余裕の4秒差・・・?

コンタドール ジロ・デ・イタリア第19ステージを終え総合首位を守る

【5月31日 AFP】第91回ジロ・デ・イタリア(2008 Giro d'Italia)第19ステージ(レニャーノからプレゾラーナ/モンテ・ポーラ、228キロメートル)。
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(c)AFP

AFPBB News


 前日の第18ステージのフォイクトに続きこの日の第19ステージも思わぬところでレースが動いた。

 ヴィヴィオーネ峠の下りでパオロ・サヴォルデッリが本領を発揮し、ダニーロ・ディルーカを引き連れて集団から飛び出したのだ。

 ドロミテに入ってから生彩を欠いていたディルーカが1級の山岳を2つも残して積極的に動いたのだ。しかも雨の下りで・・・

 最後の登りだけでは2分以上の差は詰められないと判断したディルーカらしい積極的な攻撃だった。勿論、下りのスペシャリストのサヴォリデッリがいてこその作戦だったのだろうが、男ディルーカの面目躍如の瞬間であった。

 マリアローザを擁するアスタナはコロムとクレーデンで追いに出るが、マリアローザを守らなければならないアスタナはリスクは犯せない。2つの峠の下りで2分ものタイム差がついてしまった。

 アスタナにとってはライプハイマーの不調が痛かった。モンテ・ポーラの上りに入りしばらくはクレーデンが引いていたが、ディルーカのペースは落ちない。このままではコンタドールのマリアローザはディルーカの手に渡ってしまう。

 たまらんという格好でコンタドールが動いた。これにはリッコとペッリツォッティ、ヴァンデンブロック、メンショフ、ヴァンデンブロックらが続く。集団がみるみる小さくなってゆく。コンタドールが一気にペースを上げてディルーカを追走する。

 残り2kmの地点でリッコがアタック!これにはセッラとコンタドールが合流する。ペッリツォッティやメンショフは遅れ気味。そしてリッコがもう一段スピードを上げ、コンタドールを引き離しにかかった。コンタドールは付いて行けない。

 しかし、コンタドールはあくまで冷静だった。ドロミテの厳しい上りで見せたように、自分の貯金をきちんと計算した走りに切り替え、無理に追うことはしない。チームカーからの適切な指示もあるのだろうが、コンタドールにあせりの色は全く見られなかった。

 逃げ切ったキリエンカから4分36秒遅れてディルーカが2位でゴール。さらに1分8秒遅れてリッコが5位で帰ってくる。デジタル時計がタイムを刻んで行く。リッコの手にマリアローザが移るのか?

 マリアローザグループが戻って来た。最後のスプリントで最後方に下がったコンタドールだが、集団ゴールでリッコとのタイム差は38秒。5位入選でボーナスタイムを逃したリッコはわずか4秒の差に泣いた。

 下りで無理にリスクを犯すことをせず、上りで遅れても慌てる素振りも見せなかったコンタドール。これがツール・ド・フランスを征した選手の自信なのか?コンタドールの脳裡には最悪のタイム差があるはずである。それは最後の個人TTで逆転可能と計算しているタイムだ。コンタドールの走りを見る限り、この日のタイム差より、トータルのタイム差を考えていたに違いない。

 状況によってはこのステージでマリアローザを手放してもいいという判断もあったはずだ。結果として4秒差でマリアローザを守ることになったが、それは結果論。コンタドールの中ではリッコとディルーカに1分程度のタイム差をつけられてもいいという計算があるに違いない。

 アスタナは昨年のディスカバリーのようにまだチームとして充分に機能していないように見える。ライプハイマーの不振もあるのだろうが、昨年のツール・ド・フランスのポポヴィッチように上りでゆさぶりをかけたり発射台になる選手がいない状況では、守りに徹するしかないのだ。

 それでもディルーカとのタイム差を考え、自ら動いて集団を活性化させタイム差を詰めにかかるあたりはベテランのクレバーさがある。リッコと1歳違いとはとても思えない。

 今日の第20ステージはチマコッピのガビア峠を越える長いステージで、今日がマリアローザ獲得のラストチャンスと考えているディルーカやリッコは当然早目に動いて来るだろう。昨日のステージで大きく遅れてしまったシモーニもこのままでは終わらないはず。

 昨日の走りを見る限り、ディルーカはまた下りで仕掛けてくるだろう。それをアスタナはチームとしてどれだけコンタドールを守れるのか?私はリッコとの4秒差よりディルーカとの21秒差の方が怖い気がしている。コンタドールも多分同じではないか?

 下りが得意とは云えないコンタドールにとって、今日の第20ステージが最大の試練の舞台になるかもしれないのだ。チームが機能しているLPRとチームが機能していないアスタナのチーム力の差が長い下りで露呈しなければいいのだが・・・

 今日のコンタドールはディルーカをぴったりマークすることになるはずだ。上りでリッコが仕掛けても自分で追うことはしないだろう。ディルーカをマークしていれば下りでリッコに追いつくことは難しくは無いからだ。昨日のあの短い下り2つで2分もの差を付けられているのだから、今日の長い下りは要注意だ!!

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登録日:2008年 05月 31日 12:31:25

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