マスメディアの特権意識

産経「イザ!」というニュースサイト(AFP BBみたいに、記事を引用してブログを書いたりトラックバックできる)があります。で、そこに【季節風】というコラムが掲載されていて、3月24日は京都支局の渡部圭介という記者(カメラマン?)が「アマチュアカメラマンに物申す」というタイトルで執筆しています。

スラッシュドットに書かれていた(個人的にはオフトピックじゃないかと思うような)コメントで知ったのですが、このコラムはちょっとねえ……

要旨としては、

●同業者なら(ニュースで飯を食う者であるから)現場での小競り合いは甘受する
●プロが優先的な位置にいる状態で、アマチュアに邪魔者呼ばわりされるのは腹が立つ

てなことかと思います。

このコラムを端的に示しているのであろう、以下の一文。

『文句にたまりかねた某社カメラマンが、「こっちはこれでメシ食ってんだ」と言い返すのを見たことがあるが、まさしく同感。』


飯を食っていることを理由に特権が許されるのでしょうか?道路上において、職業ドライバー(タクシーやトラック運転手)は一般ドライバーや歩行者より優先されるのでしょうか?いや実際、職業ドライバーの間にも、似たような意識があると思います。しかしそれはあくまで「身内意識」であって、合理的客観的に許容されるものでも無いし、ましてや公的メディアを通じてそれを吹聴するなど、言語道断でしょう。

プロであれアマチュアであれ、その場のマナーというべきものを守らないのであれば、それは批判されてしかるべきでしょう。本文中にあるような、審判長までも邪魔者扱いするような態度は、場のマナーに反してますよね。しかし、マスメディアとて映画制作のインタビューで不倫問題を取り上げたり、メジャーリーグのスタジアム内で日本人選手にのみ付きまとったり、場のマナーを理解しない点では似たり寄ったり。

一方で、プロ同士の小競り合いをOKとしているのですから、「それを生業としていない」ことを理由にアマの小競り合い介入をNGとするのは、道理に合いません。アマチュアは同じカメラマンとして、堂々と「産経!どけ!」と言っていいと思います。

以下余談。

彼らマスメディアが、ニュースの場において特権的な位置取りを確保できるのは、単に「昔は限られた新聞やテレビじゃないと出来事を広く伝えられなかったから」という歴史的慣習に過ぎません。また、ニュースソースの側は「無分別にニュースを流されるより、メディアを限定して制御できる方が便利」だから、その歴史的慣習を維持しているだけです(典型的な例が、公共機関における記者クラブですね)。要するにこのコラム、癒着と馴れ合いの構造をさも当然のように感じている、そんな意識が文章全体に満ち溢れてるんですね(笑)

もちろん、ニュースの中にあるある種の恣意性さえきちんと読み分けることができれば、「適当に編集して読みやすく(見やすく)伝送してくれるマスメディアは便利」とも言えるのですが、最近は日本語もグダグダ、ニュースに対する下調べもおざなり、質の低下はいかんともしがたいものがあります。一方でブロガーの中には、(別にそれで飯を食ってるわけでなくとも)よほどきちんと調べてしっかりした記事を書いてる人がいます。

ニュースで飯を食っている、なんて、今どきそんなに声高に言うようなこっちゃないと思うんですよねえ。

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登録日:2007年 05月 08日 10:00:05

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