2007年 08月 12日

ドーピング問題とスポンサー

T-モバイル ツール・ド・フランスのテレビスポンサーから撤退

【6月10日 AFP】ドイツの携帯電話会社で自転車競技チームを所有するT-モバイル(T-Mobile)は9日、7月7日に開幕するツール・ド・フランス(2007 Tour de France)のドイツ国内放送のスポンサーから撤退する意向であることを明らかにした。
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 2007ツール・ド・フランス(2007 Tour de France)においてチームのパトリック・シンケウィッツ(Patrik Sinkewitz、ドイツ)から高濃度のテストステロン(testosterone)が検出されたことが明らかになった後、スポンサーからの撤退を検討していたT-モバイルが2010年までのスポンサー継続を発表した。
 T-モバイルは前身のテレコム(Telekom)時代から16年間スポンサーを務めているが、ヤン・ウルリッヒのオペラシオン・プエルト問題以降、テレコム(Telekom)時代のドーピング問題が次つぎと明らかになり、ついにビャルネ・リースが96年のマイヨジョーヌを剥奪される事態にまで発展したことを受けて、2007ツール・ド・フランスのドイツ国内放送のスポンサーから撤退する意向であることを明らかにしていた。
 こうした状況にありながらスポンサー継続を表明したT-モバイルとは対照的に、過去10年で8度のツール・ド・フランス総合優勝という輝かしい成績を残しているテイルウィンド・スポーツがスポンサーを失うことになってしまった。アメリカとヨーロッパの国柄の違いといってしまえばそれまでだが、英雄ランス・アームストロングの力をもってしてもアメリカでスポンサーを見つけることができなかった。
 MLB,NFL,NBA,NHLというメジャースポーツを抱えるアメリカという国にとって自転車ロードレースはあまり魅力的なスポーツとはいえないに違いない。しかし、MLB,NFL,NBA,NHLなどに比べればスポンサーとしての負担は大きくないことは確かである。また、国際的な企業が多いアメリカにとって、全世界を駆け回る自転車ロードレースでの宣伝効果は計り知れないものがある。にもかかわらず、アメリカでのスポンサーが見つからないのである。
 そこには間違いなく自転車ロードレース界が慢性的に抱えているドーピングの問題があったに違いないと推測している。最近のアメリカのTVドラマにもドーピング問題が取上げられることが多くなっている。MLB,NFL,NBA,NHLというメジャースポーツの選手に自転車ロードレース並みのドーピング検査を課したらどのような結果になるかは明らかだ。NFLと選手会は、来季からドーピング検査に関する基準を引き上げることに合意したと発表しているが、内容は持久力のあるエリスロポエチン(EPO)を新たに検査対象に加え、シーズン中に毎週行われる検査の対象の人数が各チーム7人から10人に増やすというものに過ぎないのである。
 裏を返せばNFLでは今までEPOは検査対象にもなっていなかったということであり、全ての選手に試合後のドーピング検査が義務付けられているわけでもないのである。これがアメリカのプロ・スポーツの現状である。WADAのバウンド会長がNFLの選手を見ればほとんどの選手がドーピングをしていると確信するに違いない。アメリカン・フットボールはオリンピック種目ではないためIOCの制約をほとんど受けることはない。従って、その上部組織であるWADAも口出しができないのである。
 そういう意味でも自転車ロードレースの選手はアメリカ国内で最もドーピングに関してクリーンなのかもしれない。しかし、ドーピングに関して鷹揚で曖昧な態度を見せてきたアメリカでも国民の目がドーピングに向き始めている。NFLのドーピング検査に関する基準の引き上げ発表もそうした国民の意向の表れだろう。こうした状況下でアメリカのスポンサーにとってドーピングスキャンダルは致命傷になりかねない状況にあるのである。アメリカのスポンサーは自転車ロードレースに魅力を感じていないわけではなく、UCIの管轄下においてドーピングスキャンダルにまみれることを怖れているだけなのである。UCI(国際自転車競技連盟)がドーピングに揺れるロードレース界にあってスポンサー継続を発表したドイツの2チーム、Tモバイルとミルラムの姿勢を賞賛した理由もそこにあるような気がしている。
 UCIが最も怖れている事態が起きつつある。それはドーピング問題によるスポンサーの撤退である。UCIプロツアーに参加するチームから加入料を取っているUCIにっとて、スポンサー撤退によるテイル・ウインドのような有力チームの解散は痛手に違いない。昨年解散に追い込まれたフォナックとは全く事情が異なるからである。コンタドールのドーピング疑惑が再燃しているもののディスカバリーというチームは比較的ドーピングに関してクリーンなチームである。中にはアメリカの国力を背景に疑惑を逃れているという噂もないではないが・・・世界最大の経済大国のスポンサー撤退はUCIにとって最大の痛手であるに違いない。日本企業がUCIプロツアーチームをスポンサードしていないのもアメリカと同じ理由ではないかと推測している。
 日本でもアメリカでもプロスポーツのドーピングに関する罰則は金銭面に大きくシフトしていて、出場停止期間は概ね数週間から数ケ月程度であることが一般的だ。先日、養毛薬に含まれる成分がドーピング違反で処分を受けたソフトバンク・ホークスのガトームソン投手の場合制裁金は750万円だが、出場停止期間はわずかに20日間である。ちなみにMLBでは1回目の違反で50試合、2回目で100試合の出場停止処分となり、3回目で永久追放となる。それでも、1回目の違反で2年間の出場停止処分を受ける自転車ロードレースとは大きな開きがあることは確かである。一回の違反で有力選手を2年間も欠いてしまってはプロスポーツをスポンサードする企業が現れないのは当然といえば当然である。日本やアメリカのような利益優先の企業ではリスクの方が高いのかもしれない。

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登録日:2007年 08月 12日 09:44:30

チーム解散・ヨハン・ブリュイネール引退を表明!!

ディスカバリーチャンネル 2007年シーズン限りで活動停止に

【8月11日 AFP】自転車ロードレースのプロチームのディスカバリーチャンネル・プロサイクリングチーム(Discovery Channel Pro Cycling Team)を所有・運営する「Tailwind Sports」は10日、同社によるディスカバリーチャンネルの運営が2007年シーズン限りで終了すると発表した。
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 コンタドールのドーピング再燃に加えて、さらに悲しいニュースが飛び込んできた。ディスカバリーチャンネル・プロサイクリングチームのオフィシャルファンサイトThe Pacelineが伝えたところによると、チームの運営会社であるテールウィンドスポーツが「ディスカバリーチャンネル」に代わるスポンサーの獲得を断念した。つまりこれはチームの解散を意味する。ツール・ド・フランス総合優勝者のアルベルト・コンタドール(スペイン)や別府史之ら27人はチームを失うことになった。
 チームの顔とも言うべき存在でチームオーナーの一人でもあるランス・アームストロングは、今回のチーム解散について「これで完全にチームが終わったわけではない。改善すべき点があったのは確かだ。今後また、チーム首脳がより結束した形でロードレース界に復活することだろう」と、チームの完全終焉を否定している。
 しかし、そのランス・アームストロングとの二人三脚で就任から九年で八度のツール・ド・フランス制覇を果たし、さらにはジロ・デ・イタリアとヴエルタ・エスパーニャでも輝かしい成績を打ちたててきた名匠ヨハン・ブリュイネールも今年限りでの引退を表明したようだ。
 私をサイクリング・ファンにしたのはツール7連覇時代のランスの雄姿とブリュイネールの采配によるものだった。今年のツール・ド・フランスでも見事な布陣と采配で、ランスがいなくてもツールに勝てることを見事に証明して見せた。私にとってはチームの解散よりヨハン・ブリュイネールの引退の方がショックである。
 人がスポーツ観戦にのめり込む理由は様々だろう。私の場合は特定の選手や監督の手腕で選ぶ傾向が強いようだ。かつてはF1大好き人間だったが、1994年のアイルトン・セナの事故死以来F1をTVで見ることはほとんどなくなってしまった。プロ野球でも長嶋茂雄が監督時代は負けても負けても後楽園に応援に通ったが、今はその熱意もすっかり失せている。サッカーはオフト監督の時代が一番好きだった。
 徐々に魅力を失うスポーツの中でランス・アームストロングの強さは私の冷めかけた血を再び暖めてくれた。ランス引退後もブリュイネールのチームがそれを支えてくれていた。昨年こそ残念な結果に終わったが、今年はランス抜きでもツール・ド・フランスに勝てることを見事に証明してくれた。それも1位から3位までがわずか32秒差にひしめくという手に汗を握る展開で。スポンサーが替わってもブリュイネールが監督でいる限りはこれからもサイクリング・ファンであり続けられると思っていたのだが・・・

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登録日:2007年 08月 12日 07:34:30

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