「新高麗(せこりょ)新聞物語」

最近、新高麗新聞も様々な矛盾を抱えているように見える。ひとつは人材不足である。またこれはこの新聞社に限ったことではないが、ロシアのマスコミは政治的に、いわゆる不偏不党ではない。無論のこと、反体制派の牙城ではなくて、体制べったりなのだ。当初、筆者もこの点が不可解だったが、昨今のプーチン体制下のマスコミを見れば「先見の明」があるのではと考えたくなる。(写真:新高麗新聞スタッフ)
当初、筆者は「新聞は基本的に反体制でなければ」という話を何度も彼らにした。しかし、そんなこと歯牙にもかけてもらえなかった。いろいろ調べて行くうちにわかってきたことだが、次の点で納得が行った。
まず、資金の問題。州政府からの支援、発行許可、それに州韓人会の庇護のもとにいなければ発行部数の減少を招き、新聞の存在自体が危うくなるという致命的な問題を抱えていた。
つまり、「共産党政権時代のマスコミ」の生きる術そのものでもあったわけである。かてて加えて、新聞社のスタッフの老齢化が進んでいることも挙げられる。ほとんどの記者は年金生活者である。韓国語の読めない若い人は寄り付かないし、新聞を読まない。かろうじて、国立大学のマスコミ科の学生が研修と称して集まってくるだけのようでである。
こうして書けば、新高麗新聞の前途は危ういといえるかもしれない。しかし共産党時代から「党機関紙」として継続してきた編集スタッフの意気は軒昂である。なぜか。サハリン残留朝鮮人の歴史そのものがここにあるからだ。韓国や日本、無論ロシア国内からも、その存在には一目置かれている。豊富な資料がそこには存在する。残留朝鮮人社会における情報網があり、その情報網の存在に筆者も含めた部外のジャーナリストをして「新高麗新聞詣で」をさせるのだ。
不安材料がひとつある。それは先にも述べたように「若い人が韓国語を読めない」という致命的な危険である。読者のいない新聞は・・・存在しないのと同義語である。
(完)
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登録日:2008年 03月 07日 12:10:01
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