ブツゾウをめぐる韓国と日本のチガイについての論考?!

韓国で1300年前の巨大仏像がほぼ無傷で発掘

【9月11日 AFP】(一部修正)韓国で1300年前に建造された巨大な仏像が、ほとんど無傷で発掘されたことが分かった。
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(c)AFP

AFPBB News


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■韓国人仏教美術学者、再び登場

たびたび登場する韓国人の友人(オンナノコ)の仏教美術史学者。バングラディッシュでの一年のフィールド・ワークを終え、アメリカで踏ん張っている彼女。

彼女がたびたび私に尋ねるのが「どうして、日本の仏教彫刻は木造なんだろう?」

私が知るわけもありません。なんてったって、仏像ったら木だろう、たまに金属(奈良の大仏とか)くらいのイメージしかありませんでした。でも彼女が言うには「でもね、韓国では仏像といったら”石”なのよ。」

私はまだ、韓国の仏像が石仏が中心なのかどうか、自分では確かめていません。が、極東仏教美術でイーファ大で修士を取得、日本の名古屋大学にも留学していた、その上、アメリカの最も権威あるインド仏教美術学者について博士号取得予定者になった彼女が仏教美術について言うことは、基本的に鵜呑みにします。

■この問いかけの意味は?

「え?韓国は石仏なの?日本にもたまにあるけどね羅漢とか。」

「ねぇ、日本にも石くらいあるでしょう・・・?どうして石仏が主流にならなかったのかなぁ?」

このやり取り、一体何が重要なのかと思うかもしれません。

私たちは一応、美術史で方法論なんかも(私はウロ覚えですが)知っているので、ハっとなるのです。

まとめて箇条書きにしましょう。

1.仏教美術は鮮半島から日本にやってきた。(5世紀頃?)
2.仏教美術を作れる職人も朝鮮半島から日本にやってきた。
3.朝鮮半島では仏教美術は石仏が基本。

■「形は素材に依存する」

ここで・・・重要な事柄が。
「形は素材に依存する」という美術の歴史の基本事項があるんです。

古い時代・・・堅い石を算出する地域では、四角ばったデザインになりがち。(例:エジプト、花崗岩や玄武岩など)柔らかい石を産出する地域では、ゆるいデザインが可能。(例:メソポタミアの石灰岩、ギリシャの大理石)

ようは、素材によって、作りやすいものを作るのが、人間の自然の行動だろう、というような常識的なところです。

だから・・・石で仏像を作る技術と、木で仏像を作る技術って全然違うん筈なんです。
道具も違うだろうし、力の加減も違うだろうし。石なら簡単なデザインが、木では難しいこともあるだろうし。逆に、木であれば簡単なデザインが、石で再現しようとすると至難の業だったり。(*注1)

回りくどいことになりましたが
「石で作ってのと同じようなもんを、木で作るのはそれなりに工夫したり、いろいろあったはず」

つまり、彼女の疑問は「だって日本にも石があるんだから、同じような仏像を作りたかったら、石で同じようなものを作るほうがはるかに簡単なのに、なぜワザワザ木造にシフトしたのか?」

ということなんですね。

■私の答え?

うーん。まだ分からないけど、「日本のほうが木材が豊富だからじゃない?」と適当に答えたら「朝鮮半島にも木は生えている」だった。「日本文化ってフェミニンだからじゃない?」といえば「鎌倉彫刻はフェミニンか?」たしかに・・・。

メンタリティのモンダイとか、美意識のモンダイとか、絡んでくると思うんですけどね。

これととても繋がってくるような気がするテーマで・・・次に機会があったら「その地域の自然環境・風土が、その地域の美術の造形に影響を与えるか?」というモンダイについて書きたいです。これはですね、イタリアの各地域の美術の比較でとても面白いことが見てくるんです。そういうのも知ると、アートが面白くなるかもしれないですね。


(注:1 これは、ギリシャのブロンズ彫刻のオリジナルを、ローマ時代に大理石で模倣したものが、多く重さを支えるためにヘンな接木を作ったりしているのでもわかります。

カテゴリー[ アート ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2007年 09月 15日 03:55:59

コメント

日本では、まとまって整っていて石造の大きな仏像で、かつ古いものというと臼杵ぐらいですか。
もっとも、彫りやすい=崩れやすい石のようですね。

風来親父 @ 2007年 09月 20日 21:23:53

あぁそうか!
彼女に臼杵のHPを見せてみます、なんていうかな。
技術的な問題だとそういうことみたいですね。
硬い石で硬い表現だと、日本人の美意識には合わないのかなぁと、漠然と感じているんですが・・・たいした根拠もなく。

そういえば、彼女と話してて気づいたのが「日本人は民族衣装の和服をまだ着るし、若者にも人気あるでしょ。でも韓国でチョゴリに対して、そういう意識はないの、ただの民族衣装」って。カノ国とコノ国の小さな、だけど大きな違いみたいなものが、どこか見えないところにあるような気がしたエピソードなんです。

masako @ 2007年 09月 21日 10:50:32

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プロフィール
秋田麻早子
■プロフィール:
アメリカはテキサスで西洋美術史を専攻。現在、博士課程で美術史・考古学なんかを面白がるコミュニケーションを鋭意研究中。
著書に『掘れ掘れ読本』(バジリコ 2007)。笑いのとれる考古学入門書を目指したもの。
連絡先:
mana_mana_chan@hotmail.com
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