2007年 06月

「アート」の媒体(メディア)の変遷

<第42回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭>オープニングセレモニーにレネー・ゼルウィガー登場

【6月30日 AFP】6月29日から7月7日にかけて開催される第42回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭(42nd Karlovy Vary International Film Festival、略称:KVIFF)が29日に開幕を迎え、米国女優のレネー・ゼルウィガー(Renee Zellweger)がオープニングセレモニーに出席した。(c)AFP

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多分、20世紀から21世紀にかけて、「映画」という媒体が、アート表現のメインストリームだったと言われるんだろうな、と思います。

アートって、アートの歴史を見ていると・・・

・かかっている金額のデカさ
・高い技術&メッセージの融合もしくは、メッセージそのもの
・影響を与える範囲の広さ
・時代が求めてる!と感じる何か

こんな点をみると、映画は完璧にアート。
でも、映画こそが、アートの主流、という言い方は、そんなアタリマエに受け止められているものじゃない。

ちょいと説明すると・・・

■アートといえば?

アートという単語を聞くと、今の時代ではイコール「ギャラリー(画廊)」とか「美術館」を思い浮かべるし、そういうところと関係あるのがアートなんだろうと。そういう連想がある。また、ワケわからないもの、というのを冗談で「アート」と呼んだりする。

つまり、まぁ、一般人には理解しがたいが、そういうのが分かる人にとってはスゴイらしい、ということらしい、というようなモノがアートとして認識されているわけです。

でも別に、アートってワケわからないものという意味ではないんです。たまに時代の先端のものだと、普通の人には理解できないけど、少し時間がたつと「なるほど」ってことになる。だから、ワケわからない映画のことをアートって言ってるんじゃないの。

スターウォーズみたいなのもアートだと。

■100年後の世の中

さて、では、100年後にはアートってどういうものになっているんでしょうね?はてまた、100年後の人は何をもって「アート」と呼ぶんでしょうね?

たとえば、日本人にとって、15世紀あたりなら、水墨画とかがあったんですよね。
江戸時代なら金箔屏風絵なんかがアートだったわけですよね。
木版画とかね。

でも、今は?
ほら、油絵だったりとか、西洋の技術を使った版画とかだったりするでしょう。

変わったのは何かというと、媒体です。
メディア。膠(にかわ)で溶かした絵の具を使った日本画も、あるにはあるけど、油絵的表現に大きく影響されちゃって、もう、どこに行ったらいいのか、何したらいいのか迷走中のような状態です。

(ある意味、アニメ・漫画が日本画の正統な後継者じゃないかと思いますが、これはまた別の機会に!)

■メディアという言葉

メディア、という単語も日本では、マスコミとかそういう情報媒体ばかりを指しますが、実際は情報に限らず何かを運ぶものがなんでも「媒体」なんです。テレビとか新聞とかラジオとかインターネットとか雑誌とか絵画とか彫刻とか映画とかクチコミだって、ある種、全部メディアです。それの形が違ったり、運ぶ情報の内容が違うだけで。

正統にアートと誰もが認める西洋美術だって、実はね、メディアの変遷はしょっちゅうあった。西洋のアートっていうと、油絵とかを思うでしょう?でもこれは、ルネサンス頃に発明されたテクノロジーで、ニューメディアだったんです。
今でたとえるなら、インターネットの登場!みたいな。

例えば、ルネサンスの初期なんて、それまでは、板の上に卵で溶いた絵の具を乗せて描いてた。それだと、色はとってもきれいだけど、ぼかしとか難しいし、速いタッチで描けないから、どうしてもオトナシイ表現になる。

油絵が登場して、荒々しいタッチだとか、勢いがある表現が可能になったりして、ルネサンスの「躍動感」みたいなものを支えたわけです。

■今の時代で言うと・・・

例えば、今の時代でも、TV全盛の時代から、インターネットや携帯などの並存の時代がきたわけで。そうすると、広告のやり方もかわる。TVコマーシャルがネットと連動したりする。技術(媒体)の変化が、表現の形式そのものを変えたりします。

そうね、広告もきっとアートのジャンルとして扱われるでしょうね。
やっぱり、大きなお金が動いているというのは、それだけ人の注目・関心・欲望が渦巻いているということで、それだけ影響力もあって。それには、それなりのエネルギーとかメッセージとか(良くても悪くても)なければ、人のココロには訴えない。

映画なんて、その最たるものじゃない?
みんな、映画をみて、いろんな事を考える。しかも、そういうことを意図して作られている。ワケわからない、といわれて、少しの人だけに影響を与えている、19世紀っぽい「アートらしきもの」より、よっぽどアートだと思うんです。

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登録日:2007年 06月 30日 22:33:52

「セクシーな考古学者」それは相容れない修飾語と名詞

『インディ・ジョーンズ』続編の撮影が開始される

【6月24日 AFP】スティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督の元、1989年以来となる『インディ・ジョーンズ(Indiana Jones)』の続編の撮影が開始された。
≫続きを読む…
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考古学の世界に間違えて足を踏み入れてしまう人の中には、結構、インディ・ジョーンズに影響を受けちゃった人が多いらしいです。

この写真を見るかぎり、ハリソン・フォードにはかつてのセクシーさは見る影もありません。が、確かに、最後の聖戦のころの彼が演じるインディアナ・ジョーンズ博士はセクシーでした。

■どうか誰も読んでいませんように

私が見るかぎり、知る限り。

セクシーな考古学者なんて、見たことありません。

きっぱり、きっぱり言います。

セクシーさ、という観点でいうと、偏差値40台以下です。
グッド・ルッキン、という観点で言うと、落第です。

秋葉原に行ったときと、同じような様相です。

■美術史だって、大してかわらないんだけど

では、私がいた、美術史学はどうだったか?

・・・ゲイばっかり。


確かに、欧米の美術史学者にはスタイリッシュな男性が多い。
びっくりするほど、オシャレで。
会話はとってもハイセンス。
ちょっと下ネタなんかも混じっても、絶妙に下卑すぎないところでストップ。
ユーモアのセンスなんて、たまらない。


でも、ゲイです、完全にゲイ。

ただし、女性の美術史学の先生は、とびっきりキレイな人が多いので
ゲイになりすまして潜入するのはおススメです。

美術史学科にブロンド美女が多かった理由の一つには・・・こんな就職に関係ない学部で、かつ金持ち道楽なガクモンを選ぶのは、金持ちの娘たちくらいで。当然、うつくしく装うこともパンピーよりは自由にできるわけです。庶民の娘が入ると、その会話のハイソサイエティ(そういえば、セレブというのは有名人という意味で、金持ちという意味ではない)ぶりには、驚愕します。


そして私は、微妙に、どちらのサークルにも、馴染めないまま、今日に至ってしまいました。

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登録日:2007年 06月 26日 23:41:04

「悪魔の詩」から日本に出来るコト

「悪魔の詩」の著者の首に2000万円の報奨金

【6月22日 AFP】小説「悪魔の詩(The Satanic Verses)」の著者のサルマン・ラシュディ(Salman Rushdie)氏への英爵位授与の決定を受け、パキスタンのイスラマバード(Islamabad)の商業者協会は21日、同氏の首をはねた者に対し1000万ルピー(約2060万円)の報奨金を与えると発表した。(c)AFP

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最近、ちょっとおしゃべりをしたイラク人の考古学者が「ぼく、宗教なんて持ってないよ」と笑いながら言ってました。

中東=過激な宗教、のイメージと、現実はズイブン違います。日本だって宗教活動に熱心な人と、宗教に敬意を払いつつ自分はそこまでファナティックじゃない人がいるように。

このラシュディに関する事件は、20年近く前のことなので、もう記憶にない人の方が多いかもしれないけど。

サルマン・ラシュディの本は、日本人の読者にとっては、こんな過激な事件に繋がったほどに、内容は過激ではありません。読んでみたら、きっと「何がそんなに問題なの?」と思うくらいでしょう。

各国で、翻訳した人までが事件に巻き込まれましたが、すべてが必ずしも過激なイスラム教徒によるものでもなく、どさくさ紛れの”便乗”もあったようです。それも、あまり語られないことでしょう。

■イラン革命

イラン革命(1979年)というのは、それまで王制で、比較的西洋寄りの改革を当時進めていたイランが、ホメイニという強力な宗教的指導者のもと保守的なイスラム教を軸にした国作りにしよう!と大きく軌道修正したものでした。

というのは、一応の流れを簡単に説明する表現。

実際にはですね、王政時代(パフレヴィー)の近代化政策で、大土地所有制に基づいたイスラム勢力(宗教勢力ですね)と結びついた勢力(地主、マーレキという)の権限を小さくしてしまった。それに対する反動で、イスラム勢力が動いたんですね。

地主のマーレキ(オムデマーレキ、ホルデ・マーレキ)と実際に耕作をするライーヤト達の間にたつキャドホダーという地位の人たちがいて、国王派はここと結びついた。

このイラン・イスラム革命は、欧米の目から見ると、時代を逆行するような革命ですが・・・果たしてイランの人にとって、そのまま欧米化するのが必ずしも良かったかどうかさえも、それはまだ判断できないのじゃないかと思います。

■上澄みがかわっただけ

マルキシズム的解釈とかだと、貧しい気の毒な農民たちを救うために、イスラム勢力が出てきた・・・と思うかもしれませんが。違うんです、国王(新欧米派)VS地主層(+宗教勢力)の権力争いです。

当時イランの農村に実際に住み込んで研究をされていた大野盛雄先生も書かれていますが「宗教界が厳しい立場におかれている農民のために、何の発言もしていない」という状況でした。

要するに、支配層が交代しただけで、土地を所有しない耕作権をもつだけの農民たちにとって、もしかしたら前以上に厳しい状況になった人も・・・いたかもしれません。そして、マーレキとキャドホダーがそれぞれ反対勢力になったのですから、それまでに作られていた農民同士の横のつながりというものが、一旦分断されてしまって、かえって貧しい層がよりいっそう途方にくれる事態にすらなったといえます。

でも・・・もし仮にね、そのまま欧米化しようとしたら、もしかしたら、それはそれで、イランの土着の文化との軋轢を生んで、別の形で混乱が起きていた可能性だってあったんじゃないでしょうか。

■日本以外の国の近代化・・・

地球全体を、資本主義国がリードするという時代で、イランという国が近代化する過程の物語でしょう。でも、それは、とっても難しいみたいで、いい方法を探し続けているようにも見えます。自分たちとは相容れないことが多い欧米に対する強い反発があるだけに、ますます難しくなるようです。

東京大学のイスラム学の権威、山内教授もおっしゃっていますが、日本だけが自国の文化を犠牲にせずに資本主義を導入するのに成功した国。だといえるんじゃないでしょうか。日本らしさを捨てずに、かつ、欧米諸国に負けない経済力を、欧米の土俵で成し遂げたわけです。

中東各国は、日本のモデルケースから何か学べないだろうか?というスタンスを持ち始めているようです。もう、中東の知識人は、冷戦時代のような「被害者」意識を脱却しつつあり、諦めモードから「何か自分たち独自の近代化の方法はないだろうか?欧米ともうまくやりつつ」という方向に向かっているようです。


日本人も、楽しい楽しいの毎日だけじゃなくて「どうして、日本はうまくやれたのだろう?」とか、逆に「日本はここまで欧米におもねる必要はないんじゃないだろうか?」など、歴史という時間軸、地球上という空間軸、両面において、成功の理由を謙虚に冷静に考えて、他の地域に還元していくという形での援助・交流を模索できたらステキだと思いますね。

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登録日:2007年 06月 23日 19:20:32

キクかキカナイかは・・・

【動画】7メートルのパピルス、ルーブル美術館で公開中

【6月13日 AFP】パリのルーブル(Louvre)美術館では、考古学的にも非常に価値の高いパピルスが展示されている。このパピルスは長さ7メートルの巻物となっており、古代エジプト時代の医療技術に関する解説や知識が象形文字(ヒエログリフ)で記されている。長さとその内容から、史上2番目に価値の高いパピルスとも言われている。(c)AFP

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イギリスの現代アーティスト、ダミアン・ハーストと、日本の現代美術家の村上隆とを続けてアップしようとしていたら・・・この動画!

これは、ご紹介しないといけません。

■古代エジプトの医学書?

NEWSを見ていただいたら分かりますが、少なくとも3000年前の
古代エジプトのパピルスに書かれた医学文書がルーブル美術館で公開中!

パピルスというのは、エジプトに生えてる植物で、それを薄く削いで
重ねて乾かすと、ガビガビだけど一応紙みたいになってるものです。

その上に書かれているのは、映像で見る限り、ヒエログリフ(聖刻文字)というより
それの簡略化されたデモティックだと思います。
草書体みたいなもので、紙に書く時は、こちらのほうが便利そうでしょう?

■史上2番目の価値!

街で二番目にうまい店・・・みたいなキャッチフレーズですね。

医学に関するパピルス文書は、他にも実は沢山みつかっています。
エドウィン・スミス古典とかエバース古典なども紀元前1500年頃に書かれたもので
(内容そのものが出来たのはもっと古くて、現存する写本がこれ、ということです。)
なかなか貴重なものがあるんです。

名前の由来は・・・大体、発見した人とかの名前がついています。
発見・・・というより、誰かがどっかから拾ってきて(多分、というか盗掘)骨董屋にあるのを、見つけて購入、というケースが多いでしょう。

ちなみに、エバースは20メートルあります。

■何がかいてあるのか?

主に・・・漢方薬の処方みたいなものだと思ってください。

制汗剤にはミョウバンとか、かなり年頃な女子高生に喜ばれそうな処方もあります。
もちろん、バイアグラ的な処方もあります、効くかどうかは知りませんが。
(ちょうど、近々出る予定の私の本にもコレを詳細に紹介しています)

美白には石膏、というのも、色からの連想で安易だな、と思ったりしますが
実は中国の漢方薬でも石膏は熱を下げるとか(白くて冷たい感じからの連想)、古代の薬はそういう連想ゲームが元になっていたりするんです。

さかまつ毛には、ハエの糞と土を混ぜて生え際に塗り、抜け、とエバースにありますが、効くんでしょうか、ぜったい無理な気がするんだけど、古代エジプト人は試していたんでしょうか・・・

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登録日:2007年 06月 18日 21:56:55

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プロフィール
秋田麻早子
■プロフィール:
アメリカはテキサスで西洋美術史を専攻。現在、博士課程で美術史・考古学なんかを面白がるコミュニケーションを鋭意研究中。
著書に『掘れ掘れ読本』(バジリコ 2007)。笑いのとれる考古学入門書を目指したもの。
連絡先:
mana_mana_chan@hotmail.com
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