2007年 08月 18日
新記録の裏にドーピングの影!!
【8月5日 AFP】07MLB、通算7度のリーグMVPに輝き通算本塁打記録で注目を集めているサンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)のバリー・ボンズ(Barry Bonds)が4日、サンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)戦で通算755号となる本塁打を放ち、ハンク・アーロン(Hank Aaron)氏の持つメジャー歴代最多本塁打記録に並んだ。
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(c)AFP
米大リーグ、ジャイアンツのバリー・ボンズ外野手の755号本塁打から一夜明けた5日、全米各紙(電子版)はこぞってこの大記録を取り上げた。
全国紙USAトゥデーは「ボンズが歴史的な755号を放った」との見出しでトップ記事で掲載した。ニューヨーク・タイムズもスポーツ面のトップで「早出特打が報われ、ボンズがアーロンの記録に並んだ」との見出しを付け、地元ヤンキースのアレックス・ロドリゲスの最年少500号達成よりも大きく扱った。
一方で冷ややかな反応もある。ロサンゼルス・タイムズのコラムは「ボンズがアーロンの記録に並び、パドレスのファンも拍手した。ところであなたは?」とやや挑発的。内容も温かく見守ったサンディエゴのファンを称賛するものだった。
ジャイアンツの地元紙、サンフランシスコ・クロニクルがボンズの薬物使用疑惑に触れたように、各紙とも絶賛一辺倒とはなっていないのが特徴的だ。
また、大リーグのバド・セリグ・コミッショナーが記録達成の瞬間、ポケットに手を突っ込んだまま拍手をしなかった様子も各紙に取り上げられていた。ブレーブスのA・ジョーンズは薬物疑惑について「問題ではない。多くの人たちがステロイドを使ったけれど、誰も755本塁打を打っていない」と話し、ボンズの技術を高く評価するコメントを発表しているが、ステロイドを使っていることを平気で認めていること自体が今のアメリカのメジャースポーツの状況を物語っている。
MLBに限らずアメリカのメジャースポーツは本気でドーピング問題に取り組まなければならない時期に来ていのではないだろうか?アメリカの国技ともいうべき野球でのドーピング問題は深刻な問題かもしれないが、今後もWBCで敗北を喫することになれば、自ずと明らかにならざるを得ないのではないだろうか?
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登録日:2007年 08月 18日 13:09:40
スポーツと健康
【6月19日 AFP】国際自転車競技連合(UCI:International Cycling Union)は19日、約3週間後に迫ったツール・ド・フランス(2007 Tour de France)開幕を前に、プロツアーマネージャーやドクターらをスイスのジュネーブ(Geneva)に召集し、アンチドーピング基準についての会議を行った。(c)AFP
WADA(世界ドーピング機構)の世界アンチ・ドーピング規定(http://www.anti-doping.or.jp/code/pdf/JADAcode.pdf)には24条の規定が記されている。その基本原理は「アンチ・ドーピング・プログラムの目標はスポーツ固有の価値観を保全することである。この固有の価値観は、『スポーツ精神(the spirit of sport)』と呼ばれることが多く、オリンピック精神(Olympism)の確信部分であり、真の競技者の在り方を示したものである。スポーツ精神は、人間の心身両面を賛美するものであり、その特徴としては以下の価値観が挙げられる」として、●倫理観、フェアープレイと誠意●健康●優れた競技能力●人格と教育●楽しみと喜び●チームワーク●献身と真摯な取り組み●規則・法令を尊重する姿勢●自分自身と他の参加者を尊重する●勇気●共同体意識と連帯意識の11項目が掲げられている。その上で「ドーピングは、スポーツ精神に根本的に背反するものである」と付記されている。
ここで注目したいのが「健康」という項目である。そもそも「健康」とはアマチュアが身体にあまり付加をかけずに楽しむ程度のスポーツにしかあてはまらないのではないか?ジョギング程度の運動であっても心不全などで死亡する例も少なくないと聞く。まして勝敗を決する競技となれば、むしろ健康でいることの方が難しいのではないだろうか?当然のことながら怪我もすれば病気にもなる。スポーツを生活の糧とするプロ選手ならなおさらである。スポーツ選手、特にプロ・スポーツの選手は命を削って競技をしているといっても過言ではない。
IOCやWADAはこの点をどう考えているのだろうか?人間の無酸素領域での運動は30秒が限界とされる。このわずか30秒のために選手は命を振り絞っているのではないか?あるいは1秒でもこの時間を延ばすために懸命に練習を積んでいるはずである。はたしてこれが「健康」といえるのか?
日本の国技である相撲を例に取ってみよう。階級分けのない大相撲で、関取は強くなるために自分の身体をできるだけ大きくしようと考える。そのために必要以上に食べることを求められることになる。身体は大きくなるが、心臓はそうはいかない。その結果、全身に血液を送るためのポンプの働きうぃする心臓に多大な負担をかけることになるため、関取の寿命は非常に短いと言われている。彼らは相撲という競技に勝つために身体を大きくしなければならないのである。これは明らかに「健康」に反する行為である。
逆に階級分けのある競技では減量と戦わなければならない。食事どころか水を飲むことさえ制限されることも少なくない。これも明らかに常人の「健康」からはかけ離れた行為である。まして、毎日200kmを3週間も走り続けなければならないグランツールという自転車競技は「健康」とは無縁な競技なのである。まして、早く走るために体重を増やすことができないため、食事制限があり、体脂肪率が数パーセントに抑えられる。当然、身体の抵抗力が落ち風邪等にかかりやすくなることは明らかだ。にも関わらず疲労回復のための栄養ドリンクどころか市販の風邪薬の服用さえ禁じられているのである。
適度は運動は確かに「健康」のためには必要である。しかし、過度の運動は害になることはあっても益になることはないといっていい。スポーツ医学が発達した現代においてさえ、スポーツ選手の「健康」管理は容易ではないのである。
選手の「健康」を考えてドーピング規定があるというのは判るが、スポーツ競技そのものが「健康」を疎外するものであるなら、ドーピング規定の基本原理に挙げられている「健康」とは一体何を意味するものなのだろうか?通常、私たちは適度な運動をし、栄養補助としてのサプリメントを服用し、疲労回復のために栄養ドリンクを飲む。そしてこれを「健康」のためと称している。そして実際に長生きしているのである。
一般人とは比べ物にならない運動量をこなし、命を削って競技をしている選手の真の「健康」を考えるなら、WADAやIOCは他にすることが沢山あるのではなかろうか。「ドーピング=悪」と考えるのは簡単だ。ところが一口にドーピングといっても一般の風邪薬に含まれている利尿剤から、高度な遺伝子ドーピングまで非常に幅が広いのが実状だ。それも競技団体によって禁止される薬物もまちまちである。特にオリンピック競技種目にないゴルフなどはドーピング規定さえないという。日本の相撲も同様である。
オリンピックにプロ選手が参加できるようになったことで、競技の迫力や楽しみが増したことは確かである。しかし、その半面、アマチュアとプロのドーピングに関する取り組み方の違いも鮮明になっている。WADAのドーピング基準を全てのプロスポーツに適用したらどうなるか?考えただけで恐ろしい!!確かに薬物や医学的な処理によって選手の運動能力を高めることには異論がある。それはあくまでも選手の生命に関わる危険がある場合である。あくまでも自然を重視するなら科学的トレーニング器機などの使用も禁じるべきではないのか?しかし、そんなことは誰も考えてはいないはずである。
人体に害を与えずに、選手の競技能力を高める方法があれば、しかも、その手段が公平に与えられるならなんら問題はないはずである。現在ドーピングの主流は血液の入れ替えや遺伝子操作へと進んでいる。もし仮に遺伝子操作で運動能力の高い子供の出産が可能になった場合、WADAやIOCはどうするのだろう?現に優秀なスポーツ選手の婚姻による選手生成を国家プロジェクトとして行っている国もあったと聞く。これは優勢交配であって遺伝子操作ではないが、今後は遺伝子操作とまでは行かなくとも、人工授精で優秀なスポーツ遺伝子を交配させることは簡単にできるのである。将来的には遺伝子操作でさらに優秀な運動能力を備えた選手が人工的に生成されることも充分に考えられる。そうした時代に私たちは生きていることを忘れてはならない。
ドーピング問題を薬物使用云々の問題としていては、いつまでたっても解決できないはずである。薬物ドーピングは自然と消滅して行くはずである。少なくとも検査にかかる薬物は・・・そして優秀な遺伝子を人工的に注入されたり加工された選手が薬物反応のないクリーンな選手として脚光を浴びることになる時代が来るに違いない。
ドーピング問題はあくまでも倫理として考えていかなければならない。それ単にスポーツ精神やスポーツ倫理にとどまることなく、私たち人間全体の倫理の問題として、私たちスポーツ・ファン自らも真剣に考えていかなければならない問題である。ドーピングをした選手を責めることは簡単である。しかし、それを自分の身に置き換えて考えることは意外と難しいものである。仮に記憶力を良くする薬があれば私は躊躇なく服用するだろう。たとえ身体に害があったとしても・・・しかし、それを自分の子どもに勧めることは決してしないだろう。副作用がある限りは・・・
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登録日:2007年 08月 18日 12:41:48
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