科学分析を行ったかという履歴まで載っていました。
また、会員(会費を払う)になれば、さらに別の画面が見られる、という特典を設けているところもあるようです。
■会員として取り込む
MOMAだとかアメリカの美術館もそうだけど、会員になるとフリーパスになったり、情報を定期的に送ってもらえるなど、さまざまな特典があります。
インターネットで美術館グッズを買えたりする。オンラインで決済できちゃうから、あっという間。オリジナルグッズの質の高さも、わざわざ買う気をおこさせます。MOMAなんかだと、デザイン性の高い雑貨も扱っているので、オシャレなのを探したい人にもピッタリ。
■そして、こういうデジタル・ミュージアムでしょう?
生で見られたら最高だけど、生で見る価値がわかるほどって、よっぽど。ちょっと、まずは触れてみる、感じてみる、そういう「近さ」も美術鑑賞には大事なところ。
しいていえば、美術に関しては説明だとか解説が、とってもつまらないことが多いので、それを改善できたらいいなぁ・・・・と思いますね。
日本も、日本国内の美術に関してはすばらしいコレクションもあるんだから、もっとウマイことやったらイイのに。ここが、海外に弱い日本人の痛いところ?!特に、伝統美術の質の高いあたりの人たちが、海外に弱いのが、実際、日本人全体の利益にとって痛いところ・・・
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登録日:2006年 11月 19日 15:44:57
イラクはどこへ向かうのか?
【モスル/イラク 18日 AFP】バクダッド(Baghdad)から北370キロのモスル(Mosul)のイラク軍駐屯地に、自爆テロ犯が爆弾を積んだ自動車で突入した。イラク軍当局によると、この爆発でイラク兵7人が負傷した。写真は18日、攻撃に使用された車両を調べるイラク兵。(c)AFP/MUJAHED MOHAMMED
フセインが立派な指導者とも思いません。
ですが、イラク人がほかの国の人々と比べて問題がある人たちなのか?
答えは否。
■プライドと政治の思惑と
イラク人と何十年も付き合いがある人たちは、口々に言います。
イラク人は、約束を守り、非常にいい意味でプライドが高いため
気高い行動をとる。
そういった気風が、今のような屈辱的な状況では裏目に出てしまうのでは?と。
そう、イラン人やパレスチナ人たちなら、もう少し、えー加減さ、みたいなのがあって
ここまでにはならなかったのかも。
モチロン、旧イギリス植民地は、行政組織そのものが、ガチガチなところがあって
遊びがないぶん、緊張の糸が切れたときの崩れ方が激しいとも。
何かの文書をコピーするときは、必ず2部づつとり
一部は「何をコピーしたのか」という記録用に保存されていた
というハナシも聞いた。
旧フランス植民地は、もっと抜け穴が多く、表向きの数字には表れない
さまざまな物資が「バザールの商人」たちによって動いていることも事実。
でも、イラク商人、なんて聞いたことがない。
イラクは、そういう遊びの抜け穴がないほど、実直で生真面目で、気高いところがある。
■人類最古の文明を築いた人々
なんだかんだいって、最古の文明を支えた人たち。
もちろん、フセインのようなリーダーはそういう過去を「利用」する。
過去の栄光を、いわゆる七光り的に使うわけ。
偉大なネブカドネザル2世に自分をなぞらえたポスター。
バビロンの観光地化、などなど。
どうしても私には、古代バビロニアの歴史や文学を見ていて
この地に生きた人が、ファナティックで狂信的で話が通じない人には思えません。
本当に人間のココロの機微に通じた
人類普遍の哲学をもった
寛容な文明を作り上げ繁栄させてきた人々なんです。
■利用される「ココロのよりどころ」
つくづく、宗教の対立・・・というか、石油がらみの利害の対立でしょうけど本当は・・・
政治や経済の思惑を通すために、宗教的信念が利用されるとき
折り合いがつかない醜い争いを生んで、利用した人にも跳ね返ってくるような
そういう構造が生まれているんでしょうね。
歴史や宗教を道具のように利用して、政治的思惑を押し通すのは
一見お手軽ですが、天に向かって唾を吐くような行為なのだと
痛感させられる、そんなイラク情勢です。
イスラム教徒の中の若い人たちが、そういう目的のために煽動され
利用されることがないように支援していくことも(簡単に言えば、自爆テロなどを信仰の方法だと教え込まれたりしないように、伝えていくこと)も、日本のような国に求められる役割でしょう。
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登録日:2006年 11月 18日 22:18:55
イランと日本
<イラン核問題>次期国連事務総長、「ウラン濃縮活動を停止すべき」 - ロシア
【モスクワ/ロシア 2日 AFP】ロシアの報道各社によると、同国を訪問中の次期国連事務総長、潘基文(パン・キムン、Ban Ki-Moon)韓国外交通商相は1日、イランは「ウラン濃縮活動を停止して、6か国が提示した包括案を受け入れるべきだ」と述べた。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との会談後、報道陣に語ったもの。写真はモスクワで1日、報道陣の質問に答える潘外交通商相。隣はセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相。(c)AFP/MAXIM MARMUR
話題のイランにある、ブルー・モスク。
イランは、中東の中でも最も色彩が華やかで艶のある文化をもった国です。
■憂鬱なニュース
テレビやニュースで中東のことが伝えられるたび、紛争やテロなど、味気ない映像ばかりが並ぶ。とてもじゃないけど、好きになれそうもない、そんな情報ばかり。
私はといえば、中東には美しい建築、美術、歴史、伝統、文化、が最初に頭に浮かぶ。イスラム教だって、歴史的に見れば三大宗教の中では最も「寛容の精神」を持った宗教だ。
昨日、東大教授の山内昌之氏が言われてました。ウマル・ハイヤーム(イスラムのすばらしい詩人)の詩にある
”ミフラーブも、教会も、数珠も十字架も信仰のしるし”
共存精神、それはイスラムの中で大きく、主流だったはずです。
どうして、こんなことになってしまったんだろう・・・考えると
悲しくなるのと、やりきれなくて、目を背けたくなることも多いです。
■イランは他人ごとか?
日本人にとって、イランが他人事くらいに思っているでしょう。
とんでもない話です。
日本の石油は、90%中東に依存しています。
そのうち15%はイランなのです。
どういうことか分かりますか?
イランが、石油を売らない、といったら、日本人は、来月くらいから
相当困る、ということです。
ほかのどこの国が、そんな量の石油をすぐに売ってくれるでしょう!!
アメリカだって無理です。
日本にとって、人道的な問題以前に、エネルギー問題としてイランは大事な国なんです。
■イランと核
イランが核実験をするんじゃないか、と世界はおそれています。北朝鮮と同じこと・・・NPT(核不拡散条約)に加盟して核の平和利用をする、そして核燃料を十分ためてから、脱退→核実験、という流れですね。
核が広まっては困るのは、どうしてか?西欧諸国は核を持ってるじゃないか!といいます。そうです、「国レベルで保持しているなら」まだマシなんです、交渉が可能ですから!でも、核が「国ではない、個人、あるいは組織」など、国連が交渉する手段を持たないところに広がるのが怖いのです。
毎日、核によるテロにおびえて過ごせますか?
国が所持している場合は、まだ、制裁等でコントロールが可能なのです。国連の介入もできるのです。でもイランや北朝鮮なら、「核をそういう組織に売る」可能性もあるのです。
世界はイランに制裁処置をとる方向で足並みをそろえています。日本もそれに乗るのが当然なのですが・・・
■日本の厳しい立場
日本だって当然制裁するべきだろう、と思うでしょう。北朝鮮の制裁問題があって、他国の協力が必要な日本人にとっては、イランだけ知らんぷりは出来ません。
しかし、日本はイランから石油を売ってもらいたいのです。
イランは、それを熟知しています。
アザデガンという油田開発を日本が行っていましたが、制裁をするなら、ストップする、とイランは言っているのです。
さあ、どうする日本?
■これから、どうしていくの?
せっかく日本は比較的中立です。
イスラム勢力によるテロの被害にもあっていないし、アラブも日本に対しては、なかなか高い評価をしています。
その中立の立場をうまく使って、和平をもたらす存在となれたら・・・と思います。それは、仲良く楽しく、ではなく、戦略的にロジカルに行われないと意味がありません。
日本は非西洋国でありながら、独自の路線で西洋の民主主義をうまく取り入れて、平和で豊かな国を作りました。(たとえどんなに問題が多くても、今のイラクの状況に比べたらはるかにマシなのです。)そういうノウハウを、ある程度は応用できると考えられています。
そんな提言も行われているし、小泉前首相なども積極的に提案を聞いていたそうです。また、安部さんも聞いているそうです。
ただ、そういう地道な努力や、いい話は、メディアで報道されていないだけです(笑)
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登録日:2006年 11月 08日 14:36:34
代理戦争の裏側・・・シーア派の台頭
<レバノン情勢>国連、「レバノンの復興は順調」 - レバノン
【ベイルート/レバノン 5日 AFP】イスラエル軍とイスラム教シーア派武装組織「ヒズボラ(Hezbollah)」間の戦闘が終結してから3か月、イスラエル軍による空域侵犯はあるものの、国連(United Nations)はレバノンの復興について肯定的な見方を示している。
≫続きを読む…
(c)AFP/HASSAN AMMA
アートと銘打っていますが、中東の美術を扱っているのもあって、中東情勢には常に関心を抱いています。身の回りに、中東地域と長く深い関係を築いてる方が多いのも、正確かつ、妥当性の高い情報源にもなっています。
イスラエル・パレスチナ地域での紛争は、一体何なのか日本ではあまり見えてこないところが多いかもしれません。
あまりにも問題が大きいので、周辺知識を少しづつ、説明してみたいと思います。
■レバノンって?
レバノンというのは、イスラエルと国境を接しているアラブの国です。
どうして、こんなに問題がしょっちゅう起きているの?といえば
◎モチロン、ユダヤ教とイスラム教、という宗教の問題があります。
◎もう一つは、石油問題があります。
◎そして、アメリカとほかの国の核問題なども関わってきているのです。
たまたま、レバノンという場所で起きているだけで
本当は、もっと大きな利害が絡んでいて、代理戦争の意味が強いんです。
だから複雑すぎて、何がなんだか分からなくなってしまうんですね。
どうして、では、レバノンでよくそういうことが起きるのか?
というと・・・
1.まず、レバノンの国の政府そのものが、あまり力がない。ヒズボラというシーア派武装テロ組織が、もうほとんど、国内の独立国家みたいな組織として動いているということ。それを抑える力が国にないということ。
2.イスラエルとアラブ、という対立は表向き。本当はイスラエルの後ろにいるのは、アメリカだったり、アラブといっても後ろにイラン(非アラブ国)がいたりする。
3.ヒズボラは独立した過激組織でレバノン国内でだって批判の対象であるのに、イスラエル側が意図的に「ヒズボラ=レバノンの英雄」という図式を宣伝している。
レバノンは最も不安定な地域でもあるため、代理戦争の場所になりやすいのかもしれません。
■シーア派とは?
イスラム教徒の中でも、スンニー派とシーア派というのを聞いたことがあるでしょう。
(この中にも細かい分派が大勢あることも忘れないでください)
ヒズボラというのがシーア派で、イランという国がシーア派が主流だということを覚えておいてください。
預言者ムハンマドが後継者を指名したか、否か。
これを巡って分かれているのです。
◎シーア派は、ムハンマドの娘婿アリーが指名されていた、と考えます。
◎スンニ派は、誰も後継者は指名されなかったから、部族社会の慣習にのっとって、年長者のアブー・バクルを後継者として選出、以降そういう方法でリーダーを選んだ。
シーア派は、アリーが後継者なのに、アブー・バクルは簒奪者だ!と考えます(アリーも結局4代目になるのですが。)
それに対して、スンニ派は、de fact主義。まぁ、起きたことを既成事実として受け入れていこう、という感じ。
歴史的にみて、スンニ派が主流であり・・・
シーア派の勢力は少数でした。
このシーア派、16世紀サファヴィー朝の時代、イランで中心的宗派となるのです。以降、中東の一大勢力でありながら「アラブではない」国であるイランはシーア派勢力の中心地となります。
そして、今現在、シーア派は史上最大の規模になろうとしています。
■シーア派の後ろにイランあり
イラク戦争によって、フセイン政権が倒された。
もちろん、スンニ派です。
そして、シーア派政権が樹立された!!!
これは、どういうことを意味するかというと
1.イランの勢力拡大です。
イランの勢力拡大!
アメリカは何をしようとしてるんだろう・・・シーア派の勢力を拡大させて・・・中東を混乱させたいだけなの?と思ってしまいます。
2.テロVS反テロだったはずが、イラク国内の宗派間の血みどろの抗争に発展
イランとイラクは仲が悪かった。
イランは核を巡って、今、世界的にもめています。
イスラエルは、何をしたいのか分かりません。
アメリカは、絶対に無条件にイスラエルを応援しています。
忘れてはいけないのは、シーア派=過激派ではない!ということです。どんな組織にも過激な分子はいますが、その行動が一番目立つし、それが報道されると、全体がそうだ、と思われてしまいます。
猥褻教師が発覚したからといって、教師すべてが猥褻でないのと一緒です。
このような短絡的な誤解を招かないことを祈っています。
善良なシーア派の人々が、信仰を妨げられたり、差別を受けたりすることを
絶対に避けないといけないのです。
第二の被害を産む要因となりますからね。
とりとめもないですが、少しづつ書いていきながら
まとまっていけば・・・と思います。
まずは、はじめとして・・・
次は、イランと日本の切実な関係と外交問題について。
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登録日:2006年 11月 08日 13:42:12
- プロフィール
- 秋田麻早子
- ■プロフィール:
Art Historian たぶん美術史学者、ときどき考古学。
アメリカの僻地の大学・大学院では西洋美術史を専攻。
でも論文を書いたのはアケメネス朝ペルシャ。
・・・美術史という素材の調理方法の可能性を模索しすぎで
エントロピーの法則な日々。
美術史・考古学を軸に、幅広く文化史的なモノゴトとか
特に、アートや学問の世界の面白いとこをご紹介しちゃいましょう。
MA in Art History 2002, University of Texas at Austin
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