2007年 03月
映画というプロパガンダ・ツール
映画「スリーハンドレッド」 祖先の描写に怒りを抱くイラン人 - イラン
【テヘラン/イラン 14日 AFP】ギリシャ軍とペルシア軍の残忍な戦争をテーマにし、米国で大ヒットを飛ばす映画「スリーハンドレット(300)」が、血に飢えた野蛮人として祖先を描かれたイランの人々の怒りを買っている。
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(c)AFP/ Aris
イランにとって、分が悪いのは、とにかく、イラン側の歴史的な資料がほとんどないこと。
■片方の言い分だけで判断できないよ
この「300」という映画のテーマである、テルモピレーの戦いにしても、結局のところ「ギリシャ側」の史料がほとんどなわけです。イラン人というのは、あまり記録を残さない人たちみたい。
紀元前5世紀頃の、ギリシャとイランの戦争である、ペルシャ戦争に関してはヘロドトスが有名で、他にもクセノフォンとかあるんですが、そりゃ偏見も多いし、また聞きだったりで、あまり正確ではない部分も多いんですね。それでも、物語として面白いから、うダメなペルシャ人のイメージはネタとして受け継がれています。
■イランがペルシャって知ってた?
そもそも、アケメネス朝ペルシャ、ササン朝ペルシャが、今でいうイランなんだってことをどれだけの人が知ってるんでしょう?しかも、アケメネス朝ペルシャなんて、イランで興ったけど、最盛期はエジプト、トルコ、イラク、中央アジア、という広大な領土を有していたわけです。しかも、政治は結構よかったみたいで、政権もわりと長くもっている。
アケメネス朝の都ペルセポリスから出土した城砦文書の解読がすすんで、いろんな事が分かってきていますが、ギリシャ側の記録がわりといい加減だし怪しいということも分かってきてます。
ペルシャ戦争は最後にはペルシャが撤退する。これ、これねぇ・・・解釈はいろいろあると思うけど、基本的にペルシャにとってギリシャって、別にどうでもいいわけ。小アジアでギリシャ人が暴れるのは困るけど、別に本国に関しては、そこまで興味ないんですね。当時、もっと大事なバビロンで反乱が起きていて、そっちに専念するほうが、ペルシャにとっては危急だから、アッサリとギリシャからは撤退した、というのが大方の意見。ギリシャ側の記録だと、弱虫で逃げ出した、みたいな書き方だけど・・・
■知らないうちに影響を受ける恐怖
何が怖いって、映画だとか、そういうエンターテイメントの形をとると、楽しんでいるうちに、情報を刷り込まれてしまうこと。気づかないうちに操作されてしまうということ。明らかに、意図的に作られた映画だと思います。本当に。ハリウッドパワー、おそるべし。
ちょっと楽しみだから、見たい☆
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登録日:2007年 03月 26日 18:59:08
マヤ文字でどうやって表現?
マヤ文明のヒエログリフで国際シンボルマーク賞を受賞したFrida Larios - 英国
【ロンドン/英国 20日 AFP】エルサルバドル出身のアーティスト、Frida Lariosが19日、自身の作品と共にフォトコールに登場した。Lariosは南米出身のアーティストとしては初めて2005年学生シンボルマーク・デザイン賞(Sign Design Award)を受賞している。受賞作品である「New Maya Glyphs Archaeological Site in El Salvador」はマヤ文明のヒエログリフに基づいたシンボルと物語から構成されている。(c)AFP/SHAUN CURRY
こんなところで、マヤ文字を見るなんて!
そう、つい最近もマヤ文字で自分の名前を書いてみて
民俗学博物館の先生に添削してもらったところです。
一時期、結構マジメに授業も取って勉強してたんですけど
気が狂いそうになります。
このフリーダが受賞したマヤ文字を使ったシンボル。
どうして賞を取ったか?というと・・・・
実はですね、彼女がデザインしたのは
エルサルバドルの考古学的な遺跡に使うための『標識』と『ガイドブック』
なんです。
標識にも、マヤ文字を取り入れて、カラフルに仕上げたので
実用目的を果たしつつ、現地の雰囲気とも相容れる、そういうデザイン・ソリューションだから素晴らしい!という評価を受けたようです。
なんていうか、この写真だけ見ると、オシャレなお姉さんがどうしたんだろう?と思ってしまうけど、そういうので賞を取って有名になった人なのでした!
ちなみに、マヤ文字の構成は漢字みたいに、偏、旁、冠、などの部首から成り立っています。コレも、タブン、そういう風に作ってあるんだと思いマス。
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登録日:2007年 03月 20日 20:32:38
Basquiat Show
米国人アーティスト ジャン・ミシェル・バスキアの回顧展開催 - イタリア
【ミラノ/イタリア 23日 AFP】米国アーティスト、ジャン・ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat)の回顧展「ジャン・ミシェル・バスキア・ショー(The Jean-Michel Basquiat Show)」が20日から2007年1月28日までLa Triennale di Milanoで開催される。
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(c)AFP/Filippo MONTEFORTE
前回紹介したバスキアの作品♪
enjoy!
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登録日:2007年 03月 18日 04:42:15
Hi/Low
【ニューヨーク/米国 6日 AFP】アーティスト、ジャン・ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat)の絵画30点余りが集められた展示会、「French Collections」がギャラリー、Enrico Navarra、国際フランス語圏機構(Organisation internationale de la Francophonie)とフランス大使館文化部(Cultural Services of the French Embassy)の協力により、3月5日から4月27日まで開催される。
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(c)AFP/Stan HONDA
美術史とかいっても、いくつかジャンルがあります。大体、国とか時代とか媒体(絵とか彫刻とか)で分けられるものですが、もう一つ分け方があるんですね。
■high art と popular art
ハイ・アートとポピュラー・アート。この分け方って、そんなに厳密なものじゃないんですけどね。
ハイ・アートは、いわゆる国の政策で作られたものだとか、すっごい高価なものだとか、その時代を代表するような芸術とかを指します。ギリシャのパルテノン神殿だとか、ダ・ヴィンチの絵だとか。美術史っていうのは、伝統的にはコレを勉強するんですね。
でも、工芸品なんかの美しさだとか価値が高まった19世紀頃からは、low artとも呼べないし・・・・ポピュラー・アートというジャンルで、いわゆる豪勢な芸術じゃないけど、まぁ、アートだよね、みたいなものも美術の一つのジャンルとして、勉強の対象にしてみようっていう心意気が出てきたわけです。庶民が使っていた道具だとか、民家の壁の絵だとか。
■今まで、無価値だったものも
例えば、日用品として使われていたツボだの皿だのだって、時代ごとの傾向があったり、国によって独特のクセが出ていたりするもの。そういうのを分析していくのは、ローマ時代の円形劇場やミロのヴィーナスについて論じるよりは地味かもしれないけど、なかなか面白いものです。
私は、どっちかというと小規模な人間なので、こういう小さい系の美術品に興味があります。
■グラフィティ・アート
アメリカの60年代とかに、スプレー缶で壁に落書きをしていたアーティストたちも(こういうアートをグラフィティとか言う。アクセントは"フィ"に置くの)なんだか、スゴイんじゃないか?と持ち上げられ始める。完全にポピュラー・アートとして始まったのに、すっかりメジャー路線になってしまったり。なんだか、ハイ・アート扱いな趣きも・・・
バスキアも、最初、明らかにガラの悪い環境でガラの悪い人に囲まれて、あまり精神状況もヨロシクない状態でスプレー・アートを制作していたと思われますが(実際、お薬の過剰摂取で亡くなってます)すっかりメジャー・アーティスト。同じような落書き出身者には、ユニクロのTシャツでも知られてるキース・ヘリングもいますね。
ガラの悪い街の崩れかけたような壁に描いていた人の絵が、美術館で、明らかに品の良い人たちに鑑賞される。
なんだか、少し、皮肉だなと思ったり。いかに、美術とかって・・・美術に限らず、何かの表現が文脈から離れてしまうと、異質に見えてくるかという例かもしれません。
黒い背景の中のグレーの丸と、白い背景の中のグレーの丸は違う濃さに見えるみたいな感じ。
こういう移行もあるんですね。
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登録日:2007年 03月 16日 18:34:27
- プロフィール
- 秋田麻早子
- ■プロフィール:
Art Historian たぶん美術史学者、ときどき考古学。
アメリカの僻地の大学・大学院では西洋美術史を専攻。
でも論文を書いたのはアケメネス朝ペルシャ。
・・・美術史という素材の調理方法の可能性を模索しすぎで
エントロピーの法則な日々。
美術史・考古学を軸に、幅広く文化史的なモノゴトとか
特に、アートや学問の世界の面白いとこをご紹介しちゃいましょう。
MA in Art History 2002, University of Texas at Austin
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