2008年 05月

余裕の4秒差・・・?

コンタドール ジロ・デ・イタリア第19ステージを終え総合首位を守る

【5月31日 AFP】第91回ジロ・デ・イタリア(2008 Giro d'Italia)第19ステージ(レニャーノからプレゾラーナ/モンテ・ポーラ、228キロメートル)。
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 前日の第18ステージのフォイクトに続きこの日の第19ステージも思わぬところでレースが動いた。

 ヴィヴィオーネ峠の下りでパオロ・サヴォルデッリが本領を発揮し、ダニーロ・ディルーカを引き連れて集団から飛び出したのだ。

 ドロミテに入ってから生彩を欠いていたディルーカが1級の山岳を2つも残して積極的に動いたのだ。しかも雨の下りで・・・

 最後の登りだけでは2分以上の差は詰められないと判断したディルーカらしい積極的な攻撃だった。勿論、下りのスペシャリストのサヴォリデッリがいてこその作戦だったのだろうが、男ディルーカの面目躍如の瞬間であった。

 マリアローザを擁するアスタナはコロムとクレーデンで追いに出るが、マリアローザを守らなければならないアスタナはリスクは犯せない。2つの峠の下りで2分ものタイム差がついてしまった。

 アスタナにとってはライプハイマーの不調が痛かった。モンテ・ポーラの上りに入りしばらくはクレーデンが引いていたが、ディルーカのペースは落ちない。このままではコンタドールのマリアローザはディルーカの手に渡ってしまう。

 たまらんという格好でコンタドールが動いた。これにはリッコとペッリツォッティ、ヴァンデンブロック、メンショフ、ヴァンデンブロックらが続く。集団がみるみる小さくなってゆく。コンタドールが一気にペースを上げてディルーカを追走する。

 残り2kmの地点でリッコがアタック!これにはセッラとコンタドールが合流する。ペッリツォッティやメンショフは遅れ気味。そしてリッコがもう一段スピードを上げ、コンタドールを引き離しにかかった。コンタドールは付いて行けない。

 しかし、コンタドールはあくまで冷静だった。ドロミテの厳しい上りで見せたように、自分の貯金をきちんと計算した走りに切り替え、無理に追うことはしない。チームカーからの適切な指示もあるのだろうが、コンタドールにあせりの色は全く見られなかった。

 逃げ切ったキリエンカから4分36秒遅れてディルーカが2位でゴール。さらに1分8秒遅れてリッコが5位で帰ってくる。デジタル時計がタイムを刻んで行く。リッコの手にマリアローザが移るのか?

 マリアローザグループが戻って来た。最後のスプリントで最後方に下がったコンタドールだが、集団ゴールでリッコとのタイム差は38秒。5位入選でボーナスタイムを逃したリッコはわずか4秒の差に泣いた。

 下りで無理にリスクを犯すことをせず、上りで遅れても慌てる素振りも見せなかったコンタドール。これがツール・ド・フランスを征した選手の自信なのか?コンタドールの脳裡には最悪のタイム差があるはずである。それは最後の個人TTで逆転可能と計算しているタイムだ。コンタドールの走りを見る限り、この日のタイム差より、トータルのタイム差を考えていたに違いない。

 状況によってはこのステージでマリアローザを手放してもいいという判断もあったはずだ。結果として4秒差でマリアローザを守ることになったが、それは結果論。コンタドールの中ではリッコとディルーカに1分程度のタイム差をつけられてもいいという計算があるに違いない。

 アスタナは昨年のディスカバリーのようにまだチームとして充分に機能していないように見える。ライプハイマーの不振もあるのだろうが、昨年のツール・ド・フランスのポポヴィッチように上りでゆさぶりをかけたり発射台になる選手がいない状況では、守りに徹するしかないのだ。

 それでもディルーカとのタイム差を考え、自ら動いて集団を活性化させタイム差を詰めにかかるあたりはベテランのクレバーさがある。リッコと1歳違いとはとても思えない。

 今日の第20ステージはチマコッピのガビア峠を越える長いステージで、今日がマリアローザ獲得のラストチャンスと考えているディルーカやリッコは当然早目に動いて来るだろう。昨日のステージで大きく遅れてしまったシモーニもこのままでは終わらないはず。

 昨日の走りを見る限り、ディルーカはまた下りで仕掛けてくるだろう。それをアスタナはチームとしてどれだけコンタドールを守れるのか?私はリッコとの4秒差よりディルーカとの21秒差の方が怖い気がしている。コンタドールも多分同じではないか?

 下りが得意とは云えないコンタドールにとって、今日の第20ステージが最大の試練の舞台になるかもしれないのだ。チームが機能しているLPRとチームが機能していないアスタナのチーム力の差が長い下りで露呈しなければいいのだが・・・

 今日のコンタドールはディルーカをぴったりマークすることになるはずだ。上りでリッコが仕掛けても自分で追うことはしないだろう。ディルーカをマークしていれば下りでリッコに追いつくことは難しくは無いからだ。昨日のあの短い下り2つで2分もの差を付けられているのだから、今日の長い下りは要注意だ!!

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登録日:2008年 05月 31日 12:31:25

コンタドールステージ4位でマリアローザをキープ!!

コンタドール ジロ・デ・イタリア第16ステージを終え総合首位を守る

【5月27日 AFP】第91回ジロ・デ・イタリア(2008 Giro d'Italia)第16ステージ山岳個人タイムトライアル(サン・ヴィジリオ・ディ・マレッベからプラン・デ・コロネス、12.9キロメートル)。
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 ジロ・デ・イタリア第16ステージ山岳個人タイムトライアルはサン・ヴィジリオ・ディ・マレッベからプラン・デ・コロネスまでの12.9kmで行われ、リクイガス(Liquigas)のフランコ・ペッリツォッティ(イタリア)が、40分26秒を記録してステージ優勝を果たし、総合でも5位に浮上した。

 超一流の選手たちの脚をもってしても13km足らずの距離で40分以上を要したタイムを見るだけで、プラン・デ・コロネスの厳しさが分かるだろう。二年前は雪のために5km距離が短縮され、パスされた曰くつきの峠なのだ。最大斜度が20%を越え、しかも未舗装。コンタドールもリッコもレース後口にしていたように、ダンシングしてトルクをかけると後輪が流れてしまうのだ。

 本当に今年のジロ・デ・イタリアのコースは異常なほどに過酷だ。今年からUCIのプロツールから抜け、ツール・ド・フランスやヴエルタ・エスパーニャとの差別化が要求された結果だとは思うが、今年のジロ・デ・イタリアのコースレイアウトは正直異常だと思う。それは前半の移動距離の長さに始まり、この日の山岳個人TTでダメを押した感じがしている。

 今年はたまたま3大ツールの優勝者が顔を揃えたが、こんなコースで来年も行われるとなると少なくともプロルールのチームは有力選手を送り込まなくなるに違いない。

 現に今年もサウニエルデュバルとラボバンク以外はエースの参戦がないのだ。最も有力視していたランプレのクネゴでさえここをスキップしてしまった。たまりかねた主催者は急遽アスタナの参戦を認めざるを得なくなったというのが、アスタナ参戦の裏事情ではないかと推測している。

 それに対して、コンチネンタルプロチームのモチベーションは高い。ツール・ド・フランスやヴエルタに招待されることが望めないコンチネンタルプロチームにとって、ここが最大の見せ場のはずである。セッラのドロミテ2連勝を見るまでもなく、コンチネンタルプロチームの活躍が前半から目立っているのもそのためだ。

 それはアスタナも同じはず。ツール・ド・フランスから参加を拒否されている状況では、ここは目一杯のはずである。3枚看板を迷わず投入してきているのもうなづける。

 コンタドールのマリアローザに最も歯噛みしているのはツール・ド・フランスの主催者ASOに違いない。ジロ・デ・イタリアの主催者が早々にアスタナ排除を宣言したことを受けて、アスタナを招待しないことにしてしまったASOは今何を思っているのだろう?

 ASOがガゼッタ同様アクロバットを見せることはないと思うが、仮にASOがガゼッタ同様にアスタナの急遽参戦を認めたとしても、多分コンタドールは参加しないだろう。今年もまたツール・ド・フランスはマイヨジョーヌがプロローグにいない状況で幕を開けることになる。

 ディフェンディングチャンピオンのいる最強チームを過去のドーピング問題を理由に参加させないと考えたASOにとって、今回のコンタドールの活躍はいい薬になるはずだ。少なくともここまでドーピングの話題は全く出てきていないのだから。

 これだけ厳しいコースを走っていてドーピングの問題が起きないのに、ツール・ド・フランスになったとたんドーピング問題が次々と飛び出して来るのは何故なのか?

 ここ数年は毎年のように今年が最悪と思っていたら、さらに悪い事態が次々と起きている。そしてヴィノクロフとマイヨジョーヌのラスムッセンまでがドーピング絡みでツールを去った昨年より悪い事態が今年も起こるとすれば、ツール・ド・フランスの存続事態に関わることになる。

 それを見越して危険な芽は早目に摘んでおくというASOの腹積もりのはずが、アスタナのジロ・デ・イタリア急遽参戦とコンタドールのマリアローザ獲得でASOに対するファンの風当たりも相当に強くなるに違いない。それはASOにとっての当然の報いだと私は思っている。

 そのためにも是非コンタドールにはマリアローザを守り抜いてもらいたと摂に願っている。

 第19ステージはアスタナにとっては厳しい戦いが強いられることになる。ここでアスタナの隊列が見られなければ、コンタドールはマリアローザを失うことも充分にあり得る。総合2位のリッコと3位のシモーニが連携を組んでコンタドールに襲い掛かることも考えられるからだ。

 同じイタリア人で嘗てはサウニエルデュバルの同僚でもあった二人ならそれも可能なはず。最終日の個人TTのことを考えればポーラ山の登りで彼らが仕掛けない限り逆転の芽はない。第20ステージのチマコッピは下りが長いので、勝負のポイントはポーラ山の最後の登りしかないはずだ。

 昨日の休養日と今日・明日の平坦ステージでディルーカがどこまで調子を戻してくるかも気がかりだが、コンタドールと2分以上の差は正直厳しいと云わざるを得ない。

 リッコは他人頼みというところはあるが、コンタドールとは41秒しか差が無い。第18ステージは前半2勝している平坦コースで最後が上りというレイアウトでリッコがまた20秒のボーナスタイムを取りに来ることも充分に考えられる。迎え撃つアスタナ勢がそこをどう対処するかも見所だ。

 クレーデンもライプハイマーも総合では大きく差が付いてしまっているだけに、ライプハイマーが逃げに乗ることも充分に考えられる。第18ステージではライプハイマーの逃げが見られるかもしれない。昨年のツール・ド・フランスでも最後の個人TTで爆発的な速さを見せていたアメリカチャンピオンなのだから・・・

 クレーデンを盾に、ライプハイマーを先鋒に起用できればアスタナの体制は磐石となる。ASOにダメを押す意味でも最後にアスタナの強さを強烈にアピールして欲しいと願っている。

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登録日:2008年 05月 28日 14:43:46

コンタドールがマリアローザをGET!!

コンタドール ジロ・デ・イタリア第15ステージを終え総合首位に

【5月26日 AFP】第91回ジロ・デ・イタリア(2008 Giro d'Italia)第15ステージ(アラッパからパッソ・フェダイア、154キロメートル)。
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 ジロ・デ・イタリア第15ステージはアラッパからパッソ・フェダイアまでの154kmで行われ、総合26位からスタートしたCSFグループ・ナヴィガーレのエマヌエーレ・セッラが、4時間53分24秒を記録し昨日に続き山岳2連勝を飾り、合計タイムでも68時間11分24秒で総合10位に浮上した。

 この日も積極的に逃げたセッラには鬼気迫るものがあった。誰もが昨日の走りで今日のステージは厳しくなると予想していたはず。

 ところがセッラのモチベーションはそんな予想を吹き飛ばした。第7ステージのパンクでステージ優勝を逃したことがセッラの闘志に火を点けたのだろうか?

 総合争いを繰り広げている追走集団が霞んでしまうような次元の違う走りをみせてくれた。このセッラの走りを見ただけでも今年ジロ・デ・イタリアをフル観戦した価値があったと思っている。

 勝ちたいという気持ちを全面に出す選手が少なくなったと感じていただけに、セッラの闘志むき出しの走りは感動的だった。

 追走する後続集団ではリッコが抜け出したものの、コンタドールとのタイム差を逆転するまでには至らなかった。

 この日もコンタドールはジャウ峠で苦しんだ。仕掛けたディルーカについて行けずに遅れ始めた。下りでなんとか集団に取り付いたが、最後のマルモラーダでもリッコのスパートについて行けなかった。

 レース後のインタビューではホイールのトラブルがあったことが判明したが、こんなに苦しそうに走るコンタドールの姿を見るのは初めてだ。この日は早々にマリアローザのボッシージョが遅れたために、マリアローザが見えていた。

 先行したリッコとは57秒差。コンタドールは懸命に追いかけようとしたが、残り6kmでホイールトラブルに見舞われ、得意なダンシングを封じられた。それでも一時はディルーカのいるグループを引き離したものの、最後はさすがに力尽き、ディルーカやシモーニにまで交わされ6位でゴール。

 ただ、3位でゴールしたリッコとのタイム差は16秒に押え、マリアローザを獲得した。昨年のツール・ド・フランスのチャンピオンとはいえ、今年は開幕の5日前まではジロ・デ・イタリアに出場することなど全く考えられない状況を考えれば、コンタドールの能力の高さを感じさせる戦いを見せているといえるだろう。

 急遽出場の厳しさはクレーデンが6分26秒遅れの16位、ライプハイマーに至っては12分25秒遅れの19位という結果を見ても明らかだ。

 昨年のツール・ド・フランスでも最後の個人TTで貯金を上手く使って逃げ切った経験が生かされている。誰がスパートしても常にタイム差を考え無理して追うことはしない。そして最小のタイム差でゴールする。そして他のライバルに対し優位性のある個人TTで差を付ける。

 これがコンタドールの考えなのかヨハン・ブリュイネールの指示なのかは明らかにされていないが、彼が計算しながら走っていることは間違いはない。

 リッコはピエポリの落車が大きい。もし、ピエポリが無事ならマリアローザはリッコの手にあったはずだ。この15日間を振り返ってもプロチームでまともにアシストが働いているチームはほとんどない。

 アシストが仕掛け、有力選手が飛び出すという光景が全く見られないのだ。それだけ厳しいコースだともいえるのだが、コンチネンタルプロのCSFの活躍を見れば、ジロ・デ・イタリアを本気で勝ちたいと思っているプロチームがあるのかと思わざるを得ない状況だ。

 これも今年からジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの主催者がUCIプロツアーから離脱したことが大きいと思っている。これで出場のチャンスが増えるコンチネンタルプロと出場できるかどうか分からないプロチームとのモチベーションの差がくっきりと現われているような気がしている。

 ツール・ド・フランスから参戦を拒否されているアスタナはツール・ド・フランスの分までメイチで来ると見ていたが、そのアスタナも急遽参戦で調子が上がっていない。

 結局、個人の能力の高さだけでコンタドールがマリアローザを着ることになった。コンタドールが今後マリアローザを失う可能性は非常に低くなったと見ている。万が一一時は手放したとしても最終日の個人TTで逆転優勝も可能である。

 コンタドールはこのまま行けば、ヴエルタも征してしまうだろう。年内にグランドスラム達成ということになるはずだ。

 ツール・ド・フランスの連覇の可能性はなくなったが、その代わりにマリアローザが手に入ったのだから、コンタドールのキャリアとしては悪くないと思っている。

 ツール・ド・フランス連覇の可能性がなくなっただけに、コンタドールにはグランツールの総合優勝数でランス・アームストロングを上回ってもらいたいと願っている。

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登録日:2008年 05月 26日 22:18:53

厳しすぎる山岳で有力選手も苦戦!!

コンタドール 第14ステージを終え総合2位に

【5月25日 AFP】第91回ジロ・デ・イタリア(2008 Giro d'Italia)第14ステージ(ヴェローナからアルペ・ディ・パンペアーゴ、193キロメートル)。
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 ドロミテ山塊に突入したジロ・デ・イタリア第14ステージはレースは序盤から逃げが決まり、1級山岳マンゲン峠で飛び出したエマヌエーレ・セッラ(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)がゴールのパンペアーゴまで独走し、後続のキリエンカに3分38秒もの大差をつけて念願のステージ優勝を手にした。

 総合争いもパンペアーゴで激化し、メンショフやリッコがリード。コンタドールはゴール前で力尽きメンショフから45秒遅れの15位でゴールした。

 その結果マリアローザはわずか5秒という微差でコンタドールではなく、ガブリエーレ・ボシージョ(イタリア、LPRブレーキ)の手に渡った。

 明日以降のことなど眼中にないような檄走を見せ逃げ切ったセッラとは対照的に、有力選手たちは今日の第15ステージと明日の第16ステージの山岳TTまでを念頭に置いた走りをしていたように見えた。

 パンペアーゴでは激しいバトルが見られると期待していたが、残念ながら有力選手たちにも余力はなかった。メイン集団から抜け出したメンショフにしてもコンタドールとのタイム差を一気に逆転するほどの切れ味がなかった。

 本来なら優勝候補のディルーカやコンタドールが遅れているのだから一気にタイム差を広げたいところだった。ただ、あの檄坂をこなすには往年のパンターニや全盛期のシモーニでなければ難しいように見えた。

 過去にパンペアーゴで優勝経験があるシモーニでさえメンショフに13秒、優勝したセッラからは9分以上も離されてしまったのだから・・・

 厳しすぎるコース故に大きなタイム差もつけられなかったということなのだろう。ただ、総合の順位とタイム差は大きく変動した。

 マリアローザはボッシージョ、5秒差の2位にコンタドール、28秒差の3位に個人TTを征したブルセギンが上がって来た。昨年も山岳TTで優勝があるように、ブルセギンが今日の第15ステージもこなしてしまうと総合を狙っている選手たちにはかなり厄介な存在になるはずだ。

 総合優勝を狙う選手たちは今日のステージでブルセギンとコンタドールにはタイム差を付けておかなければならない。

 昨日のレースを見ていて気になったのは、アシスト勢の不振である。コースがコースだけにアシストにとっても厳しいことは分かるが、パンペアーゴまでアシストを残していたのはLPRだけだった。

 リッコもピエポリが落車の影響で終始自分の後ろという状況ではあれが精一杯のレースだったに違いない。

 アスタナはクレーデンとライプハイマーが残ってはいたが、ライプハイマーが早々に遅れ出し、クレーデンまで遅れてしまう状態ではいたって心もとない。

 メンショフなどは終始丸裸の状態だった。コンタドールが隙を見せてしまったので、今日は攻撃の矢面に立たされることになるアスタナがどうコンタドールを守るのかが注目だ。

 果敢に攻めて優勝を勝ち取ったセッラの走りばかりに目が行きがちだが、私は昨日の最大の功労者はボッシージョだと思っている。ディルーカのアシストに徹しながら最後は自分の為に踏ん張って5秒のマージンを守り切りマリアローザを手にしたのだから・・・

 ただLPRとしては複雑な心境だろうと推測する。ボッシージョとディルーカのタイム差が1分7秒。これをチームがそう見るのか?あくまでもディルーカがエースならマリアローザがアシストに回ることになる。このタイム差なら多分そうなると思うが、今日もLPRは大きな仕事をしなければならくなってしまったことだけは間違いない。

 対するアスタナのコンタドールはむしろマリアローザを5秒差で逃したことが幸いするかもしれない。総合上位争いをする選手たちとのタイム差は1分以上あるので、今日も有力選手をマークするだけでいいからだ。マリアローザを守るためにレース序盤からチームが仕事を強いられることがなくなったからだ。

 とはいえ、今日は総合優勝を狙う選手たちは仕掛けなくてはならない日になる。山岳とはいえTTではブルセギンとコンタドールのスピードが1枚上なのだから。

 誰もがコンタドールとの差を1分以上は広げておきたいと考えているはずだ。つまりは今日のステージでコンタドールに2分以上の差をつける必要があるということになる。

 明日に個人TTを控えているだけに総合上位陣も無理はできないが、かといって昨日と同じレースをしていては仮に一時的に順位を逆転しても、明日の個人TTで再逆転される可能性が大きいのだ。

 また、コンタドールにも悩みが増えた。それはブルセギンという存在だ。昨日のようなペースならブルセギンが山も登れてしまうことが分かった以上、どこかでペースを挙げてブルセギンだけは振り切ってしまわなければならない。

 今年はまだチームとしてほとんど機能していないアスタナがどいう手にでるかが楽しみだ。総合では5分以上遅れてしまったライプハイマーをどう使うかが鍵になるだろう。

 最後の山頂ゴールとなる今日こそは有力選手たちの火花散る戦いが見たいと願っている。

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登録日:2008年 05月 25日 13:41:54

ジロ・デ・イタリアが最大の山場に突入!!

カヴェンディッシュ ジロ・デ・イタリア第13ステージを制す

【5月24日 AFP】第91回ジロ・デ・イタリア(2008 Giro d'Italia)第13ステージ(モデナからチッタデッラ、177キロメートル)。
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 ジロ・デ・イタリア第13ステージはモデナからチッタデッラまでの177kmで行われ、ハイロード(High Road)のマーク・カヴェンディッシュ(Mark Cavendish、英国)が、ベンナーティとのスプリント勝負を征し4時間11分07秒のタイムでステージ2勝目をあげた。

 今回のジロ・デ・イタリアは唯一純粋に平坦といえるコースで行われた。

 今日から始まるドロミテでの厳しい山岳ステージを控え、総合争いの選手はスタミナ温存でペースはゆったりとしたものになった。

 レースは38km地点から飛び出したブファズとアギッレの2人が逃げ続けたが、結局ゴールまで12kmを残して集団に吸収されてしまった。

 ここから集団はスプリンターチーム先導でゴールに突き進んだ。曲がりくねったチッタデッラのゴール前ではチームハイロード、スリップストリーム、アージェードゥーゼル、リクイガスが主導権を争い、ラスト3kmからチームハイロードが隊列を組んで先頭へ。そしてラスト1kmでチームミルラムが先頭に立った。

 ミルラムトレインはマルコ・ヴェーロ(イタリア)がエリック・ツァベル(ドイツ)をスプリントに誘うが、ツァベルのスプリント開始前にベンナーティが加速して先頭に立つ。そしてラスト200mでベンナーティが先頭でスプリントを開始し、カヴェンディッシュがこれに呼応するようにスプリントを開始。カヴェンディッシュは独自の加速力を活かしてベンナーティに並ぶと、いとも簡単にパスして先頭へ。最後は余裕を持ってフィニッシュライン上で両手を上げた。

 カヴェンディッシュは「3センチ差」で負けた前日の雪辱を完璧な勝利で果たした。

 しかし、強烈な加速力を持つカヴェンディッシュにとってはこのステージよりも、今日から始まる山岳が重要になる。

 ワンデイレースとは違い厳しい山岳もある程度こなせなければ、グランツールでは真のスプリンターとは認められないのだ。

 一体何人のスプリンターが無事ミラノまで辿りつけるのか?それほど今年のジロ・デ・イタリアの山岳は厳しいコースレイアウトになっている。

 レース後のインタビューを読む限りでは、一様にシモーニを警戒するコメントを残している。それだけシモーニの調子が際立っているのだろうが、調子の良さだけで勝てるほどグランツールは甘くないと思っている。

 個人的にはコンタドールとリッコの若手の争いと見ている。シモーニの経験は侮れないが、リッコとの26秒差はともかく、コンタドールとの2分近い差は大きいと見ている。

 繰り上がりのような結果になったのは残念だが、ツール・ド・フランスの王者であることには替わりがないコンタドールの能力が高いと見ている。

 ただ、個人の能力だけでも勝てないのがグランツールで、チームのアシスト力も重要なファクターになることを考えると、エース級の選手が多いもののここまでのレースを見る限りチームとしては充分に機能しているとは云い難い状況だ。

 その点、リッコにはピエポリという山岳得意のアシストがいるのは心強い。

 アスタナがライプハイマーやクレーデンをアシストとして使うのかもまだはっきりしていない。

 個人的にはツール・ド・フランスには出場できないコンタドールを応援するが、結果はゴールするまで分からないというのが正直な感想だ。

 誰が勝つにせよ今日と明日の2つのステージが総合優勝争いを決める大切なステージになることは間違いない。

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登録日:2008年 05月 24日 15:50:46

雨中の決戦が続くジロ・デ・イタリア

ベンナーティ ジロ・デ・イタリア第12ステージを制す

【5月23日 AFP】第91回ジロ・デ・イタリア(2008 Giro d'Italia)第12ステージ(フォルリからカルピ、172キロメートル)。
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 第10ステージの個人TTの結果が雨によって大きく左右されたが、続く第11ステージと第12ステージも雨に祟られたレースとなった。

 特に中級山岳の第11ステージでは落車が相次ぎ、ついにマリアローザのヴィスコンティまでが落車するという事態になってしまった。

 私もここ数年ジロ・デ・イタリアを見続けているが、これほど雨の日が続くのは珍しいことではないだろうか。

 200km近い距離を走るだけに場所によって雨の激しいところと、全く降っていない場所があるのは当然のことかもしれないし、TTのように時間差スタートでなければ全員が同じコンディションの中を走ることになるので、雨が勝敗を大きく左右することは少ないが、それでもウェットな路面はリスキーで選手にとっては厳しいコンディションを強いられることになる。

 また、雨の中では総合を争う選手たちはリスクを回避するために慎重になるため、集団のペースが上がらず、第11ステージなどはゴールが午前1時になっていた。

 昨日の第12ステージは172kmと距離も短い平坦コースだったのに、ゴールが午前0時を回っていた。

 第11ステージは5人の逃げが前半で決まり、後半にフォルトゥナート・バリアーニ(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)が加わり逃げが決まる展開になっていた。

 メイン集団は雨中の山岳コースでのリスクを避けるため、有力選手が前の方に位置していたが、ペースは全く上がらないまま優勝したベルトリーニから4分近いタイム差でゴールした。

 途中で落車をしたヴィスコンティもベッティーニ等の献身的な引きで大きく遅れることもなくマリアローザを守ることができたが、途中の1級山岳で遅れていたので、マリアローザを着て走るれるのは明日の第14ステージが最後になるかもしれない。

 本人はタイム差もあるので何とか日曜まではマリアローザを着ていたいとコメントしているようだが、土曜の第14ステージは2000mの超級山岳を越えて、1級山岳の登りゴールとあっては10分以上の遅れも充分に考えられる。

 そして日曜の第15ステージ終了時にマリアローザを手にした選手が総合優勝に大きく近づくことになるだろう。

 優勝候補たちの中でこの2つのステージで苦戦するのはディフェンディングチャンピオンのディルーカだろう。リッコにはピエポリという山岳スペシャリストのアシストがいるので、この2つのステージで大きく遅れることはないだろう。

 ただ、リッコはここをしのいだとしても次の山岳の個人TTでは確実に遅れるはずだ。リッコに勝機があるとすれば、この2つの山岳でライバルたちと2分近い差を付けた場合だけだと見ている。

 骨折は気になるが、私はコンタドールの力が1枚抜けていると見る。不安材料といえばアスタナのアシスト力だ。第11ステージでも遅れていたライプハイマーではアシストは務まらないだろう。クレーデンもオールラウンダーではあるが山岳を得意とする選手ではない。

 アシストを失ったコンタドールが、ピエポリ+リッコという強烈な牙城をどう打ち砕くのかが今から楽しみだ。

 それと個人TTで調子の良さを見せ付けたシモーニの存在も不気味だ。年齢的に上積みはないと思うが、ステージ優勝で気を良くしているベルトリーニなどのアシストが大きな助けになることは間違いない。

 ただシモーニもリッコ同様コンタドールにある程度タイム差を付けておかないと、山岳TTでは確実に1分近いタイム差を付けられてしまうはずだ。

 その後も第18・19と2つの山岳を残してはいるが、今週末の2つのステージ比べれば比較的楽なコースのはずである。第16ステージでマリアローザを着た選手は、この2つの山岳は守りに徹するはずだ。

 今日の第13ステージがスプリンターたちが活躍できる最後の舞台となるだけに、雨だけはなんとしても避けて欲しいものだと願っている。

 それにしても昨年のツール・ド・フランス以降のベンナーティーの強さはさらに磨きがかかっているようだ。昨日のステージもTVで見ている限りではカヴェンディッシュに差されたように見えたが、写真判定でわずか3cmを凌ぎ切っていたのだから。

 山岳もある程度こなせる選手(昨年のツール・ド・フランスでは山岳で先頭を引いていたこともある)なので、このままツール・ド・フランス、ヴエルタ・エスパーニャで一体何勝を挙げることになるのだろう。

 マキュアンに全く生彩がなく、ペタッキも出場停止中となれば、当分は番なーティー時代が続きそうな気がしている。

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登録日:2008年 05月 23日 17:54:16

アスタナ強し!!

ブルセギン ジロ・デ・イタリア第10ステージ個人TTを制す

【5月21日 AFP】第91回ジロ・デ・イタリア(2008 Giro d'Italia)第10ステージ・個人タイムトライアル(ペザーロからウルビーノ、39.4キロメートル)。
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 ジロ・デ・イタリア(2008 Giro d'Italia)第10ステージはペザーロからウルビーノまでも39.4kmの個人タイムトライアル。

 前半は平坦、後半は登りという大変難しいコースをランプレ(Lampre)のマルツィオ・ブルセギン(Marzio Bruseghin、イタリア)が56分41秒を記録してステージ優勝を果たした。

 この日の個人TTは途中から部分的に降り出した気まぐれな雨が勝敗を分ける結果になった。

 特にラスト400mは急激な登りに加え、路面は石畳。ただでさえ厳しい路面が終盤は雨で光っていた。

 総合成績の下位の選手から順にスタートする個人TT。ブルセギンがゴールすした時はゴール前の石畳はまだ乾いていた。

 しかし、総合12位のザヴォルデッリ(LPR)がゴールする頃になると路面が徐々に光り始めるほどの雨量になっていた。

 この日最も大きなハンデを背負わせれたのはサヴォルデッリだろう。滑る路面で大きくギヤを落としたためにチェーンが外れるというアクシデントに見舞われてしまったのだ。

 さらに後にスタートしたコンタドールは第3計測でトップタイムを記録しなからも、最後の登りで思ったようにトラクションがかけられず、タイムが伸びない。

 結局、ブルセギンに8秒及ばずの2位に甘んじた。昨年のツール・ド・フランスでも山岳ステージの勝負所でパンクし、マビックカーからタイヤを受け取るというアクシデントに見舞われたコンタドールだが、最後にはマイヨジョーヌがレースを去るという最大の幸運に恵まれた。

 コンタドールは第8ステージで落車し、左腕を亀裂骨折していることが休養日に発覚。ヨハン・ブリュイネールが率いるチームでは有力選手の落車は極めて少ないことは先にも書いた。

 ところが今年のアスタナの前半戦を見る限りでは、個々の選手がバラバラに位置しているのが気にはなっていた。急遽参戦で明確なエースが決まっていないためなのと、選手の調子が分からないために自由に走らせていたのだと思うが、その結果がチームメイト一人をリタイヤさせるほどの大きな落車に繋がってしまったようだ。

 私もコンタドール骨折のニュースを目にして、正直この日のステージは諦めていた。メディアがずっとクレーデンを追いかけ、コンタドールがほとんど画面に登場しなかったことからも、メディア全体がそう考えていたことは間違いはない。

 コンタドールが最後の計測ポイントをトップで通過したという報を聞いてもメディアは何もできなかった。コンタドールにバイクカメラが付いていなかったのだ。

 ゴール前の定点カメラがコンタドールを捕らえた時にはブルセギンを上回るタイムだったが、雨に光る石畳がコンタドールから大きなタイムを奪ってしまった。ブルセギンとのタイム差はわずかに8秒。

 ゴール後コンタドールはすぐに振り返り、時計を見上げていた。その表情には悔しさはなかったように私には見えた。まあこんなものか?という表情ではなかったかと推測している。

 リスク覚悟で攻めるステージでもないのだから、ステージ優勝よりも総合争いをする選手たちとのタイム差の方が大切だと言うことを彼は良く知っているはずである。当然、ディルーカやリッコの中間タイムは無線で知らされていたはずだから、あの仕草はあくまでも自分の今の力でどのくらい走れたかの確認だったと私は推測している。

 この日のステージでディルーカとリッコが予想外に大きく遅れてしまった。こうしたことも考えて20秒のボーナスタイムを取りに云ったと話していたリッコだが、このTTでの2分近い遅れは痛かったはずだ。

 予想通りアスタナはTTで力を見せ付ける形となった。コンタドールが2位、クレーデンが3位、ライプハイマーが9位、グセフが17位に入り、チーム総合でも2位以下に6分以上の差をつけてトップの座を奪い返した。

 個人総合でもコンタドールが8位から4位へと大きく順位を上げた。クレーデンも6位へとジャンプアップした。それに対し総合優勝を狙うディルーカはコンタドールから1分30秒以上離された10位へと後退してしまった。

 前半でステージ2勝を挙げ気炎を上げていたリッコもディルーカを逆転したものの、コンタドールからは1分33秒という差を付けられてしまった。

 この日の注目選手がもうひとりいた。ジルベルト・シモーニだ。決してTTが得意とはいえないシモーニが、ディルーカやリッコに1分以上の差を付けてゴールしたのだ。

 今年からコンチネンタルプロチームに移籍したシモーニはディルーカ同様ここだけを狙って来ている。苦手なTTでディルーカやリッコを上回ったことを見ても調子が悪いはずもない。

 今年で36歳のシモーニにとってはジロ・デ・イタリアを狙えるのも今年が最後かもしれない。その位この日のTTには気迫が込められていた。年齢的に土曜から始まる山岳でどこまで走れるかがポイントになるだろうが、楽しみな選手が現われたことはファンにとってはこの上ない喜びである。

 しかし、今回総合争いをするだろう選手たちのほとんどが、ツール・ド・フランスには出場でいきないというのだから残念でならない。

 何度も書いてきたが、アスタナの参戦を拒否した段階で、私はジロ・デ・イタリアもツール・ド・フランスも見ないことに決めていた。それが主催者たちへの個人としてできる唯一の抗議だと思ったからだ。

 幸いジロ・デ・イタリアは方針転換で急遽アスタナを招聘したが、コンタドールが自ら口にしているようにツール・ド・フランスへの不参加がすでに決まっている。それも主催者が参加を拒否したという理由でである。

 今回の個人TTを見てもアスタナの強さは際立っている。しかし、顔ぶれは昨年と同じではない。コンタドール・ライプハイマー・グセフといった、旧ディスカバリー(USポスタル)から移籍した選手が活躍しているのだ。

 GMにヨハン・ブリュイネールを向かえアスタとナディスカバリーの融合を見事に成し遂げた今、ドーピング問題というよりもアスタナというチームが強くなり過ぎたために、このチームが出場すれば他のチームがかすんでしまうという考え方が主催者の中になかったのだろうか?

 ジロ・デ・イタリアの主催者にしてもこれだけハンデを与えれば地元のディルーカやリッコ・シモーニで何とか勝てるという判断があったのかもしれない。

 しかし、力のある選手がその持てる力を発揮して勝つ。それがスポーツの醍醐味ではないか?最強の選手たちが顔を揃えてこそグランツールのはずである。

 ところが近年、ランス・アームストロングがツール・ド・フランスだけを狙うようになり、ディルーカのようにジロ・デ・イタリアだけにしか興味を示さない有力選手が現われ始めたことにより、グランツールの意味合いが変り始めている。

 イタリア人がジロ・デ・イタリアを、フランス人がツール・ド・フランスを、スペイン人がヴエルタ・エスパーニャを勝ちたい気持ちは良く分かる。

 しかし、グランツールはメディアを通して世界中に配信される大イベントなのだから、地元意識が強すぎるとその魅力が半減していまう。

 現に近年ではジロ・デ・イタリアはイタリア人が、ヴエルタではスペイン人が優勝することが定番になりつつある。鶏と卵のような話しになるが、唯一自国の選手の優勝がないのはツール・ド・フランスだけになってしまった。

 その結果ますますメディアはツール・ド・フランスに注目するようになり、ジロ・デ・イタリアとヴエルタで盛り上がっているのは地元だけという結果を招き始めている。

 そうした意味ではUCIが考えたプロツアー制度には間違いがなかったはずだ。強い選手はグランツールには全て顔を揃えるべきだと私は考えている。そうでなければグランツールの意味が半減してしまう。

 理由は簡単だ、自転車ロードレースが世界中で放映されるのはグランツールだけだからだ。日本ではCATVや衛星放送の普及でそれ以外の自転車ロードレースをTV観戦できるようになったが、まだまだそうできない国の方が多いのだ。

 その3大ツールでしか選手の顔を見ることができない国の方が圧倒的に多いはずである。だからせめてグランツールだけは有力選手が全て顔を揃えるようになって欲しいと願っているのはそうした意味からである。

 そして、私が今年のジロ・デ・イタリアに注目しているのは、昨年のグランツールの覇者が全て顔を揃える唯一のレースだからである。これが本来のグランツールのあり方のはずである。

 そう考えると、ジロ・デ・イタリアの主催者が急遽アスタナの参戦を認めた理由が見えてくるような気がしている。

 ジロ・デ・イタリアに歩調を合わせる形でアスタナの参加拒否を発表したツール・ド・フランスだが、主催者は今ごろ臍をかんで悔しがっているに違いない。

 ツール・ド・フランスの主催者は何とかリッコにでも勝ってもらって、ツール・ド・フランスに花を添えたいと願っていることだろう。

 アスタナの不参加でツール・ド・フランスに勝てる見込みが出てきたと考えたプロチームはほとんどの有力選手をジロ・デ・イタリアのスタートロスとから外した。

 CSCはサストレとシュレク兄弟をロットはエヴァンスとポポヴィチをツール・ド・フランスの為に温存してきた。

 ランプレも珍しくクネゴにジロ・デ・イタリアをパスさせ、ツール・ド・フランスを狙わせる腹積もりだろう。

 ラボバンクもメンショフの姿はあるが、ラボバンクは昨年のディスカバリーのようにトーマス・デッケルとの2枚エース体制で臨むような気がしている。

 事前に参加が決まっていたプロチームの中でエースをジロ・デ・イタリアに参加させているのはラボバンクだけなのだ。

 こうした背景にはアスタナがツール・ド・フランスに出られない今年しかツール・ド・フランスで勝てないという計算があるからに違いない。

 それほど他のチームにとってヨハン・ブリュイネールが率いるディスカバリーから有力選手が移籍したアスタナに脅威を抱いているのである。

 今年のジロ・デ・イタリアが今ひとつ盛り上がらないのは、3大ツールの優勝者が顔を揃えたものの、その他の有力選手がこぞってツール・ド・フランスに回ってしまったからだろう。

 そこでジロ・デ・イタリアの主催者は大会を盛り上げるためにアスタナを急遽参戦させるという手に出たと私は考えている。

 急遽参戦にも関わらずブリュイネールはツール・ド・フランス不参加を前提に有力選手を全てジロ・デ・イタリアに振り向けて生きた。

 チーム内では有力選手のスケージュールは既に決まっていたはずである。それを完全に白紙に戻しての参戦だけに、タダでは帰らないとは思っていたが、個人TTでいきなり総合優勝争いに加わって来た。

 腕を亀裂骨折しているコンタドールにここまでの走りを見せられては他のチームがアスタナを恐れる理由は当然だと思う。

 ツール・ド・フランスに出場できない以上ブリュイネールは間違いなくここは勝ちに来る。そしてヴエルタも征してツール・ド・フランスに出場していればグランツール完全制覇もあり得た実力を示してくれるに違いない。

 ランスが7連覇を成し遂げている最中にランスが強すぎてツール・ド・フランスがつまらなくなったという声も良く耳にした。

 しかし、繰り返すが強い選手が強く勝つのがスポーツなのだから、そうした不満はお門違いもはなはだしいといわざるを得ない。そして非難されるべきは優勝する選手やチームではなく、それを許し続けている他のチームにこそ向けられるべきなのだ。

 今年のツール・ド・フランスは鬼の居ぬ間の争いで、誰が勝っても今年のマイヨジョーヌの価値は半減すると私は思っている。

 真の王者アスタナを破って手に入れなければマイヨジョーヌの本当の価値はないと私は思っている。

 アスタナが参戦しなければ私はツール・ド・フランスを見るつもりはない。

 それは主催者に対する抗議と真の王者でないものがマイヨジョーヌを着る姿を見たくないからである。

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登録日:2008年 05月 21日 14:50:39

アスタナがチーム総合2位をキープ!!

リッコ 第91回ジロ・デ・イタリア第8ステージを制す

【5月18日 AFP】第91回ジロ・デ・イタリア(2008 Giro d'Italia)第8ステージ(リヴィソンドリからティボリ、209キロメートル)。
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(c)AFP

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 ローマ近郊ティヴォリにゴールするジロ・デ・イタリア第8ステージは、序盤からの5名の逃げをメイン集団はゴール前で吸収し、大集団のままゴールに向けての上りになだれ込んだ。

 有力選手たちが鎬を削るスプリントをリカルド・リッコ(イタリア、サウニエルドゥバル・スコット)が制して優勝。

 第2ステージに続くステージ2勝目を飾った。マリアローザはジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、クイックステップ)がキープしている。

 注目しているアスタナ勢はタイム差なしで、クレーデンが11位、ライプハイマーが14位、コンタドールが23位という結果に終わった。

 総合ではコンタドールが8位に、クレーデンが14位に、ライプハイマーが21位に順位を上げた。

 レースそのもはディルーカがよもやの位置から仕掛け、一度は先頭に踊り出たものの、最後はさすがに力尽き、リッコやベッティーニに交された。

 前半戦を見るとステージ2勝のリッコと総合で4位につけているディルーカの動きの良さが目立っている。

 しかし、総合4位のディルーカと8位のコンタドールとの差はわずかに29秒しかないことに驚かされる。

 チーム総合で見ると第6ステージで10分以上のタイム差で大逃げを決めたプリアーモが所属するCSFが1位だが、31秒差の2位にアスタナがつけている。

 優勝候補のディルーカを抱え、前半であれだけ目立った動きを見せ、ボッシーオで第7ステージまで勝っているLPRに7分以上もの差をつけていることになる。

 昨年の優勝者ディルーカが所属していたリクイガスのチーム総合成績もやはり2位だったし、ツール・ド・フランスでは勿論ディスカバリーがダントツの1位だった。

 グランツールのような3週間にも及ぶレースでは個人の能力だけでは限界がある。

 チーム力、つまりアシスト勢の能力も高くなければ総合優勝は難しいのだ。

 確かにリッコにはピエポリという強烈なアシストがいるし、ディルーカにもサヴォルデッリという過去にジロ・デ・イタリアを征している実力者がアシストとして控えている。

 にも拘らずチーム総合で見るとLPRとアスタナとのタイム差が7分以上、サウニエルドゥバルに至ってはリッコが2勝もしているにもかかわらず20分以上のタイム差が開いてしまっているのだ。

 昨年のジロ・デ・イタリアでは、サウニエルドゥバルはピエポリとリッコの山岳での活躍もあり、チーム総合では1位だったことを考えると、昨年と比べ前半から上りのステージが多いにも関わらず、ほとんど目立った動きを見せていないアスタナと20分以上もの差が生じているのは何故なのか?

 このままでいけば、第10ステージの個人TTでおそらくアスタナはチーム総合1位に返り咲くはずだ。

 ディルーカがコンタドールは10日後には調子を戻してくると口にしていたのは、コンタドールが第10ステージの個人TTに調子を合わせてくると見ていたからに違いない。

 ディルーカとしてはそこまでに少しでもコンタドールとの差を広げておきたかったはずなのだ。

 昨日の早仕掛けも思ったようにコンタドールとのタイム差を開けないディルーカのあせりと見ることはできないだろうか?

 このままのタイム差だと第10ステージでコンタドールに逆転を許す可能性をディルーカは一番怖れているのかもしれない。

 TTが速いクレーデンとは1分以上、ライプハイマーとは2分近い差があるので、第10ステージでの逆転はないはずだが、コンタドールの調子が戻っていればタイム差は大幅に縮まるはずである。

 第1ステージのチームTTでは遅れそうになっていたコンタドールが、今ではチームのトップに君臨しているのだから、まさに奇跡の男と呼ぶにふさわしいすばらしい選手だと思っている。

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登録日:2008年 05月 18日 15:16:38

奇跡の男コンタドール復活!!

コンタドール 第7ステージを8位で終える

【5月17日 AFP】第91回ジロ・デ・イタリア(2008 Giro d'Italia)第7ステージ(ヴァストからペスココンスタンツォ、176キロメートル)。アスタナ(Astana)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)は、首位と2分10秒差の4時間47分15秒を記録してステージを8位で終え、総合首位(マリア・ローザ)に立つクイック・ステップ(Quick Step)のジョヴァンニ・ヴィスコンティ(Giovanni Visconti)から7分56秒差の合計タイム32時間10分57秒で総合9位に浮上した。(c)AFP

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 中級山岳とはいえ、やはりこの第7ステージでジロ・デ・イタリア2008は本格的に動き出した!!

 優勝こそ逃げ集団で決まってしまったが、実質的な総合優勝争いはその後ろで確実に行われていた。

 ゴール前22kmの登りで集団スピードが急激に上がり、取材用のオートバイがいっせいに集団を追い越したとき、タイミングを狙っていたようにするするっとピエポリ(サウニエルドゥバル)が前線に踊り出た。

 そして昨ジロで山頂ゴール1勝を挙げ山頂ゴールアシスト成功2回を成し遂げているヒルクライマーを追いかけて、怒涛の勢いで飛び出していったのはディルーカ。

 昨ジロ王者から決して目を離さなかったリッコも、指の脱臼というアクシデントを感じさせない軽快さでディルーカの背後についていった。

 戦前の予想通りディルーカ対リッコの対決になるかに思われた直後に集団から飛び出したのはコンタドールだった。

 一時はディルーカさえも苦しめられたピエポリの高速リズムにも、ゴール前4kmでディルーカが加速をかけたときにも、まるで冷静な表情でついていったのだ。

 「直前まで海岸でバカンスを取っていたと言っていたのに!」とリッコが驚くほどの快調な走り。

 ディルーカは「コンタドールは大会10日後には準備万端になっているはずさ」と常々口にしていたが、2007年ツール王者は7日目にしてすでに恐るべきレベルまで回復していた。

 さすがに最後のゴールスプリントには参加できずディルーカとリッコに6秒引き離されてしまった。

 しかし、ジロ・デ・イタリアに照準を合わせピーキングをしてきたディルーカやリッコと直前まで歯の治療とヴァカンスをしていたコンタドールのタイム差がわずか6秒というのだから驚きだ。

 同じアスタナでもクレーデンやライプハイマーはさらに1分近く遅れてしまったのだから、アスタナがジロ・デ・イタリアへは準備なしに臨んでいることは確実だ。

 私は5月5日にツール・ド・ロマンディを征したクレーデンの方を上に見ていたが、どうやらアスタナはコンタドールをエースに今年のジロ・デ・イタリアを闘うことになりそうだ。

 本来ならレース5日前になって急遽参戦が決まったらほとんどレースにならないはずだ。アスタナの選手たちはそれぞれ次のレースを決め、それに向けた調整をしてはずなのだから。

 コンタドールもその例外ではないはずだった。しかし、彼には死の病から奇跡的に復活したという経歴がある。ランス・アームストロング同様死の淵を経験した選手はどこか違う力を身につけることがあるようだ。

 それもそうだろう、自分の死を思えば自転車に乗れるだけで幸せなはずだし、グランツールに出場できることは無常の喜びに違いないのだから。

 さらに自分の死を目前にした人間にとってこれ以上の苦しみはないはずだ。コンタドールの走りを見る度に私はそう感じている。昨年のツール・ド・フランスでも登りの勝負所でのパンクなど不運が重なり、なかなか思うような結果が出せないときでも、彼の口からは不満の言葉は全く聴かれなかった。

 最後の山頂ゴールでラスムッセンとのマッチレースに敗れたときも、悔しさを表情には出したが、それを言葉にすることはなかった。

 最後の個人TTでは相当苦しめられたが、何とかマイヨジョーヌを守りぬいた。

 そしてジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスから参加を拒否されたときも「残念だ」とはコメントしていたが、不満や不平の言葉は一切なかった。

 今年のジロ・デ・イタリア開幕前の記者会見でも、淡々とジロ・デ・イタリアに出場できることの喜びを語っていた。記者からのドーピングに関する質問が飛んだときも「いつでも準備はできている」と静かに応じていた。

 準備が万全でないため「優勝」という言葉は口にしなかったが、彼の中では出場する以上は全力で臨むという気持ちは当然あったと私は思っている。

 気持ちだけで勝てるとは言わないが、昨日の走りを見る限り、コンタドールは必ず総合優勝争いに加わってくると私は確信している。

 昨日のコンタドールの走りを見たディルーカとリッコはコンタドールの影に怯える日が続くはずだ。ディルーカ、リッコ、ピエポリの三人に付きいちで、最後のスプリントでも遅れたコンタドールを何故これほど彼らが恐れるのか?

 それは彼が昨年のツール・ド・フランスのチャンピオンだからではなく、死の淵から甦った奇跡の男の怖さではないかと私は思っている。

 百苦戦練磨のディルーカでさえコンタドールの復活には10日はかかると見ていたのに、コンタドールは1週間で調子を戻して来ているのだ。それだけでもコンタドールが並みの選手ではないことは明らかだろう。

相棒-たった二人の特命係-

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登録日:2008年 05月 17日 12:57:00

ジロ・デ・イタリア第6ステージで総合順位が大きく動く

ディルーカ 第6ステージを22位で終え総合8位に後退

【5月16日 AFP】第91回ジロ・デ・イタリア(2008 Giro d'Italia)第6ステージ(ポテンツァからペスキチ、232キロメートル)。LPRブレイク(LPR Brakes)のダニーロ・ディルーカ(Danilo Di Luca、イタリア)は、首位と11分34秒差の5時間36分23秒を記録して22位でステージを終え、合計タイム27時間23分19秒で総合8位に順位を下げた。(c)AFP

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 ジロ・デ・イタリア第6ステージはポテンツァからペスキチまでの232kmで行われ、大逃げを決めたグループから最後の上りでスパートをかけたCSFグループ・ナヴィガーレ(CSF Group Navigare)のマッテオ・プリアーモ(Matteo Priamo、イタリア)が5時間24分49秒を記録してステージ優勝を果たした。

 第6ステーも昨日同様コンチネンタルプロの優勝で終わった。今日からの山岳を前に目一杯の頑張りを見せた結果だろう。

 マリアローザを抱えるリクイガスが集団の逃げを容認した結果だが、メイン集団が10分以上遅れてゴールしたため、総合上位の顔ぶれが大きく変わってしまった。

 前日まで3位と好位置につけていたディルーカも11分34秒差でゴールし8位と順位を大きく落としてしまった。

 対するアスタナは集団ゴールしたクレーデンとコンタドールは順位こそ落としたものの、ディルーカとは21秒と23秒差と射程圏内にディルーカを捉えている。

 心配なのはこのステージで大きく順位を落としてしまったライプハイマーだろう。年齢的にはピークを過ぎた感もあるので無理はいえないが、終盤の山岳では貴重なアシストのひとりだけにもう少し調子を上げてもらいたいと願っている。

 今日の第7ステージは1級山岳を越え、2級山岳の登りゴールで、選手のコンディションがある程度把握できるコースだと見ている。

 序盤のここで遅れるようだと後半がかなりきびしくなるはず。とにかく今日のステージである程度有力選手が見えてくるはずだ。

 昨日マリアローザをヴィノッティで手に入れたクイックステップも山岳スペシャリストがいないので、無理にマリアローザを守りに行くとは考え難い。

 そろそろ山岳スペシャリストのソレルあたりが動き出してもいい頃だ。バルロワールドはここまであまり目立った動きを見せていないだけに不気味ではある。

 後はアスタナのクレーデンとコンタドールの調子がどこまで上がってきているかにも注目だ。

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登録日:2008年 05月 16日 22:04:09

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