2010年 F1開幕戦 バーレーンの結果から見えたコト



優勝は、フェラーリに電撃移籍したフェルナンド・アロンソ。
2位は昨年の不慮の事故から復帰したフェリペ・マッサ。
フェラーリの圧勝で幕を閉じた2010年の第1戦バーレーンGP。

予選でもフェラーリの2人が揃って上位(マッサ:2位/アロンソ:3位)に
しっかり食い込んできたコトから今シーズンのマシン《F10》は、
昨年とは違いかなりの戦闘力を秘めた名車であろうコトは間違いない。
また、スクーデリア・フェラーリが
2010年コンストラクターズチャンピオンシップの最有力候補であるコトも
ほぼ決定的と考えられる。

しかし、開幕優勝したからと言って手放しで喜んでばかりもいられない。
なぜなら決勝では敗れたとはいえレッドブルのセバスチャン・ベッテルが、
予選では他をまったく寄せ付けない途轍もない強さを見せたコトも事実だからだ。
特に予選2回目の「1:53.883」というスーパーラップはまさに驚異的。
往年のセナを彷彿とさせる神懸かり的走りであった。

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昨年までとはコースレイアウトを変更して行われたバーレーンGP。
延長されたコースは多くのドライバーから嫌がられた。
特に曲がりくねった5-7コーナー。ただでさえ先の見えにくいブラインドコーナー。
そこを横Gに耐えながら激しいバンプで揺さぶられるために視界はほぼゼロ。
さらに最後のクリッピングでマシンが撥ねるためにグリップを完全に失う。
そんな難コースを攻めあぐねる強豪たちを尻目に
着々とタイムを削り続けたベッテル。

ポールを決めた予選3回目のベストは「1:54.101」
予選2回目よりも約0.4秒遅れた。
それでも予選3回目2位のマッサより0.14秒早い。
予選2回目2位だったアロンソのタイムにも0.07秒上回るタイムだ。
つまり、今回の開幕戦の「最速男」は文句なくベッテルだったというコトだ。

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今年から決勝レースでの給油が無くなった。
昨年までの「決勝を見越した燃料重量によるハンデ」は無い。
つまり公式予選は、最初から最後まで「空タンク」によるガチンコ勝負だ。
予選3位のアロンソが予選記者会見で冴えない表情だったのは、
病み上がりの同僚マッサに「速さで負けた」悔しさのせいだろう。

だが、アロンソは焦らず騒がず。
決勝レースではスタートをキッチリ決めてマッサの前に出た。
さらにトップを快走していたベッテルがプラグ不調によってスローダウン。
幸運も手伝ってラクラクと1位を奪取。見事、初戦を制した。
どんなに予選で悪くてもチャンと結果を残すトコロが実にアロンソらしい。

でも、正直な話タナボタはタナボタ。
これからの前半戦の数戦、ベッテルとRB6によほどの不調が起こらない限り
今回のようなフェラーリの楽勝はありえないだろう。

今回は残念な結果となったが、ベッテルのレース運びの巧さには感心させられた。
フルパワーを出せないマシンを騙し騙し走らせてゴールまでたどり着き、
表彰台を逃しても4位でレースを終える粘り強さはすでにベテランの域。
ニキ・ラウダやアラン・プロストを思わせる。
今年のチャンピオン最有力候補は間違いなくベッテルだろう。

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今回のレースで意外だったのが、マクラーレンの出来の悪さ。
タイム的にも予選から決勝まで常にフェラーリやレッドブルから0.5〜1秒遅れ。
コレはすでに物議を醸しているディフューザーを禁じられた影響だろうか?
開幕前には「ハミルトン&バトンのWチャンピン体制」などと騒がれたが、
失笑を禁じ得ないほど見劣りがする結果である。

さらに見劣りがするのはバトン。ハミルトンに対して常に0.5秒遅かった。
開幕戦で「仮ナンバー2」がほぼ決定した感がある。
BARからホンダ、そしてブラウンとナンバー1待遇を欲しいままにしてきたが、
レーサー人生において初めて屈辱的シーズンになりそうだ。

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意外?それとも順当?ちょっと微妙だったのはメルセデス。
開幕前は「王の帰還」として注目を集めたシューマッハだったが、
フタを開けてみれば若手ロズベルグの後塵を浴び続ける結果に。

ブランクを考慮に入れて、常識的に判断するならば、
コンスタントに現役レーサーの0.3秒遅れというのは十分賞賛に値する結果。
それでもガッカリ感を免れないのは「皇帝」株への期待値が高すぎたせいか。

また前年度チャンピオンチームにしては
マシンの出来上がり度が「そこそこ」なのもさらにガッカリ。

去年の連勝ラッシュを見せた「ロス・ブラウン効果」もすっかり色褪せ、
チームの将来もマシンカラー同様に
「銀色」というより「灰色がかった」冴えない展望しか見えない。

これではシューマッハ起用も優勝請負人ではなく、「人寄せパンダ」ならぬ
「スポンサー寄せ効果」を狙ったものではないかと疑われても仕方ない。

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日本人にとってもう一つガッカリだったのは小林可夢偉だろう。

マシン&チームが元BMWというコトで少し期待していたが、
現実は「トロロッソより下」という実情が明らかになった。
Bチーム最下位…というか単独Cチームだろうか。
さすがにロータスやヴァージンに負けるコトはないだろうが
表彰台なんて「夢のまた夢」であろう。

さらに昨年末2戦の活躍ですっかり登り調子だった「可夢偉株」だが、
ココに来て本人の実力にも大いなる疑問符がついた。
決勝でのリタイヤという結果以上に超ロートルのデ・ラ・ロサに
予選で一度もタイムを上回れなかったコトがかなりイメージダウンである。
早急な対策を講じなければシーズン途中の交代もあり得る危機的状況だ。

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全体的な感想としては
「純粋に最速の人間がポールポジション」という
単純な予選形式が戻ってきたコトは諸手を挙げて歓迎したい。

さらに決勝レースでの給油禁止に対しては
「レースが単調になった」と反対意見が多いようだが、
「ナニが起きるか分からないからジッと見てる」という
昔のレース観戦スタイルが戻ってきたコトの方が率直に嬉しく思う。

ピットインのタイミングをアレコレ予想したり、
ピットタイムから逆算してピット回数を判断して、ハラハラしたりも楽しいが
単純にコース上の順位だけを追いながら
神のみぞ知るハプニングに驚くシンプルさの方が
レースの本来の姿であるように思うのは、単に私が古い人間だからだろうか?

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開幕前は「4強対決」とか騒いでいたが、
バーレーンの結果を見る限り
「ベッテルVSフェラーリ」という図式が現実的ではなかろうか?
マクラーレンはハミルトンのみがチャンピオン争いに絡んでくるだろうが
そうなるのは後半戦以降だろうか?

そしてメルセデスは、去年のBMWかトヨタ的存在になりそうである。
すでに親会社のダイムラーからもF1続行に難色が示されている事からも
正直、今年いっぱいが「正念場」ではなかろうか?
そして、シーズン終了とともに…という結末も
BMWやトヨタの後を追いそうな予感がする。

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登録日:2010年 03月 16日 18:58:24

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プロフィール
斎藤モ吉
(男)
福岡の片田舎でデザイナー兼ライター営業中。F1にハマったきっかけは、仕事関係で見始めた1987年のドイツGP。プロストとピケの麗しい姿に感動。
好きなレーサーは、ジル・ヴィルヌーブとアイルトン・セナ。好きなF1マシンはフェラーリ312T4。好きなF1マンガは『赤いペガサス』。好きなF1映画は『グランプリ』。好きな言葉はジル・ヴィルヌーブの『来年がやってくるってどうして言えるんだい? 』
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