ツール第5ステージ-クレーデン・ヴィノクロフ落車
【7月13日 AFP】2007ツール・ド・フランス(2007 Tour de France)、第5ステージ(シャブリからオタン、182.5キロメートル)。アスタナ(Astana)のアレクサンドル・ヴィノクロフ(Alexandre Vinokourov、カザフスタン)は、トップと1分20秒差の4時間40分21秒を記録してステージ83位で終えた。(c)AFP
シャブリからオトンまでの182kmで行なわれたこの日の第5ステージは実に8つもの山岳ポイントが設定されています。どれも難易度は低いようですが、ゴール手前に2級山岳と3級山岳が連続するクラシックレースさながらのコースレイアウトでレースは行なわれました。8つの山岳でマイヨジョーヌの行方も変わる可能性もあって、期待の大きなステージでした。また、この日のゴール地のオトンは、99年のドフィーネ・リベレのプロローグが行われた街です。ツールの総合優勝を狙い、最後の仕上げにこのレースを選んだランス・アームストロングがローラン・ブロシャールを2秒差で下し、区間優勝。世界を驚かせたその後の快進撃は、周知の通りです。そんな所縁の地ですから、ディスカバリーの選手たちの活躍に期待したいステージでもあります。
国際映像が始まった段階での逃げは4人、シルヴァン・シャヴァネル(フランス、コフィディス)、ウィリアム・ボネ(フランス、クレディアグリコル)、フィリップ・ジルベール(ベルギー、フランセーズデジュー)、ジャンパオロ・ケウラ(イタリア、バルロワールド)で、プロトンとのタイム差は10分。山岳賞狙いのミラーを筆頭に、この日の逃げ集団は見事な協調体制で懸命の快走を見せていました。
総合で4位のミラーが逃げていることもあって、プロトンは早目の追撃に入りました。CSSコントロールではなく、総合を狙うチームに加え、この日のゴールスプリントを狙いたい、リクイガスやランプレなども加わり、徐々にタイム差を詰めて行きます。ゴールまで100km地点でタイム差は8分、80km地点で5分、そして55km地点で2分にまで縮まります。
7つ目の山岳ポイントであるオーフォランは今大会初登場の2級山岳。この登りが始まると先頭ではセレクションが行なわれ、先頭はジルベールとシャヴァネルの2人に絞られた。ここまで6つの山岳ポイントを全て先頭で通過したシャヴァネルはここも落とすこと無く獲得。シャヴァネルはこの日だけで30ポイントを稼ぎ出し、山岳賞のトップに躍り出でました。本来ミラーは山岳を狙うような選手ではないのですが、チームとしてよほどマイヨアポアルージュに拘りがあるのでしょう。総合上位(7位)のシャヴァネルにしてみれば、中間スプリントを取ってタイム差を詰めたいところ。しかし、スプリントポイントはボネ、ジルベール、シャバネルの順で通過し、8秒のボーナスタイムを失っているのです。
先頭2人は2分のアドバンテージを得てなおも逃げ続け、メイン集団はリクイガスがコントロール。しかし集団のペースが本格的に上がり始めたラスト25km地点で思わぬアクシデントが発生。総合優勝の最有力候補と目されるアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)が落車。チームメイトが6人戻って懸命に引きあげようとしますが、先頭シャヴァネルとの差を詰めに行っているプロトンのスピードは落ちません。サヴォリデッリを含む6人全てのアシストを使い切ってもプロトンに追いつけないヴィノクロフ。
最後の3級の登りで、ダビ・デラフエンテ(スペイン、サウニエルドゥバル)がアタック。しかし、すぐにスピードを上げるプロトンに吸収。山頂間際でローラン・ルフェーヴル(フランス、ブイグテレコム)が飛び出し最後の山岳ポイントをゲット。さらに下りでスピードを上げたヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、ディスカバリーチャンネル)がルフェーヴルをパスし期待通り逃げの体制に入ります。驚いたのはそれを追ってきたのがなんとマイヨジョーヌのカンチェラーラ。その間、ヴィノクロフは狭い3級山岳で落ちて来る選手を裁くのにも苦労しています。ポポヴィッチを追うマイヨジョーヌのカンチェラーラがカーブで膨らんで、ポポヴィッチと共にオーバーラン!!今年のツールは本当に何が起こるかわかりません。しかし、二人とも何とか落車せずにプロトンに復帰。マイヨジョーヌがここまですることはないのですが、やはりCSCとしては何としてもマイヨジョーヌを守りたいのです。それだけ、サストレに自信がないということなのでしょう。
ランプレが積極的にメイン集団を引き、その後ろにはジョージ・ヒンカピー(アメリカ、ディスカバリー)の姿も見え、面白い展開になってきました。残り2Kmでブイグテレコムの選手がアタック、それをデーヴィット・ミラー(イギリス、サウニエルドゥバル)がすかさず追いますが、スピードをさらに上げた集団に吸収されます。
ラスト350mのコーナーを曲がってスプリンターたちがスプリントを開始。オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)、エリック・ツァベル(ドイツ、ミルラム)が好位置でスプリントを開始し。見事なスプリント合戦になりましたが、ゴールラインをトップで通過したのはフィリッポ・ポッツァート(イタリア、リクイガス)。フレイレとの差は半車身もありませんでした。
落車のヴィノクロフは1分以上遅れてゴール。クレーデンとカシェキンの2人がプロトンでゴールしていますから、クレーデンとのタイム差も2分近くになっているはずです。悲願の優勝を狙うには、前半でのこの遅れは正直厳しいものになるはずです。アルプスでの結果いかんではエース交代という事態も充分考えられると思います。
このステージである程度のチームの力が見えてきました。CSCは明らかにサストレでの総合優勝に自信がないようです。優勝候補筆頭のアスタナの力は認めますが、今日のヴィノクロフの落車による遅れは痛いところ。それでもクレーデンとカシェキンが残っているのですが、こんなステージでアシストの脚を使いきっているようでは、後半の山岳は厳しくなるでしょう。アルプスを前にTTではなく8つの山岳を並べたコース設定の巧さに感心しています。
この日、積極的にパウリーニョで先頭交代に加わっていたディスカバリーが、ポポヴィッチとヒンカピーがエース級を温存して見せ場を作っていました。特に、中盤からのプロトンでの引きに積極的加わって、下りで後続を離してしまいそうな勢いがあったパウリーニョ。最後の下りで積極的なアタックをかけてカンチェラーラをあわてさせたポポヴィッチ。隙あらばとゴールを狙って上位に食い込んでいるヒンカピー。後半のステージに向けてディスカバリーがエンジンをかけて来たようです。
逆に目立たなかったのはケースデパーニュ。このままアルプスまでは静観のかまえなのでしょうか?ヴィノクロフには申し訳ないのですが、明らかに総合力上位のアスタナの今日のアクシデントは、今年のツールの総合争いを混沌とさせ、面白くしてくれたようです。今日の第6ステージはアルプスへのつなぎの平坦コースですが、いよいよ終末はアルプスに突入します。明日のコロンビエール、明後日のラルプデュエズからティーニュへの登りでいよいよ本格的な総合争いが始まります。
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登録日:2007年 07月 15日 16:29:27
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