2007年 04月 03日

誘拐されるオブジェクト

売られる寸前だったラムセス2世の毛髪、無事に帰還 - エジプト

【カイロ/エジプト 3日 AFP】古代エジプト最高の王とされるラムセス2世(Ramses II、紀元前1279-1213年在位)のミイラから奪われた毛髪を取り戻すためにフランスを訪れていたエジプトの考古学者らが2日、毛髪とともに帰国した。
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(c)AFP

AFPBB News


小さい子供を誘拐しようとしたら、泣いたりわめいたり、トイレだとか食べ物だとか大変。でも、美術品・古遺物については、黙ってじっとしてる上に、とってもポータブル。なのに、価値はまさに、プライスレス。

このラムセスの髪の毛なんて、今世の中で起きている事態のごく一部で、しかも、決着ついたぶん、いい方だと思います。

やっぱり、考古学的に重要な物品というのは、闇で取引されるケースが多い。今でも、本当に大規模に。

今度、このあたりのこと、私の本の中で、ちょっぴり書くので楽しみに☆

■最大の古美術市場、ロンドン

最近のイラクでの盗掘のトレンドは、爆弾。もう、いちいち掘るなんて、ナンセンスとばかりに、そのアタリを爆発させて、吹き飛んできたものの破片を売る。それだって、粘土板ひとつ、安くても数十万。(これ、最近、某氏から聞きました。)

そういう盗品は、ロンドンに流れるとのこと。昔から、メソポタミア関連の品物はロンドンが軸になっている。あんまりにもサザビーズが盗品を売りさばくので、ジャーナリスト、ピーター・ワトソンが動いて、とうとうロンドンのアンティーク部門がクローズされたという事件、世間のミナサマ!オークション会社ってスゴイよね。

サザビーズはアンティークの拠点をNYに移しました。

でも、今ではe-bayが盗品をさばくのには便利な道具。実は、考古学者たちが、まとまって盗品を売らないでくれ、ITカンパニーに直訴したというハナシもあります。

■パリもなかなか

エジプトものは、パリあたりが中心になって、闇から日のあたる場所に出てくるようです。

麻薬とかならね、押収したら、そのまま廃棄しちゃえばいいけど・・・
子供の誘拐と同じで、盗まれたものに罪はない。
文化遺産に変わりはなく、廃棄できるわけでもない。
じゃぁどうするか、現地に戻すのが最善の策だけど、アフガニスタンなんか、返還した後のほうが美術品にとっては怖いことになりそうです。脱北者を送還するような気分ですね。

こういう問題が起きてること事態、知られていないし、でも面白いし、古美術商に暗殺されない程度には(笑)周知していきたいと思います。

カテゴリー[ 歴史・考古学 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 04月 03日 13:14:38

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プロフィール
秋田麻早子
■プロフィール:
アメリカはテキサスで西洋美術史を専攻。現在、博士課程で美術史・考古学なんかを面白がるコミュニケーションを鋭意研究中。
著書に『掘れ掘れ読本』(バジリコ 2007)。笑いのとれる考古学入門書を目指したもの。
連絡先:
mana_mana_chan@hotmail.com
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