2006年 12月 24日

メリークリスマスなんだけど、あえて例の「提言」問題

学生が作る自転車のツリーがお目見え - オランダ

【アムステルダム/オランダ 14日 AFP】世界各国で様々なクリスマスツリーが登場する中、アムステルダムでも地元の学生たちが制作した15のユニークなツリーがお目見えした。

写真はその中の1つで、自転車でできたツリー。アムステルダムは自転車の街として知られ、自転車用の道路や信号機もある。この自転車専用道路にうっかり歩行者が入ろうものなら、猛スピードで走行する自転車とぶつかりそうになり危ない。これらのクリスマスツリーは2007年1月15日まで展示された後、チャリティのためオークションにかけられる予定。(c)AFP/ANP/EVERT ELZINGA

AFPBB News


画像

  
さすがに自転車の国のクリスマスオブジェ。宗教文化としてのベースがあるだけに、落ち着いてキリストの生誕祭にふさわしい趣があるように、遠く宗教も関係なくクリスマスに浮かれる国の人間としては感じる。
でも、いったい何台ぐらいの自転車が使われているのだろう。日本だったら、クイズにして懸賞なんてのもやりかねないんだろうなぁ。


§それはそれとして

 この配信写真についている記事に少々ひっかかるところがある。
それは−−
「この自転車専用道路にうっかり歩行者が入ろうものなら、猛スピードで走行する自転車とぶつかりそうになり危ない。」
−−という一文である。
 そもそも、自転車専用道路に入るものではないし、こうした専用道路が整備されている国々ではそんなことを考える自体がおかしい。基本的に歩行者と自転車が混在することを当然と思っている人間が書いた文章であり、認識が間違っている。そもそも日本の法律でも、自転車は軽車両であり、車道を走ることになっており、歩行者と自転車が混在して走ることはおかしいのである。現在、自転車が歩道を当たり前のように走っているが、これは平たく言うと歩道走行は特例的なものなのである。
 マスコミに文章を流す人間が、この程度の認識であることが悲しくなった。このライターをせめているわけではない。たぶんこういう人は物事を正しく伝えなければならないマスコミ(余談:どっかの大手新聞社、「言葉の力」より「真実」信じろ。「言葉の力を…」なんて自ら言うのは傲慢なうえ、言葉で白も黒にできると言っていると同じで危険な思想だ。よくあんなキャンペーンを恥ずかし気もなくやっていると思う。捏造記事の多い新聞だから正当化するためかとも感じてしまった)にも多いと思う。こんなことでは、例の自転車も歩道を走らせようという馬鹿な「提言」が通ってしまいかねない。


§「歩く」ための「道」だから「歩道」

 僕自身、歩道を自転車で走らないかというと、交通状況に合わせて走ることもある。ただし、歩道はあくまでも歩行者優先であり、走る場合は歩行者の有無を見て徐行の速度を心がけている。
 ここで、僕が掲載した写真A〜Cを見てほしい。歩道というと幹線道路沿いにあるような、それなりの幅がある歩道をイメージすると思うが、実はこういう歩道のほうが大半だと思う。こうした歩道での自転車走行はほぼ無理だ。結局は走りづらくなって車道に降りることなるが、これが進行方向によっては車道の逆走になり、非常に危険な光景を良く目にする。または暴走自転車による歩行者の危険と迷惑だ。
 さらに地方、特に雪国に行けば、雪よけの雁木から発展したアーケードが歩道となっているケースもある。このアーケードであるが、そこに住む人、店を出している人が冬期の利便のためにそのスペースの土地を供出しているケースが多く、いうなれば私道。このため店舗の前などはワゴンなどがおかれるケースも多い。それが分かっているせいか、地方では都市部ほどこうした歩道を暴走するような馬鹿を見ることは少ないような気がする。しかしこの例の提言(内容については前回掲載した疋田氏の文章をご覧下さいhttp://www.actiblog.com/coba/23188)が通ってしまえば、お上はこうした市民の供出した私歩道さえ管理したがるのではないかと考える。
 こうしたアーケードの走行については、僕が子供の頃(約30年前)、新潟県長岡市では小学生に対して安全のため一部認めていたケースがあった。しかしこの場合は子供の自転車による弊害を抑えるために自転車の走行量を調整する施策として町内/町外という区分を設け、比較的走行頻度が高い自分の町内ではアーケードを走らないということが各校の子供会が監視しあい徹底されていた。
 このケースを良いとか悪いとかはあえて言わないが、その時代の地方ですら歩道走行の運用はこのように児童限定とはいえ慎重なルールを模索しながら行われていたのだ。
 今回の提言はこうしたこととは考えがまった違う。思考停止した官憲の点数稼ぎと保身と怠慢にほかならない。安全ということを本当に考えるのなら、こんな「提言」をできるはずはないのだ。
 これは、単に自転車に乗る人間だけの問題ではなく、歩行者にとっても重要な問題であることを多くの方々に知ってほしい。

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登録日:2006年 12月 24日 15:27:14

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プロフィール
小林昌幸
小林昌幸
(男)
1968年05月10日
自転車ずきのライター稼業。
就職・進学情報誌のライター、二輪・自動車メーカーのコピーライターを経てフリーランスに。
実は、デジタル機器、ゲームやホビーの仕事も多く、アキバ系もテリトリー。
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