2006年 09月 28日
「超新星クビサに大注目!」で一句
<F1・第15戦 イタリアGP>M・シューマッハ 今季6勝目を飾りアロンソとの差を2ポイントまで詰める - イタリア
【モンツァ/イタリア 10日 AFP】F1・第15戦・イタリアGP(Italian Grand Prix)、決勝。2番グリッドからスタートしたフェラーリ(Ferrari)のミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)は、2位に8秒差以上つけての優勝、今季6勝目を飾りドライバーズポイント・ランキングでトップを走るルノー(Renault)のフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)との差を2ポイントまで詰めた。(c)AFP/PATRICK HERTZOG
走りはGood! ポーランドの星 顔は××
[解説]
今年のイタリアGPは、ミハエル「衝撃の引退宣言」に全部持って行かれた感がありますが、アレさえなければもっと話題になっていたはずのロバート・クビサの走り。
ジャック・ヴィルヌーブを追い出して獲得したレギュラーの座。それも走りを見れば一目瞭然。レーサーとしての勢いの差は歴然。しかも弱冠21才という若さですでに実力十分。久々の期待度200%の大型新人です。
あともう少し顔が××(チョメチョメ)でなければ、女の子たちからもキャーキャー言われたでしょうに…残念。
[雑感]
昨年のワールドシリーズ・バイ・ルノー初代チャンピオン(4勝)。今年からBMWザウバーのサードドライバーに起用され、金曜日に見せるタダ者でない走りが情報通の間で密かに噂になっていたロバート・クビサ。
デビュー3戦目の3位表彰台という結果で、実力が噂以上であることを証明して見せたクビサ。その第15戦イタリアGPでの走りをプレイバックします。
◆見所 その1
絶妙なスタートを切ったクビサは、出遅れたバトンを抜き、けん制するフェラーリのマッサに対してピットアウトレーンの外まではみ出しながら反撃。第1シケインの飛び込みでまるまる1車身先行、ブレーキング競争で白煙を上げつつイン側をキープして競り勝ちます。その直後、シケイン通過中に同僚ハイドフェルドと並び、立ち上がり加速で一気に抜き去り、6位から3位へジャンプアップします。
トレビアン!目に焼き付くような鮮烈なオーバーテイク。
このモンツァの第1シケインは、レースアクシンデントが多い事で有名なのですクビサのライン取りは実にクリーンで、文句のつけようのないまさにお手本と言えるパッシングシーンでした。
◆見所 その2
1周目からクビサを執拗に追い上げるマッサ。しかし、クビサは地力で劣るF1.06を巧みに操り、マッサにまったく付け入るスキを与えません。ついにシビレを切らしたマッサがピットインしてしまう19周もの間、新人とは思えない落ち着いた走りで「トルコGP優勝者」を抑えきります。
◆見所 その3
ミハエル、ライコネンが次々とピットインし、クビサは5周だけ暫定トップを走ります。その21周目に彼は「1' 23'' 111」の自己ベストを出します。このタイムを上回ったのはミハエル、ライコネン、マッサの3人のみ。リタイアしたアロンソのベストより1/100秒上回っていました。
◆見所 その4
予選中のペナルティを受け10位スタートだったアロンソはじわじわと順位を上げ、終盤39周目には、ついにクビカの背後まで迫ってきます。毎周0.5秒ずつ差を縮められたクビサは背中にアロンソを貼り付けたまま同時ピットイン。そして同時ピットアウト。ピットレーンでアロンソと横並びになったままコース復帰します。しかし、ここで一瞬出遅れたためにアロンソの先行を許し、アウトラップで2.189秒差をつけられ置いていかれます。
◆見所 その5
その3周前にすでに2回目のピットインを済ませていたマッサが「1' 23'' 003」の自己ベストを更新しながらクビサの背後へ再度迫ってきます。マッサVSクビサのリターンマッチ再開!と思われた矢先、クビカの前を行くアロンソがメインストレートエンドでいきなりエンジンブロウ。派手にオイルと煙を吐き出しながらリタイアします。
◆明暗
ここでクビサとマッサに決定的瞬間が訪れます。クビサは、アロンソの真後ろにいたにも関わらず、落ち着いてマシンを半分イン側に避けて走らせ、オイルの被害から身を守ります。ところが、マッサはまともに煙の中へ突っ込み、パニックブレーキでタイヤをロックさせ、右フロントタイヤに激しい偏摩耗(フラット・スポット)を作ってしまいます。やむなくピットインして順位を落としたマッサは、そのままポイント圏外でチェッカー。一方のクビサは、敵のいなくなったコースを危なげなく走り見事3位をゲットします。
◆「デビュー3戦目で表彰台」の価値
かなり凄いと思います。過去のデータでもマイク・ホーソン(3位)やブルース・マクラーレン(3位)、W. フォン・トリップス(3位)、ラルフ・シューマッハ(3位)と肩を並べる記録で、あのジム・クラークでさえ5戦目(3位)、セナは6戦目(伝説の1984年/雨のモンテカルロ 2位)、マンセルが7戦目(3位)、ミハエル・シューマッハは8戦目(3位)ですから、クビサの将来性はなかなか有望ではないでしょうか。
◆フランスGPで魅せた走り
私がクビサに注目したのは、フランスGPでのフリー走行2回目のタイムでした。
ロバート・クビサ 1' 16'' 902(金曜フリー走行2回目)
この頃はまだクビサはサードドライバーなのでジャックやニック・ハイドフェルドの露払い的役割でした。しかし、金曜日のフリー走行で出すタイムで常にクビサは注目を集め、その評価がチーム内外でぐんぐん上昇して行きます。それがレギュラー2人へ多大なプレッシャーを与え続けていました。それがピークに達したのがフランスGPでした。
ニック・ハイドフェルド 1' 16'' 686(予選1回目)1' 16'' 294(予選2回目)
ジャック・ヴィルヌーブ 1' 17'' 304(予選1回目)
コースにラバーが十分乗っていない状態でクビサの出したタイムは、本予選でも14番グリッドにつける位置。レッドブルのクリエンの後ろ、ホンダのバリチェロの前となり、16位のジャック・ヴィルヌーブよりも前でした。
◆ドイツGPの波乱
続くドイツGPでも、クビサは金曜日トップの好タイムを記録。
それがジャックの焦りを招いたのでしょうか…。ホッケンハイムの決勝スタート直後、ジャックは同僚ハイドフェルドと接触。この時のダメージが結果的に両者リタイアというサイアクな結果を招いてしまいます。BMWの地元ドイツで犯した「あってはならない失態」。やがてBMWザウバー首脳陣はある決断を迫られます。
「ジャック・ヴィルヌーブ放出」その口実を与えてしまったのは、誰でもないジャック自身でした。
◆デビュー戦
「ジャック・ヴィルヌーブ欠場の代理」という名目でF1デビューを果たしたクビサ。いきなり予選で先輩ハイドフェルドより速いタイムを叩き出し、予選1回目でマッサ、ライコネン、バトンに続く4番手タイム。昼の予選2回目では、さすがに順位を落としますが、それでもハイドフェルドより1つ前の9番グリッドを獲得しました。順調のデビュー戦と思われましたが…。
◆不運
雨で荒れた決勝レースは、ハイドフェルドが3位表彰台を獲得したのに対して、クビサは雨に弱いミシュランタイヤに足をすくわれつつポイント圏内を走行。しかし、タイヤ交換をキャンセルして乾いた路面を走り続けた事が災いし、すり減り過ぎたタイヤ分だけレース後車検で最低重量を2kg下回ってしまい、失格裁定を受けてしまいます。せっかく獲得した2ポイントが剥奪され、何より貴重なデビュー戦初入賞記録まで抹消されるという不運に見舞われます。
◆危うしハイドフェルド
ハンガリーGPで表彰台を獲得し、一安心と思っていたハイドフェルドですが、これでまたNo.1の地位が危うくなりました。しかも、現在サードドライバーを勤めるのは、同じドイツ出身のセバスチャン・ベッテル。これがまたクビカに勝るとも劣らぬ速さを見せつける驚異の新人でBMWのお気に入りです。ハイドフェルドの眠れない夜はまだまだ続きそうです。ただし、ベッテルにはレッドブルがすでに目をつけているという話もあり、来季の去就もまた微妙なのですが…
◆最後にスーパーアグリのお話
さて、前回のトルコGPからスーパーアグリのサードドライバーにフランク・モンタニーが復帰しました。
山本左近は、日本GPまでにせめて完走という「最低限の結果」を出さないと、ホンダのサードドライバー、アンソニー・デビッドソンとの交代が噂される来季どころか、最終戦ブラジルを待たずにモンタニーと交代という事態もありうる、まさに崖っぷち状態です。
ドライバーの腕だけでマシンは、見違えるほど速くなるという良い見本をクビサに見せられた亜久里代表がいつ決断を下すか、それが問題…。
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登録日:2006年 09月 28日 15:10:35
- プロフィール
- 斎藤モ吉
- (男)
- 福岡の片田舎でデザイナー兼ライター営業中。F1にハマったきっかけは、仕事関係で見始めた1987年のドイツGP。プロストとピケの麗しい姿に感動。
好きなレーサーは、ジル・ヴィルヌーブとアイルトン・セナ。好きなF1マシンはフェラーリ312T4。好きなF1マンガは『赤いペガサス』。好きなF1映画は『グランプリ』。好きな言葉はジル・ヴィルヌーブの『来年がやってくるってどうして言えるんだい? 』
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