2006年 12月

イラクの隣の国:ヨルダン・ハシミテ王国・・・「インディ・ジョーンズが冒険した場所」

夫妻で訪日中のヨルダン王妃、着物の装い - 東京

【東京 22日 AFP】ヨルダンのアブドラ・ビン・フセイン(Abdullah Bin Hussein)国王とともに3日間の日程で来日しているラニア王妃(Queen Rania)は22日、東京の「装道礼法きもの学院」で着物の装いを楽しんだ。安倍晋三首相の昭恵夫人も同伴した。写真は同日、「装道礼法きもの学院」で昭恵夫人(右)から贈り物を受け取る、着物姿のラニア王妃。(c)AFP/Tatsuyuki Tayama

AFPBB News


2日前に、シリアから国際電話がかかってきました。
やっぱり、ダマスカスは平穏なようです。

さて今回は、シリア共和国は本当に知られていないけど、そのお隣のヨルダン。シリアよりは、もう少しだけ知名度が高いかな?でも、アラブのどっかの国でしょう?っていうくらいのイメージかも。
つい最近、国王夫妻が訪日していたのをニュースで見た人もいるかな?

スライドショー【世界で最も美しい王妃~ラニア王妃~】

□身近なヨルダンのモノって・・・

みんなが知っていることを挙げるとしたら、「死海」。そう、あの、プカプカ浮かぶ、塩分の多い湖はヨルダンなの。イスラエルとの境目にあるんだけど、リゾート地としてはヨルダン側の方が圧倒的に開発が進んでいるんです。周辺のショップでは、女性たちが競ってお土産に死海の泥や塩を使った製品を買っています。もちろん私も、結構買って帰りました。そして本物の死海そのものは・・・うん、確かに、本当に、死海の泥を塗った後はお肌ツルツル!

もう一つ有名なのが、映画インディ・ジョーンズ最後の聖戦で使われたぺトラ遺跡。ヨルダンを訪問した小泉首相も、ここで写真を撮ったりしていますね(スライド・ショー参照)。世界遺産にも登録されている、この薔薇色のマーブル模様がついた岸壁をくりぬいて作った遺跡は、2千数百年の歴史を持つ。細い細いシクと呼ばれる路地のような岸壁に囲まれた道を通りぬけると、そこにはインディ・ジョーンズの世界が待ってるの!!

岩礁地帯で、雨が降ると鉄砲水が出るとは聞いていたけど、なんと私が訪れたときにも・・・そう、轟音とともに鉄砲水がぺトラを襲いました。現地の方が何人か水に流され、全員避難するという、とんでもない経験になりました。アラブ人が巻いている例のスカーフを頭に巻いてもらい、ジープの後に乗せてもらい、どんどん水浸しになっていく道を通って町まで逃げたのでした。

ウィキペディアよりぺトラ

~スカーフ~
TVや新聞でもよく見かける、アラブ人の男性が頭にのせて黒い輪(イカール)で留めているスカーフ、カフィーヤといわれるもの。地域ごとに色や模様が違うそうです。ヨルダンの人は、赤×白の格子模様。アブドゥラ国王もつけていたりしますね。イカールは絹だと高いけど、ポリエステルだと数百円くらい。最近では観光客向けに、オリジナルのピンクやグリーンのカワイイのも売っていて可愛いですよ。



□世界でもっとも美しい人:ラニア王妃

歴史の中では「運命の美女」というような人が出てきます。もしかしたら、ヨルダン王妃のラニアは21世紀の運命の美女じゃないかと感じられてなりません(スライドショー参照)。米国ピープル誌が選ぶ「世界でもっとも美しい人」にも当然選ばれるほど、女優さんかな?と思うほどの綺麗な人です。

彼女はパレスチナの名門、英雄ヤシン家の出身。国民のほとんどがパレスチナ人であるヨルダンでは、ものすごいカリスマ的存在です。実際、彼女はロイヤル・ファミリーのセレブとしては世界的にも人気が高い。彼女がカルティエのダイヤたっぷりな時計をしているのを見たとき、あぁ、やっぱり生まれが高貴で美しい人は、ダイヤに負けないなぁって思ったものです。

しかし、ヨルダンという国の政治的な難しい立場を考えると、余計に名門パレスチナ人家庭出身である彼女が、国王に見初められて王妃になったというのは、やはり運命的に感じられます。では、そんなヨルダンのギリギリな政治的状況をかいつまんで見てみましょう。

□石油が出ない!

ヨルダンは、石油が出ないんです。収入源なんて、死海の観光収入や、リン鉱石などくらい・・・アメリカの援助にとても助けられているところがあります。

アメリカはイスラエルと仲がいい。だから、アメリカと仲良くしていくためには、イスラエルとも友好関係を保たないといけない。実際、今の国王アブドゥラのお父さんなんて、アメリカ人のお嫁さん(ヌール王妃)をもらってたこともあります(フセイン前国王は奥さんが亡くなるなど、計4回結婚していて、アブドラ国王は2番目の奥さんの子供です)。私の師匠も、アメリカの国のプロジェクトでヨルダンの首都アンマンの研究所にいました。そんなこんなでアラブ諸国の中でも、とっても新米国です。

ちょっと待ってよ、でも石油が出ないなら、どうしていたの?ヨルダンは石油面では、実はイラクに頼りっぱなしだったんです。そう、あのアメリカと仲が悪いイラクですよ。

そしてね、忘れちゃいけない。パレスチナ人とイスラエル人は仲が悪い!殺し合いをずっと続けてる!!ね?ほら、超微妙な状況でしょう?

ヨルダンの国王っていうのは、ものすごい政治バランスをとらないと、いつ何が起こるか分からない場所ってこと・・・

きついですよね。

パレスチナの名門の出身でしかも美しくて、慈善事業にも力を注ぐ王妃は人気者。だけど、そういうパレスチナ魂が強くなりすぎるのも、イスラエルとの関係悪化を呼び・・・アメリカとの関係にもヒビが入る。私だったら、絶対こんな難しい立場で王様なんてなりたくなーい!

□“西洋的”なヨルダン

前回お話したシリアに比べると、良い悪いは別として、ヨルダンは“西洋的”。町並みも、ローマ時代の円形劇場の近くに、ケンタッキーフライドチキンの看板があったりする。街そのものも、もっと都市っぽい。観光客の目からすると、どこにでもあるヨーロッパの町みたいで、面白くないんだけど、でも生活する人たちにとっては、便利なんじゃないかな?

それだけ、ヨルダンは西洋諸国とも「共有」している部分があるし、シリアよりは西洋人との「付き合い方」を知っているのかもしれない。でもその分だけ、アラブ的なものや、ヨルダン的なものを失っていくのかもしれない。日本なんかも同じような問題を抱えているでしょう?西洋化するのが、絶対にいいことなのか、日本的なものを残すとしたら、何が日本的で、どういう形で残していくのがベストなのか・・・非西洋諸国すべてが模索していく道なんでしょうね。

ヨルダン人で、アメリカのフロリダ大学修士をとっている人と現地で話し込む機会がありました。それは、アメリカ人たちと一緒に行ったペルシャ絨緞の店でのこと。私はミントティを飲みながら眺めていたわけ。

私「アメリカ人がペルシャ絨緞を選ぶとき、あれ?趣味悪~いって思うことない?」
エリアス「そりゃあ、思うよ。われわれとは違う観点で・・・つまり我々にとっては趣味が悪い品を喜んでいるように思う」
私「ああ!やっぱり!日本でも同じことよ、アメリカ人観光客が喜びそうなもの、というのは日本人にとっては、ちょっと悪趣味なもの、美意識の違いを感じるね」
エリアス「そういう意味で、僕たちアラブ人は日本人の美意識とか、考え方のほうがシンパシーを持てるね」

私たち日本人は、アラブ人とも案外共有できるものをたくさん持っているのに、機会を持たないだけかもしれない、と思ったエピソードでした。


ちなみに、余談ですが、エリアスとはこの後、美意識についての話になりました。どういうのを綺麗と思うかというと、やっぱり「ほかの人種の女性も綺麗だと思うんだけどね、自分の相手となるとやっぱり、パレスチナ人かエジプト人」なるほど、私たちには似たように見えるアラブ系だけど、違いがあるんだなと思ったのでした!


スライドショー【世界で最も美しい王妃~ラニア王妃~】

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登録日:2006年 12月 29日 13:07:29

「私が見たシリア」と「あなたが思うシリア」

画像

~シリア、イラク国境近くの遺跡へ行く途中のカフェ~
9.11のあった年の5月のこと・・・この頃は、そうは言っても平穏な雰囲気だった・・・

■シリア関連のニューズ画像のスライドショー■
「ファースト・レディの顔~シリア・アラブ共和国~」
リンク先の画面の写真をクリックするとスライド・ショーが見られるよ♪


中東地域というのは、イメージ先行で実体があまり知られていません。イスラム?紛争地域?それくらいは誰でも分かる。でも、例えばよく耳にする『イスラム原理主義』という単語が、アメリカ人がキリスト教の用語から付けた『俗称』であり、そんな組織も単語もイスラム圏には存在しない、ということを知っている人となると圧倒的に少なくなるでしょう。

そんな中東の中でもマイナーといえるシリア・アラブ共和国とヨルダン・ハシミテ王国をあえて選んで、2回にわたって見ていきたいと思います。どちらの国も、日本で言うと奈良や京都にたとえられるような、世界でも最古の部類に属する洗練された文化を持っているという点に注目です。

■シリア・アラブ共和国って?

シリア・アラブ共和国という名前は、日本人にとってまったく馴染みもなく、そもそもアフリカなのか南米なのかも想像がつかないくらいでしょう。実は、中東。しかも、何かと物騒な話題のイスラエル、イラク、レバノン、ヨルダンと隣接している国なんです。

そもそも身近にシリアのものなんてない!って思うでしょう?
たとえば、最近ならバス・グッズなどの売り場に行くと、四角いオリーブ石けんを売っていますね。よく見ると、シリア第二の都市アレッポ産なんです。

・食べ物
他にも、日本人の心をくすぐりそうなものは沢山あります。食事は地中海系で、かなり美味しい!ギリシャで食べるような、ブドウの葉でクスクスを包んだものとか、ナスをグリルしてペースト状にし、ゴマと混ぜたババガヌーシュは香ばしくて私のお気に入りです。シシカバブは当然ながら、串焼き感覚で日本人の味覚にもバッチリ合います。スウィーツは、ピスタチオを使った小さいパイのようなものがおススメです。

・観光
実は石油が出ないシリアにとっては、観光収入は大事!
そして、イタリアやギリシャと比べても、遜色のないスゴイ観光地スポットがたくさんあるので、後ほど2大巨頭のダマスカスとパルミラについて詳しく紹介しましょう。

・お土産
女性にとっては、石鹸もそうですが、シリアの国花は黒バラで、バラのジャム(本当に美味しい!)やローズ・ウォーターなども心をくすぐるアイテムです。そもそも、ブルガリアのダマスク・ローズが有名ですが、それもシリアの首都ダマスカスが語源なんです。また金が安いので、アクセサリー好きが買い物するにもうれしい場所ですね。

■シリアの政治情勢

そんな気楽な話ばかりして、実際、政治的に緊張が走っている場所だろう、と思うでしょう?モチロン、日本よりは政治的緊張にさらされているといえます。内政面では、2000年に就任したアサド大統領(父親の死去にともない、政権委譲)の独裁政権ということになっていますが、どうやら権力の委譲は完全ではないようで・・・国際派だった父親の時代に日陰の身だった保守派が台頭しているようです。たとえば、今の駐在日本大使は前大蔵大臣・・・どうやら国際派の人たちが苦しい立場にあるのが現状の模様。大統領自身はロンドン大学の医学部出身、夫人もロンドン生まれ。

世界的に見ると、やはり国際派が台頭してくれるほうが、安心ではありますね、当然ながら外国との関係を大事にしようとしますから。それに対して、保旧派は対外的にはタカ派であり、昨今のシリアの危険な雰囲気はそのために醸し出されているともいえます。最近任命されたシャラ副大統領が父親の時代の国際派なので、少し変わるかもしれないと言われています。

テロリストたちはいないのか?!と心配される向きもあるでしょう。イラクと国境を接しているのだから、入国してきてテロを働いたりしないのか?!と思うかもしれません。幸か不幸か、このような独裁政権のもとでは、危険分子は早い段階で摘みとられます。ですから、ある意味、テロリストは彼らに対しても穏健な態度の比較的「政治的に平和」な国・・西ヨーロッパやアメリカ・・での活動のほうが活発だったりする皮肉な面があります。

■「危ないんじゃないの?」

9.11のテロ直前、指導教官とぐるっと一周、そして来年はじめには分布調査にちょこっと参加させていただく予定。怖くないの?危険じゃないの?外務省の海外安全ホームページによると(2006年12月11日現在)イラクとの国境付近「渡航の延期をお勧めします」、上記以外の地域「十分注意してください」。

十分注意が必要なようです・・・。

う~ん、でも、どこもかしこもテロの危険に満ちていて、住民が常に生命の危険にさらされて過ごしているのか、というと・・・疑問です。

■「伝えられる危険」と「現実の危険」との間の歪み

日本にいると、どうしても理解できないのが、他国の危険の度合い。私はアメリカのテキサス州オースティンに7年半住んでいました。街の35号線の東半分は渡航延期を勧める必要があるほど、年中24時間危険(いつ撃たれるか分からないほど)なので普通まともな人は近づきませんが、北西部は日本の田舎町くらい安全。しかし、本やニュースで「オースティンが危険」などと伝えられたことがあるでしょうか?

これは必ずしもシリアが完全に安全という意味ではありませんが、ニュースなどで想像するようなのとも違うんです。これは、私が一緒に仕事をしている人が、来週シリアに行くので、状況報告を追ってアップデートしたいと思います。実際のところ、国境付近以外は、問題なく安全です。(財布丸出しで路上で寝ていても平気、という意味でもありません)

■首都ダマスクス(旧市街地は世界遺産指定)

現在シリアと呼ばれる地域そのものは、先史時代からの遺跡も豊富で、バビロニア王国(紀元前2000年紀)を作った人々ももとはシリア地域出身と言われています。

首都ダマスクスは、ヨーロッパでこれほどの文化遺産を持った場所を探せば、ローマしか見あたらないほどに、歴史のミルフィーユのような場所。
ウィキペディアの「ダマスカス」より

私の中でシリアとは、危険と言われていた時期でも「中世そのままの、おとぎ話の世界」。夜になれば、町中のモスクのミナレットが緑に光って、エメラルドだらけの万華鏡を見ているみたい。そこに歌うようなお経が聞こえてきて・・・もう、アラビアンナイトの世界!

・ウマイヤ朝(661年―750年 日本の奈良時代くらい)
イスラム最初の王朝「ウマイヤ朝」の首都であり、世界最古のモスク、モザイクに彩られたウマイヤ・モスクがあります。そこは歴史的遺物ではなくて、今でも敬虔なモスリムが通い、祈り、交流する場所なんです。絨毯をしきつめた、広々としたゆったりした空間に入ると、モスリムでなくても落ち着いた気分になれました。ここには、洗礼者ヨハネの首塚もあります。

ウマイヤ・モスクを中心にスーク(市場)があり、石畳の細い通りの両脇にはスパイスを売る店の香り、ロバに荷物をひかせる少年、有名なアイスクリーム屋さんの前では行列も!「お腹を壊すかもしれない」とシリア人に止められましたが・・・。とにかく、すべてがまるで中世の躍動感を伝えるようで、エキゾティックでドキドキさせてくれます。

・アイユーブ朝(1169年-1250年 日本の鎌倉時代くらい)
ダマスカスは、十字軍撃退の英雄サラディンのアイユーブ朝の首都でもありました。サラディンの廟は今での多くの人が観光に訪れています。
ウィキペディア「古代都市ダマスカス」より

ダマスカスは、ほかの中東の都市と比べても比較的西洋化が進んでいないので、いい意味で昔の町並みがきれいに残されています。歴史的な町並みの中に、欧米のファスト・フード店などが姿を見せるような無粋なことは起きていません。

デモが起きたり、政治的に過激な情景ばかりがメディアに出ていますが、同時にこの街はこんな中世そのままの顔も保っているのが面白いところです。私はダマスカスにはアメリカ人たちと一緒に行ったのですが、全員「こんなにキレイな場所とは想像もしていなかった」と驚いていました。さすがに私も、今ならアメリカ人と一緒に行く勇気はありませんが・・・

■服装について

・スカーフ
イスラム圏では女性は絶対にスカーフで頭を隠さないといけない?と思うかもしれませんが、シリアの場合は外国人は平気です。また、イスラム教徒の女性でも非イスラム教徒ばかりの場所では、スカーフをしていないこともよくあります。ちなみに、駐日シリア大使夫人はしていませんでした。いわゆる上流階級の人たちは西洋化されていて、自国の外ではほとんどスカーフをしないようです。シリアを含む多くのイスラム圏の国で、外国人や非イスラム教徒はスカーフをしていません。もちろん、したかったらしてもいいんですよ。でも、スカーフをしている理由だの、していない理由などを聞いたりするのは、宗教上の理由などもあるので、避けたほうがいいでしょう。

男性のするカフィーヤというスカーフですが、夏の暑い時期、砂漠ではアレがとても役立ちます。ちなみに、赤と白のチェックはシリア人やヨルダン人などが使用するので、テレビで見かけたら「あの地域だな」とアタリをつけてください。

・女性と男性の服装
シリア人の道行く人は、男性は普通に西洋風。いわゆるカフィーヤをしている人は基本的には見かけません。女性もスカーフをかるく巻いている以外は、普通に西洋っぽい。実は、何より驚いたのが、男性が友達同士で腕を組んで歩いている姿。びっくりしました。あちらでは自然なようです・・・

観光で訪れる女性は、ミニスカートなどは絶対に避けた方がいいでしょう。「うわぁ、やっぱり中東って難しい」って思うかもしれませんが、そんなの、昭和初期の日本人だってミニスカートなんて履かなかったんですから、中東の人の感覚がヘンなわけでもないでしょう。今だって、葬式とかにヘソ出しする人は非常識だと思われる感覚に近い、本来はたしなみの延長じゃないかと思われます。あと、満員電車に乗るときはミニスカートは危険、というのも似ているかもしれません。

・モスクでは
モスクに入る際には、男性でも短パンはNGです。何も女性にだけ、保守的な服装を強いるわけでもないんですよ。「じゃぁ、モスクに入れないや」というご心配は無用!観光客には身体を覆う薄いコートを貸してくれるんです。

■シルクロードの薔薇、オアシス都市パルミラ(世界遺産)

一応紹介したいのが、最大の観光地でもあり、シリアの目玉でもあるパルミラ。
世界遺産にも登録されています。ローマ時代の遺跡で、女王ゼノビアが君臨していた小国です。
こんな場所がシリアには沢山あるんです・・・万が一、シリアが戦争に巻き込まれたりしたら、どれだけの人類の遺産が危険にさらされるだろう、と考えると夜も眠れません。

■シリア人気質

気質は・・・中東といってもいろいろあって、堅い印象のイラク人に比べると地中海気質?時間はわりとゆっくり、日本人からするとちょっとノンビリすぎるようにも思われるほど・・・これは、トルコ人やペルシャ人ともまた違った独特の価値感。

石畳の小道を歩いていると、日向ぼっこ中のおじいさんにお茶でも飲んでいくか?と言われて甘い美味しいミントティをご馳走になったこともあります。なんだか、ほのぼのしていました。

また意外にも、シリア人は陽気でダンスが上手♪しかも、ラテンっぽく腰をセクシーにくねらせる系のダンスが上手なんです。パルミラで現地の男性2人に誘われてダンスに行きましたが、あんまりにも上手でびっくりしました。

そういうのも、あまり知られてませんよね?

過激な場面ばかりの向こうにいる、穏健な普通の人々の平穏な日常、想像するのも難しく、知ることもないものです。そんな無関心や知識不足が、やりきれない暴力の連鎖に、間接的に影響を与えているのではないか?と思えてならない日々です。

私が書いていることが全てではないでしょう。そして同じようにニュースが全てでもありません。物事や事実がプリズムのような立体だとしたら、それをいろんな角度から見ることで、より「ありのまま」を知る手掛かりになることと思います。その、視点のひとつになればと願い、これらの国に対して、ほんの少しでも、偏見が減り身近に感じられるようになるといいと思っています。


■シリア関連のニューズ画像のスライドショー■
「ファースト・レディの顔~シリア・アラブ共和国~」

追って、私がシリアで撮ってきた写真もアップしますね!!
お楽しみに。

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登録日:2006年 12月 18日 01:08:06

見えているようで、見えないアメリカ

状況を物語るサウスセントラル地区のペインティング - 米国

【ロサンゼルス/米国 1日 AFP】ペインティングがサウスセントラルと呼ばれる、サウスロサンゼルス地区の壁に描かれている。
≫続きを読む…
(c)AFP/HECTOR MATA

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私、そういえば、ときどき忘れるけど、ロングビーチに一年近く住んでいたことがあるんです。その後、テキサスに行ってしまいましたが。

■ロングビーチ

その名もズバリ、長いビーチが続く。
大学生活のしょっぱなが、南カリフォルニアで、ビーチの近くで
週末はサンタ・モニカをドライブ、なんて楽しいライフ送ってました。
スノッブでしょ?

ロングビーチってLAのはずれで、でもLAカウンティあたりで、みたいな微妙な地域。
とにかく、ヒスパニックが多い。
移民なのか、不法滞在なのか、ちょっと分かりませんが・・・

ロングビーチのダウンタウンなんて、英語が通じない。
買い物したって、レジの人がもう、英語が出来ない。
とにかく「なんとなく、ヤバそう」な空気がもりだくさん。

当時、10代で汚い格好の私や友達なら、ある意味「なじむ」からモンダイないですが
今だったら、バッグ盗まれそう・・・

■危険それとも?

もちろん、LAだからってどこでも危険というわけでもなく。
かといって、安全というわけでもなく。
難しいのが、どういう地域で、自分がどういう種類の人間として見られるか
ということ。

金持ちのアジア人に見えてしまうなら、当然、ビンボー地域は危険だし
ビンボーそうに見えるなら、金持ちエリアでは怪訝な目で見られるだろうし。
そういう感覚って、どうも日本にいたときには分かりにくかった。

もっと言えば、アジア系の中でも「アメリカ生まれ」「移民」ではものすごい軋轢があることも知った。アメリカ生まれの中国人はABCだし、彼らはアメリカ人だと思っている。でも中国人の移民の人たちとの間に交流はゼロ。いやぁ、むしろABCは中国人の留学生だの、フツーに働いてるけど中国生まれで帰化した人たちとは会話すらしない。

なんていうか、馬鹿にしてる感じ。

同じことが、ヒスパニックにもいえるらしい。
何代も前にアメリカ人になっている南米系の人は、最近出稼ぎに来てるヒスパニックたちに何も「同じグループ」という意識がないそうです。むしろ、うっとうしい、自分たちのイメージが汚れる、みたいな、そういう同属だけに、余計憎たらしい、みたいな意識も。

アメリカの人種問題が、一筋縄でいかないのは、そういうところにもあるんです。

白人同士にだってね、似たようなのがある。
白人で低所得層なんてホワイト・トラッシュ。
人種差別を表だって激しく行うのは、実はこの層です。
白人でありながら、負け組。
これは自分たちの能力や努力が足りなかったことを痛感する立場ですよね。
人間は、いつの時代もどの世界も、自分よりも下の立場の人間を求めるんですね。
貧すれば鈍する、だなと思いました。

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登録日:2006年 12月 11日 22:34:10

寝室の秘め事

サマセット・ハウスの「エルミタージュ・ルーム」で18世紀フランスの絵画展開催 - 英国

【ロンドン/英国 29日 AFP】中心部にある巨大な建築物、サマセット・ハウス(Somerset House)にあるエルミタージュ美術館(Hermitage Museum)所蔵の作品の展示スペース、Hermitage Roomで11月24日から2007年4月8日まで、18世紀フランスの妖艶な作品を集めた展示会「The Triumph of Eros: Art and Seduction in 18th Century France」が開催される。
≫続きを読む…
(c)AFP

AFPBB News


先ほど話した、エロティックな表現と芸術との関係。
ちょうどイイ例があったので、載せておきますね。
ほかの写真も見てみてください。

18世紀、フランス中心の局所的なムーブメントであるロココ様式。
「ミルクに浮かべたバラの花びら」のような、ちょっとエッチな色合い。

テーマは大抵、「覗き見主義」っぽい。

たいした偉大な芸術ではないけど、ポップでカワイイ。

そんな時代は、あっというまに終わっていくもののようです。
そして、大体、飽きられてしまうようです。

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登録日:2006年 12月 01日 12:55:52

εροσはエロスで猥褻なの?!

彫刻家ロダンの「エロティック」な絵画作品、知られざる横顔が浮き彫りに - フランス

【パリ/フランス 21日 AFP】19世紀を代表する彫刻家オーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)の展覧会が、22日からパリで開催される。
≫続きを読む…
(c)AFP/Musee Rodin

AFPBB News


エロスっていうのは、キリスト教神学で「心の愛」をあらわすアガペの対立語みたく、「肉体の愛」をあらわす言葉になっちゃったけど、もともとは、生き生きとした人間のポジティブな欲望全部をあらわす意味なのにね。

モッタイナイね。

さて、エロか芸術か?

という議論は、それだけだととってもナンセンス。
不毛な議論に思えるものに、意味を与えるとしたら、どうしたらいいのでしょう。

■時代ごとに違う「芸術」の占める位置

芸術って何?みたいな感覚も時代によって違うんだよね、そもそも。
でもその具体的な感覚って、一般的には分かりにくいけど。

時代によって、エロティックなものの受け止め方が違う、というとしっくりくる。
だって、昭和20年代と平成18年の今、同じ日本で、たいした時代の隔たりもないのに
ズイブンと「何がH?」って基準、も感覚も違うでしょう?
アリとナシの境界線も、ズイブンと変動するもの。

ある特定の時代、社会において、何がエロで、何が芸術だと思われていたか?そういうことを考えると、不毛なハナシじゃなくなってくると思いませんか?

■時代を通じて変わらないこと

変わらないのは、エロティックなもの、セクシーなものに、人間が「常に」関心を抱いてきたということ。でもその表現の仕方、それに対する態度・姿勢は時代ごと、社会ごとによって違う。それを比べたりするのが面白い。

時代によっては、相当にエロティックなものも「アリ」で受け入れられて、芸術にもどんどん取り入れられる時代もある。逆もある。これって、反動みたいで、「おおらかな時代」→「厳しい時代」→「おおらか」と繰り返していくみたいです。人って、飽きっぽいの。エロティックなのも、激しいのの次は、癒し系エロス、みたいに、ある種の「刺激の変化」がほしいのかな?今の日本は、何でもアリだと興奮できなーい!つまんなーい!ってなってるんじゃないの?

時代ごとに、ちょっと見てみましょう。

■エロス=古代

古代はおおらか。もう、ある意味、芸術=エロス?エロスが芸術の原動力?というくらい。生殖器をそのままかたどったものが、どんだけ出てくると思います?つい昨日も、最新のパレスティナでの発掘記録を読んでいたら、骨製の男性器をかたどっていました。呪術目的か?!って、どんな呪術なんだろう。

■暗黒の中世
中世は、裸はダメ、みたいな堅い時代。夫婦間の性行為そのものすら、悪いと考えるほど。こんな時代には、芸術の表面には現代人の目で見てエロティックなものは、あまり出てきません。(フェチは別)

■裸の復活:ルネッサンス

古典時代の復興なので、裸が戻ってきます。ミケランジェロの最後の審判だって、登場人物はすべて裸。

でも、その後、また真面目な時代がやってくる。その時代にミケランジェロの最後の審判の裸の人たちは「猿股穿かせ」と一般に呼ばれる人たちの手によって、洋服が上から塗られました。最近の修復で「一部」脱がされ、男だと思っていた人物が女だと判明したり(要するに、“ついて”いなかった)。

■またしても大らかなロココ

18世紀、マリーアントワネットな時代は、まさにエロス。直截なエロス。現代的にも「あ~あ」って思うくらい、ぱっきりとダイレクトな表現。
逆に、興奮しなくなってくるのかな?(後で、ロココ時代の絵画展のニュースをご紹介します)

■19世紀は?
えぇっと、19世紀はビクトリア朝とか、どっちかというと、性は抑圧された時代。あまりおおらかに表現されたりしません。相当に抑えてます。
こんな時代には、大抵、抑圧されて、裏で激しいことが行われたりします。そして、ハリウッドなエロスの20世紀がやってくるわけですが・・・

ロダンのこの絵?そうねぇ。

芸術の主流がエロティックな時代もあれば、抑圧された中で画家のエネルギーがはじけちゃう時代もあるんじゃない?どっちかというと、個人の楽しみとして秘められてるほうが、余計にエロティックに見えるけど。ロダンが一般に発表してる作品よりは、個人的なものずっとダイレクト。これがモデルと、アーティストの二人っきりの空間で描かれたと想像すると・・・・?


あ、こんな絵が好きな方、興味がある方は、エゴン・シーレをごらんになったら?こんなのばかりですよ。

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登録日:2006年 12月 01日 12:29:04

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プロフィール
秋田麻早子
秋田麻早子
■プロフィール:
Art Historian たぶん美術史学者、ときどき考古学。
アメリカの僻地の大学・大学院では西洋美術史を専攻。
でも論文を書いたのはアケメネス朝ペルシャ。
・・・美術史という素材の調理方法の可能性を模索しすぎで
エントロピーの法則な日々。

美術史・考古学を軸に、幅広く文化史的なモノゴトとか
特に、アートや学問の世界の面白いとこをご紹介しちゃいましょう。

MA in Art History 2002, University of Texas at Austin
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