2006年 11月 11日
「ミハエルの栄光の影にも歴史あり」で一句
<F1 フェラーリ・ワールド・ファイナルズ>M・シューマッハがエキシビジョン走行を行う - イタリア
【モンツァ/イタリア 29日 AFP】フェラーリ(Ferrari)がシーズン終了後に毎年行っている展示会、フェラーリ・ワールド・ファイナルズ(Ferrari World Finals)が最終日を迎え、22日に行われたF1最終第18戦のブラジルGP(Brazilian Grand Prix)で16年に渡る現役生活にピリオドを打ったミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)がエキシビジョン走行を行った。(c)AFP/VINCENZO PINTO
ミハエルも 石の上に 苦節4年
[雑感]
すでにシーズンも終了。さて、これから何を頼りにブログを上げればいいのやら?そんな事をぼんやり悩みながら、過去のビデオを見返してまた勝手な想像をふくらましてます。
でも、このフェラーリ移籍後4年間のミハエルって、「天中殺?(古っ!)」と思うほど挫折を味わい、人生一番ツライ時期を過します。F1ファンにとっても、見ていて実につまらない時期。特に97年なんて、録ったビデオを消しちゃうぐらい画面上は何も起きてない部分のレースがダラダラ流される(おそらくFOCAによる「国際映像88%ルール」のせい)悲惨な時代。
最終戦、必死のカミカゼアタックも空しく栄冠をジャックに明け渡したミハエルは、自らの掘った深〜〜〜〜い穴の中ハマってしまいます。
ミカ・ハッキネン全盛期には、完全に敵キャラ的存在。足ぐらい折らなきゃ、誰も同情してくれない。それでも、ミカがコース脇で「クスン」と泣いた方がずっと同情を集めてたりして…なんて、ミハエル暗黒時代の始まり、はじまり〜。
◆1996年 不振の予感
開幕戦オーストラリアで…、いや、それ以前にミハエルには分かっていたはず。かつて天才と謳われたジョン・バーナードの才能はもう「枯れちゃってる」事を。
ミハエルの乗るニューマシンF310は、見るからに失敗作っぽい車でした。
アドリアン・ニューウィーがフィン一枚でレギュレーションの穴をくぐり、空力バランスを追求したマシンを用意してきたのに対し、古株のイギリス人デザイナーが引いたデザインは、ドライバー保護を生真面目に受け止め過ぎ、コクピット周りをダムのように囲い込んでいました。そのためにドライバーのヘルメットが乱流を起こし、エンジン吸気の妨げとなったのです。ミハエルやアーバインは、少しでもインダクションポッドに空気を流すために首をかしげて走るという苦労まで強いられたのです。それでもトップスピードではウィリアムズどころか古巣ベネトンやジョーダンのマシンにすら劣る状況でした。
激しい雨に見舞われたインテルラゴス。3番グリッドスタートのミハエルは、序盤からウィリアムズのヒルにカンタンに置いていかれます。しかも、母国で意気上がるバリチェロや前年のフェラーリドライバー・ベネトンのアレジにまでパスされ、その戦いを後ろから指をくわえて見ているしかない状態。それでも不運なバリチェロのリタイアに救われる形で表彰台の隅をやっとゲットできました。それは、マシンポテンシャルからすれば上出来な結果でした。あとで判明するのですが、その空力の悪さゆえにダウンフォースが効き過ぎ気味なF310は、雨天レースだけは強かったのです。
このレースは、ミハエルのシーズンを象徴していました。
チャンピオンシップはヒルとヴィルヌーブ2人の間だけで争われ、ミハエルは蚊帳の外。公約通りに意地で勝ち取った3勝も運の良さに救われた部分が「大」。年間ランキングも3位どまりでした。
◆1997年 ままならない焦り
この年も、バーナードがデザインしたF310Bが投入。前年より多少向上した部分があるとはいえ、ウィリアムズのマシンに比べてメカニカルグリップが不足していました。
しかし、同じ轍は踏まないミハエル。ジャン・トッドと共謀して、シーズン早々バーナードをフェラーリから追い出し、代わりにベネトンで成功を共にして信頼関係を築いたローリー・バーンとロス・ブラウンを招き入れる事に成功します。
しかし、シーズン当初はまだマシンの素性の悪さに足を引っ張られます。
インテルラゴスでは、ウィリアムズのジャック・ヴィルヌーブについて行く事すらできませんでした。ピットストップの度に順位を落とし、ベネトンのベルガー、プロストのパニス、マクラーレンのハッキネンに続く5位がやっとでした。
このレースでフェラーリは、始めて電子制御式ブレーキバランスシステムを投入しています。しかし翌年には、より完成された類似システムを使うマクラーレンを「違反だ」と訴えます。…悔しかったのでしょう。
第7戦カナダ、第8戦フランスの2連戦でポールトゥーウィンを上げ、無敵ウィリアムズに必死に追いすがるミハエル。しかし、終盤のモンツァ、A1、ニュルブルクリンクで失速。
そして、最終戦・ヘレス…前代未聞の失望感を多くのF1ファンへ与え自爆。
◆1998年 届かない首位の座
開幕戦、たった5周でフェラーリエンジンがブロウ。悔しさと同時に、マクラーレンの驚異的な速さを思い知らされたミハエル。続くインテルラゴス。予選ではまたフロントロウをハッキネン&クルサードのマクラーレンコンビに奪われ、3位。シーズン終盤になるまで、ミハエルはほぼセカンドロウスタートが指定席となります。
決勝では、2回目のピットインでエンジンストールさせてしまうなど「らしくないミス」が見られるも3位表彰台。しかし、マクラーレンとの差は圧倒的に思えましたが、ミハエルはチャンピオン争いへの意欲十分でした。
100%信頼するローリー・バーンの手によるフェラーリマシンF300。自信満々で迎えた98年シーズン。しかし、シーズンが進むにつれてミハエルとフェラーリマシンとのちぐはぐさが如実となってきます。その主な原因は、グッドイヤーの用意したグルーブドタイヤ。マクラーレンが履くブリヂストンの方が明らかに優れていたのです。
ミハエルの次のターゲットが決まりました。「ブリヂストンが欲しい」でした。
雨のスパでのクルサードへの追突、最終戦、鈴鹿のスタートでのエンスト。この二つの「らしくないミス」でミハエルはチャンピオンをまた逃してしまいます。
◆1999年 勝負できない辛さ
無敵神話に影?開幕戦オーストラリアで2台ともメカニカルトラブルでレースを失ったマクラーレン。アルゼンチンGPのキャンセルで1ヶ月後に開催されたブラジルでも問題は未解決のままでした。予選でフロントロウを獲得したハッキネン&クルサードでしたが、決勝スタートでクルサードはグリッド上にスタック。ハッキネンも首位を快走中に突然スローダウンするトラブルに見舞われます。
クルサードは結局リタイアとなりますが、ハッキネンの方はなんとか持ち直し、ミハエルと2位争いを続けます。しかし、1回きりのピットインで首位をハッキネンに明け渡したミハエルは、ゴールまでタイム差は縮める事ができないまま2位フィニッシュ。
一見ハッキネンとレースをしたように見えましたが、実質的には、不安を抱えたMP4/14をハッキネンがセーブしながら走ったに過ぎません。速さでフェラーリはマクラーレンの敵ではありませんでした。
このGPでは、地元レースで頑張ったバリチェロがエンジンブロウで42周でリタイアするまでスチュアート・フォードで素晴らしい走りを見せました。彼は、翌年ミハエルの同僚として迎えられ、長いフェラーリ安定政権の地盤を支え続ける事になります。
このレースでは、もう1人のブラジル人ドライバーが不運に見舞われます。B.A.Rのジャック・ヴィルヌーブの同僚リカルド・ゾンタです。土曜日のフリー走行中に大クラッシュ。当初は軽い怪我と思われていましたが、左足を骨折し3戦欠場する事になります。
ミハエルの全治3ヶ月6戦欠場に比べれば、まだ軽かったと言えますが…。
しかし、この年の骨折による戦線離脱が、ミハエルにこれまでのレース人生を振り返る猶予を与え、そこで学んだ様々な事が後の常勝フェラーリの体制作りに役立ったのだから、まさに「怪我の功名」といえるでしょう。
(まだ続く?)
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登録日:2006年 11月 11日 19:59:32
- プロフィール
- 斎藤モ吉
- (男)
- 福岡の片田舎でデザイナー兼ライター営業中。F1にハマったきっかけは、仕事関係で見始めた1987年のドイツGP。プロストとピケの麗しい姿に感動。
好きなレーサーは、ジル・ヴィルヌーブとアイルトン・セナ。好きなF1マシンはフェラーリ312T4。好きなF1マンガは『赤いペガサス』。好きなF1映画は『グランプリ』。好きな言葉はジル・ヴィルヌーブの『来年がやってくるってどうして言えるんだい? 』
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