2007年 04月 15日
聖書を絵にする
特別展開催を前日に控え、ダ・ヴィンチの「受胎告知」内覧が行われる - 東京
【東京 19日 AFP】AFP】東京国立博物館で20日から開催される特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ - 天才の実像」に展示される絵画「受胎告知(The Annunciation)」の内覧が行われた。ルネッサンス期に制作され、1945年以降はフィレンツェを出たことがなかった同絵画は今月16日に慎重な輸送のもと日本に到着した。
特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ - 天才の実像」は20日から6月17日にまで東京国立博物館にて開催される。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO
■聖母マリアと受胎告知
『受胎告知』の場面のことを、英語圏ではAnnunciationと言います。お告げという意味の単語ですが、大文字で、大天使ガブリエルがマリアのもとを訪れて「神の子を宿したんですよ」と伝える場面を指す単語です。
聖書のさまざまなシーンが描かれるときには、例え、受胎告知という単語が書かれていなくても、見る人にとって「あ!あの場面だ!」と分かるように、さまざまな記号的な表現が盛り込まれています。考えてみたら、こんなにも文字が読める人が多い時代は、近代以降のことですからね。
■受胎告知の記号
時代や地域によっても、少しづつ違うんですが、大体、同じです。
まずは、聖母マリアがいますよね。彼女は建物の中の場合も、外の場合もあります。でも大体座っていて、本(聖書か)を読んでいます。
そして、大天使ガブリエルです。こちらは、そのときによって、立っていたり、飛んでいたりもしますが、翼があるので「人間じゃないな、しかも美形だから天使かな」と分かるような姿です。
ポーズは、大体、マリアが手の平を天使に向けて「分かったわ」というような仕草をしています。
この絵に描かれているかどうか、よく見えませんが(他でカクニンしてください)大体は、マリアの純潔をあらわす百合が描かれています。また百合はガブリエルの持ち物としても象徴的によく描かれます。
この絵にはありませんが、精霊が宿るのをあらわすために、天から光が差して、ハトが飛んできている絵柄が一緒に描かれることが多いようです。
■他にも・・・
他の聖書の場面などにも、同じように「あ!」と分かる記号が沢山あるんですよ。それを知っていると、どの場面だか当てっこしたりできます。また、それぞれの場面には名前が付いているので、それとあわせて覚えると、聖書の絵画に詳しくなれますね。
■聖母マリアを描く
聖母マリアというのは、初期キリスト教絵画にはあまり登場しません。受難の場面で、サブで登場するくらいで、このように主役級に扱われるのは、ちょっと後の時代だそうです。
マリアという存在は、キリストの受肉(キリストがちゃんと肉体を持った存在である)という事実というか、教えを強化するためのファクターとして頻繁に描かれるようになったみたいです。中世キリスト教美術の専門の先生が言っていたので、タブンそうなんでしょう!
意図的にマリアが増える時代があるので、それと、教会の立場とか、権力の構造とか、そういうのを照らし合わせてみると「ほほぉ」って思うところも多いですよ。
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登録日:2007年 04月 15日 17:45:34
- プロフィール
- 秋田麻早子
- ■プロフィール:
Art Historian たぶん美術史学者、ときどき考古学。
アメリカの僻地の大学・大学院では西洋美術史を専攻。
でも論文を書いたのはアケメネス朝ペルシャ。
・・・美術史という素材の調理方法の可能性を模索しすぎで
エントロピーの法則な日々。
美術史・考古学を軸に、幅広く文化史的なモノゴトとか
特に、アートや学問の世界の面白いとこをご紹介しちゃいましょう。
MA in Art History 2002, University of Texas at Austin
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