天才の行動が凡人に読みきれるか?!
【ワシントンD.C/米国 18日 AFP】印象派を代表する画家クロード・モネ(Claude Money)の作風は、晩年になるにつれより抽象的に変化していった。
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(c)AFP PHOTO/Wildenstein
モネが晩年白内障を患っていたかもしれないと・・・
こういう、アートな世界を、医学という別の分野の人が別の視点で捉える研究って面
白いですよね。
■目で見た世界を絵に描くって?
きっとほとんどの人が、絵を描くときって、見たままを描けないからフラストレー
ションが溜まってるんじゃないですか?「絵がうまい人」って、どうして「見たまま
を描ける」んだろう・・・って。
でも、見たママ、って一体、どういうことなんでしょう?
考えてもみてください、網膜に入ってきた数々の情報が、頭の中でどう処理されて、
手の筋肉にどんな指示を出して、絵になるんでしょう?
■「見た世界」はバラバラになる
網膜で処理されるのは、光の強弱とか、三原色とか、その程度です。それが後ろ頭の
ほうの第一視覚野にいって、バラッツバラになるんですね。細切れの情報に。
そう、頭の中では、実は「見た」世界はいったんバラバラになって、自分の頭の中で
再構成されてるんです。だから、なかなか見た世界って、実は適当になりがち。ほ
ら、事件の目撃証言なんかでも、白い車を見た!って誰かがいったら、みんな影響さ
れちゃったりするでしょう?心理的な効果でいくらでも、見たはずがないものや、見
たはずのもの、曖昧になってしまってるのに確信をもてたり。わりといい加減な記憶
なんです。
■「見た世界」は頭の中でもう一度組み立て直される
そして、バラバラになった情報を頭が分析します。
色。
形。
空間(奥行きとか、じゃないと世の中が立体的に見えない)
動き。
この4つです。
そして、モネという画家は、そういう情報の中でも「色」だけを取り出して描いてい
る画家なんですね。形なんて、輪郭線も曖昧でしょう?ある程度は残っているけど。
動きも分からない。奥行きは感じられない。
「見た世界」を頭の中で組み立てなおすとき、「色」に関する情報に重点を充てたの
が「モネの絵」なんですね。
■では、白内障だったのか、どうなのか・・・
実際に、眼科のお医者様がおっしゃるんですから、きっと白内障の症状の方のビジョ
ンというのは、モネが作り出した晩年の作品の見せる絵の雰囲気と似ているのだと思
います。
そこで二つの可能性。
1. モネは実際に晩年白内障を患っていた
2. モネは色に重点を置いた画風をとことんつきつめて、形を表す要素を排除する
ために、結果白内障的なビジョンの作風を作り出した
ピカソだって、少しおかしくなった人みたいな絵ですが、あれだって奥行きとか空間
認識の要素を排除して、あんなおかしな絵を作り出したわけですから・・・
天才的な芸術家のことです。
凡人には計り知れないほど、頭の構造とか認知を飛び越えた創作をしている可能性は
大!
だから、面白いし、引きつけられるんでしょうね。
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登録日:2007年 05月 31日 17:47:52
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- プロフィール
- 秋田麻早子
- ■プロフィール:
Art Historian たぶん美術史学者、ときどき考古学。
アメリカの僻地の大学・大学院では西洋美術史を専攻。
でも論文を書いたのはアケメネス朝ペルシャ。
・・・美術史という素材の調理方法の可能性を模索しすぎで
エントロピーの法則な日々。
美術史・考古学を軸に、幅広く文化史的なモノゴトとか
特に、アートや学問の世界の面白いとこをご紹介しちゃいましょう。
MA in Art History 2002, University of Texas at Austin
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