アスタナがドーピング疑惑でツールを去る!!

ヴィノクロフ 第13ステージ後のAサンプルで陽性反応

【7月25日 AFP】2007ツール・ド・フランス(2007 Tour de France)に参戦しているアスタナ(Astana)のアレクサンドル・ヴィノクロフ(Alexandre Vinokourov、カザフスタン)から、ドーピング検査で陽性反応が検出されたことが24日に明らかになった。
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(c)AFP/Justin Davis

AFPBB News


 現地で21日に行われた第13ステージ(アルビでの54km)の個人タイムトライアルを制したヴィノクロフだが、ステージ後に採取された血液のAサンプルから赤血球の異常が検出されたというショッキングなニュースが飛び込んできた。
 ヴィノクロフ本人と話をしたことを明かしたマネージャーのビヴァー氏は、「ヴィノクロフはどうしてこのような結果になったのか理解できないと言っていたが、検査方法は世界反ドーピング機構(WADA:World Anti-Doping Agency)により妥当性が証明されていて、結果には信憑性がある。ヴィノクロフには出場停止処分を下し、既に帰宅させた。個人的に大きなショックを受けているが、それはチームにとっても同じことだ」と、ヴィノクロフへの対応を語っている。
 この事件を受けたまたツールドフランスを主催するアモリー・スポーツ・オーガニゼーション(ASO)のパトリス・クレール(Patrice Clerc)社長と会談を行ったヴィバー氏は、会談後に、「クレール氏と話した結果、我々がツールから撤退することがベストな選択だという結論に達した。他のチームに対する適切な選択かどうかは分からないが、ASOを煩わせたくない」と語り、同大会からの棄権に合意したことを明かした。昨年のフロイド・ランディスのドーピングに陽性反応が検出されたのも、驚異的な走りで優勝を決めたレースでのことだった。
 くしくも同日、今年のジロ・デ・イタリアの大会期間中に行われたドーピング検査で不審な点が確認されたアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)に関して、イタリア自転車競技連盟(FCI)はイタリア五輪委員会(CONI)が提言した1年間の出場停止処分を覆し、ペタッキに処分を下さない決定をしたようだ。
 ペタッキの場合は気管支拡張薬サルブタモール(Salbutamol)の数値が異常に高いレベルで検出されたというものだったが、これは喘息を患っている選手に限っては診断書を提出すれば使用することができる薬物に分類されている。勿論、ペタッキは何年も喘息を煩っているため診断書を持っていた。それでもペタッキはこのことでツールへの欠場を余儀なくされているのだ。昨年凱旋門賞で3着と健闘を見せ日本を沸かせたディープインパクトもこの喘息薬の摂取で失格処分を受けている。
 私もそうだが、喘息患者が喘息薬を服用するのは当たり前のことだ。そこまでドーピングに過剰になるには過去にそれなりの理由があるのだが、風邪を引いても風邪薬も飲めないというのではあまりにも過酷過ぎるのではと思ってしまうのは私だけだろうか?
 そうまでして勝ちたいのか?という疑問を誰もが持つだろう。勝ちたいというより、グランツール(ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ヴエルタ・エスパーニャ)というレースはそれだけ過酷なレースなのだと私は理解したい。特に優勝候補たちにとっては・・・ドーピングを許容しろと言っているわけではない。その基準が厳し過ぎるのではないかと思っているだけなのだ。「水清くして魚住まず」になってしまってはもともこもないのだから。喘息患者が喘息薬を飲むことでツールへの道を断たれるというのは、どう考えても行き過ぎのような気がしている。
 ヴィノクロフはランディスやペタッキのような薬物ではなく、今ヨーロッパを騒がせている
血液ドーピングのようだ。血液を入れ替えることによってヘモグロビンの量を増やし、酸素の摂取力を高めるというものらしい。この血液ドーピング(オペラシオン・プエルト)によりウルリッヒは引退を余儀なくされ、バッソも2年間の出場停止処分を受けている。アスタナもオペラシオン・プエルトに選手ではなく監督が関与していたということで昨年のツールに出場が認められなかったという経緯がある。
 ウルリッヒ事件を契機としてドイツではドーピングに関する話題が随所で取上げられているようだ。今年のツールでも第8ステージ後の落車事故でツールを去ったシンケウィツからも陽性反応が出たと報告され、ドイツ国内でツールのTV中継を停止するという騒ぎにまで発展している。
 第13ステージの怪我をおしての快走は勿論、第15ステージでも感動的な走りでファンを魅了したヴィノクロフがツールを去ることになってしまった。ヴィノクロフのツール優勝を目標に結成されたチームが、ヴィノクロフのドーピング疑惑でチームごとツールを去ることを余儀なくされたのは何とも皮肉な話だ。アスタナでも今回のツール期間中にジロで総合3位のエディ・マッツォレーニをドーピング関与を理由にCONIの決定を待たずに解雇しているほどなのに。昨年もオペラシオン・プエルトの影響で涙を呑んでいたヴィノクロフだけに信じられないというのが本音だ。タイラー・ハミルトンの事件以来、血液ドーピングは注目され、充分な検査機器も使用されるようになっているのに・・・残念でならない。
 最終週にしてアスタナという最強チームが姿を消すと、優勝争いはラスムッセンとコンタドールに絞られたといっていいだろう。特に目下マイヨジョーヌを着ているラスムッセンにとってアスタナの欠場は追い風になるはずだ。TT得意なクレーデンを意識しなくてもいいのだから。これでコンタドールの表彰台もほぼ確定だろう。ただライプハイマーにも表彰台のチャンスが出てきてしまったので、エヴァンスマークに徹することになるかもしれない。あるいはチームとしてまずはエヴァンスをふるい落とす作戦にでることも充分に考えられるところ。

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登録日:2007年 07月 25日 14:42:09

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