2006年 12月 01日

寝室の秘め事

サマセット・ハウスの「エルミタージュ・ルーム」で18世紀フランスの絵画展開催 - 英国

【ロンドン/英国 29日 AFP】中心部にある巨大な建築物、サマセット・ハウス(Somerset House)にあるエルミタージュ美術館(Hermitage Museum)所蔵の作品の展示スペース、Hermitage Roomで11月24日から2007年4月8日まで、18世紀フランスの妖艶な作品を集めた展示会「The Triumph of Eros: Art and Seduction in 18th Century France」が開催される。
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(c)AFP

AFPBB News


先ほど話した、エロティックな表現と芸術との関係。
ちょうどイイ例があったので、載せておきますね。
ほかの写真も見てみてください。

18世紀、フランス中心の局所的なムーブメントであるロココ様式。
「ミルクに浮かべたバラの花びら」のような、ちょっとエッチな色合い。

テーマは大抵、「覗き見主義」っぽい。

たいした偉大な芸術ではないけど、ポップでカワイイ。

そんな時代は、あっというまに終わっていくもののようです。
そして、大体、飽きられてしまうようです。

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登録日:2006年 12月 01日 12:55:52

εροσはエロスで猥褻なの?!

彫刻家ロダンの「エロティック」な絵画作品、知られざる横顔が浮き彫りに - フランス

【パリ/フランス 21日 AFP】19世紀を代表する彫刻家オーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)の展覧会が、22日からパリで開催される。
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(c)AFP/Musee Rodin

AFPBB News


エロスっていうのは、キリスト教神学で「心の愛」をあらわすアガペの対立語みたく、「肉体の愛」をあらわす言葉になっちゃったけど、もともとは、生き生きとした人間のポジティブな欲望全部をあらわす意味なのにね。

モッタイナイね。

さて、エロか芸術か?

という議論は、それだけだととってもナンセンス。
不毛な議論に思えるものに、意味を与えるとしたら、どうしたらいいのでしょう。

■時代ごとに違う「芸術」の占める位置

芸術って何?みたいな感覚も時代によって違うんだよね、そもそも。
でもその具体的な感覚って、一般的には分かりにくいけど。

時代によって、エロティックなものの受け止め方が違う、というとしっくりくる。
だって、昭和20年代と平成18年の今、同じ日本で、たいした時代の隔たりもないのに
ズイブンと「何がH?」って基準、も感覚も違うでしょう?
アリとナシの境界線も、ズイブンと変動するもの。

ある特定の時代、社会において、何がエロで、何が芸術だと思われていたか?そういうことを考えると、不毛なハナシじゃなくなってくると思いませんか?

■時代を通じて変わらないこと

変わらないのは、エロティックなもの、セクシーなものに、人間が「常に」関心を抱いてきたということ。でもその表現の仕方、それに対する態度・姿勢は時代ごと、社会ごとによって違う。それを比べたりするのが面白い。

時代によっては、相当にエロティックなものも「アリ」で受け入れられて、芸術にもどんどん取り入れられる時代もある。逆もある。これって、反動みたいで、「おおらかな時代」→「厳しい時代」→「おおらか」と繰り返していくみたいです。人って、飽きっぽいの。エロティックなのも、激しいのの次は、癒し系エロス、みたいに、ある種の「刺激の変化」がほしいのかな?今の日本は、何でもアリだと興奮できなーい!つまんなーい!ってなってるんじゃないの?

時代ごとに、ちょっと見てみましょう。

■エロス=古代

古代はおおらか。もう、ある意味、芸術=エロス?エロスが芸術の原動力?というくらい。生殖器をそのままかたどったものが、どんだけ出てくると思います?つい昨日も、最新のパレスティナでの発掘記録を読んでいたら、骨製の男性器をかたどっていました。呪術目的か?!って、どんな呪術なんだろう。

■暗黒の中世
中世は、裸はダメ、みたいな堅い時代。夫婦間の性行為そのものすら、悪いと考えるほど。こんな時代には、芸術の表面には現代人の目で見てエロティックなものは、あまり出てきません。(フェチは別)

■裸の復活:ルネッサンス

古典時代の復興なので、裸が戻ってきます。ミケランジェロの最後の審判だって、登場人物はすべて裸。

でも、その後、また真面目な時代がやってくる。その時代にミケランジェロの最後の審判の裸の人たちは「猿股穿かせ」と一般に呼ばれる人たちの手によって、洋服が上から塗られました。最近の修復で「一部」脱がされ、男だと思っていた人物が女だと判明したり(要するに、“ついて”いなかった)。

■またしても大らかなロココ

18世紀、マリーアントワネットな時代は、まさにエロス。直截なエロス。現代的にも「あ~あ」って思うくらい、ぱっきりとダイレクトな表現。
逆に、興奮しなくなってくるのかな?(後で、ロココ時代の絵画展のニュースをご紹介します)

■19世紀は?
えぇっと、19世紀はビクトリア朝とか、どっちかというと、性は抑圧された時代。あまりおおらかに表現されたりしません。相当に抑えてます。
こんな時代には、大抵、抑圧されて、裏で激しいことが行われたりします。そして、ハリウッドなエロスの20世紀がやってくるわけですが・・・

ロダンのこの絵?そうねぇ。

芸術の主流がエロティックな時代もあれば、抑圧された中で画家のエネルギーがはじけちゃう時代もあるんじゃない?どっちかというと、個人の楽しみとして秘められてるほうが、余計にエロティックに見えるけど。ロダンが一般に発表してる作品よりは、個人的なものずっとダイレクト。これがモデルと、アーティストの二人っきりの空間で描かれたと想像すると・・・・?


あ、こんな絵が好きな方、興味がある方は、エゴン・シーレをごらんになったら?こんなのばかりですよ。

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登録日:2006年 12月 01日 12:29:04

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プロフィール
秋田麻早子
秋田麻早子
■プロフィール:
Art Historian たぶん美術史学者、ときどき考古学。
アメリカの僻地の大学・大学院では西洋美術史を専攻。
でも論文を書いたのはアケメネス朝ペルシャ。
・・・美術史という素材の調理方法の可能性を模索しすぎで
エントロピーの法則な日々。

美術史・考古学を軸に、幅広く文化史的なモノゴトとか
特に、アートや学問の世界の面白いとこをご紹介しちゃいましょう。

MA in Art History 2002, University of Texas at Austin
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