2007年 07月

青磁や白磁

タコお手柄で発見の高麗王朝時代の陶器、写真が公開

【7月24日 AFP】韓国の国立海洋博物館(National Maritime Museum)は24日、タコのおかげで沈没船から発見された高麗王朝時代(918-1392年)の陶器の写真を公開した。
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(c)AFP

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高麗青磁について、私自身は、ほとんど完全に無知です。
でも偶然ながら、韓国人の美術史家の友達と春に会ったとき
高麗青磁の話になったので、それをちょっと、ウケウリしちゃいましょう。

■禅の思想のそれぞれの解釈

「高麗青磁というのは、国家レベルでの禅思想の表現」とのこと。
青は静寂を表すとか。
日本では禅というと、ちょいワビサビはいった、枯淡としたような器が禅っぽいイメージ。

もちろん、私よりもはるかに日本美術に詳しい彼女はそのことも知っていて
「ナゼだか日本に行くと、禅の思想はちょっと変わって・・・」

日本人が朝鮮半島に行ったとき(つまり秀吉)、朝鮮では価値なんて
ほとんどないような、素朴な普通の茶碗、意図とか意匠とかの「凝り」みたいなのが
表れていないものを「禅っぽい」とし、もてはやしたとか。

■高品質の高麗青磁

高麗青磁のいい作品を見たかったら、日本だとか。
奈良にある・・・名前を忘れちゃいましたが、博物館です。
戦後あたり、日本人が高く買ってくれるということで
現地の人も率先して日本に売ったそうです。
なんとも、もったいない話。

その後、白磁などが人気が出ますが、これは儒教思想と大変深く結びついているそうです。
「白」という色が、儒教的に意味と価値があるとか。

まぁ、聞きかじりでなんですが、こういうことを聞いてみると
ナルホドなぁ、と思うのでした。

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登録日:2007年 07月 28日 21:51:30

キューピッドの矢

キューピッドは「わいせつ」? 表紙に使用した書籍が出版禁止に

【7月20日 AFP】香港の検閲当局が、ローマ神話に登場するキューピッド(Cupid)の絵柄が印刷された書籍の表紙を「わいせつ」と判断し、出版禁止を決定。だが再検討の結果、決定を取り消した。同書は国内のブックフェアに出展されていた。(c)AFP/Samantha Sin

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この絵は香港の当局にとっては、ワイセツに映ったんですね。
味わい深いことです。

さて、21世紀の日本に生きる私には、これくらいだと
どうも、最近の少女マンガの方がよっぽど過激に思えるんですが。

■さてこの絵は?

この絵はですね、18世紀の終わり頃にフランソワ・ジェラールが描いたものです。
タイトルは「プシュケとアモール」。(確かルーブル美術館)
アモールというのは、キューピッドのこと。
プシュケというのは、彼の恋人の名前です。

いわゆるギリシャ・ローマ神話の登場人物。

アモールというのは、愛の神様で、ギリシャでは「エロス」という名前です。
モチロン、意味は「愛」。

プシュケというのは「魂」という意味です。
カタカナだと分かりにくいんですが、これpsycheと書いて
サイコpsychoとかサイコロジーpsychologyとか、そういう単語の語源となった単語。

二人とも愛と魂の擬人化というか、擬神化?!された存在。

アモールは普段は人々を恋に陥れるために、金の矢と鉛の矢を駆使してるんですが
ある日、自分の手を傷つけてしまって、プシュケに恋してしまう。

■二人の間には・・・

プシュケとアモールは、お母さんのヴィーナスからものスゴイ反対を受けるのですが
しかもプシュケは壮絶なイジメにも遭うのですが、恋を成就させます。

二人の間に出来た娘は、ヘドネと言い「喜び」という意味です。

愛と魂が出会って、喜びが生まれるという、なんともおおらかなテーマ。

■18世紀の終わり頃

ナポレオンの絵なんか見てても、ズイブンとムカシ風というか
古典的な雰囲気でしょう?
そういうのが流行った時代なんです。
古典的な絵柄が流行るときは、モチーフ(題材)も古臭いものが選ばれます。

この絵が描かれた頃は、このようなギリシャ・ローマ神話がよく題材に使われていたんです。

18世紀末の人にとって、これがワイセツに映ったかどうか・・・
どうも私にはわからないのですが
もっと直截な、もっとキッパリといかがわしい風俗画も多くありました。
この程度なら、当時の人も、いちいち興奮するほどでもなかったでしょう。

だからこそ、香港って、もっとスゴそうなのに?!
一体どういう意図なんだろう、と逆にそれが面白かったりします。

■愛と肉欲

エロスという単語は、中世以降、アガペという単語と対比させて
精神的な愛に対する肉体的な愛をあらわす単語のように使われてきました。

でも、本来は生を謳歌するためのあらゆる欲にまつわる喜びを表すものだったんですね。

そういう意味でも・・・
偶然とはいえ、面白いかな・・・・と思ったのでした。

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登録日:2007年 07月 27日 01:12:30

マルから四角へ

ストーンヘンジで夏至を祝うお祭り開催

【6月25日 AFP】夏至の日の21日、英国・ウィルトシャー(Wiltshire)州エイヴバリー(Avebury)にあるストーンヘンジ(Stonehenge)で、異教徒たちの夏至を祝うお祭り「Summer Solstice」が開催された。同祭典は数千年前から続き、太陽の南中時に1年で最も長い日を祝福する。夏の初日の日の出を拝むため、現代のドルイド教徒や人々は毎年同場所に集結する。(c)AFP

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ストーンヘンジって、円形の建物ですよね。

でも考えてみたら、現代の建物って、ほとんど四角だと思いませんか?
円形の建物って、かなり例外的なケースでしょう。

古代の建物(遺構と呼びます)を時代ごとに順を追ってみていくと
円形から四角形(矩形と呼びます)に発展していくんですね。

この話は、メソポタミア地域の話なので、他の地域で具体的にどうかは
確認していませんので、そのあたりは、想像を楽しむということで進めたいと思います。

■何が変化したんだろう?

新石器時代の初期、先土器新石器A(紀元前8000年頃)はまだ円形なんですが、もう少し農耕のレベルも進んだ先土器新石器Bという時代(紀元前7000年頃)には、四角い建物になってくるんですね。

どういう理由だろう?と、いろいろな説が立っています。
この時代はちょうど農業生産力も上がって、定住化が進んだときだから、建物が複雑化したんだろう、というような考え方が主流のようです。

ちょうど、この時代にはアートの方も(つまり、土偶などですが)サイズが急激に大きくなっています。先土器A時代には、小さな石や粘土の人形が主流でしたが、B時代には1メートルクラスの人形が作られるようになりました。

経済システムの変化が、何かしらのブレークスルーというか、位相の転換を起こしたのは事実でしょう。


■ストーンヘンジの場合

ストーンヘンジがどういう位置づけになるのか、私は詳しく知りません。
少なくとも、中東エリアでは丸い遺構は、古い時代に結び付けられることが多い、という事実があるだけです。

そして、ローマ時代初期などには皇帝の墓に円形の建物が採用されています。
これは、墓の周りをぐるっと周回できる構造なんですね。
民俗学の調査などによると、どんな宗教にも、どういう時代にも広く共通しているのが

何か儀式をやるときに、ぐるぐる廻る、というのがあるそうです。

ローマの墓の場合もそう。
考えたら、日本の神社もぐるっと廻れるようになっています。
カーバ神殿も廻りますね。
魔女の儀式も廻るそうです。
ストーンヘンジも廻るものだったのか。

そうすると、古代メソポタミアの丸い遺構も、もしかするとですけど
定住がまだ進んでない頃のこと。
住処はもっと簡易なもので、丸い遺構はもっと祭祀的なものだったかもしれません。
そういう場所で、ぐるぐる廻ったりしていたのかな?
そう思ったりします。

ちなみに、廻ることの目的というのは・・・・目が廻ってトランス状態になることじゃないか、という意見がありますが、なんとなく妥当な気がします。

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登録日:2007年 07月 18日 00:04:13

評判の悪い新7不思議

ユネスコが「新世界七不思議」を批判

【7月9日 AFP】国連教育科学文化機関(ユネスコ、United Nations Educational, Scientific and Cultural OrganizationUNESCO)は8日、「新世界七不思議」の選定を非難した。
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(c)AFP

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何かを選んだら、何かが外れるわけで。

地中海世界の7不思議から、グローバルな視点で選んでみよう!となったとき、エジプトのピラミッドも選からもれてしまった。

■誰がいつのまに選んでたんだろう

選ばれた新7不思議、もしかしたら「ソレ何?」と世間に知られてないようなものが選ばれたような気がしなくもないです。

そもそも「不思議」の基準だってよく分からない。
例えば、労力がすごい、とか、金がかかってる、とか
規模がデカい、とか、ギネス的な基準でもあればいいんだけど
なんかマイナー地域から選出して花を持たせないといけないような
そういう気遣いみたいなのが見え隠れするのが、ちょっと気持ち悪いのかも。
(ミス・ユニバースにブロンドが選ばれないような感じ)

私、このうち3つしか見たことないですが、正直、ぺトラ遺跡とコロシアムは不思議かもしれないと思う。あー、でも、どうなんだろう?

チチェンイッツァは、とても良い遺跡なんだけど、不思議のレベルというかスケールで言うと・・・うーん、ピラミッドの方が一般論として不思議じゃないかと思うのも主観なのかしら。

■ユネスコの意見

企画者はバーミヤンの遺跡破壊から思い立ったそうですが、ユネスコはバーミヤンの再建にも否定的。

どうしてかというと、現在のところ世界的コンセンサスで、修復に関しては「消極的修復」で合意されているんです。過度の修復は「遺産のありのまま」の保存目的の観点からは、かえってデメリットになるという理由から。

それに世界遺産があるんだから、別に7つに絞らなくても。
ジャンル別で対抗させるなら面白いのにな。
時代別とか。

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登録日:2007年 07月 14日 10:20:15

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プロフィール
秋田麻早子
秋田麻早子
■プロフィール:
Art Historian たぶん美術史学者、ときどき考古学。
アメリカの僻地の大学・大学院では西洋美術史を専攻。
でも論文を書いたのはアケメネス朝ペルシャ。
・・・美術史という素材の調理方法の可能性を模索しすぎで
エントロピーの法則な日々。

美術史・考古学を軸に、幅広く文化史的なモノゴトとか
特に、アートや学問の世界の面白いとこをご紹介しちゃいましょう。

MA in Art History 2002, University of Texas at Austin
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