ツールドフランス展望(6)

ヴィノクロフ 第9ステージを20位で終える

【7月18日 AFP】2007ツール・ド・フランス(2007 Tour de France)、第9ステージ(ヴァルディゼールからブリアンソン、159.5キロメートル)。アスタナ(Astana)のアレクサンドル・ヴィノクロフ(Alexandre Vinokourov、カザフスタン)は、ステージ優勝を果たしたバルロワールド(Barloworld)のマウリシオ・ソレル(Mauricio Soler)と3分24秒差の4時間17分48秒を記録して20位でステージを終えた。(c)AFP

AFPBB News


 今年のツールも前半を折り返すことになりました。今年のツール前半のポイントはなんといっても有力選手の落車でしょう。第1ステージでマイヨヴェール候補のマキュアンが落車。この日はチームメイトの献身的なアシストと自身の鬼脚で驚異的な勝利を飾ったマキュアンでしたが、翌日からは生彩を欠き、アルプス2日目にしてタイムオーバーでツールの舞台から早々に去って行きました。
 マキュアンがタイムオーバーでツールを去った第8ステージで、巧く逃げに乗って快調な走りを見せていたT-モバイルのエース・マイケル・ロジャースが、暫定のマイヨジョーヌというタイム差を開いていた段階で落車しリタイヤしてしまいました。T-モバイルは前日のステージで若手のホープ・ゲルデマンが逃げ切り、マイヨジョーヌとマイヨブランを獲得していただけに、エースの落車・リタイヤは本当に痛かったと思います。悪いことは重なるもので、この日はチームメイトのシンケヴィッツがレース後チームバスへ戻る途中、観客と激突して鼻骨骨折でリタイヤ。結局、T-モバイルのアルプス初日の栄光は2日目にしてもろくも崩れ初め、マイヨジョーヌばかりではなく、ゲルデマンのマイヨブランもアルプス最終日にはコンタドールに渡ってしまうことになります。
 しかし、最大の落車といえば、やはり第5ステージでのヴィノクロフの落車でしょう。この日の遅れは1分程度でしたが、アルプスを終えた段階でマイヨジョーヌのラスムッセンからは8分5秒遅れの総合21位に後退してしまいました。第10ステージでも後方のメディカルカーで膝のガーゼを交換するシーンが映し出されていましたが、右膝のガーゼは体液が染み出した常態でした。よくこんな状態で走ることができるものです。
 18日の地元フランスのレキップ紙には第9ステージで見せたヴィノクロフの涙を受けて「ヴィノの砕け散った夢」という大見出しが出ていたようです。同紙はすでにツール総合優勝から遠ざかった選手として、カシェチキン(アスタナ)、メンショフ(ラボバンク)、シュレク(CSC)、カルペッツ(ケースデパーニュ)の名前を挙げているようです。レキップ紙はアルプス終了時点でラスムッセンからのタイム差が4分以内が総合争い圏内の見ているようです。
 さらに同紙は第9ステージ途中にアスタナ監督の携帯電話にカザフスタン防衛大臣からメールが入ったという記事を掲載。内容は……チームリーダーをクレーデンに切り替えよ、との指令らしいのです。第8ステージで遅れたヴィノクロフを待ったため1分以上のタイムロスをしたとはいえ、クレーデンはまだ3分50秒遅れの総合8位。TT得意とあっては当然のことかもしれません。クレーデンなら2度の個人TTでラスムッセンを逆転することは不可能ではないはずです。この話が本当だとすると軍人であるヴィノクロフが上官である防衛大臣の命に背けるはずもありません。
 スポンサーとしては勝つためにはエース交代もやむなしというのは当然なのかもしれませんが、昨年のツールを目標にヴィノクロフ自身が動いて結成したチームだけに、ヴィノクロフの無念さがレース後の涙となって表れたのではないでしょうか。人には体の痛みよりずっと重い痛みがあるのですから。

カテゴリー[ 自転車 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 07月 19日 16:34:16

コメントを追加

Trackback

この記事に対するトラックバックURL:

カレンダー
< 2007年 07月 >
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31



プロフィール
nori
(男)
1955年12月15日
新Cycling Fan!!
インターネットQ&A!!
ドラマファン2007
最近のトラックバック
お気に入りリンク
検索