2009年 04月
オリンピック招致の思い出ばなし
【4月19日 AFP】2016年夏季五輪の招致を目指している東京都は、現地視察中の国際オリンピック委員会(International Olympic Committee、IOC)評価委員会に、経済力だけでなく料理の面でも積極的にアピールした。
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(c)AFP/Shigemi Sato
オリンピック招致というと思い出すことがあります。
もう20年も昔、僕は長野県の広告制作会社に勤め、長野五輪招致にも少しだけ関わっていました。たとえばスローガンをつくったり、ときにはサマランチ会長やIOCの役員におくる手紙の翻訳前の原文を書いたり。駆け出しのコピーライターとして、オリンピックが来る!という期待感と、とにかく自分の書いた物が世界に届くかもという高揚感を持ちながら。
県も、このビッグプロジェクトに関わる県の企業も、招致というひとつの目標に向かってすごく活気があったことを覚えています。
そして招致が決まります。その頃はすでに新しい会社に移り、東京にいましたが、あの善光寺さんの境内からの中継は、もう嬉しくて今も覚えています。10ヶ月ぐらいしかいなかった長野ですが、招致活動に尽力されていた方々の活動を感じていただけに本当に良かったと感激したものです。
しかし、招致が決ってしばらく、僕は長野五輪に対して、徐々にブルーな気分になっていくことになります。現地の状況を詳しく知るわけではありませんが、招致に苦労した方々が報われない現実を、その後、徐々に知っていくのです。
たとえば、オフィシャルスポンサー。長野を世界にアピールするために、パリ・ダカールラリーに車両や資金、スタッフを提供した自動車会社の名前がありません。1業種1社の自動車会社のスポンサー枠には、全く違うメーカーの名前がありました。また、招致活動に協賛した有志の地元の企業や商店であっても長野五輪という言葉を使うことができません。決りだから、しょうがないからから、でもあの努力はなんだったのだろうと。
それでも長野の方々はオリンピックを受け入れました。覚えておられる方もいるかもしれませんが、ボランティアの方々が来てくれた人たちに温かいものをと心尽くしの炊き出しを行ったりと。しかし、この行為も無料にもかかわらずスポンサーであるファーストフードチェーンへの配慮で撤去されました。その映像に映る地元のお母さん方のさびしそうな姿は、いまも忘れません。
招致の決定により、すべてはリセットされ、それまでなにもしなかった人たちが我がもの顔で、頑張って来た人たちから長野五輪を奪っていく。わずかな期間でしたが招致活動の一端に参加していた僕はどこかわだかまりを持つようになり、その後、五輪そのものから興味を急速に失っていきました。
実際、長野オリンピックの時は現地もにいたわけでもなく、当時の地元と中央のコントロールがどういうバランスであったかわ知りません。道路が良くなるなど、恩恵もあったことも、また事実です。
今回の東京オリンピック招致。中央直結の地域ですので、最初から大手の各社が動いているでしょうから長野のようなことはないでしょう。
ただ、東京に住んでいてもオリンピック招致という言葉を聞くと、当時の記憶が思い出され、どこか応援しきれない気分になります。
もし開催地候補が福岡だったらどうだったかな。福岡の方々は、長野のケースもふまえてもう少し上手くやるかな。などと、ふと頭をかすめる今日この頃であります。
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登録日:2009年 04月 30日 14:53:51
- プロフィール

- 小林昌幸
- (男)
- 1968年05月10日
- 自転車ずきのライター稼業。
就職・進学情報誌のライター、二輪・自動車メーカーのコピーライターを経てフリーランスに。
実は、デジタル機器、ゲームやホビーの仕事も多く、アキバ系もテリトリー。
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