2007年 07月 19日

2007ツールドフランス展望(7)

コンタドール 第10ステージを終えマイヨ・ブランをキープ

【7月19日 AFP】2007ツール・ド・フランス(2007 Tour de France)、第10ステージ(タラールからマルセイユ、229.5キロメートル)。ディスカバリーチャンネル・プロサイクリングチーム(Discovery Channel Pro Cycling Team)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)は、首位と10分36秒差の5時間31分00秒を記録して42位でステージを終え、合計タイム49時間26分56秒で総合5位の座を守り新人賞(マイヨ・ブラン)をキープした。(c)AFP

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 ただ、これはあくまでもTTを苦手とするラスムッセンに対してであって、プロローグでも上位に来ていたカデル・エヴァンス(プレディクトール)やアルベルト・コンタドール(ディスカバリー)にピレネーで差を広げられなければという条件が付きます。しかも、クレーデン自身も落車で尾骨にひびが入っていると伝えられているのです。
 特に第8ステージの頂上付近でのパンクが響いて総合5位に甘んじているコンタドールの存在が不気味です。本人はツールの長丁場を気にしているコメントも残していますが、2005年のツールでも初参戦で総合31位で完走している選手です。24歳と若い選手ですがプロの経験は5年あり、今年はパリ・ニースとブエルタ・ア・カスティーリャ・レオンで2連続総合優勝を果たしていますので、キャリアについても問題はないでしょう。
 第8・第9ステージでのエヴァンスの走りには見るべきものがありました。オーストラリア人としては地味な選手ですが、出場するツール全てでトップ10フィニッシュしているのです。しかも、2005年総合8位、2006年総合5位と順調に順位を上げてきていますから、今年はポディウムも狙えそうな選手です。アルプス2日目にしてマキュアンを失ったプレディクトールとしてもエヴァンスのアシストだけに集中できますから、チームのモチベーションも違うはず。TTが得意といえないサストレ(CSC)やライプハイマー(ディスカバリー)にアルプスでタイム差を付けているのも有利でしょう。
 問題はラスムッセン。メンショフとのタイム差が7分10秒あり、チームとしてはエース交代もやむなしと判断するかもしれませんが、ラスムッセンといえばどうしても2005年の個人TTを思い出してしまいます。また、この時期からマイヨジョーヌを着ることでチームの負担も大きくなっています。第9ステージでもプロトンをコントロールできず、次つぎとアタックを許していましたし、第10ステージでも序盤のコントロールができず、苦しまぎれにフレチャを逃げに乗せたように見えました。しかも、逃げ集団に入り後方で抑え役に徹していたフレチャが早々と遅れ、勝ったヴァッスールに2分30秒以上の差をつけられているのです。フレチャは過去にステージ優勝の経験もあり、ヴァッスールは勿論、フォイクトやアルガンにも劣らない能力を持った選手です。調子が悪くなければ間違いなく先頭集団でゴールできたはずです。調子の良くない選手を敢えて逃げに乗せなければいけないチーム事情を考えると、ラボバンクの厳しさが良く判ります。
 ラボバンクがレースコントロールできないことを露呈していますので、ライバルチームは平坦ステージでも積極的な仕掛けにでることが充分に考えられます。ラスムッセンの山岳の強さは折り紙付きですから、ピレネーまでにチームとしてのラボバンクをできるだけ疲弊させておきたいはずです。総合争いに関係のない選手なら大逃げも可能な状況ですから、ラボバンクがマイヨジョーヌを着ている限り日替わりで逃げが決まるはずです。第10ステージではプロトンを最後に来てケースデパーニュが引くというシーンもありましたが、チーム総合を狙っての動きも見えてきていますので、平坦であってもこの日のCSCのように、ケースデパーニュやディスカバリーが逃げにメンバーを送り込むことも充分に考えられます。CSCはこのステージで、フォイクトの逃げでチーム総合を4位から一気に1位に上げているのです。
 特に第10ステージでは完全に死んだふりをしていたディスカバリーが不気味な存在です。TT得意な選手も少なくないだけに総合上位陣が動くことはありませんが、既に26分以上遅れているヒンカピー辺りが面白い存在になりそうです。ノバルあたりを引き連れてヒンカピーが動けば、今日・明日のステージでディスカバリーのステージ1勝が見えてくるかもしれません。
 第10ステージを見る限りマイヨヴェール争いのスプリンターたちも着拾いでいいといったのんびりムードが感じられました。ラボバンクに集団コントロール能力がないため逃げの展開になり易いことに加え、個人TTと更に厳しいピレネーを控え、アシストたちの負担を考えるのは当然です。本格的なマイヨヴェール争いは無事にピレネーを越えてからになりそうです。

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登録日:2007年 07月 19日 19:09:24

ツールドフランス展望(6)

ヴィノクロフ 第9ステージを20位で終える

【7月18日 AFP】2007ツール・ド・フランス(2007 Tour de France)、第9ステージ(ヴァルディゼールからブリアンソン、159.5キロメートル)。アスタナ(Astana)のアレクサンドル・ヴィノクロフ(Alexandre Vinokourov、カザフスタン)は、ステージ優勝を果たしたバルロワールド(Barloworld)のマウリシオ・ソレル(Mauricio Soler)と3分24秒差の4時間17分48秒を記録して20位でステージを終えた。(c)AFP

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 今年のツールも前半を折り返すことになりました。今年のツール前半のポイントはなんといっても有力選手の落車でしょう。第1ステージでマイヨヴェール候補のマキュアンが落車。この日はチームメイトの献身的なアシストと自身の鬼脚で驚異的な勝利を飾ったマキュアンでしたが、翌日からは生彩を欠き、アルプス2日目にしてタイムオーバーでツールの舞台から早々に去って行きました。
 マキュアンがタイムオーバーでツールを去った第8ステージで、巧く逃げに乗って快調な走りを見せていたT-モバイルのエース・マイケル・ロジャースが、暫定のマイヨジョーヌというタイム差を開いていた段階で落車しリタイヤしてしまいました。T-モバイルは前日のステージで若手のホープ・ゲルデマンが逃げ切り、マイヨジョーヌとマイヨブランを獲得していただけに、エースの落車・リタイヤは本当に痛かったと思います。悪いことは重なるもので、この日はチームメイトのシンケヴィッツがレース後チームバスへ戻る途中、観客と激突して鼻骨骨折でリタイヤ。結局、T-モバイルのアルプス初日の栄光は2日目にしてもろくも崩れ初め、マイヨジョーヌばかりではなく、ゲルデマンのマイヨブランもアルプス最終日にはコンタドールに渡ってしまうことになります。
 しかし、最大の落車といえば、やはり第5ステージでのヴィノクロフの落車でしょう。この日の遅れは1分程度でしたが、アルプスを終えた段階でマイヨジョーヌのラスムッセンからは8分5秒遅れの総合21位に後退してしまいました。第10ステージでも後方のメディカルカーで膝のガーゼを交換するシーンが映し出されていましたが、右膝のガーゼは体液が染み出した常態でした。よくこんな状態で走ることができるものです。
 18日の地元フランスのレキップ紙には第9ステージで見せたヴィノクロフの涙を受けて「ヴィノの砕け散った夢」という大見出しが出ていたようです。同紙はすでにツール総合優勝から遠ざかった選手として、カシェチキン(アスタナ)、メンショフ(ラボバンク)、シュレク(CSC)、カルペッツ(ケースデパーニュ)の名前を挙げているようです。レキップ紙はアルプス終了時点でラスムッセンからのタイム差が4分以内が総合争い圏内の見ているようです。
 さらに同紙は第9ステージ途中にアスタナ監督の携帯電話にカザフスタン防衛大臣からメールが入ったという記事を掲載。内容は……チームリーダーをクレーデンに切り替えよ、との指令らしいのです。第8ステージで遅れたヴィノクロフを待ったため1分以上のタイムロスをしたとはいえ、クレーデンはまだ3分50秒遅れの総合8位。TT得意とあっては当然のことかもしれません。クレーデンなら2度の個人TTでラスムッセンを逆転することは不可能ではないはずです。この話が本当だとすると軍人であるヴィノクロフが上官である防衛大臣の命に背けるはずもありません。
 スポンサーとしては勝つためにはエース交代もやむなしというのは当然なのかもしれませんが、昨年のツールを目標にヴィノクロフ自身が動いて結成したチームだけに、ヴィノクロフの無念さがレース後の涙となって表れたのではないでしょうか。人には体の痛みよりずっと重い痛みがあるのですから。

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登録日:2007年 07月 19日 16:34:16

ツール第10ステージ-36歳のヴァッスールベテランの味!!

ヴァッスール 第10ステージを制す

【7月19日 AFP】2007ツール・ド・フランス(2007 Tour de France)、第10ステージ(タラールからマルセイユ、229.5キロメートル)。
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(c)AFP

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 第10ステージは、タラールからマルセイユまでの229.5km。アルプス山脈に別れを告げ、いよいよ地中海へ。厳しい山岳ステージの翌日にもかかわらず、序盤から激しいアタック合戦が繰り返され、大集団は落ち着かない。その結果、はじめの2時間の平均速度は時速46.8キロに。ようやく決まったのは、73キロ地点に始まった11人の逃げだったようです。
 TV中継が始まった時点で、逃げた11人とプロトンとのタイム差は10分。この中で、総合成績が最も良いイェンス・フォイクト(ドイツ、CSC)で36位の24分39秒遅れで、メイン集団がマイヨ・ジョーヌを脅かす敵ではないと判断したのだろう。こうなるとレースのスピードは極端に落ちる。3時間目の平均速度が時速39.8キロとなり、前の2時間にくらべ時速7キロものダウン。昨日まで厳しいアルプスで総合争いをしていたチームのメンバーはほっとしたことでしょう。これを受け、逃げ集団もマイペースで淡々と走行距離を延ばすことになります。11人は怪しげな動きをすることもなく一致団結、協力関係を見せていました。
 11人の逃げ集団に微妙な空気が流れ始めたのは、残り32キロ過ぎた辺り。今年限りで引退を表明しているフォイクトが緩やかな上り区間で揺さぶりをかけます。もうそろそろ協力関係を解消しなければならない時期。それを悟ったパトリス・アルガン(フランス、クレディアグリコル)がミハエル・アルバジーニ(スイス、リクイガス)、サンディ・カザール(フランス、フランセーズデジュー)を引き連れ、ギャンブルに出ました。
 少し遅れをとったフォイクトでしたが、同じく今季引退するセドリック・ヴァッスール(フランス、クイックステップ)とともに先に逃げた3人に追いつき、5人の新集団を形成。彼らのなかで区間優勝経験があるのは、フォイクト(1回-01年)、ヴァッスール(1回-97年)、アルガン(1回-02年)。カザールも優勝経験こそないが、一昨年には2回2位の経験あります。
 3級山岳の登り区間で、フォイクトが先頭に立ち右ひじを真横に出す。ひじを横に出すのは、後続の選手に先頭交代をしろというサイン。しかし、先ほどから上りで遅れ気味のカザールはすぐに前に出られない。フォイクトが、カザールに向かって何やら大声で叫んでいる。先頭交代をしろという内容なのだろう。
 ゴール前3kmでヴァッスールがアタックして、他選手の反応を見る。さすがベテラン!ピンと張りつめた緊張感だけが5人を支配する真剣勝負。細かな揺さぶり合いを繰り返しながらも、決定的な機会を得ることができず、遂に残り1.5kmを残すばかりに。フォイクト先頭でアルバジーニがすぐ後ろ、左斜め後ろにラインを変えてカザール、アルガン、ヴァッスールと続く。ゆっくりとクランクを回す5人。先頭のフォイクトは体を傾けながら後ろを時折振り返る。
 残り250メートル、一番後ろから冷静に様子を見ていたヴァッスールが腰を上げた。道幅の狭い右から一気にライバルたちを抜き去ると、97年以来となる自身2度目の区間優勝。まっすぐに上げた両手は、今大会初となるフランス人の勝利、そして今日が自らの引退を飾るに相応しい戦いであったことを象徴しているかのようなアピールに映った。
 10分以上遅れてゴールに向かうプロトンの先頭でもクイックステップが積極的に列車を形成。ゴール前でトム・ボーネンを発射するも、セバスティアン・シャヴァネル(フランス、フランセーズデジュー)がわずかなリード保ってゴール!エリック・ツァベル(ドイツ、ミルラム)とトル・フースホフト(ノルウェー、クレディアグリコル)に先着したボーネンがマイヨヴェールをがっちりとキープ。
 ロビー・マキュアンのタイムオーバーで混沌としてきたマイヨヴェール争いではクイックステップが1歩リード。チームとしても巧く機能しているように見えます。今日のヴァッスールのステージ優勝で今季3勝目。レース後、ヴァッスールと抱き合って祝福していたボーネンの姿が印象的でした。ステーグマンスに優勝をさらわれた時でさえ右手を挙げていた男なのです。ただ、今日の走りを見る限り、ボーネン自身の調子がまだまだのようですが・・・

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登録日:2007年 07月 19日 13:42:51

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