2009年 08月 09日

フセイン亡き後

イラクのバビロン遺跡が米軍駐留で損壊、ユネスコが指摘

【7月13日 AFP】イラク中部にある古代遺跡バビロン(Babylon)が、イラク戦争後の米軍駐留の影響で損壊していることが明らかになった。
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(c)AFP

AFPBB News


イラク戦争の影響の一つに、かつてのメソポタミア文明の中心部分を擁しているイラクという国の文化財・遺跡の破壊が挙げられている。

そりゃぁ、戦争をしたんだから・・・無傷ってわけにはいかないのは、誰にも(納得いかなくても)当然の帰結だろうと思うと思います。

もう一つには、亡きフセイン元大統領がこのネブカドネザル(紀元前600年頃の王様)と自分を重ねたメディア戦略を行っていたという事があるでしょう。ネブカドネザルがつまり、この偉大な古代な王を、うまく利用して自分のイメージも偉大に見せようとしていたわけです。ネブカドネザルにまつわる遺跡を派手に修復したり宣伝したり、自分のポスターにも描いてみたり。ネブカドネザルにしてみれば、寝耳に水でしょうし、当時想像したかどうかも分かりませんが、利用されたのは事実。

よくも悪くも、ある意味フセインは保護者であったのは事実なので、そういう人物がいなくなれば、廃れてしまうのも時の流れなのかもしれません。

よくも悪くも、独裁者というのは、過去の英雄と自分を意図的に重ねてメディア戦略をします。ナポレオンも自分の肖像画にハンニバルだとかアレキサンダーだとか(確かこういう人だったと思う)の名前を並べて描かせています。ムッソリーニも初代ローマ皇帝アウグストゥスの墓の整備をやっているところを写真に撮らせたりしています。

しかし、そうすると、その独裁者がいなくなったとき、勝手に利用された元の過去の英雄も、多少とばっちりを食うのかもしれません。

ただ、とばっちりが、過剰になりすぎないことを祈ります。

また、遺跡としての価値に相当したはからいと処置が取られることを願うばかりです。

そこでさらに。そこに今、現在、暮らす人々の利益・公共の福祉との兼ね合いの中でバランスが取られるのが理想的だといえるのではないでしょうか?ただ、このバランスは、なかなか取りにくいもののようです。しがらみと、兼ね合いと、過去の記憶と、これからと、すべてをバランスを取っていくのは、簡単ではないかもしれません。冷静な状況判断と、理性に基づいた決断がもっとも必要なのではないでしょうか。

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登録日:2009年 08月 09日 19:49:48

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プロフィール
秋田麻早子
■プロフィール:
アメリカはテキサスで西洋美術史を専攻。現在、博士課程で美術史・考古学なんかを面白がるコミュニケーションを鋭意研究中。
著書に『掘れ掘れ読本』(バジリコ 2007)。笑いのとれる考古学入門書を目指したもの。
連絡先:
mana_mana_chan@hotmail.com
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