2007年 07月 23日
2007ツールドフランス展望(10)-ヨハン・ブリュイネルの次なる手は?
【7月23日 AFP】2007ツール・ド・フランス(2007 Tour de France)、第14ステージ(マザメからプラトードベイユ、197キロメートル)。
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(c)AFP
24歳のコンタドールにとってこれはツールドフランスのステージ初優勝。マイヨブランの枠に収まらず、総合2位にまで順位を上げた。超級山岳でラスムッセンと対等に闘えたのはコンタドールだけだ。いよいよシャンゼリゼでの表彰台が現実味を帯びてきた。若干24歳のマイヨブランがツール初優勝を飾った舞台は、嘗てマルコ・パンターニとランス・アームストロングしか勝利のないプラトー・ド・ベイユなのだ。過去3度の優勝者は全てパリでマイヨジョーヌを着ている。
レース後のインタビューで「(ゴールラインを超えた時)家族のことを真っ先に考えた。それから僕を励まし続けてくれた人、支えてくれた人、いい時も悪い時も変わらず僕を助けてくれた人たちのことも」とコメントしているが、2004年に脳の多孔性血管腫という病気で生死の境を彷徨い、ランス・アームストロング同様奇跡のカムバックを果たした男の無類の喜びだったに違いない。だからこそランスが2度征したプラトー・ド・ベイユへのこだわりも人一倍だったのではないだろうか。ゴール後のピストルを撃つ仕草がそれを物語っていた。射撃の的はプラトー・ド・ベイユだったのだ。
この日のコンタドールと5位のクレーデンとのタイム差は2分15秒。ピレネーが終わるまでに最低でも4分のタイム差はキープできるはず。ピレネーでエヴァンスがさらに遅れればひょっとするとコンタドールとライプハイマーの2人がパリのポディウムに立つことも夢ではなくなった。コンタドールの新人賞はほぼ確定しているし、ステージ1勝も成し遂げた。ライプハイマーではないかもしれないがパリの表彰台も見えてきた。これでヨハン・ブリュイネルの目標はほぼ達成されたことになる。開幕前にはマイヨジョーヌに執着したくないと語っていたブリュイネルだが、ここまで来たら狙わないわけにはいかないだろう。
そのためにはラスムッセンとのタイム差をなんとしても詰めておきたいところ。前日のTTでのアドバンテージは37秒しかなかったのだから。ブリュイネルにマイヨジョーヌを本気で狙う気があるのなら、今日の第15ステージでも何らかの動きを見せるはず。この日のステージではパイエールの登りで一旦遅れたヒンカピーとポポヴィッチが下りで追いつき、平坦をヒンカピーが、プラトー・ド・ベイユの登りをポポヴィッチが積極的に引きコンタドールの勝利を見事にアシストしていた。
問題は総合4位に浮上してきたライプハイマーをどうするかだろう。ここまでの力は明らかにコンタドールが上。しかし、コンタドールはツールでの経験が浅い。彼自身「僕にだって、調子が悪い日が訪れる可能性があるし、総合順位を落としてしまうことだってありえる」とレース後に語っているように、まだまだ未知数の部分は確かにある。今年はライプハイマーで行って、コンタドールは来年に期待するというのが無難な考え方かもしれない。が、ライプハイマーでは表彰台はあってもマイヨジョーヌは狙えない。これは最初からブリュイネルの念頭にあったはずだ。レース前の評判は高かったが、コンタドールにはまだ未知数な部分も多かった。それを踏まえてのブリュイネルのコメントだったはず。ところが、蓋を開けるとコンタドールが期待以上の走りを見せている。さあどうするブリュイネル!!
理想はピレネーが終わるまでにコンタドールがマイヨジョーヌに袖を通すことだが、最低でもラスムッセンとのタイム差は1分程度に詰めておきたいところ。ピレネーの初日を見る限り登りゴールではラスムッセンとの差を詰めるのは難しい。とすれば、今日仕掛けるしかないはずだ。第9ステージで見せたような作戦がまた見られるか?ポポヴィッチを先行させバレスかペイルスルドの下りでリスクを犯して勝負に出るのもひとつの手かもしれない。安全策なら第16ステージのオービスクの登りだろうが、山頂ゴールでラスムッセンに1分の差を付けるのは難しいのではないだろうか?仮にオービスクもコンタドールが征したとしてもタイム差が付かなければ最後のTTでマイヨジョーヌを着たラスムッセンに2分以上のアドバンテージを与えることになる。マイヨジョーヌを着た選手のTTは怖い。それがラスムッセンであったとしても!ラスムッセン自身がそれを第13ステージで証明しているのだから。
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登録日:2007年 07月 23日 16:45:03
ツール第14ステージ(2)-!!若きコンタドールがプラトー・ド・ベイユを制覇!!
【7月23日 AFP】2007ツール・ド・フランス(2007 Tour de France)、第14ステージ(マザメからプラトードベイユ、197キロメートル)。
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(c)AFP
先頭4人は長い下りでも逃げ続け、この日最後のプラトー・ド・ベイユの登り口ではまだメイン集団から2分30秒のアドバンテージを保っていた。一方メイン集団は下りでリスクを回避しようとしてペースを落としてしまった。結果的に登りで遅れていたヒンカピーやポポヴィッチまでが追いついてしまう。ポポヴィッチとライプハイマーのディスカバリー勢にとっては願ってもない展開になった。選手数を増やしたメイン集団はラボバンク先頭で最後の登りに突入する。逃げ集団では登りが始まるとコロムがアタックを成功させて逃げ始めた。必死で追うラボバンクが、プラトー・ド・ベイユの登り口で一機にペースを挙げる。これにはイバン・マヨ(スペイン、サウニエルドゥバル)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケスデパーニュ)も付いて行けずに早くも脱落してしまう。パイエールでのサウニエルドゥバルの強烈な引きが裏目に出てしまったようだ。本格的な闘いを前に、2人の有力なスペイン人がリング上から姿を消して行った。
次第にメイン集団はマイヨジョーヌを中心に人数が絞られていき、ラスト8kmからはエース同士がぶつかり合うバトルが繰り広げらることになる。リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、ディスカバリーチャンネル)のアタックを皮切りに、ラスムッセンやコンタドール、ソレールが断続的にアタックを仕掛けた。これについていけたのはカルロス・サストレ(スペイン、CSC)やカデル・エヴァンス(オーストラリア、プレディクトールロット)のみ。ここにアスタナ勢の姿は無かった。アスタナはアンドレアス・クレーデン(ドイツ)に続いてアンドレイ・カシェチキン(カザフスタン)もメイン集団から脱落。アスタナは総合上位陣が軒並み遅れ、残るは逃げ切る可能性のある先頭コロムに託された。
メイン集団からはラスト6kmでコンタドールが単独アタックを決めて逃げ始めた。静観するラスムッセン。コンタドールとの差が少し開いた時点でラスムッセンがアタック。このアタックにエヴァンスとライプハイマーは付いて行けない。総合2位のエヴァンスがここで脱落。コンタドールとラスムッセンは先頭交代しながらペースを落とさず駆け上がり、先頭を逃げるコロムをラスト3kmで吸収、パスして行く。先頭に立ったコンタドールとラスムッセンは話し合いながら登ったが、話し合いは決裂しラスト2kmでラスムッセンがアタック。2人共にプラトー・ド・ベイユにかける想いはそれだけ強かったということらしい。これにコンタドールは遅れず付いていき、2人でゴールに向かう。最後はスプリント勝負に持ち込まれ、コンタドールがプラトー・ド・ベイユのゴールに先頭で飛び込んだ。ライプハイマーやサストレがタイム差を1分以内に抑えたのに対して、クレーデンとエヴァンスは2分近く遅れてゴール。バルベルデは3分45秒遅れ、マヨは9分31秒遅れ、そしてヴィノはなんと28分50秒も遅れてゴールし、完全にマイヨジョーヌ戦線から離脱した。
24歳のコンタドールにとってこれはツール・ド・フランスのステージ初優勝。マイヨブランの枠に収まらず、総合2位にまで順位を上げた。超級山岳でラスムッセンと対等に闘えたのはコンタドールだけだ。いよいよシャンゼリゼでの表彰台が現実味を帯びてきた。若干24歳のマイヨブランがツール初優勝を飾った舞台は、嘗てマルコ・パンターニとランス・アームストロングしか勝利のないプラトー・ド・ベイユなのだ。過去3度の優勝者は全てパリでマイヨジョーヌを着ていた。
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登録日:2007年 07月 23日 13:30:15
ツール第14ステージ(1)-ヴィノクロフの夢ピレネーで砕け散る!!
【7月23日 AFP】2007ツール・ド・フランス(2007 Tour de France)、第14ステージ(マザメからプラトードベイユ、197キロメートル)。アスタナ(Astana)のアレクサンドル・ヴィノクロフ(Alexandre Vinokourov、カザフスタン)は、首位と28分50秒差の5時間54分38秒を記録して81位でステージを終えた。(c)AFP
今年のツールも後半戦に入り、舞台はピレネーの本格的な山岳地帯に移された。前日の個人タイムトライアルで遅れた選手にも充分逆転のチャンスのある山岳コース。第14ステージはゴール50km手前に超級のパイエール峠、そして最後も超級プラトー・ド・ベイユの頂上へと続く197km。
レースは序盤の2級山岳からアタックが繰り返され、一時的にマイヨジョーヌのラスムッセンを含む27人の巨大な逃げ集団が形成されていたようだ。メイン集団はこれを許すはずも無く、やがて追撃が始まると先頭から6人が飛び出して逃げ始めた。ラスムッセンはメイン集団に吸収される一方で、先頭6人は順調にタイム差を広げていく。TVの映像はここからだった。ホセイバン・グティエレス(スペイン、ケスデパーニュ)、ルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)、敢闘赤ゼッケンのアメツ・チュルーカ(スペイン、エウスカルテル)、アレクサンダー・クチンスキー(ベラルーシ、リクイガス)、カルロス・バレード(スペイン、クイックステップ)、アントニオ・コロム(スペイン、アスタナ)の6人の逃げが決まった。クチンスキー以外の5人は全てスペイン人で、いかにもピレネー初日らしいメンバーがそろった。
このスペイン人メインの逃げは63km地点で最大11分20秒のアドバンテージを得たが、ここからラボバンクとサウニエルドゥバル主導の追撃が始まるとタイム差は縮小していく。この日最初の勝負どころパイエール峠の登りが始まる頃にはタイム差が7分にまで縮まった。先頭6人はエウスカルテルが主導権を握ってパイエール峠を駆け上がり、ペレス、チュルーカ、コロム、グティエレスの順で頂上を通過。その後方のメイン集団ではサウニエルドゥバルが登りに入ってなおもペースを上げ続け、特にデーヴィット・ミラーのハイペースによってヴィノクロフを含む多くの選手が遅れ始めた。昨日の快走で復活をアピールしたヴィノクロフが最初の超級でカメラバイクに手を振っている。元来山岳を得意とする選手ではないが、こんなところで遅れる選手でもない。全世界が震撼した瞬間だったはずだ。
パイエール峠の頂上が近づくとラボバンクがメイン集団の先頭に出るが、ここからマウリシオ・ソレール(コロンビア、バルロワールド)がアタック。ソレールは望み通りラスムッセンの前で頂上を通過し、山岳賞争いで同ポイントに並んだ。3位のポポヴィッチは登りで遅れている。 メイン集団はこの登りで20人ほどに選手を減らし、そして先頭の4人から3分遅れで頂上を通過。前日のステージ優勝で復活を思わせたヴィノクロフは明らかにペースが上がらず、この登りだけでメイン集団から5分以上遅れている。ヴィノクロフの夢はプラトー・ド・ベイユを待たずにもろくも砕け散ってしまった。
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登録日:2007年 07月 23日 10:06:47
大陸の反対側でもディスカバリー旋風!!
【7月23日 AFP】2007ツール・ド・フランス(2007 Tour de France)、第14ステージ(マザメからプラトードベイユ、197キロメートル)。ディスカバリーチャンネル・プロサイクリングチーム(Discovery Channel Pro Cycling Team)のジョージ・ヒンカピー(George Hincapie、米国)は、首位と12分38秒差の5時間38分26秒を記録して46位でステージを終えた。(c)AFP
華麗なツールドフランスの裏側でも過酷なサイクルロードレースが行われているのをご存知だろうか?7月14日から22日にかけて中国のチンハイレイク(青海湖)を中心に行われるツアー・オブ・チンハイレイク(UCI2.HC)だ。今年で第6回目を迎えるこの大会はジロデイタリアで優勝したダミアーノ・クネゴが出場し、2003年に優勝を飾っているレースでもある。
チンハイレイク(青海湖)は中華人民共和国青海省にある中国最大の湖。琵琶湖の8.5倍の面積を擁するこの湖は海抜3205mに佇んでおり、この湖を取り巻く山岳地帯がレースの舞台になる。スタートやゴール地点に選ばれた街でさえ標高2200m以上。標高3400m級の峠も数多く登場し、中には富士山の山頂よりも高い3900m級の峠も設定されている。ある意味世界最高峰のステージレースといえるかもしれない。この過酷な環境下で9日間のレースが行なわれるのだ。
UCIプロチームとして唯一参戦するディスカバリーチャンネルは、初開催の2002年大会を制したトム・ダニエルソン(アメリカ)を始めとして、2006年ブエルタで目覚ましい活躍を見せたヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア)、今年のミラノ~サンレモで2位に入ったアラン・デーヴィス(オーストラリア)、ツールでヒンカピー等と共にアームストロングの7連覇に大きく貢献し、自身もジロでステージ2勝しているホセルイス・ルビエラ(スペイン)、グランツールでの経験豊富なマシュー・ホワイト(オーストラリア)、新加入の中国人リー・フユ、そしてそして我らが別府史之(日本)が出場している。
第8ステージを終えた段階で、ディスカバリーは5つのステージで優勝を飾っているが、山岳で大きく遅れて今年の総合優勝は厳しそうだ。第8ステージを征したのはホセルイス・ルビエラ。本来ならツールに出場していても不思議のない選手なのだが・・・そしてチーム監督がどうもエキモフらしい。ランス・アームストロングのアシストたちがユーラシア大陸の反対側で過酷な戦いに臨んでいるのだ。
レースの断面図を見ればこのレースがいかに過酷かが判る。第7ステージは標高2200mから一機に3880mまで一機に登らなくてはならない。標高差1600mはツールでも珍しくないが、あの超級のガリビエさえ標高は2645mなのだ。富士山の山頂よりも高い山を登ることになる。
今年プロツアーでポイントを獲得し、ツールドスイスにも出場を果たした別府史之選手も無事に走り続けているようだ。ヤネス・ブライコヴィッチはどうやら不振のようで、ツールに参戦させなかったブリュイネルの判断は正しかったようだ。来年のツールのスタートリストに是非別府史之の名前を期待したい!!
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登録日:2007年 07月 23日 07:50:58
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