師匠と弟子・・・『哀しみの女』
【ニューヨーク/米国 23日 AFP】19世紀末を代表するオーストリア人画家グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)。
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(c)AFP/LOS ANGELES COUNTY MUSEUM OF ART
有名な画家っていっぱいいるけど
師匠も弟子もどっちも有名な場合も結構あります。
例えば、17世紀バロック時代のフランドルの巨匠ルーベンスには
師匠を越えたか?!って言われるヴァン・ダイクがいるでしょう。
それから、「サロメ」でも有名な宝石箱みたいな絵を描く
ギュスターブ・モローは生徒の個性を伸ばす人だったのか
マルケ、ルオー、マティスなどの、師匠とは全然画風が違う画家たちが育ちます。
■クリムトとシーレ
この絵を描いたグスタフ・クリムトはとにかく、日本でも人気の高い画家です。
多分、背景が金箔一色で、そこに人間がドンっと描かれてるのが
浮世絵チックで、なじむからかもしれません。
元禄美術みたいな、尾形光琳とかみたいな画風だなぁって、いつも思います。
その弟子が
エゴン・シーレ
二人の絵の雰囲気は、ルーベンスとヴァン・ダイクほどは似ていないけど
でもモローと弟子たちよりは、とても似ているんじゃないかな?
■エロティックな空気
二人とも、とにかく、妙にエロいの。
芸術的なエロさじゃなくて、もっと生々しいエロ。
覗き見をしているような、もっとドロドロした、キレイなものじゃなくて。
リアルさがあるんですね。
クリムトの絵は、下書きの段階で女性がスゴイ姿で描かれて
それを絵の具で塗りこめていた、というエピソードが。
シーレは、どうしたって、ポルノグラフィ的なポーズ、テーマのデッサンが
強迫観念か?!と思うほどに沢山あります。
こればっかりは、どっかで画集をご覧になって。
本当に、ちょっと開くのが恥ずかしいものが多いです。
■哀しみの女
師匠のクリムトのモデルであり、愛人であったヴァリーを弟子に譲ります。
男っていうのは、二種類いて
不遇時代を支えてくれた糟糠の妻を大事にする人
名声を得てランクアップのための女を手に入れようとする人
シーレは、自分を支えてくれたヴァリーを捨てて、お嬢さんと結婚します。
なんだか、やりきれないなぁ・・・という、そんなエピソードを
五木寛之さんが『哀しみの女』というタイトルで
舞台を日本にうつして描いています。
違う国の違う時代のことだと思うと、他人事みたいに思える話も
エッセンスを取り出して、こうやって小説にしてもらうと
手に触れられるような近い事柄のように感じることができると思いますよ。
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登録日:2007年 02月 21日 22:44:50
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- プロフィール
- 秋田麻早子
- ■プロフィール:
アメリカはテキサスで西洋美術史を専攻。現在、博士課程で美術史・考古学なんかを面白がるコミュニケーションを鋭意研究中。
著書に『掘れ掘れ読本』(バジリコ 2007)。笑いのとれる考古学入門書を目指したもの。
連絡先:
mana_mana_chan@hotmail.com
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