2008年 05月 17日

奇跡の男コンタドール復活!!

コンタドール 第7ステージを8位で終える

【5月17日 AFP】第91回ジロ・デ・イタリア(2008 Giro d'Italia)第7ステージ(ヴァストからペスココンスタンツォ、176キロメートル)。アスタナ(Astana)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)は、首位と2分10秒差の4時間47分15秒を記録してステージを8位で終え、総合首位(マリア・ローザ)に立つクイック・ステップ(Quick Step)のジョヴァンニ・ヴィスコンティ(Giovanni Visconti)から7分56秒差の合計タイム32時間10分57秒で総合9位に浮上した。(c)AFP

AFPBB News


 中級山岳とはいえ、やはりこの第7ステージでジロ・デ・イタリア2008は本格的に動き出した!!

 優勝こそ逃げ集団で決まってしまったが、実質的な総合優勝争いはその後ろで確実に行われていた。

 ゴール前22kmの登りで集団スピードが急激に上がり、取材用のオートバイがいっせいに集団を追い越したとき、タイミングを狙っていたようにするするっとピエポリ(サウニエルドゥバル)が前線に踊り出た。

 そして昨ジロで山頂ゴール1勝を挙げ山頂ゴールアシスト成功2回を成し遂げているヒルクライマーを追いかけて、怒涛の勢いで飛び出していったのはディルーカ。

 昨ジロ王者から決して目を離さなかったリッコも、指の脱臼というアクシデントを感じさせない軽快さでディルーカの背後についていった。

 戦前の予想通りディルーカ対リッコの対決になるかに思われた直後に集団から飛び出したのはコンタドールだった。

 一時はディルーカさえも苦しめられたピエポリの高速リズムにも、ゴール前4kmでディルーカが加速をかけたときにも、まるで冷静な表情でついていったのだ。

 「直前まで海岸でバカンスを取っていたと言っていたのに!」とリッコが驚くほどの快調な走り。

 ディルーカは「コンタドールは大会10日後には準備万端になっているはずさ」と常々口にしていたが、2007年ツール王者は7日目にしてすでに恐るべきレベルまで回復していた。

 さすがに最後のゴールスプリントには参加できずディルーカとリッコに6秒引き離されてしまった。

 しかし、ジロ・デ・イタリアに照準を合わせピーキングをしてきたディルーカやリッコと直前まで歯の治療とヴァカンスをしていたコンタドールのタイム差がわずか6秒というのだから驚きだ。

 同じアスタナでもクレーデンやライプハイマーはさらに1分近く遅れてしまったのだから、アスタナがジロ・デ・イタリアへは準備なしに臨んでいることは確実だ。

 私は5月5日にツール・ド・ロマンディを征したクレーデンの方を上に見ていたが、どうやらアスタナはコンタドールをエースに今年のジロ・デ・イタリアを闘うことになりそうだ。

 本来ならレース5日前になって急遽参戦が決まったらほとんどレースにならないはずだ。アスタナの選手たちはそれぞれ次のレースを決め、それに向けた調整をしてはずなのだから。

 コンタドールもその例外ではないはずだった。しかし、彼には死の病から奇跡的に復活したという経歴がある。ランス・アームストロング同様死の淵を経験した選手はどこか違う力を身につけることがあるようだ。

 それもそうだろう、自分の死を思えば自転車に乗れるだけで幸せなはずだし、グランツールに出場できることは無常の喜びに違いないのだから。

 さらに自分の死を目前にした人間にとってこれ以上の苦しみはないはずだ。コンタドールの走りを見る度に私はそう感じている。昨年のツール・ド・フランスでも登りの勝負所でのパンクなど不運が重なり、なかなか思うような結果が出せないときでも、彼の口からは不満の言葉は全く聴かれなかった。

 最後の山頂ゴールでラスムッセンとのマッチレースに敗れたときも、悔しさを表情には出したが、それを言葉にすることはなかった。

 最後の個人TTでは相当苦しめられたが、何とかマイヨジョーヌを守りぬいた。

 そしてジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスから参加を拒否されたときも「残念だ」とはコメントしていたが、不満や不平の言葉は一切なかった。

 今年のジロ・デ・イタリア開幕前の記者会見でも、淡々とジロ・デ・イタリアに出場できることの喜びを語っていた。記者からのドーピングに関する質問が飛んだときも「いつでも準備はできている」と静かに応じていた。

 準備が万全でないため「優勝」という言葉は口にしなかったが、彼の中では出場する以上は全力で臨むという気持ちは当然あったと私は思っている。

 気持ちだけで勝てるとは言わないが、昨日の走りを見る限り、コンタドールは必ず総合優勝争いに加わってくると私は確信している。

 昨日のコンタドールの走りを見たディルーカとリッコはコンタドールの影に怯える日が続くはずだ。ディルーカ、リッコ、ピエポリの三人に付きいちで、最後のスプリントでも遅れたコンタドールを何故これほど彼らが恐れるのか?

 それは彼が昨年のツール・ド・フランスのチャンピオンだからではなく、死の淵から甦った奇跡の男の怖さではないかと私は思っている。

 百苦戦練磨のディルーカでさえコンタドールの復活には10日はかかると見ていたのに、コンタドールは1週間で調子を戻して来ているのだ。それだけでもコンタドールが並みの選手ではないことは明らかだろう。

相棒-たった二人の特命係-

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登録日:2008年 05月 17日 12:57:00

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