次期首相候補・麻生太郎氏のミャンマー観は?
【9月15日 AFP】安倍晋三(Shinzo Abe)首相が辞意を表明したことを受けて自由民主党(Liberal Democratic Party、LDP)総裁選に立候補した福田康夫(Yasuo Fukuda)元官房長官(71)と麻生太郎(Taro Aso)幹事長(66)は15日午後、東京都内で共同記者会見を開いた。
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(c)AFP
安倍首相の辞任を受け、自民党総裁選に立候補した自民党幹事長の麻生太郎氏は、ことし8月27日まで外務大臣を務めた。
外務大臣として麻生氏は、ミャンマーのニャンウィン外相と2度会談を持っている。1度目は2005年12月14日にマレーシアで、2度目は2007年5月28日にドイツ・ハンブルグで会談した。
2007年6月6日の国会外務委員会で、民主党の長島昭久議員がミャンマー問題に関して質問した際、麻生氏は以下のように発言している。
長島(昭)委員: 今回の公式の会議の日程の合間を縫って、外務大臣は三人の外務大臣とお会いになっています。一人は今お話があった中国の楊外務大臣、それからもう一人がパキスタンのカスーリ外相、そしてもう一人がミャンマーの外務大臣なんですね。私は、ちょっとこの点は目を引きました。今なぜミャンマーなのか、何を目的に麻生外務大臣は、なぜミャンマーの外務大臣とお会いになって、どんな話をされたのか。ちょっと唐突な感じが恐らく国民の皆さんはされると思うので、その辺の意義について御説明をいただきたいと思います。
麻生国務大臣: アウン・サンという将軍がいたんですが、これはいわゆるミャンマーにおいてというかビルマにおいてというか、有名な将軍の娘ということになっておるんです。この人の自宅軟禁という状況が続いておりまして、面会を申し込んだ日の前の日に自宅軟禁の期限が切れるはずだったんですが、それを延長するという状況になりつつあるという情報を私らは得ていたものですから、それが直接その日に面会を申し込むことになったんです。
前からニャンという元軍人さん、今の外務大臣に二度ほど会ったことがありましたので、この話に関しては、少なくとも今国際情勢というのがどういう状況になっているのかということに関しておたくの議長さんはわかっておらぬのではないかと。なぜなら、フィリピンのロムロというのがASEANの議長としてミャンマーまで面会に行って拒否、その他の人が行っても拒否、だから全然会わないという状況が続いていて、何となく聞きたくないものは聞かないみたいな話じゃとてもじゃないよという話を、きちんと情報を上げるのがあなたの立場ではないかという話をしております。
そうしませんと、これは何となく勝手な思い込みで、世界じゅうからいじめられるから、私、ほかに親切にしてくれるところはお隣の中国しかないというような話になると、そんなに中国と近いわけではなかった国がそうせざるを得なくなったのは自分たちのせいなのであって、おれたちのせいじゃないよというのが一点であります。
もう一点は、少なくともこの国というのは、ビルマ気違いというのを略してビルキチというのだそうですが、日本では我々の世代より上の方には物すごくこのビルキチが大勢おられまして、いろいろこの国に関して、商社はもちろんのことですけれども、いろいろやっておられるんですが、なかなか最近の状況の中では難しい。首都も山の奥の方に移しちゃったりなんかしているような状態ですから、ますます自分で自分を孤立させているのは意味がないのではないかということで、そろそろここらのところをやらないとという話を言ったんです。
簡単に言えば、この人を保釈したらもしくは釈放したらミャンマーの国内は政治的に大混乱をするという話をするから、混乱するのはおたくの軍人政府が混乱するのであって、ミャンマーの国民は別に混乱しないんじゃないの、するすると言って、おたくの体制が困るだけであって、その他の国民はそれはよかったとするんじゃないのかというような話やら何やらいろいろ、この前もしましたけれども、今度はもっとはっきりそういった話をしております。
いずれにしても、極端に情報が偏っているんだなというのを、いろいろなほかの外務大臣以外の人の話から聞きますので、少なくとも、あなたが影響力が上にないというんだったら影響力のあるやつにおれたちを会わせろ、それがあなたの最低限の仕事ということだけはやってくれ、やってくれさえすれば情報は提供するし、こういうやり方をすればこういうことになるという手口から何から、全部説明はできるからという話をして帰っております。
その後のASEMの会議で、新しく今度来たフランスの外務大臣というのは人権問題ばかりに詳しいのが出てきましたので、これはもう満座の前で、まあちょっとと思うぐらいミャンマーを名指しでやっておりました。本当に肩を落としたような感じでしたので、おれが言うとあれくらい品よく聞こえるけれども世界はあれぐらいに思っている、おれは品よく言ってやっているだけなんだからと言って、あの人のおかげで私は株を上げさせてもらったと思っているんです。
西欧諸国の方はすごく激しくなってきているなというのが正直な実感です。例のカンボジア、ラオス、ベトナムにミャンマーが入ってきていますので、ミャンマーだけがASEANの中で極端になるというのはいかがなものかと思いますから、何らかの形でというので、全然糸口が全く、向こうの方が拒否してきておりますので、そこのところを何とかするのを考えなければいかぬなと思って、たまたまアウン・サン・スー・チーのが延長になったものですから、その日を選ばせていただきました。
長島(昭)委員: 今の外務大臣の御説明でかなり語り尽くされているという印象を持っているんです。ちょうど今フランスの例を挙げていただきましたが、これはアメリカも相当強硬にやってきていまして、欧米のアプローチと日本のアプローチが若干ずれていることが気になる部分でもあるんですが、最初に私の個人的な見解を言えば、アプローチの違いというのはあり得るのであって、上品か下品かという話は別としても、どちらがよりミャンマーの民主化を前に進める力を持っているのか、有効なのか、そういうことなんだろう、こう思っております。
アメリカでは、知日派で有名なマイケル・グリーンでさえ去年起こった出来事について、彼のCSISのニューズレターをきょう私は持ってきましたけれども、このニューズレターの中でかなり激しく日本のアプローチを批判しているんですね。この辺のところの調整をぜひ麻生外務大臣にはしていただきたいんです。
ちょっと触れさせていただきますと、去年の五月の末に国連の事務総長の特使としてガンバリ国連政務局長がミャンマーに行かれているんですね、その後また行かれていますけれども。この方がミャンマー情勢について国連安保理への報告を行いました。これに対して日本の大島大使がとった行動について、マイケル・グリーンはこう書いているんですね、この十年間の日本外交で最も失望したと。「マイ グレーテスト ディサポイントメント ウイズ ジャパニーズ フォーリン ポリシー イン ア ディケード」、こう言っているんですね。
どういうことかというと、これは外務省の方に伺うと、公表されていない中身なのでお答えできませんという話なんですが、マイケル・グリーンはこう書いているんですね。ミャンマーが特使との会談の中で民主化への具体的な努力を拒否したと。特使が、経済援助をするからそれと引きかえに何か具体的な動きをしなさい、こう示唆したら、これに対して拒否、こういうことでミャンマーに対する民主化の問題について報告をした。これに対して各国がいろいろな意見を言って、もうそろそろ安保理でやろうということが欧米から出た。その中で大島大使が、いや、国連安保理によるさらなる行動は必要ないのではないか、こういう主張をした。これがアメリカ側から見ると、何だ、中国とロシアと変わらないじゃないか、こう映った。麻生外相が提唱する価値外交の名が廃るではないか、こういうことだったわけですけれども、これについて、ぜひ麻生外務大臣からの反論を伺いたい。つまり、日本政府のとっているアプローチは決して中国、ロシアと軌を一にしたものではないと私は思いますけれども、その点の誤解があることが一点。
それから、米欧のアプローチ、つまり、何でもかんでも安保理に持っていってやる。別に、北朝鮮やイランと違って、ミャンマーの民主化、人権問題が周辺諸国に対して平和と安全に対する脅威になっているとは私もとても思えませんので、この辺のところをどういうふうにアメリカやヨーロッパに対して外務大臣として御説明をなさるのか。この辺のところ、御見解を伺いたいと思います。
麻生国務大臣: これは非公式ではあったんですが、昨年の九月の前にこの問題についての協議が出されたときにうちは反対ということを言って、九月の段階でこれは賛成という票を投じたんです。そのときの間に、我々としては何となく、アウン・サン・スー・チーという人のおかげでえらく、一人だけちょっと違う感じなものですから、ここだけに物すごく関心が集中しているので、この種の話は極めて危ないと思っております。
国全体の中で、このアウン・サン・スー・チーだけがかわいそう、だからここは何とかかんとかと言うけれども、それはミャンマー全体で見て本当かというのが一点。
それから、ミャンマー政府自体に対する評価というのは、国民は、腐敗の話とか、いろいろ昔から言われているところなので、そういったところが重ねてきているのが反対なのであって、アウン・サン・スー・チーさんかわいそうだけが、西欧から見るとそうなんでしょうけれども、中にいる人たちは、別にアウン・サン・スー・チーは単なるシンボルになっているだけなのであって、現実は今の現体制に対する不満というのが大きな理由なんだと思っております。
ミャンマーというところに関しましては、今言われましたように、いろいろな問題が大きく意識に差がある。我々の方のように長くミャンマーとの関係のあるところから見ると、それはそこだけがえらくシンボライズされているような感じがするけれども、現実は違うんじゃないかと。
そこで、この問題は、要は民主化という話と軟禁状態という世界的になっちゃったこの話を何とかするというのが問題なんだから、したがって、アメリカやヨーロッパに対して、この問題を、簡単に言えば、ちょっと我々アジアにやらせないか、この問題をちょっとおれたちにやらせてみたらどうかという話が多分やるべき手段なんだと思って、まずはと思って、ちょっとASEANでやってみてという話を去年したんですが、ASEANはいろいろな関係がありまして無理だったというのが昨年の状況でもあります。
日本がこれを窓口になってやるというのも一つの方法で、自由と繁栄の弧の中にもこの地域は入っておりますので、これを使ってやるか、いろいろな話でやらねばならぬと思いますが、そのときには、アメリカやらヨーロッパとか西欧諸国に対しては、おれたちにちょっとしばらくやらせてみてというような、努力をおれたちに三年間やらせてみろというような話をするか、いろいろなやり方はあろうかと思いますけれども、そういったようなことからアプローチしてみるのも一つの方法かなと思って。
ただただこの問題一点だけを、軟禁状態一点だけを取り上げてずっと別の方向に追いやるのも、本人たちの希望しているところではないと存じますので、何となく、インド洋にも面して、非常に重要な地理的なものがありますし、その後ろの背景もよく御存じのとおりなので、いろいろな問題を妙な形で、こちらに結果として不利になるような形に追い込むのはいかがなものかというのが正直なところです。
長島(昭)委員: 私も全く同感でありまして、ここは日本の独自性というのは主張していいと思いますし、欧米流のやり方でいくと、結局は、ミャンマーに対して耳の痛いことを全く言わない中国やロシアの方に彼らを追いやっていく、これは我々にとっては余り得策ではないと思いますし、最後にお触れになった戦略的な観点というのが非常に重要だと思いまして、天然ガスに今中国が相当関心を示しているし、あるいはアンダマン海の東側というのは非常に重要な戦略的要衝になっておりますので。
こういうことを考えて、あなた方のやり方が民主化を促進するわけではなく、反発だけを買い、そしてミャンマーを孤立化させ、気がついてみたら、だれがミャンマーを失ったかみたいな、そんな状況になりかねないと私は思いますので、ぜひここは踏ん張っていただいて、日本独自のアプローチを展開していただきたい、こう思います。
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登録日:2007年 09月 16日 04:00:18
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