2006年 11月 08日

イランと日本

<イラン核問題>次期国連事務総長、「ウラン濃縮活動を停止すべき」 - ロシア

【モスクワ/ロシア 2日 AFP】ロシアの報道各社によると、同国を訪問中の次期国連事務総長、潘基文(パン・キムン、Ban Ki-Moon)韓国外交通商相は1日、イランは「ウラン濃縮活動を停止して、6か国が提示した包括案を受け入れるべきだ」と述べた。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との会談後、報道陣に語ったもの。写真はモスクワで1日、報道陣の質問に答える潘外交通商相。隣はセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相。(c)AFP/MAXIM MARMUR

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話題のイランにある、ブルー・モスク。
イランは、中東の中でも最も色彩が華やかで艶のある文化をもった国です。

■憂鬱なニュース

テレビやニュースで中東のことが伝えられるたび、紛争やテロなど、味気ない映像ばかりが並ぶ。とてもじゃないけど、好きになれそうもない、そんな情報ばかり。

私はといえば、中東には美しい建築、美術、歴史、伝統、文化、が最初に頭に浮かぶ。イスラム教だって、歴史的に見れば三大宗教の中では最も「寛容の精神」を持った宗教だ。

昨日、東大教授の山内昌之氏が言われてました。ウマル・ハイヤーム(イスラムのすばらしい詩人)の詩にある
”ミフラーブも、教会も、数珠も十字架も信仰のしるし”
共存精神、それはイスラムの中で大きく、主流だったはずです。

どうして、こんなことになってしまったんだろう・・・考えると
悲しくなるのと、やりきれなくて、目を背けたくなることも多いです。

■イランは他人ごとか?

日本人にとって、イランが他人事くらいに思っているでしょう。
とんでもない話です。

日本の石油は、90%中東に依存しています。
そのうち15%はイランなのです。

どういうことか分かりますか?
イランが、石油を売らない、といったら、日本人は、来月くらいから
相当困る、ということです。
ほかのどこの国が、そんな量の石油をすぐに売ってくれるでしょう!!
アメリカだって無理です。

日本にとって、人道的な問題以前に、エネルギー問題としてイランは大事な国なんです。

■イランと核

イランが核実験をするんじゃないか、と世界はおそれています。北朝鮮と同じこと・・・NPT(核不拡散条約)に加盟して核の平和利用をする、そして核燃料を十分ためてから、脱退→核実験、という流れですね。

核が広まっては困るのは、どうしてか?西欧諸国は核を持ってるじゃないか!といいます。そうです、「国レベルで保持しているなら」まだマシなんです、交渉が可能ですから!でも、核が「国ではない、個人、あるいは組織」など、国連が交渉する手段を持たないところに広がるのが怖いのです。

毎日、核によるテロにおびえて過ごせますか?

国が所持している場合は、まだ、制裁等でコントロールが可能なのです。国連の介入もできるのです。でもイランや北朝鮮なら、「核をそういう組織に売る」可能性もあるのです。

世界はイランに制裁処置をとる方向で足並みをそろえています。日本もそれに乗るのが当然なのですが・・・

■日本の厳しい立場

日本だって当然制裁するべきだろう、と思うでしょう。北朝鮮の制裁問題があって、他国の協力が必要な日本人にとっては、イランだけ知らんぷりは出来ません。

しかし、日本はイランから石油を売ってもらいたいのです。

イランは、それを熟知しています。

アザデガンという油田開発を日本が行っていましたが、制裁をするなら、ストップする、とイランは言っているのです。

さあ、どうする日本?

■これから、どうしていくの?

せっかく日本は比較的中立です。
イスラム勢力によるテロの被害にもあっていないし、アラブも日本に対しては、なかなか高い評価をしています。

その中立の立場をうまく使って、和平をもたらす存在となれたら・・・と思います。それは、仲良く楽しく、ではなく、戦略的にロジカルに行われないと意味がありません。

日本は非西洋国でありながら、独自の路線で西洋の民主主義をうまく取り入れて、平和で豊かな国を作りました。(たとえどんなに問題が多くても、今のイラクの状況に比べたらはるかにマシなのです。)そういうノウハウを、ある程度は応用できると考えられています。

そんな提言も行われているし、小泉前首相なども積極的に提案を聞いていたそうです。また、安部さんも聞いているそうです。

ただ、そういう地道な努力や、いい話は、メディアで報道されていないだけです(笑)

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登録日:2006年 11月 08日 14:36:34

代理戦争の裏側・・・シーア派の台頭

<レバノン情勢>国連、「レバノンの復興は順調」 - レバノン

【ベイルート/レバノン 5日 AFP】イスラエル軍とイスラム教シーア派武装組織「ヒズボラ(Hezbollah)」間の戦闘が終結してから3か月、イスラエル軍による空域侵犯はあるものの、国連(United Nations)はレバノンの復興について肯定的な見方を示している。
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(c)AFP/HASSAN AMMA

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アートと銘打っていますが、中東の美術を扱っているのもあって、中東情勢には常に関心を抱いています。身の回りに、中東地域と長く深い関係を築いてる方が多いのも、正確かつ、妥当性の高い情報源にもなっています。


イスラエル・パレスチナ地域での紛争は、一体何なのか日本ではあまり見えてこないところが多いかもしれません。

あまりにも問題が大きいので、周辺知識を少しづつ、説明してみたいと思います。

■レバノンって?

レバノンというのは、イスラエルと国境を接しているアラブの国です。
どうして、こんなに問題がしょっちゅう起きているの?といえば

◎モチロン、ユダヤ教とイスラム教、という宗教の問題があります。
◎もう一つは、石油問題があります。
◎そして、アメリカとほかの国の核問題なども関わってきているのです。

たまたま、レバノンという場所で起きているだけで
本当は、もっと大きな利害が絡んでいて、代理戦争の意味が強いんです。
だから複雑すぎて、何がなんだか分からなくなってしまうんですね。

どうして、では、レバノンでよくそういうことが起きるのか?
というと・・・

1.まず、レバノンの国の政府そのものが、あまり力がない。ヒズボラというシーア派武装テロ組織が、もうほとんど、国内の独立国家みたいな組織として動いているということ。それを抑える力が国にないということ。

2.イスラエルとアラブ、という対立は表向き。本当はイスラエルの後ろにいるのは、アメリカだったり、アラブといっても後ろにイラン(非アラブ国)がいたりする。

3.ヒズボラは独立した過激組織でレバノン国内でだって批判の対象であるのに、イスラエル側が意図的に「ヒズボラ=レバノンの英雄」という図式を宣伝している。

レバノンは最も不安定な地域でもあるため、代理戦争の場所になりやすいのかもしれません。

■シーア派とは?

イスラム教徒の中でも、スンニー派とシーア派というのを聞いたことがあるでしょう。
(この中にも細かい分派が大勢あることも忘れないでください)
ヒズボラというのがシーア派で、イランという国がシーア派が主流だということを覚えておいてください。

預言者ムハンマドが後継者を指名したか、否か。
これを巡って分かれているのです。

◎シーア派は、ムハンマドの娘婿アリーが指名されていた、と考えます。
◎スンニ派は、誰も後継者は指名されなかったから、部族社会の慣習にのっとって、年長者のアブー・バクルを後継者として選出、以降そういう方法でリーダーを選んだ。

シーア派は、アリーが後継者なのに、アブー・バクルは簒奪者だ!と考えます(アリーも結局4代目になるのですが。)
それに対して、スンニ派は、de fact主義。まぁ、起きたことを既成事実として受け入れていこう、という感じ。

歴史的にみて、スンニ派が主流であり・・・
シーア派の勢力は少数でした。

このシーア派、16世紀サファヴィー朝の時代、イランで中心的宗派となるのです。以降、中東の一大勢力でありながら「アラブではない」国であるイランはシーア派勢力の中心地となります。

そして、今現在、シーア派は史上最大の規模になろうとしています。

■シーア派の後ろにイランあり

イラク戦争によって、フセイン政権が倒された。
もちろん、スンニ派です。
そして、シーア派政権が樹立された!!!

これは、どういうことを意味するかというと

1.イランの勢力拡大です。
イランの勢力拡大!

アメリカは何をしようとしてるんだろう・・・シーア派の勢力を拡大させて・・・中東を混乱させたいだけなの?と思ってしまいます。

2.テロVS反テロだったはずが、イラク国内の宗派間の血みどろの抗争に発展


イランとイラクは仲が悪かった。
イランは核を巡って、今、世界的にもめています。
イスラエルは、何をしたいのか分かりません。
アメリカは、絶対に無条件にイスラエルを応援しています。


忘れてはいけないのは、シーア派=過激派ではないということです。どんな組織にも過激な分子はいますが、その行動が一番目立つし、それが報道されると、全体がそうだ、と思われてしまいます。

猥褻教師が発覚したからといって、教師すべてが猥褻でないのと一緒です。
このような短絡的な誤解を招かないことを祈っています。
善良なシーア派の人々が、信仰を妨げられたり、差別を受けたりすることを
絶対に避けないといけないのです。
第二の被害を産む要因となりますからね。


とりとめもないですが、少しづつ書いていきながら
まとまっていけば・・・と思います。
まずは、はじめとして・・・

次は、イランと日本の切実な関係と外交問題について。

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登録日:2006年 11月 08日 13:42:12

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プロフィール
秋田麻早子
秋田麻早子
■プロフィール:
Art Historian たぶん美術史学者、ときどき考古学。
アメリカの僻地の大学・大学院では西洋美術史を専攻。
でも論文を書いたのはアケメネス朝ペルシャ。
・・・美術史という素材の調理方法の可能性を模索しすぎで
エントロピーの法則な日々。

美術史・考古学を軸に、幅広く文化史的なモノゴトとか
特に、アートや学問の世界の面白いとこをご紹介しちゃいましょう。

MA in Art History 2002, University of Texas at Austin
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